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[382] 夢幻と現実の狭間 〜1章 第2話〜
闇の大天使 - 2006年09月01日 (金) 00時29分

「えぇと、皆お早う。本日から2学期の始まりだ。1学期同様、担任はこの俺、大原だ!」


妙に気合の入った挨拶が終ると、大原は璃音の手を引いて、教壇に立たせる。彼女は緊張気味で少しだけ俯き気味だが、何とかその場に立っている、という状況だった。その様子を、駿は心配そうに見つめていた

「今日からこの1年3組の新しい仲間となる子だ!!ささっ、自己紹介を!」

手を璃音に向けた後、大原はそそくさと脇へ下がった

「え、えっと…初めまして、紅堂璃音、っていいます…これから、宜しくお願いします…」

やっとの思いで自己紹介を終えると、一斉に拍手が巻き起こった。その後、璃音は皆の視線を受けながら大原の案内で、自分に用意された席に腰を落ち着けた


「分かってると思うが、皆、仲良くしてやってくれよ!!…っと、忘れるトコだった。実はな、彼女は登校途中に道に迷ってしまったみたいでな」

再び、教壇に向けられた視線は璃音の方向に。
その話のくだりから、次は自分の番である事を、駿はすぐに察する事ができた

「センセー。そう言う失敗談を公言するのって、教師としてあきまへんよ」

「まぁまぁ、カラス。この話には続きがあるんだ。道に迷って途方に暮れた彼女に愛の手を差し伸べたのは、な、何と!!ウチのクラスが誇る俊英、波川だったのだ!!」

愛の手、と言うのは些か大袈裟ではないか。駿がそう思った瞬間、皆それぞれのポーズを取り、ずっこけた。
璃音だけは何事かと目を見開いて驚いている


「マジかよ、駿が…?」

「良かった、女嫌いが克服できて♪」

その話に余程驚いたのか、全員が隣同士でペラペラ喋り始めた。一方駿本人は、溜息混じりに頭を掻いている。
これは、彼自身の癖みたいだ


「はいはい、静かに。…んで、駿よ。今の心境はどうだ?」

パンパンと手を叩き、場を静まらせると、大原は再び話の中心を駿に戻す

「どうって、何も…つーか、お前ら馬鹿だろ?女嫌いがどうとかなぁ、俺だってこのクラスに、女子の友だちくらいいるんだ。それを今更、ギャーギャー騒ぎやがって…」

「分かってないね。そういう問題じゃない…」

更に話が続きそうな展開だったが、ここでチャイムが鳴った。
始業式の日は、朝の会終了のチャイム=体育館直行、と相場が決まっている


「仕方が無い、この話はまた後だ。ちぇ…皆、さっさと廊下で整列しろ」

「あんた、何悔しがってんだ?それにしても、集団イジメに教師が関与してるなんて、ワイドショーにPTA会長呼ぶには充分すぎるネタだと思うけど」

このまま駿弄りをしていたかった大原と、一部のメンバー除いたクラスメイトは、ぞろぞろと廊下へ出た。話題の主役だった駿は鋭い視線を大原へ向けると、そのまま列に入った


「まぁ、こうやって騒がしいのもえぇやろ。お前が一番嫌いな、退屈をしのげるんやから」

列のちょうど後ろから、聞きなれた関西弁。振り向かなくても、会話は充分にできる

「夜一…これは騒がしいって言うより、馬鹿にされてんだぜ。なら、暇持て余す方が俺は良いね」

「ははぁ、確かに。しかし、ボクから見ても君が女子を助けた、って言うのは俄かに信じられへん話やったけどな」

その言葉と同時に、列が進行を開始したので、一旦会話を止める。
彼は闇鴉 夜一(やみがらす よるいち) 苗字も名前も珍妙で、名前の由来は夜の一時ちょうどに生まれたから。適当もいい所だと、その話を初めて聞いた時、駿が言っていたらしい


「そういえば、桃ちゃんまだ退院しとらんかったみたいやな。昨日、偶然スーパーで母さんに会ったんやけど」

「アイツが?夏休み前に交通事故起こして、まだ?…そういえば、全治二ヶ月とか言ってた気がするな。これも、アイツの母さんからの話なんだけど」

そんな他愛も無い会話をしている内に、1年3組の列は体育館へ足を踏み入れていた



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