[204] 謎の短編 |
- ラグ - 2005年11月09日 (水) 02時30分
俺の頭の中に声が響く (お前は・・・誰だ) 「俺のことか・・・?」 (そうだ、お前は誰だ) 「俺は響だ」 (そうか・・・) その声はそう言うと、闇が噴出し、俺を包んだ。そして闇の中に1人誰かが俺に手を差し伸べるが、俺の手は届かない。そしてそこで目覚めた。
「くっ!またか・・・」 ベットから起きた1人の男が呟いた。彼はの名は響。近くの高校に通う1年生である。 「最近よく見る夢があんなのか・・・縁起悪いな。だけど・・・あの夢に出てくるのは・・・一体誰なんだ・・・」 響はそう言い、時計を見て今の時間に驚き、即座に着替え、朝御飯も食べず、学校へと向かった。
そして響は遅刻ギリギリで学校の中へと入った。 「よ、響、お前が遅刻寸前なんて珍しいな」 響の友人らしき男が声をかけた。 「カイか、また例の悪夢だ。これで10日連続だ。一体なんだろうな」 響はそう言い、机の上に荷物を置き、椅子に座った。 「10日連続か。ま、気のせいだと思うけどな。っと、時間だ。それじゃまた昼で」 カイと呼ばれた男はそう言い、別の教室へと戻っていった。響とカイは中学時代からの友人で、同じ高校に入ったが、クラスが離れていて、時間のあるときにしか話はしていない。
そして昼食の時間、響はいつも通り屋上へと上がった。そこには既にカイと、1人の女性が来ていた。 「あれ?カイ、誰だその子?」 響は2人のそばへ行き、カイに聞いた。 「ああ、こいつは鈴、俺と同じクラスの奴だ。それでお前のことを話したら話をさせてくれって言ってたから連れてきたんだ」 「そうか、俺が響だ。よろしくな」 「はい、よろしくお願いします」 響は挨拶し、その場に座った。
「それで、俺の悪夢について何かあるのか?」 昼食の弁当を食べ、響は鈴に聞いた。 「はい、実は私はいろいろと夢について調べています。それで、響さんの夢について私なりに推測を立ててみました」 「なるほど、それで。推測ってのはどんなの何だ?」 響がそう言うと、鈴は一呼吸置いて話し始めた。 「えっと、おそらく闇の中から手を差し伸べている人はおそらく響さんの大切な人です。そしてその人と出会う前兆だと思います」 鈴の話を聞いた響はしばらく空を眺め、言った。 「大切な人と出会う前兆か・・・ありがとよ、鈴、カイ。それじゃ、俺は先に戻ってるな」 響はそう言い、先に校内へと戻っていった。 「推測っていうけど・・・鈴も今同じ状況なんだろ?」 カイは鈴に聞いた。 「はい・・・カイさんだと思いましたが・・・違ったみたいです」 鈴の言葉を聞いたカイは空を見てから言った。 「ま、近いうちに見つかるだろうな。それまで気長にでも待てばいいだろ。そろそろ俺達も戻らないとやばいな」 「そうですね、戻りましょう」 鈴がそう言い、2人は教室へと戻った。
そして、学校が終わり、家に戻り、やることを済ませた響はベッドの上で考えていた。 「大切な人に出会える前兆か・・・」 響はそう言うと、睡魔が襲ってきたのか。寝息を立て始めた。
今日も頭の中に声が響く (お前は・・・誰だ) 「俺のことか・・・?」 (そうだ、お前は誰だ) 「俺は響だ」 (そうか・・・) そしていつも通り闇が噴出し、包まれた。ここまでは昨日と同じだったが、今日は違った。差し伸べられた手を掴むことが出来たからだ。そして、その手の主を見て。響は驚きの声を上げた。 「な!鈴!」 そう、その手の主は昼間に見た鈴だったからだ。 「響さん・・・分かりましたか?」 「どういうことなんだ?」 「あなただけでなく、私もその悪夢に悩まされていました。そして、今日私も手を掴むことが出来ました」 鈴がそこまで言った時、響も気づいた。 「そうか、俺の大切な人は・・・鈴だったのか」 「はい、そして・・・私の大切な人は・・・」 「俺だった。ってことか」 鈴の言葉に響が続けると、鈴は黙って頷いた。 「そうだったのか・・・」 響はそういうと、鈴を抱きしめた。 「はい、ようやく見つけました。私の・・・大切な人」 鈴はそう言い、目から一つの涙がこぼれた。
END?
あとがき
とっさに浮かんだ短編です。 何コレ・・・?(ぁ
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