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球磨川が氾濫、かつて計画され廃止になった川辺川ダムが話題に取り上げられはじめました。そういえば当時、人のHPに私が連載を持っていたのですが、川辺ネタを上げました。 こちらの掲示板にも当時、書いたような気がする。
ネットでもいくつか特徴がある様に思います。 特徴としてはダムを造らない現在の蒲島知事へのダメ出し。 蒲島知事については門田隆将氏も『マスコミが創り上げたダム=悪と、ポピュリズムに走った蒲島郁夫熊本県知事』と指摘されています。
ただ、蒲島知事をあまり責めないで、ということで、以下、過去事例の整理、当時の反対論者の特徴、反ダムを煽ったマスコミを書き出してみました。
まず、川辺ダム注視の決定は蒲島知事の前です。そこにはマスコミ攻勢、市民活動家の大きな圧力がありました。 ただ、蒲島知事は、代わりに立野ダムを着工しました。蒲島知事は、実は偉い。
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投稿者:古本屋の常連
投稿日:2020年07月13日 (月) 23時35分
No.3714
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川辺ダムが中止になった時は、例の民主党、そして当時は熊本の出身ではない潮谷義子氏が知事でした(とても平らな佐賀平野のある佐賀の出身)。そして民主党も潮谷知事も、ダムによらない治水とは言いましたが、ではどうするのか、については議論しませんでした。反対ありき、だった印象があります。 蒲島知事になってからも、 → 相良村の徳田村長は環境破壊の観点からダム反対(今回、生活環境は破壊され、死者が出ました)、 → 人吉市の田中市長も環境破壊の観点と市民の多くが否定的ということからダム反対(今回、生活環境も自慢の温泉街も破壊され鉄道も崩壊、そして死者が出ました)。 さらに、人吉市は市街地温泉街が水没しましたが、それを防ぐために川に土手(防災堤防)を作る提案も人吉市は断っていて、今回の結果です。温泉街の風情だそうですが、結果、泥に温泉は埋まりました。復旧はいつになるのやら。酒蔵もアウト。老夫婦がやっていた模型店やら内容充実の古本屋は水没したエリアですが、大丈夫かな。。。。
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投稿者:古本屋の常連
投稿日:2020年07月13日 (月) 23時36分
No.3715
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こうしたダムは要らないのだ、という世論形成に参加したのがダム反対派の市民運動活動家です。そして県内外の安全地帯に住んでいる人たちがはるばる人吉まで来て反対運動をしました。 その内容も結構、狂ったものでした。 例えば、ダム説明会で、ダムによらない治水だと人吉市に5メートルの防護壁が要る、と5メートルの板を実際に準備して実感してもらおうとすると、ダム反対派は激高。曰く、ダム推進派は感情論を展開しているというもの。 数値を示して説明すると感情論だというわけです。いわば、ダム反対派はダムには反対で当然。それに反論して気分を害したからダム推進派を感情論と言ったわけです。 さらに、川が二股に分かれているところで片方が濁っていて片方が濁っていない。濁っている方の上流にはダムがあることから、ダムを造ると環境破壊で川が濁ると写真付きで主張。でも何故、川が濁っているかが書かれていない。不思議に思い、実際に撮影場所に行ってみると、川が濁っている方は、生い茂った芦と川底をパワーショベルで浚渫していました。ダムと関係ない濁りですので、ダム反対の理由としてはおかしい。場所はくま川鉄道球磨川第四橋梁で、文化遺産の橋です。しばらくして浚渫工事は終わって二つの川の濁りの差はなくなり、むしろダムが無い側の方が、透明度は低かったのが印象的でした。その確認をした橋梁は今回の水害で流れてしまい、崩壊しました。 ちなみに、これらの反対派の主張は地元紙に堂々と載っていました。 マスコミがこんな低レベルの反対派で埋まっていました。テレビも連日、川辺ダム反対の連呼。挙句、住民の命より清流のアユなんて論調がまかり通り、グルメ漫画もアユ大事で人命に言及しないものまでありましたっけ(築地魚河岸三代目で、ダム反対を叫ぶ主人公の前を無情のトラックが横切るという絵で、何故か貨物トラックが土砂を運んでいるという/作者はダンプトラックを知らなかったという)。 筑紫哲也も、尺鮎ガー、でした(一尺もある大きなアユ)。 ちなみに田舎のお年寄りが多いこの地域。テレビが嘘を言うなんて思いもしない世代です。さらに、テレビが言う事は皆に広まっていることだから、異論を言えば同調圧力の輪から外れてしまうと考える。 なので、ちょうどあの時、民主党を選んでしまったのと同じく、ダム反対を選んでしまった。 結果は、今回の報道の通り。蒲島知事になって最終決定でも、前知事、市民から首長まで反対という反対に取り囲まれていた状態でした。
ちなみにダム推進における議論で、ダムが無いなら5メートルの防護壁が要るという件、これも人吉市長は断りました。温泉街の風情が無くなるそうです。まあそうですよね。温泉旅館から川が見えない、橋も全部、架け直さなければならない。 今回の水害で、人吉ではビルの2階まで洪水の水位が上がりました。まさに5メートルの防壁という計算は正しかったわけです。 結果、温泉街そのものが無くなりそうです。福岡などかの一泊二日の気軽な旅行で人気の温泉でしたが、復旧するのか(できるのか)。。。
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投稿者:古本屋の常連
投稿日:2020年07月13日 (月) 23時36分
No.3716
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で、蒲島知事。 立野ダム建設を決行しています。白川という熊本市のど真ん中を流れる一級河川の上流です。白川は過去に多数の死者を出した大水害がありました。阿蘇の盆地から市街地まで鉄砲水が走ってきており、当時の体制では防ぐことも何もできず、多くの人が逃げる間もなく亡くなりました。 最近もあと数センチで土手を水が超えるという大洪水が何度も。その時は、川の水面が上がり過ぎて市街地の雨水の排水が出来なくなり、市街地の道路が水没しました。 蒲島知事になってから白川の大規模改修、流れを変え土手を削りまくり、川底をさらい、美観も清流もへったくれもなく、堀りまくりです。 結果、熊本市とその周辺を災害から守りました。 そして反対派を押し切って立野ダム建設をGoしました。白川も清流で、こちらの川にはアユは少なくヤマメ釣りが有名でしたが、ヤマメよりも人の命の大浚渫工事でした。 反対派は激高、熊本の下通というアーケード街の入り口(繁華街の中心)で、ダム反対のビラを配りながら、『ダムごときのために山の木を切った、熊本人はクズだ、ダムを造ると洪水が発生するから洪水で死ね』とおっさんが吠えていました。ビラを見ると福岡の人。熊本人の命より山の杉だそうです。福岡の水害だって笑ってられないだろうに。 蒲島知事の支持率は、反対派の分だけ下がったかもしれません。が、それでも然るべき数値をベースにした議論をもとにダムを造るべき、と判断しました。 偉いんです。 ほかにも熊本地震復興、農業振興、くまもん、コロナといろいろと偉い蒲島知事なんです。蒲島知事は熊本復興では自衛隊をはじめとする救助活動に感謝を述べていました(他所の知事はしてない)。
というわけで、結構、人気の高い、皆の評価も高い知事です(潮谷知事がダメだった反動というだけではなく)。
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投稿者:古本屋の常連
投稿日:2020年07月13日 (月) 23時37分
No.3717
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ちなみに今回の水害でマスコミが相変わらず反ダムです。筑紫の残党ですかね。 “八ッ場ダム(群馬県)住民訴訟やスーパー堤防問題など河川行政問題に取り組んできた西島和弁護士”なる人が、今回の水害は浚渫をしなかったからでダムが無かったせいじゃないと、週刊ゲンダイが主張。 でも、現地を見たら、浚渫するにも限界があるって判りそうなもんです。人吉より下流は岩がごつごつで、浚渫するにはダイナマイトでも持ってこないとね、って川です。そもそも幅が滅茶苦茶狭い。 この人、訴訟ゴロの活動家弁護士だそうです。 『去年の豪雨災害で八ッ場ダムが注目されて 反ダム運動がやりづらくなった活動家のポジショントークにしか見えんけど』 ってツッコミをネットで見て、面白かったです。 またダム反対論者は、浚渫で全て解決としますが、蒲島知事の白川浚渫でも、ものすごい手間がかかってしまっています。しかもあっという間に元に戻る。 図がありました。 http://nov.2chan.net/35/src/1594507245941.jpg 『堤防を高くすると、強度維持のため堤防の高さに対する底辺が拡張されるため、用地買収もしなくてはならずダムを作る以上に費用がかかるのと、決壊時に被害が大きくなるという危険を併せ持つ、最悪の手法でしかない』
http://nov.2chan.net/35/src/1594508858985.jpg 『球磨川の場合、川幅も狭く堤防のすぐ脇に家があるから、 堤防を拡張するには用地買収が必須な訳だ。 しかも上流から下流まで隈なく工事しなければ、増水時の被害が拡大する』 熊本県に菊池川というのがあって、広い大地から流れ来る合志川を支流に持つ大きな川で、過去、何度も水位上昇で警報が出ましたが、この川はとても広い河川敷をもちます(東京で言うなら多摩川を連想してください)。今回、河川敷が水没、そこの木もいくつか倒れるほどでしたが、水害はまぬかれています。そしてとても高い土手を持ちます。つまり、よほど広い河川敷と土手を造らない限り、防災は難しいといえます。 ちなみに、この菊池川には加藤清正による治水及び新田開発事業が今も生きています。 熊本には大きな河川が、今回の水害の球磨川、白川、菊池川とありますが、筑紫哲也系マスコミが興味を持った球磨川だけ水害が出たな、という印象があります(いや、雨の降り方とか山とかが違うので単純比較してはいけませんが)。 ちなみに、この菊池川の上流には竜門ダムがあって活躍しています。 こちら。 http://www.qsr.mlit.go.jp/ryumon/
というわけで、こういう議論をしないマスコミの反ダム論者は水害と縁のない東京に住んでいて、家の周りの雨水溝のイメージなのだな、と感じます。
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投稿者:古本屋の常連
投稿日:2020年07月13日 (月) 23時38分
No.3718
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もう一つ、マスコミの言いたい放題を。 球磨川は、人吉盆地から出たら、川幅が狭くなるので盆地にたまる、球磨川の支流は球磨川の水位上昇に伴い、本流の流れが逆流して水位が上がる、バックウォーター現象が起きた。 これ、今回の水害で、空撮を行いながらで報道していました。 実はこれ、川辺川ダムのダム推進派の主張でしたが、当時、全く報道されませんでした。支流まで尺アユが居る、って語気を強めて主張した筑紫哲也がとても印象に残っています。 でも、水害が出るとダム推進派と同じことを言い出す。 同じ川ですよ。でも、言う事が全然違う。
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投稿者:古本屋の常連
投稿日:2020年07月13日 (月) 23時39分
No.3719
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蛇足です。 川辺川ダムで沈むとされた五木村ですが、今回、おそらく水害をまぬかれています。 画期的な防災を 筑紫哲也は風光明媚な五木村、とか言っていましたが、棄村して、高台に引っ越しています。 ダムが無くなったのだし、ダムが無くてもいいのだから、そのままでいいはずですが、そうじゃない。
前知事が約束したことを次の知事が無しにする、というのは基本的に無いんだなと思いました。川辺川ダムはできない、けれども川辺川ダムに伴う周辺工事は貫徹されました。 五木村はまるごと山を削った高台に移動しています。元の五木村は川辺川のすぐ傍でしたが、全ての建物が撤去されており、更地になっています。私が何年か前に見たときは1件だけ残っていましたが、グーグルマップで見ると、その家も無くなっています。 つまり、ダムによらない治水とは、山を削って村ごと町ごと山の上に移動するわけです。
https://www.google.co.jp/maps/@32.4025741,130.824688,944m/data=!3m1!1e3?hl=ja 今の五木村です。 真ん中の川辺川のすぐ右に村があります。 今、大きな道があるところに移動しています。ここは川からかなり高い場所です。なにしろ村にかかる橋は、バンジージャンプで有名だったりします。3Dに切り替えていただくと、山の谷に村がある事、今の村と川の段差が判ると思います。
これも判り易いですかね。 かつての五木村をまたぐ橋の上から川辺川の川上を見ています。 画面左下に川辺川とかつての村だった更地が。右側に新しい五木村があります。 川辺川から身を護る有効な方法ですね。 https://www.google.co.jp/maps/@32.399732,130.8248852,3a,75y,12.98h,100.45t/data=!3m6!1e1!3m4!1s_uDq8gapH51w9MEi0C1FBg!2e0!7i13312!8i6656?hl=ja
周辺には空中回廊のような道路が出来ています。これなら大雨も平気。 https://www.google.co.jp/maps/@32.4677611,130.8738471,3a,75y,180.52h,96.85t/data=!3m7!1e1!3m5!1sgCIa5rVS23PxWOFSGdKkng!2e0!6s%2F%2Fgeo2.ggpht.com%2Fcbk%3Fpanoid%3DgCIa5rVS23PxWOFSGdKkng%26output%3Dthumbnail%26cb_client%3Dmaps_sv.tactile.gps%26thumb%3D2%26w%3D203%26h%3D100%26yaw%3D126.36609%26pitch%3D0%26thumbfov%3D100!7i13312!8i6656?hl=ja
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投稿者:古本屋の常連
投稿日:2020年07月13日 (月) 23時40分
No.3720
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以上、振り返りますと、熊本蒲島知事は白川など治水では活躍している、熊本県には治水が成功している川がある、球磨川にも治水事業の一環で村ごと退避して助かった例がある、などありまして、蒲島知事がまるで無能みたいな報道やネットの言いぐさに反論してみた次第です。
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熊本の蒲島知事
投稿者:正論読者@管理人
投稿日:2020年07月14日 (火) 06時44分
No.3721
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古本屋の常連 さん、詳細にご紹介を含め、ありがとうございます!先ずは一日も早い復旧を祈念申し上げます。
>以下、過去事例の整理、当時の反対論者の特徴、反ダムを煽ったマスコミを書き出してみました。
感謝でございます。
>そこにはマスコミ攻勢、市民活動家の大きな圧力がありました。 >川辺ダムが中止になった時は、例の民主党、そして当時は熊本の出身ではない潮谷義子氏が知事でした >こうしたダムは要らないのだ、という世論形成に参加したのがダム反対派の市民運動活動家です。そして >マスコミがこんな低レベルの反対派で埋まっていました。テレビも連日、川辺ダム反対の連呼。挙句、住民の命より清流のアユなんて論調がまかり通り、
「安全地帯」居住の反対派、、昨年の世田谷多摩川氾濫でも「堤防ダメ、景観自然を守れ」主張の反対派には、タワーマンション在住の裕福な人がいたとか?…
>結果、熊本市とその周辺を災害から守りました。 そして反対派を押し切って立野ダム建設をGoしました >偉いんです。 ほかにも熊本地震復興、農業振興、くまもん、コロナといろいろと偉い蒲島知事なんです。蒲島知事は熊本復興では自衛隊をはじめとする救助活動に感謝を述べていました(他所の知事はしてない)。 >というわけで、結構、人気の高い、皆の評価も高い知事です
詳細にありがとうございます。チャンネル桜番組ですか、蒲島知事はダム反対で、今回の災害は、12年間何もやらなかった無能な知事による人災、、とかを地元の状況も知らないキャスターがいろいろ言っていましたが、ひどいものですね。。そのまま、鵜呑みにしてしまうところです。 ご紹介等も再度拝見し、またコメントをと存じます。
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投稿者:パタパタ
投稿日:2020年07月25日 (土) 22時58分
No.3732
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私の住んでいる地域に20年ほど前、巨大ダムが完成しました。これで洪水解消の切り札になるかというと、下流の駅があっさり水没、さらに下流の有名な観光地も水没という有様でした。 泥まみれ。
気になるのは、その「下流の駅」の周りに住宅が建設ラッシュという事なんです。 昔からの田圃を埋めて、盛り土しているので大丈夫かもしれませんが、住宅地の周辺の田んぼは確実に水没し、交通は寸断される。 「こんなとこに家建てて大丈夫なんか?」といつも私は建設現場を眺めています。
昨今の洪水、現場を見ていないので何とも言えませんが、低地に家を建てていないか?と氣になっています。
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投稿者:古本屋の常連
投稿日:2020年08月01日 (土) 22時08分
No.3736
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>低地に家を建てていないか?と氣になっています。
いや、グーグルマップで見ると判りますけど、川のすぐ傍だったり、谷間だったりします。 本当にダム無しで良いって考えた川の傍の家の人、同調圧力だったんだろうか。
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