[176] 最後の戦い 「11章 それぞれの理由 part1」 |
- 大志 - 2005年10月24日 (月) 18時34分
島に乗り込んだ大天使一行は、途中、物語に全く意味の無い(?) 郵便屋と遭遇。ほぼ順調に城を目指していた。 石像に謎の言葉を吐きかけられるも、意気揚々と城に飛び込んだ はずだった・・・。 -----------------------------------------------------------
「あれ・・・ ここは・・・」
城に飛び込んだのに、何故か森の中に居る。飛び込んだ後、 白いもやが視界に現れたのまでは覚えてるのだが・・・。 すると、どこからともなく声が響いた。
「挑戦者の諸君。私がこの城の城主だ。君達には、人生上で 何かしら関りのあった物と戦っていただくと、石像が 説明しただろう?そう簡単に城へ入れると思うな。」
声は一旦聞こえなくなると、また喋りだした。
「あー、そうそう。女性の身はこちらが拘束している。 1人脱落するたびに、1人後を追わせてやる。」
その言葉に、ピクッと反応した。
「貴様!卑怯な真似を!」
「今まで私達がした事に比べたらおままごと程度だろう? さぁ、早く私を楽しませてくれ。ハッハッハッハッハ!!」
声は、完全に聞こえなくなった。
「冗談じゃねぇ・・・。こっちに女はえぇと・・。5人か。 1人も死なせねぇよ」
大天使は歩き出した。 ============================= 「人質取るなんて、冗談じゃ無いよ。」
ハウトが呟き、溜息をついた。
「ささ、早く行かないと皆に遅れてしまう。」
颯爽と森の中を走り出した。だが、途中で何者かの気配に 気付き、足を止めた。
「俺の気配に気付くなんてな・・・。」
「誰!?」
「ただの見回りだ。それ以上言う事はない。死ね」 剣を構えると、一瞬でハウトに突き刺した。
=============================
「ハハハハハハ!!もう犠牲者が出たよ。見たまえ」
「くっ・・・」 捕まっていたファリアは、拘束されながらも、ずっと抵抗を 続けていた。だが、仲間が傷つく様子を見て、目を 逸らしてしまう。
「・・・・・ご主人様。あれを見てください」
「んー?」
男は、持っていた煙草を落とし、すぐに拾った。
「私はまだ、賭けに負けたわけじゃありませんね」
ハウトと男は、木の陰で見えなくなっていた。だが、風が吹き 枝が揺れると、その様子が映し出されていた。
=============================
「僕だって、すんなりやられる訳にはいかないんだよ・・・!」
「くっ・・・」 剣は、男の腹に刺さっていた。刺される瞬間、剣を目にも 止まらぬ速さでガードし、突き返していた。
「どうなってる・・・?まだ、ここで死ぬわけには・・・」
男はハウトから離れると、去り際にこう言った。
「俺は「鬼竜」のセシル。お前も一度は聞いたことがあるだろ? またあう日を楽しみにしている」
セシルは、草陰に消えていった。もちろん、深追いはしない。
「『鬼竜』のセシルか・・・。そんな奴が敵側にいるなんて・・ でも・・・」
セシルは、昔重罪を犯し死刑宣告が下されていたが、 死刑台で謎の失踪をし、行方が掴めなくなっていた。 剣の一振りで大人数人をなぎ倒し、鬼の如く戦場を駆け抜け、 敵を切り刻む恐ろしさから、『鬼竜』のあだ名が付いていた。
「城の存在意義が、分かった気がするよ・・・」
ハウトは、溜息をつきながら、先に進んだ。
----------------------------------------------------------- 続く
|
|