[255] 終わらない戦い 8章 |
- 聖徳大志 - 2005年12月22日 (木) 11時58分
作者「もしかしたら今年はこれが最後・・・」 大天使「んなわけないでしょーが」 -----------------------------------------------------------
「ようやく下山終了か・・・」
フェイズが愚痴った。長い山道を乗り越え今はふもとに居る。
「この近くに街があるはずだ。一旦休んだ方が良いな」
シスルが先頭に立って歩き出す。皆も、それに着いて行った。 少し歩くと、結構華やかな街並みが見えてきた。だが・・。
「?何だか妙に静かだな」
セシルが周りを見る。確かに、街の大きさからしては人気が 少ない、それどころか外に居るものは誰も居ない。
「あんた達、何やってるんだい」
近くの民家から、中年女性が現れた。
「何って、旅の途中・・・・」
フェイズが言い掛けると、女性は包丁を取り出した。
「は!?」
「大きな声出すんじゃないよ。今から、あの男を街の者 総勢で殺す」
女性が指差した先には、以前遭遇した仮面の男と、3人の 部下が居た。
「あいつはね、帝国が雇っている戦闘団の幹部、ルイスって 奴なんだ。領地を侵して何か仕出かそうとしてる気味の 悪い奴さ」
「やっぱり帝国絡みだったのか・・・」
シスルが呟く。
「合図だ!行くよ」
女性が走り出すと同時に、他の民家からも人が大勢出てきて、 建物の屋根からは弓兵部隊が現れ、構えた。
「何事だ・・・」
仮面の男が言う。
「帝国の犬め!俺達の国で何をやろうってんだ!」
鎌を持った若い男が叫ぶ。
「おや、知られていたのか。これは想定外だ・・・」
「ふざけるな!ぇ!」
若い男と同時に住人達が一斉に詰め寄る。部下の男達は 倒されたが、仮面の男は思いも寄らない場所に居た。
「あ、あいつ!空を飛んでるぞ!」
男の背中から黒い翼が現れ、住人を見下している。
「余計な殺生はしたくない。だが、同胞の敵を取らねばな」
男は剣を抜くと、切っ先を群集に向けた。
「地を揺るがす大いなる闇よ・・・ 剣に集いて我が裁きの 牙と成れ」
男は更に飛び上がると、剣を地面に投げつけた。
「ヘルダイス・クェイク!」
闇の波動が地面に亀裂を作り、衝撃は群集へ襲い掛かった。 一瞬にして、街は屍と瓦礫の山となった。
「こ、こいつ・・・!」
シスル達の所へはギリギリ衝撃が届かなかった。だが、仮面の 男はこちらに気付いているようだった。剣を地面から 抜くと、こちらに向かってきた。
「!・・・・やる気か?」
フェイズが剣を抜きながら聞く。
「自分達が相手にしているものが何なのか・・・。よく知って おくのだな」
男は剣をしまうと、転移術で何処かへ消えていった。
「あの翼、見たか?・・・敵の体にはとんでもない力が 宿っているんだな」
セシルが溜息をついた。
「でも・・・ 行くしかない。帝国が絡んでいる事は 分かったんだし、急ごう」
「えぇ。その通りね」
フェイズとネイルが言った。
「・・・・」
シスルも、街の人たちへ供養をしてから走って着いて行った。 -----------------------------------------------------------
作者「次回もお楽しみにー(ぁ」
大天使「楽しんでくれてる方がいるといいんだがね・・・」 続く
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