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[397] 夢幻と現実の狭間 〜1章 第7話〜
闇の大天使 - 2006年11月02日 (木) 00時34分


三人は怪物の動きが遅い事を利用し、一気に散開して距離をとる。
知性が低いのか、その行動に反応する時もゆっくりと
辺りを見回すだけだった

「いくぜ…このバケモノ」

駿は一気に走り出し距離を詰め、怪物に飛び掛る。鈍い動きで
腕を振り上げ迎撃しようとするも、駿の速度に追いつけていない

大きな隙を利用して、力を込めて腹部を蹴り上げる。だが、
怪物はビクともせず、先程見せた冷笑を駿に向けるだけだった


「チッ、堅いな」

舌打ちして後退を試みた駿の体を、先程使わなかった方の
左手で掴み上げる。力はさほど強くないが、怪物がしようと
している事は一瞬で察する事ができた

大きく口を開き、鋭い牙が怪しく黒光りする。
瞬時に危機を感じた駿は足を振り上げ、怪物の額に
踵を叩き落す


「グギャアァァァッ!!」

先程見せた余裕とはまるで違う、激痛に歪んだ表情を見せる。
手に力も入らなくなったのか、駿は怪物の左手から解放された

「こいつ、額が弱点だ!」

直感した。腹部の攻撃には全く動じなかったはずが、
額への直接攻撃であそこまで怯んでいる。それは、
駿の中で、奴の弱点と言う一つの答えを導き出した


すると、損壊した棚と瓦礫の山の中に豹介が飛び込む。
元々はナースステーションだったそこで、ひたすらその瓦礫を
漁っている

「あった…!駿、これを使え!!」

叫んだ彼が駿に投げ付けたのは、カッターナイフだ。
これなら、蹴りで攻撃するよりも有効だと判断した豹介の
機転だった


宙を舞うナイフを掴み取ろうと、駿は手を伸ばす。
だが、彼の視界にあったそれは、一瞬の内に消えうせた

激痛で暴れまわる怪物の腕がカッターを弾き飛ばし、
それは何処へ姿を消してしまった


「ウガアァァァッ!!」

怪物は自ら炎の中に飛び込み、のた打ち回った。
再び起き上がると腕を振り回し、暴走を始める

「ヤバイんとちゃう?このまま奴が暴れまわったら、ますます炎は
勢いを増す…」

「近くに消火器は?」

「えぇと…無いな。悪いけど、僕は別の場所で消火器を
探してくる。死んだらアカンよ、豹介、駿」

「分かってる。任せたぞ」


勿論、駿は夜一が逃げるとは思っていないし、彼自身も
逃げるつもりは無い。だが、死地に友人を残して
場を離れると言うのは心苦しいこと限りない

「さぁて…どうする?」

「奴の体についてる炎を消さなきゃ、返って僕たちが
危険だ。何とか奴の攻撃を回避して、夜一を待たなきゃ…」


怪物の攻撃にはパターンは無いが、大振りで避けやすい。
夜一の到着を待つ分には、充分時間を稼げそうだった

だが…その予想を覆しそうになる事態が起こる

「!」

突然、怪物は暴走の中瓦礫を手にして、駿に投げ付ける。
駿は横に飛び退き回避するが、更なる攻撃の予感があった


「何てことしやがる…」

「駿、とりあえず柱の影に隠れながらチャンスを待つんだ!
奴の知力の無さから見ると、攻撃は止めてお前の発見に
意識を向けるだろうから」

怪物の特徴を瞬時に判断した豹介の解析に駿は頷き、
柱に身を隠す。すると、豹介の判断どおり、瓦礫を手に持った
まま辺りを見回し、駿を探し始めた

豹介も、それに合わせて瓦礫に身を隠す。怪物と
駿がいる位置から、ナースステーションは離れているので、
ここは大丈夫と言う確信があった


足音の聞こえる方向に耳を傾け、それとは逆の方向に
身を寄せ、怪物の視界に入らないように意識する

駿の聴覚は、足音が遠ざかっている事を察する。
それに合わせて、彼は少しだけ顔を出し、位置を確認している


「こっちに近づいてる…?」

豹介は足音が近づくと共に、動悸が激しくなるのを全身で
感じる。 こちらは、逃げ場も無いし武器も無い。
つまり、見つかったら対抗策が無いのだ

足音が止まった瞬間、彼は呼吸すら止めた。
気配がする。この瓦礫の向こうに、奴がいる。僅かに視線を
上に遣り、奴が遠ざかるのを待つ


だが…そうはいかなかった。怪物の頭が、ゆっくりと
豹介を覗き込むように現れる。3mもない近距離で目が合い、
豹介の身は完全に凍り付いてしまった

「チッ!豹介っ!!」

友人の最大の危機に、咄嗟に駿は飛び出す。だが、
それを察した怪物は振り向き際に瓦礫を投げ付け、
それは駿の体に直撃する

「ぐあっ!」

駿の動きも封じ、最早障害も何も無くなった怪物は、
先程と同じ様に、豹介を食そうと、右腕をゆっくり伸ばした


「させるかっ!」

ブシュウゥゥゥゥ!! 激しい噴出音と共に白煙が怪物を
包む。それに合わせて、怪物の体で燃え盛っていた
炎も次第に消えうせていった

「「夜一!!」」

二人は声を揃えて、友人の帰還を喜んだ。
彼はニッと笑みを見せると、とどめに消火器で怪物の
頭を殴りつけ、距離を取った


豹介は興奮の中、靴が何かを踏んでいるのに気付く。
それは、先程消えたカッターナイフだった。
それは蹴り上げられると、宙に舞う。その瞬間にナイフを
掴み、怪物の額に投げ付ける

「ギャアァァァッ!!」

怪物の額を抉って、ナイフは壁に突き刺さった。再び
自身を襲う激痛に、怪物は再びのた打ち回り、
方膝をついている


「うおぉぉっ!!」

走り出すと同時に体を迸る激痛を我慢し、駿は怪物に
向って飛翔する。飛び上がると同時に右足に突き出し、
体を回転させると、怪物に空中で回し蹴りをくらわした

声にならない声を発した怪物は天を仰ぐと、
バタリと床に倒れ伏せ、動かなくなってしまった



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