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[389] 夢幻と現実の狭間 〜1章 第5話〜
闇の大天使 - 2006年10月11日 (水) 22時40分



五人は病院内へ入ると、まずは受付に向った。入院中の
友人はどこにいるのか、確認する為だ

「すいません。武田桃さんはどこにいますか?」

「あ、豹介君。えぇと、武田さんね…お見舞いかしら?」

はい、と小さく頷く。やはり、院長の息子、というだけで、
彼も結構顔が広いようだ。受付の看護婦は資料をペラペラと捲っている

「304号室よ。今の時間帯なら、院長先生とお話されてると思うわ」

「父さんと…?分かりました」


豹介は会釈して、四人に付いて来るよう手招きする。
受付の脇の階段を上り、三階と表記された場所で通路に出て、
そこから4つ目の部屋の扉の前に五人は立った

先頭の豹介がノックすると、はい、と返事をする女性の声が聞こえた。横に開閉する扉を開けると、
ベッドに横になっている少女と、その横に髭を生やした若々しい男性が座っていた

「豹介か、良く来たな。今、武田さんとも学校の話をしていたんだ」

どうやら、この男性こそ、豹介の父親のようだ。病院の長、
と言うと厳格なイメージが想像してしまうが、彼はその
イメージとはかけ離れていた

「父さん、武田の具合はどうなの?」

「ご覧の通り、もう元気よ」

ベッドに横になっていた少女こと、武田桃が起き上がった。
いつもの面々の来訪に、喜んでいる事がほころぶ表情から読み取れる

長い間横になっていたとは思えない程、彼女は健康な顔をしていた。
特徴であるセミロングの黒髪も、いつもと同じ様に整えられている

「あれ、その子は誰?」

見慣れない顔を駿の影に見つけ、彼女は首を傾げる。
恥ずかしい面もあったのか、璃音は俯きながら前へ出た

「あぁ、紹介する。転校生で、今日から俺たちのクラスの一員になった…」

「は、初めまして…紅堂璃音です」

駿が言う前に、彼女の方から思い切って自己紹介を始めた。
言ってしまうと気分が楽になったのか、璃音はゆっくり顔を上げ、
桃の顔を見つめている

「初めまして、私は武田 桃。桃って呼んじゃっていいから」

「は、はい…」

桃が微笑むと、璃音もつられて微笑んだ。お互い、新しく顔を
合わせる人でも、すぐに仲良くなれる才能みたいなものがあるのだろう


「…で、私が豹介の父親で、ここの院長の、藤堂 煉治だ。
息子とも仲良くしてやってくれ」

彼は軽く自己紹介を済ませると、ゆっくりと立ち上がった。
彼がここを出る事はすぐに察せたので、五人は道を明ける

「さて、私はそろそろ失礼する。まだまだ仕事が残っているのでね。
豹介、あまり遅くならない内に帰れよ」

「分かってる」

じゃ、と小さく手を上げると、院長は部屋を立ち去った。
彼は職業の雰囲気に囚われない、明朗快活な人物である


「だけど、皆本当に久しぶりだね。後少しで退院なんだけど、
そろそろ皆の事が恋しくなってたもの」

「まぁ、今日は学校が始まった事を報告しに来たんだけどね。
だけど、あんた勉強は大丈夫なの?幾ら夏休みだったとは言え、
結構差ができちゃったと思うけど…」

夏休み前に事故に遭い、そしてその全てを
この病室で過ごした。彼女に皆との間にできた学力の差について凛が聞く


「一応、私も勉強はしてたわ。退屈だったし、
成績が落ちたのを事故のせいにしたくないわ」

「さすがやわ。桃ちゃんは学年でもトップクラスの勤勉家やからなぁ」

パチパチと手を叩いて、夜一が桃を誉める。彼女は少し気恥ずかしそうだ


「そうだな。どこぞの社長令嬢は面倒だからって理由で
ペンを放り出したからね。それに比べれば立派な事だ」

「その令嬢さんって誰の事?」

あからさまに凛を皮肉った豹介のジョークに、一同は笑い出す
こうして、一同は終始和んだ会話を楽しみ、日が完全に暮れている事に気付くまで、
久々の全員集合を楽しんでいた



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