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[303] 終わらない戦い 20章
聖徳大志 - 2006年01月20日 (金) 17時07分


「あまりやる気はしないな、正直・・・」

フェイズが呟いた。

「な、貴様!真剣勝負にやる気が無いと言うのか!?」

女が叫ぶ。フェイズは魔族の居城で王国の追っ手と戦闘
していた。

「五月蝿い女だな。嫁入りできるか心配だ」

フェイズが挑発しながら、剣を振り上げ攻撃する。
女も避けつつ反撃する。

「余計なお世話だ!」

女が剣、蹴撃、回転蹴りの順番でお返しする。そんな事が何分も
続いた。

「はぁ、はぁ・・・ どうしてこんな子供に・・・」

「戦闘に年齢は関係ない。頭と経験が必要さ」

フェイズが相手の脛を蹴り転ばせると、喉元に剣を突きつけた。

「お前はこれ以上無理だ。誰の命令か知らんが、己の未熟さを
 せいぜい呪うんだな」

フェイズが剣を振り上げると、後ろから声を響いた。

「待って!・・・・その人を見逃してあげて」

「ネイル!甘い事は言ってられない。ここで見逃して俺達の
 命取りになったらどうする。」

「むやみに人を殺した血まみれの手で姫を助けられると
 思ってるの?1つの目的に捕らわれすぎよ!」

「!」

ネイルの言葉に耳を痛めたフェイズは、剣をしまった。

「・・・気が変わる前に失せろ。一刻も早く!」

フェイズの怒声で女は少し上ずった声を上げると、一目散
に逃げていった。そしてフェイズも、遺跡を出て行った。

「あいつ・・・ どうしたんだ?何か少し冷たくなってると
 いうか・・・。」

「親の仇が居る国に来たんだ。苛立ちが募ってるんだろう」

シオンが目を閉じて言った。

「何!?もしかして・・・ その仇というのは・・・」

「刃牙騎士団の幹部、【セブンスファング】だ。その一人に
 居ると、船を下りる前聞いた。」

「騎士団に関係している場所には近づかない方が良いわね・・
 万が一仇が居たら、いつも静かなフェイズも我を忘れて
 斬りかかってしまうでしょうし・・・」

ネイルが沈んだ表情で言った。

「・・・ここで考えてても何も始まらない。俺達も出よう」

シスルが促すと、皆重い足で出て行った。
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                       続く




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