[210] 聖戦の系譜〜異伝 26話「トラキアの竜騎士」 |
- ラグ - 2005年11月12日 (土) 03時05分
コノート城を解放した翌日、シュウはアーサーとティニーを連れてきて、話を始めた。
「ティニー、アーサーから聞いたけどイシュタル王女を知ってるみたいだな?」
「はい」
ティニーはシュウの質問にうなずいてそう言った。
「それで、1つ聞きたい。彼女を連れて行った少年がいる。髪は赤髪だ。誰だか分かるか?」
「それは・・・おそらくユリウス皇子です」
ティニーは少し口ごもってから答えた。
「ユリウス皇子だって!?」
アーサーが驚いて答えた。
「ティニー、お前はユリウス皇子を知ってるのか?」
シュウが再び聞いた。
「バーハラの都で何度かお会いしました。何といえばよいのか・・・人を引き付ける不思議な力と・・・氷のような冷たさを持った恐ろしい方です」
「氷のような冷たさ・・・あの時に見せた目か・・・」
シュウがそう呟いた時、トリスタンが突然部屋に入ってきた。
「シュウ、まずい、トラキアの竜騎士団が動き出した。マンスターの人々がこっちへと逃げてきている」
トリスタンの報告を受け、シュウは立ち上がった。
「分かった。トリスタン、騎馬隊を先に率いて行ってくれ、後ファバルとアサエロも誰かに連れて行ってもらってくれ」
「分かった」
トリスタンはそれだけ言うと、すぐに部屋を出て行った。
「話は今はここで終わりだ。2人もすぐに行くぞ!」
シュウは部屋に置いておいた斧をすぐに持ち、部屋を駆け出していった。2人も既に部屋から出ていた。
「ディムナ、俺達弓が使えないものは一部を残して逃げ惑う人々の保護をする。竜騎士は頼んだ!」
トリスタンはディムナにそう言い、逃げ惑う人々を案内していた。
「空を飛んでる奴らには俺達の出番だな」
アサエロが馬から下り、言った。
「俺達の力、見せてやるぜ、アサエロ、行くぞ!」
ファバルはそう言い、神器、イチイバルを構え、一番近くにいる竜騎士へ向けて矢を放った。そして矢は竜の翼へと当たった。
「さすがだな、ファバル。俺も負けてられないぜ」
アサエロも銀の弓を構え、矢を放ち、同じように竜の翼を射抜いた。
「よし、2人に続いて弓隊、撃て!」
2人が矢を放ったのを合図に、ディムナは指示を出し、自らも勇者の弓を構え、矢を放った。
「ディムナ、こっちは終わった。そっちは・・・終わったみたいだな」
シュウ達が駆けつけるころには既に決着はついていた。
「ああ、ファバルとアサエロの2人の活躍のお陰だ」
「そうか、2人ともありがとう、助かった」
シュウは2人にそう言い、軽く礼をすると、マンスター城へと向かった。
「始めまして、あなたがシュウ殿ですね。ホークと言います」
ホークはマンスター城の門でシュウに挨拶した。
「シュウでいい。それであなた1人でマンスターを守ったのですか?」
シュウが聞くと、ホークは首を振って否定した。
「私だけの力では守りきれません、ついてきてください」
ホークがそう言い、ある場所へと案内した、そこにはリーフ達がいた。
26話終了
|
|