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[388] 夢幻と現実の狭間 〜1章 第4話〜
闇の大天使 - 2006年10月09日 (月) 23時09分

一ヶ月投稿してませんでしたが、今度は勉強が原因でした

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五人は裏門から出た方が近いと言う事で、そちらの方向へ足を向けていた

この辺は校舎のせいで日が差す事は無く、
いつも暗い影が立ち込めていた
こんな所に来る人と言えば、ゴミを捨てに来る人と、それを回収する人と…


「何?何いってんのか聞こえないんだよ、この豚!!」

先程まで口にしていたガムを吐き捨て、叫ぶ。苛ついているからこんな事をするのか、
それとも、彼のその態度が気に入らないのか。恐らく両方だろう

「や、やめろよ…」

イジメだ。平均より偏差値の高い高校と知られている緋神高校でも、こんな事は日常茶飯事だ


「あ、あれ、一体何なんですか…?」

「ま、簡単に言ったら暴力やな。やられているのは…やっぱりあいつみたいや」

戸惑いを見せる璃音に、苦笑を浮かべながら夜一が答える。他の面々も、
目の前の光景に表情を厳しくしている


「仕方ないなぁ…駿、行くで」

「ちっ」

舌打ちしながらも、駿も面倒臭そうにその現場へと近づく。
足音で相手も気付いたのか、苛ついた表情のまま、振り返った


「おい、その辺にしてやれ」

歳を感じさせない鋭い眼光を、相手は女生徒だというのに投げかける

「な、波川…」

「分かったんなら、そいつから手ぇ離しや」

穏やかな口調で、夜一も制止に入る。
言葉からは想像できないが、彼の顔からも笑顔は消えている

「ちっ、行くよ」


囲んでいた女生徒達は分の悪さを感じ取り、そそくさと撤退した。それを目の端で見送ると、イジメの被害者へとその視線を向けた

「おい、加賀。大丈夫か?」

先程とは打って変わって優しい声色で、彼に声を掛ける。
加賀と呼ばれたその少年は、体を丸々と太らせ、汗ばんだ顔、ずれている眼鏡など、
女性から見れば生理的な嫌悪感を抱かれそうな、
某二人組からのプロデュースを受けてもおかしくない風貌だ

「し、駿…うん、ありがとう」

「全く…。だらしないなぁ、加賀ちゃん。
男が女にやられるなんて、日本の男児の心意気はどこへ行ってしまったんやろな」

「そう言うなって。立てるか?」


そう言って手を差し伸べると、彼はおずおずと駿の手を掴む。
その重い体を引き上げ立ち上がらせると、そのまま彼の肩を叩く

「あ、ありがとう…」

「ふぅ…でも、夜一の言う事にも一理あるぜ。
お前、やられてばっかじゃ駄目だぞ?
周りが収まるのを待つんじゃなくて、お前自身が変らなくちゃな」

彼は申し訳無さそうに視線を落す。そんな彼の肩を再度叩くと、駿は微笑む

「じゃ、俺たちはもう行くから。お前も気を付けて帰れよ」

「う、うん…」

「またな、加賀ちゃん」

二人は小さく手を振ると、璃音たちの待つ場所へと戻っていく



「誰なんですか、あの人?」

「加賀真也。入学から一週間で不登校になりかけた奴だ」

病院への道中、璃音が全員へ投げかけた質問に、
豹介が答える。その言葉に、彼女は軽く驚いているようだ

「んで、そんな彼の態度に痺れを切らした駿が、
あの子のマンションに殴りこんで、近所迷惑覚悟の大声で
戻って来いって説得したんや」

「確か、あの時彼のお母さん泣いてたわよね。真也にこんな良い友達がいた、って」

「結局、イジメは止まらなかったがな」

夜一、凛、駿がその時の状況を思い出すように言う。
彼の母親曰く、真也本人が友人の話をする事は全く無かったようだ


「へぇ…やっぱり、波川君って優しいんですね」

「そんな事無い。あの時は、真也の煮え切らない態度が気に食わなかっただけさ」

微笑みながら彼を誉める璃音の言葉に、駿は少し笑みを浮かべて返す

「駿はクールフェイスのくせに妙に熱い部分があるからな。
その表裏は、見てて面白いところなんだけど」

「あぁ、そうかいそうかい。面白い人間で悪かったな」


駿が半ば捻くれた態度で冗談を飛ばしている内に、既に五人は
藤堂総合病院の中庭へと足を踏み入れていた



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