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ウルトラマンメビウス&ウルトラマンシリーズマニア掲示板

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[1060] 朱川湊人 作 「ウルトラマンメビウス アンデレンスホリゾント」 紹介&感想(ネタバレも多少あり)
ゆうはは - 2010年03月03日 (水) 16時22分

レイゴさん、みなさん、こんばんは。

 表題通り、朱川湊人さん著 「ウルトラマンメビウス アンデレンスホリゾント」(光文社 刊)
の紹介とつたない感想を書かせていただきたいと、思います。

 2007年春、TV放送の最終回をむかえた直後から、雑誌「ジャーロ」に連載された作品を加筆し、まとめた本書は、ちょうどTVシリーズの第32話から第40話あたりの間の、それでいて、もうひとつの別の世界でのメビウスのお話という形になっています。

 主人公はGUYS 研修生のハルザキ カナタ(外伝「アーマードダークネス」の新人隊員と同名ですが、外伝のほうではこの小説の主人公の名前を借りたということが佐野監督と脚本の赤星さんの対談で語られていました。確かに外見、性格etc多少違うところがあるようです。)。彼の視点で話が語られていきます。話のスタート時、彼は彼が抱える過去のできごと、現在の状況により、ウルトラマンを含めた異星人すべてを地球から排除したいと思っている。外からウルトラマンメビウスとCREW GUYS JAPANの人々を冷静に、むしろ批判的に見ている。この視点がなかなか興味深く、また研修生である彼の成長とともにその視点がどう変化していくのか、そしてどう歩んでいくことになるのか。

 そういった話なんですが、まあ、むずかしい話はおいておいて、私個人がなにがおもしろかったか(で、こんなに皆さんに読んでもらいたくてすすめているか)といいますと、
 まず、ちゃんとSF小説、いや「空想特撮シリーズ」している!ところですー。
ハードSFなわけではありませんが宇宙から来る異星人と怪獣との関わりの話になっていますし、宇宙から地球を見ている感覚も全編にわたり流れています。
 またまさに全編にわたってほとばしるウルトラ愛があちこちにちりばめてあるので、関連する映像が目に浮かびますし、思わずにやりとしてしまう、そして読んでいるとつい、登場する怪獣とかメカとか動いているところを想像してしまうのです。巻末付録に怪獣、メカニックのイメージイラストがついていてこれがまたうれしいです。
 そして、これは、また、各章の感想で書かせていただこうと思っているのですが、それぞれのエピソードで語れているのはやはり人間ドラマであり、それぞれに考えさせられる主題がある、そして、全編を通じて流れる暖かなヒューマニズムが胸にぐっとくるのです。

 もちろん、メビウスをはじめとしてCREW GUYS JAPANの面々は(トリピーにいたるまで)まさにTVシリーズの性格そのまんま、セリフも、ああ、そうそう、そう言いそう、という感じで感激ものです。

前置きが長くなりました、メビウスファンにはお薦めの1册、早速ご紹介していきましょうー。

 

[1061] 魔杖の警告
ゆうはは - 2010年03月03日 (水) 16時25分

第1章「魔杖の警告」

防衛隊専科に属するGUYS研修生ハルザキ カナタはGUYS JAPANの実動部隊CREW GUYS JAPANで研修をすることになりフェニックスネストに初出勤する日を迎える。CREW GUYSの制服を着て、迎えに来ていたヒビノ ミライ隊員に、「夢に一歩近づいた」と語る彼は、しかし、足を踏み入れたディレクションルーム内の雰囲気に戸惑いを感じるのだった。そして、その時、宇宙から、GUYSスペーシーの攻撃をしりぞけ、大気圏の影響を一切うけずに落下して来る物体があった。その最終到達地点はフェニックスネストだった、、、


ウルトラマンメビウスという作品の中でのキーワードのひとつにメテオールという技術があることは言うまでもありません。それまでの防衛チームも超兵器や技術を所有していましたが、過去のデーターを元に開発されたメテオールははじめの頃、メテオールがあれば「ウルトラマンがいらないのでは」などという話しまででました。(最終回まで見て頂くと、メテオールへの本当の想いがわかるのではありますが。)目的はどうあれ、超兵器であることにはかわりない、そのメテオールを人間が持つことの危うさ、また、この後も人間は超兵器を開発しつづけていくのだろうか、そしてどのように使う事になるのだろうか。そこら辺りを考えさせる話になっています。

巻末の怪獣イラストで「魔杖」のコメントに朱川さんは「血を吐きながら続ける悲しいマラソン」とかいていらっしゃいますが、ウルトラセブン第26話でダンが言ったセリフですね。

そして、この章はやはり、GUYS JAPAN最大の秘密にハルザキ カナタが気がつくところがー!
私が好きなシーンは、避難しようとしているカナタの近くに、魔杖の落下を阻止しようとしたメビウスが、魔杖の威力に押されて墜落してしまい、はじめて、カナタがメビウスを間近で見るシーンです。メビウスがじっとカナタを見つめてそして再び立ち上がり飛び上がる。メビウスの瞳の暖かさもなのですが、赤と銀の巨人の大きさがすごく感じられて印象深いシーンになっていると思っています。
その後、カナタにヒビノ隊員=メビウスということがばれるわけですが、確かに瞳の暖かさはヒビノ隊員なのに大きさが〜信じられないのだろうなー、とか思ったりして。

それにしても、自分の夢はーたとえウルトラマンだろうと何だろうと、すべての異星人を地球から追い出すこと、と思っている、若気のいたりぷんぷんなのに、とんがっているカナタはこれからどう成長していくのでしょうー。物語ははじまりました。

[1062] ひとりの楽園
ゆうはは - 2010年03月04日 (木) 14時23分

第2章「ひとりの楽園」

休日にヒビノ隊員にさそわれて、イヤイヤながら行動を共にしていたカナタは偶然にも植物怪人が女性を襲う事件に遭遇する。街では半年ぐらい前から花がそのまま人間になったような怪人が寂しい人間をさらう、と、いう都市伝説が流行っているとのことだったが、、、、

ここからの3章はTV放映版と同じタイトルの再話のようになっているのですが、何が決定的に違うか、というと、主人公が「ハルザキ カナタ」であるということ、なのです。
TV放映版では、少女ナオコの心の動きが話の中心で、自分はたったひとりだ、と思い込んでいたナオコは「人間は誰だってさびしい、でもさみしいことも哀しい事も、みんな大切だ」「いろんな人と話したい、知り合いたい、だからもう泣かない」と最後には思う事ができるようになる。そして、「寂しさを知っている人は、別の誰かの寂しさにきづいてあげられる、大丈夫、君はきっと強くなれる」という思いのテーマが丁寧に描かれていて、最後のミライ君のセリフにそれが集約されていました。小中監督の暖かい目線が印象的な作品でした。

それから見ると、その辺りの事の印象は薄くなっているのですが、こちらでの話しは、ハルザキ カナタ自身は、ウルトラマンであろうと、すべての異星人を地球から排除したいと願っている人であり、CREW GUYS JAPAN自体を急場しのぎで素人を掻き集めた、しかもゆるい集団と捉えている、しかし、それでいて、彼自身がまだまだ未熟な青年である、という事実が、この事件を体験することによって微妙に変化していく、その過程が丁寧に描かれています。

まあ、はっきりいえば、まだまだ養成コースにいるだけで経験もなにもないのに、やたらにエリート意識だけある、青二才、しかも、家庭の事情で、異星人は決して許す事ができない思いをいだいている彼なのですが、
組織の一員として行動しようと思いながらも、CREW GUYSのメンバーの雰囲気に馴染めずとんがった言動をしてみせるのに(それがこの年令のアイデンティといえばそうなんでしょう)そのCREW GUYSの親密な空気の元凶であるヒビノ隊員はカナタが自分をもしかしたら嫌っている?というのに気がつきながら、それでも、カナタにニコニコ話し掛ける、みなさん御存じの性格ですから、カナタも調子が狂うわけですね。

冒頭でカナタの過去の事件が少しだけ、明らかになります。その事件のせいで異星人すべてを憎んでいる彼の気持ちを理解できるようになる。そして、GUYS専科のなかでは、現在のCREW GUYS JAPANのメンバーは素人の寄せ集めで専科の自分達が成長する迄の捨て駒でメテオール技術のモルモットみたいなもんだ、と、笑い話になっているそうなので、CREW GUYS JAPANを冷ややかな目でみる理由もわかる。

そのカナタが、実際の事件実戦に遭遇して隊員達の迅速かつ正確な対応を、またその技術の確かさや、それぞれの特殊な能力を目にして、もしかしたら集まるべくして集められたライトスタッフなのでは、と考えを変えていく。
異星人のヒビノ隊員、専科の教授は「ウルトラマンは人間に似たメンタリティーを持っている」と言っていて、どこに根拠があるんだ、と思っていたけれど、彼ならば一人でいるさびしさがわかるのかも、と思えるようになっていく。
少しづつ少しづつですが。そんな話になっています。

この章では、TV版で心配した、「ミライ君はメロンパンを食べられたのか?」が明らかになりますし、休日をカナタと過ごすように言われた理由がまた、ミライ君らしいというかー。ついにんまりしてしまいます。また、ウルトラマンのメンタリティーについて語った専科の教授というのがあの人で、ちょっと感涙ものだったりします。

そういったコネタを抜きにしても、「自分は誰かと繋がっていたい、そうすることで自分自身がいつか遠くにいけたらいいと思う」っているのに、なかなか人付き合いが苦手そうなカナタがこれからどう成長していくのか、、、、気になります、、話は続くのでした。

[1063] 無敵のママ
ゆうはは - 2010年03月09日 (火) 11時22分

第3章 無敵のママ
年末に大量の円盤群の襲来にあい、宇宙防衛網に深刻なダメージを残したまま地球は新しい年を迎えた。防衛ラインにフライパン型円盤とコンロ型円盤(物質転送円盤)が飛来している事が判明し、それは秘かに地球に入り込んできていた。GUYS JAPANはその円盤を送り込んできたサーペント星人との戦闘になる。なんとか勝利したGUYS JAPANだったが、サーペント星人の地上への攻撃で、GUYSの食堂のおばちゃんこと日の出サユリは子供達を助けて命を落としてしまったという情報が伝えられた、、、、

いよいよ、朱川さん、ノッてきた、という感じで、今回ははじめにサーペント星人の円盤群との戦闘がえがかれ、その中でTV版には登場しなかった、敵方の「機械竜」が登場してきます。そしてGUYS側ではアライソ整備長がリストアしておいた、あの、「メテオール」なメカが登場します。これは動いているところみたかったなあ!

さてGUYSの戦いは「守る」為の戦いである。この大前提はやはり、実戦を経験してみないと、実感として感じられないようで、今回の話では「守る」事がいかに困難なことであるか、カナタは知る事となります。

まず、はじめのサーペント星人との戦闘で「ぼんやりとはしているが決して頭は悪くないはずのヒビノさん」ことメビウスがまっすぐに攻撃していくのは無茶な行動だろう、と思う。ガンブースターに同乗しているサコミズ隊長が「メビウスのいる上を機械竜の顔が向いている限り、光線が地面にむけられることはないよね」といわれて、はじめて「勝つ」ことだけではない「守る」為の戦いだ、ということに気がつくシーンがあります。

でも、まだ、カナタには「無条件で守るために行動してしまう」と、いうことを納得できない気持ちがある。

特に今回、日の出さんの、人命救助で自分の命を落としてしまう行動には、「こども」として納得がいかないのです。
何故なら、彼が「残されて悲しい気持ちを抱いて生きている」こどもだから。
その辺りのいきさつは詳しくは書きませんが、だから、みんなが日の出さんの行動を認めてもカナタには「当事者」として認める訳には行かない気持ちがある。しかし、この辺りの心の動きはある意味リアルで、本当はそういった極めて個人的な当事者感情が大切な物だとも思う訳です。

TV版の時の日の出さん本人も、車から見ず知らずの子どもを助けようと、体が勝手に動いてしまうわけですが、命を落としてしまったとなると、「(自分の)子供達をおいてはいけないわ!」と思う。これが自然な心の動きだと思うのです。
はなしはぶっ飛びますが、TV版の「約束の炎」の時にリュウさんが「生きてまた仲間達とあうために」戦ってるんだ、必ず生きて帰ってこい、という場面がありましたが、まさにそれが「大切な事」だと思うのです。
TV版と同じようにサーペント星人は目的の為には命を顧みない行動を美徳とする、といい、それは日の出さんのとった行動とは実はおおきな違いがあるのは言うまでもないことです。

でも、まあ、思った事でも黙ってればいいのに口にだしてしまうのがカナタ。しかし、そのおかげで、ひとつは凹むカナタを元気づけてやろうと、アライソ整備長が見せてくれたメカのおかげで、もうひとつは当事者カナタの心からの叫び「かあさん、帰ってきてくれー!」のおかげで危機を脱することになるのです。

戦い終わった、この章の最後のシーンはとても胸をうつシーンで思わず、目頭が熱くなりました。

なんとなく、「守る」ことがわかってきたような、カナタ。でもまだまだ青いし、もうひとつの当事者としての心が次回は動きますー。お話はつづきますー。





[1064] 怪獣使いの遺産
ゆうはは - 2010年03月15日 (月) 16時09分

第4章 怪獣使いの遺産

GUYSスペーシーの攻撃をかわして、3機の円盤群が日本に向かってきた。その1機から、「スペリオルライン」有事の際に各国主脳が語り合う為の絶対機密のラインに通信が侵入、メイツ星人を名乗り、友好を結びに来た、と告げる。言葉とは裏腹の狡猾で強引な侵入への対応にGUYSが苦慮する中でメイツ星人の過去のデーターを探すと「ドキュメント フォビドウン」コマンダー級以上のライセンス保持者でなければ閲覧することができない、禁じられた記録が現れた、、、、

TV版「怪獣使いの遺産」は、話題作で問題作でした。いろいろな意見や感想をお持ちの方がいらっしゃると思いますが、私も、TV版作品はこれはこれで、間違いなく、「ウルトラマンメビウス」の中の1作品だ、とは思いながらも違和感を感じた点、気になった点がいくつかありました。

まず、気になった点は、特にCREW GUYS JAPANの実動部隊の隊員達は25年降りに現れた怪獣とウルトラマンを生まれて初めて見た、という年令ですから、当然、過去の「怪獣使いと少年」の事件は知り得ない。これは、見ている側の人々(特にこども達)も同じで、また、帰りマン見てたけど、このエピソードはすっかり忘れてしまっている私なんかも同じ立場で、そういった人々が過去の事件をどれほど正確に認識できるものなのだろうか?と、思ったのです。
TV版ではメイツ星人ビオと接触した後、彼からその事件を聞いた、アイハラ、ヒビノ両隊員の連絡で、ドキュメントMATに残る記録を見る、ということでしか事実を確認できない状態で、これで、過去の事件を理解できるのだろうか、そして理解出来なければ、今回の事件も解決の糸口がつかめないのではないだろうか、と思ったのです。

小説版では、この一連の事件の記録は「ドキュメント フォビドウン」という、コマンダー級以上のライセンス保持者でなければ閲覧出来ない記録となっています。ミサキ女子の言葉を借りると「人類にとって最重要レベルの情報で、意図的に隠蔽しているのではないが、受け手によってはデリケートな反応を示す場合があるので閲覧を制限している」記録となっていました。せめて概要だけでも教えてくれないと自分に正義があると思って戦えないと、訴えるアイハラ隊員。結局コマンダー級のライセンス保持者、隊長、補佐官、総監代行の協議で、カナタにコマンド仮資格が与えられ全員で記録を見れる事になり、そこで初めて隊員達は35年前の「異星人射殺事件」の概要を知る事になるのです。

そこで、異星人を排除したい考えの持ち主であるカナタは当然のように先守防衛を隊長に訴えます。そしてその意見を退けられると、「兵士として当然の事を言っている、どこが間違っているのか」と食い下がります。
そんなカナタに「ここは、軍隊じゃないよ、だから君は兵士じゃない、僕は君に兵士になんかなってほしくない」とサコミズ隊長はやさしく言い、納得のいかない顔のカナタに特別任務を与えます。

特別任務とは35年前の事件の現場に行き聞き取り調査を、ヒビノ隊員と一緒に行うこと。
しかも、CREW GUYSには地上移動用の専用車両がないのでアライソ整備長のところへ借りにいかねばならない。そこで、借りる事になったのがー。この辺りは本当に面白いので、実際に読んで頂きたいのですが、1985年のモーターショーに出品された、スズキのコンセプトマシン、「ファルコ ラスティコ」を改造したマシンなのです。やっぱり、専用車両、見てみたかったですよね!それが夢のバイクってところはー、ううう、見たいなー、映像で。

記録だけでなく、実際に聞き取り調査でみえてくこと、が、やはりあり、良少年と中学生達のいざこざとか、記録には簡単にしか書いてなかったことがわかってくる。トリヤマ補佐官にいわせると、このさい関係ない事のようですが、実は事件というのはそういう事柄の積み重ねの上におきている。というわけで、翌日もカナタとヒビノ隊員で聞き取り調査に向かい、街の人々の良少年への冷たい仕打ち、そんななかでのパン屋のお嬢さんのやさしさを聞くことになるのですがー。

さて、TV版における違和感のさいたるものは「リュウさんはビオを簡単に撃ったりしない、万が一撃ったとしたら、謝罪する、ミライ君に『街が大変なことになっているんだぞ』と言わない、ミライ君もそれで動く事はない」のではないだろうか、という、この、アイハラ、ヒビノ両隊員のいつもの設定との違いでした。

もう、お解りかと思うのですが、小説版で発砲してしまうのは、リュウさんではありません。
そしてミライ君もぎりぎりまで動きません。

しかも、その発砲もTV版よりも狡猾なビオの策略に乗らされた感じがあるのです。
しかし、そこから語られるビオの憎しみに共感できるのはカナタなのです。

前回迄にカナタの父の身の上におきた宇宙での出来事、その後の母のことが語られているのですが、今回は冒頭で、この6年前におこった「ガーベラ遭難事件」について詳しく記載されることになります。

いつものように出発して行き、帰って来なかった父親。異星人に殺された父。なげき悲しむ母。しかし、母星での扱いは通り一遍の遺憾の意を表明されるだけで、極秘事項として隠され母星でも忘れられてしまう父。真に謝罪される事もなく心から悼まれることもなく忘れられていくのが許せない!

ビオはカナタ自身だ、気付くカナタにもう、ビオを撃つ事はできません。

もうひとつ、TV版での違和感はこの状況の中で唐突に語りだす園長先生でした。(小さいこどものいる家庭の親としては、早くこどもたちを安全なところへ避難してくれ、とも思いました。)

小説版では、35年前に事件のあった河川敷の児童公園で遊んでいた保育園児達に向かっていくビオが、子供達に危害を与えるのでは、と発砲してしまう、そして、その後土手に避難していた園児の中から保育士さんの手を振り切ってミーコちゃんがハンカチを持って走ってくる、止めるカナタにミーコちゃんはTV版と同じセリフを言い、ハンカチを手渡す。というシーンになっています。女の子に免じて10分だけ攻撃を待つ、とビオは言い、10分後攻撃を開始した円盤の光線から街を守ろうとメビウスが立ちはだかる、というシーンになっています。

カナタにはビオを殺せない。メビウスが苦しむのもビオの憎しみが乗り移った怪獣が街を襲うのも耐えられない。

カナタはどのような行動をとったか、そして事件はどのような結末を迎えたのか、是非読んで頂きたいと思います。

後日、ミーコちゃんが通う保育園の園長先生(幼児教育の専門家で名高い先生だった)にアマガイ隊員が聞き取り調査にいき、良少年の話を聞き、違う星の人同士でも親子のように仲良く暮らせることに感心して、そういう心を子供達に伝えたいと教育を志したという話を皆に伝えます。
また、ビオが河川敷の500M地下にムルチを置いていった事が確認されます。

このように小説版はTV版とだいぶ趣がかわり、私にとってはTV版の時の違和感がほとんど解消された感じがしました。細かい設定などは「メビウス」の世界観にそって書き直されたとも言える感じがする程です。

それでは、この「怪獣使いの遺産」の根幹となるのは何なのだろうか。
考えた時に気がつくのは、TV版と小説版で変わらなかった点があること、なのです。

それは、「良少年がどこか楽しそうに穴を掘っていた」という証言なのです。

ファイルに良少年が穴を掘っていた記述を見た時にイカルガ隊員は「宇宙船をみつけて地球にさよならしたかったんだろう」「もう人間なんて滅びちゃえって気持ちで」と言っており、事件後、保育園の園長先生の証言にあった楽しそうに穴を掘っていた、というのはピンとこないなー、と発言します。
TV版放映後の感想で同様の意見も数多く見たと思うのですが、朱川さんはここは変えなかった。と、いうことは朱川さんが言いたかったことはここにあるのでは、と、私は思っています。

「人間が大嫌いになっていたと思うんですよ。」というイカルガ隊員に「そうではないかも、」とヒビノ隊員は独自で調査した、ある事柄を話します。それでもなんとなく納得がいかないイカルガ隊員ですが、そこでサコミズ隊長は「それは誰にもわからないことでは、、」と口を挟みます。

ここからは私の感想なのですが、「どこか楽しそうに穴を掘っていた」「違う星の人同士でも仲良くなれるんだ」と、思いたい。それが例え甘い考え方だとか、ゆるいとか、現実世界では人同士でも仲良くなれないし、とかいろいろ異論もあるとは思う。でもそうだとしてもこの世界観それがウルトラマン「ウルトラマンメビウス」の世界だ、と朱川さんはいいたいのではないだろうか。

「怪獣使いの遺産」はひとつではなく地下には負の遺産のゾアムルチが、そして地上にはビオの父親の愛情が良少年へ、その話を聞いた園長先生へ、そして子供達へと受け継がれているのではないかと思えるのです。
TV版で憎しみを具現化したゾアムルチはメビウスに倒されましたが、この話の感想をいろいろ語り合っていた時に憎しみを消す事ができるか、という話になって、世界の紛争地域で実際に見てきた方の話を伺ったりして、そんなに簡単な話ではない、という思いを抱きました。ですから、むしろ小説版のように憎しみは消し去れず奥深く埋まっている、という方がリアルだな、と感じました。では、同様にリアルに、良少年が世間に恨みを持ち続けていた、メイツ星人ビオは決して地球人を許しはしない、という風に描いたらどうなるのか。

「怪獣使いと少年」がいつまでも心に残る作品であるのは、衝撃的な問題を表現した、という事にもあるのでしょうが、この作品の中で例えばパン屋のお嬢さんがいたから、悩み苦しむ郷秀樹がいたから、そんな郷を見守る隊長がいたからなのでは、人々、特に見ている子どもたちに伝えたいことがあったから、の作品だからなのではないだろうか、と、思うのです。

35年前と現在と、人々の生きる社会は変わっていないところもあれば変わってきたところもある。子供達をとりまく環境でいえばもしかしたら精神的には生き難さ、苦しさを感じることは現在の方が多いかもしれません。そんな世界で確かに負の遺産もあるけれど、「違う星の人同士でも仲良くなれる」という理想論とも思える大事な想いを伝える事の大切さをこの「怪獣使いの遺産」は教えてくれているような気がしてなりません。
「怪獣使いと少年」のように問題を提起することができる、そして「怪獣使いの遺産」のように限り無い可能性と希望を見せてくれることができる。それがウルトラマン「ウルトラマンメビウス」の世界だ、と。


長くぐだぐだと書き連ねてしまいましたー。次は最終話。カナタもだいぶ成長してきて、はじめはあんなに毛嫌いしていたヒビノ隊員との掛け合いも見事になってきました。そんなカナタをまちうけるのはー。次回は理屈抜きで楽しみたいと、思います!



[1065] 幸福の王子
ゆうはは - 2010年03月20日 (土) 12時34分

第5章 幸福の王子

地球に侵入していたシャプレー星人によって持ち込まれていた「アルビノ ギラドラス」が春の関東地方に豪雪をもたらした。研修の総仕上げとしてガンローダーの操縦についているカナタはメテオール発動中の操作に苦戦しながらもヒビノ隊員=メビウスや他の隊員達と協力して、これをせん滅する。
帰還しようとするガンウインガー、ガンローダー両機は隊長から「未確認飛行物体がもの凄い速さで地球に迫ってきている、もうひと働きしてもらうことになったよ」との連絡が入り、高度五千m付近でその物体と遭遇することになる。
その物体は巨大生物だった。しかも、その生物は、6年前の「ガーベラ遭難事件」において地球で最期に受信され現在トップシークレットとなっているファイル名「Saeko's Good-bye」と呼ばれるガーベラから届いた救難信号を発し続けていた、、、、


とうとう、最終話になってしまいましたー。侵略宇宙人の捜索があり、吹雪の中での怪獣との戦いあり、謎の巨大生物の飛来と接触あり、再びビオが現れてー、各国GUYSのガンフェニックスストライカーが飛んでー、フェニックスネストにー、そしてまたあのバイクがー、そしてそして、、、。いやはや、もうてんこ盛りです。間違いなく面白いです。完全オリジナルストーリーというのはこういうことを言うのだなあと、感心します。まだ読んでいらっしゃらない方は是非読んでいただきたい!ですから、もう、お話の内容に関する話は極力いたしません!

どうぞ御自分の目でカナタの、お話の、行く末を見届けてください。

私の感想を少し書かせていただきたいと思います。多少ネタバレがあるかもしれませんので、ご了承ください。

描かれているのは人間ドラマです。ほとばしるウルトラ愛も、私的に満足のいく怪獣愛も、防衛チームのメカもありますが、根幹を流れるのは人の想いです。これは決してぶれることがありません。揺らぎません。

「無敵のママ」の章で、いっつも悲しそうな顔をしている、と日の出さんが心配していたカナタ。読者である私達はこの研修隊員の目を通してGUYSとメビウスの活躍を見るという体験をしながら、同時にカナタの成長を見守ってきました。「無敵のママ」のラストシーンで思わず目頭が熱くなってしまった私は、「幸福の王子」の後半部分でとうとう落涙してしまいました。
メビウスの世界はゆるいとかなんちゃら、いろいろ言われていますが、実は結構シビアで、マリナさんのおじいちゃんもトーリも、バン ヒロト君もザムシャーもかえってはこない。そしてカナタの想う人も。それが現実の世界でもあります。「悲しみなんてない世界」というわけではない、現実には。でも「どんな涙もかならず乾く。」メビウスは希望の物語なのです。
ちゃんとメビウスの物語でありながら、SF小説で、そして人の心の機微を繊細に描いている、見事だなあ、と思いました。

興味深かったのは、カナタがメビウスを含めて歴代のウルトラマンはどうして地球を守り続けてくれているのだろう、と疑問に思い続けながら、ヒビノ隊員に直接聞いたら答えてくれるだろうことはわかっているのに最後迄聞けなかった、(もしかしたらなんとなく聞いてしまいたくなかった?)ということです。
この部分がカナタらしいなあ、と、思うのです。
TV版ではありますが、リュウさんも、アヤちゃんもミライ君に直接聞いて、答えてもらっています。
私の考えですが、これはこの二人(おそらく他のGUYS CREWも)はウルトラマンというよりミライ君本人を無条件に信頼しているからではないかと思うのです。『無条件に信頼とはなんの根拠もなく誰かを信じきることだ。だから信頼は裏切られることがない。こういうバカになりきるというのはある意味で凄い勇気のいることなわけだ』私は先日、鹿野司さんの「サはサイエンスのサ」(早川書房 刊)という本のこの記述を読んで、ああ、これだな、と思ったのです。
そして『無条件に信頼するだけの勇気がない人の中にあるのは、取り引きの感覚だけだ。取り引きのというのはある条件を達成したときだけOKで、それができなければ駄目という関係だ。』と続くのですが、まさにカナタのはじめの頃の感覚をあらわしているように思えるのです。『世の中ってそういうものじゃないの、と思う人もあると思うのですが、世界と自分との関わりがすべてそれだと言う事になると殺伐としてしまい、寂しいし苦しい。』
でも、カナタは知ってしまった、宇宙でも伝説の生物、何の得にもならないのに他者の為に自分の命を捨てる事をいとわない存在がいることに。そしてウルトラマンは目の前に危機にさらされた命があるのを黙ってみていられない存在なんだ、と思えるようになり、そのウルトラマンと無条件に信頼関係を結んでいるGUYSの先輩達を知り、そのチームにいつしかなじんでいる自分を。

そして、「目の前に危機にさらされた命があるのを黙ってみていられない」存在であるウルトラマンとそのウルトラマンが無条件に愛してくれている人間、ウルトラマンを無条件に信頼している人間のお話こそが「ウルトラマン」のお話なんだなあ、と思ったのです。

そういう意味で言えば、M78星雲の兄弟でも平成のウルトラマンでも確かにみんなそうだなあ、と思うのです。

カナタは第1章で人類が超兵器を持つ事に警告(侵略、破壊ではなく)をしめす存在が宇宙にはいて、CREW GUYS JAPANにはメビウスがいることを知り、第2章でCREW GUYS JAPANは実はライトスタッフで、自分は「ひとりの楽園」に組み込まれてしまわずに誰かと繋がり、遠くを目指したいと思い、第3章で守る事の難しさと侵略宇宙人を乗っ取ってしまった「無敵のママ」の愛情を確認し、第4章で、もうひとりの自分と出逢い、ウルトラマンの存在についてなにかがわかり、第5章で「幸福の王子」の存在を知る。そして全編を通じて流れているのは家族への愛情、なんだなあ、と思いました。

カナタ、大丈夫、いつか必ず、あなたは名前の通り遥か彼方に行ける。


朱川さん、素晴らしい話をありがとうございました。

[1066] 最後に
ゆうはは - 2010年03月20日 (土) 12時36分

皆さん、たびたびこんにちは。
長々とつたない文章で本当に失礼しました。
蛇足なのですが、最後に少し付け加えさせて下さい。

朱川湊人さん作「ウルトラマンメビウス アンデレンスホリゾント」連載が終わって、後日単行本になります。と書いてあった時、すっごく楽しみでした。半年ぐらいまたされて、いつになるんだろー、と心配していたので、発売日が発表された時はもう、すっごくうれしかったー。この冬、メビウスが登場する新作品はいくつかありましたが、ハッキリ言って一番楽しみでした。とうとう手にした時はどきどきしてしまったほどです。それは間違いなくあのTVシリーズに繋がるメビウスが見れる!という期待で、そして読んでいる間その期待以上に楽しい時間を過ごす事ができました。

今回、このような形で本の紹介をした目的はもうひとつしかありません。
映像作品でみたい!という願いからです。

この本の中の3作品はすでにTVシリーズで発表されていますし、そちらの作品も好きなのでそれはそれで充分なのですが、できれば最終章の「幸福の王子」だけでも映像化してもらないかなあー。
いろいろな制約があってほとんど無理だろうことは承知の上です〜。
だいたい、芸能界を引退されている方もいるし、アーマードダークネスの時のハルザキ カナタのイメージをどう変えるのかとか、細かい制約もあるでしょう。
でも、見てみたいなあ、と、思うのです。、
まさに、ウルトラな世界の、完全オリジナルストーリーを。
できれば、心からウルトラマン、ウルトラマンメビウスを愛するスタッフの方々の手によって。

思えば数年前、この時期、最終三部作のまっただ中で、メビウスのお話の行く末を見届けねば、と毎週どきどきしていました。そのとき以来、状況が随分とかわってしまったことは存じております。
おりしも、先日、円谷プロの親会社がまた変わるという報道がありました。
ウルトラマンと円谷プロをとりまく状況はけっして順調な、とは言えない状況なのかもしれません。

そんな時期にお気楽に何を言っているのだと思う方もいらっしゃるかもしれません。
願いがみんな叶うとは思っていません。
ただ信じている。そして信じる気持ちが夢に繋がる。「どんな希望もつみあげながら。」

希望学という新たな研究に取り組んでいる方々の調査では「希望や信念はそれらを持つ人から周囲に広がる」そうです。一人でも希望を持てばそれが伝わる過程で実現性を高めることが期待されるのだそうです。
私はそのことをウルトラマンから教わったように思います。

ウルトラマンメビウス「幸福の王子」を是非映像化してください!

読んでいただいてありがとうございました。


[1067] 「ウルトラマンメビウス アンデレンスホリゾント」 
どんきー - 2010年03月20日 (土) 15時59分

レイゴさん、みなさん、こんにちは。
ゆうははさん、「ウルトラマンメビウス アンデレンスホリゾント」ご紹介ありがとうございます。

私んちは思春期女児と一緒にまたまた逆順でメビウス世界を楽しんでいます。
(書籍「アンデレンス…」→本編DVD『怪獣使いの遺産』迄+『アーマードダークネス』)
DVDを見始めたのは女児の方。小説を読んだ後メビウス1話から順にレンタルし始めまして、私の「大怪獣バトルNEO」は一向に進まないという悲劇(喜劇?)

「アンデレンス…」を先に読んだメリットは、個々のキャラクターや立ち位置が頭の中に刻みつけてから、メビウス各DVDを観てるので、TV本放送の頃の受け身で漠然と見逃がしていた細かい所も、DVDを繰り返し見ては隅々まで堪能しつくしてから次巻に移ってて、とても楽しんでいます。

さて…「ウルトラマンメビウス アンデレンスホリゾント」全体について。
(各話感想はゆうははさん圧巻で、とても書けない…)

偶然?「ガンダムUC」も産みの親は小説家・福井氏で映像化にあたっても脚本担当された様に、現在のクリエーターが生まれ育ってきた時代には「ガンダム」も「ウルトラマン」も存在するのが当り前の文化の中にいたわけで。
日本が誇るサブカルチャーキャラクターを「日本の子どものヒーロー」から「世界の大人の為の作品」に昇華させうるクリエーターは少なくないと思います。

ゆうははさんがおっしゃる「映像化」私も大賛成です。
「ウルトラマン」シリーズは「スターウォーズ」等と匹敵出来る力を持っていると常々思っていますが「ウルトラマンメビウス アンデレンスホリゾント」は全作品を映像化し(時間枠を取っ払う)「カナタ隊員」を含む人間ドラマの部分を中心に作ってほしいと思うのです。

メビウスの金色の瞳がじっと見つめた先にいるカナタ隊員が「ふと頬と額にぬくもりのような感覚がはしる…穏やかな太陽の光を受けてるような、瞼の裏がくすぐったくなるような感覚」に気づく(以上、要約)

このような表現、30分枠の映像では一瞬・役者に光を当てて終わってしまうのでしょうね。
でも、この様な細かい心象を積み重ねていくのは日本映画の得意とするところですし、ここを端折っているからこそスポンサー等から「子ども枠」はめられて、その次に進められないんじゃなかろうか?
(逆?「子ども枠」はめられてる為に端折らざるを得ない?)

円谷プロを取り巻く環境及び(私の情報力では知り得ない)数々の内部事情が年々厳しくなっている様で、大人の事情は悲しい話多いです。
ですが円谷最初のピンチの頃、マイクロソフトの広告に初代マンが使われたり、今もバラエティ番組のBGMに歴代ウルトラの曲を使う頻度が高くなったりしているのは、各セクションの「ウルトラ育ち」がそれぞれ「ウルトラマン(を作って来た円谷プロ)がんばれっ」と応援している様に受け取ってるのは私だけでしょうか?

今、産みの親・円谷プロが苦しいのなら養生し力を蓄えるまでの間、朱川さんの様に小説など別のコンテンツで「ウルトラシリーズ」成熟を進めて行き、いずれはそれを原作にして新たな「ウルトラシリーズ」につながって欲しいと思います。


以上、雑感でした。
皆さんの様な深い考察出来ず、書き散らかしのお目汚し、申し訳ありません。

[1069] お久しぶりです、遅くなりました
藤子 - 2010年09月19日 (日) 23時32分

 ゆうははさん、みなさん、今晩は。本当にお久しぶりです、もっと早く来たかったのに遅くなってごめんなさい。

 細かいことは書けませんが、やはり少しだけでもと。

 出だしでは高慢で生意気なエリート候補生のような書かれ方をしていたカナタですが、そうなるに至った経緯が明らかになるにつれ、私は黙って見守るだけでした。地獄を見たことのない私に言えることは何もないからです。「宇宙人みな悪人」という思い込みはおかしいと自分でも分かっているのでしょうが、父を殺され、現実逃避した自分の母に「今の自分」の母であることを放棄されたことを恨みそうになるのを堪えるために必至なカナタ。母の症状について、あえてアッサリバッサリ語る伯母も辛かったでしょうね。「はかない希望は絶望より残酷だ」という名言を読んだことがあります。
 一方、先輩たちに対して「俺はこんなゆるい奴等とは慣れ合わない」と自分に言い聞かせはしたものの、「寄せ集め 蓋を開けたら 選りすぐり」なので驚くところには笑えました。一番ウケたのは「無敵のママ」ですね。マリナの姐御ぶりは最高です。「よし、いいとこ行った!」…うーん、さすが熱血バカの喧嘩女房。
 その後、カナタの悲痛な叫びで復活したサユリ母ちゃん。霞んでしまったメイビーが哀れ。
 戦いすんで、カナタはリュウとミライに自分の事情を明かしました。自分から打ち解ける気になってくれて良かった。そのご褒美とまではいかないけれど、母の手には「やがて生まれるわが子」への靴下が。
 それにしても、この話でさりげなく凄かったのはサコミズだと思いませんか。「空いた穴は塞げばいいから」って、なんとまあ、あっさり…。さすがはゾフィーに選ばれた御方です。

 さて、まだまだ書きたいことはありますが、明日のために寝てしまうことをお許しください。続きはまたいつか。

[1073] 遅くなりましたが、どんきーさん、藤子さん、お元気ですか!
ゆうはは - 2010年11月25日 (木) 09時38分

みなさん、こんにちは。
この投稿をしてから、はや半年以上がたちました。
CSのTBSチャンネルでまた、「ウルトラマンメビウス」の再放映がはじまっています。
はじめてメビウスのお話に触れる方もまた、みえるだろうし、何度でも何度でもみて楽しまれている方もいらっしゃることでしょう。まさに、無限に続くメビウスの物語りですから。

どんきーさん、遅くなってしまってごめんなさい。
「ウルトラマンメビウス」「ウルトラギャラクシー大怪獣バトル」見終わられたでしょうか?
また、ぜひ、ぜひ感想をおきかせください!
どんきーさん、私がちょうど中学生のころ、ライトノベルの文庫が発売されはじめた頃だったように思います。それから数十年、娘がそのころの自分と同じ年頃になって、本屋さんにいきますと、まああ、いろいろなジャンルの本がふえたなああ、と感心いたします。
コ○ルト文庫なんて、私達のイメージをとびこえてしっかりと定着していることに驚いたりします。

私が子どもだった頃、主流だったメディアと人々のそれとの関わり方は、数十年で本当に様変わりしたのだろうなあ、と思います。例えばこども向けの展開が家族みんなで視聴するテレビ(地上波!)放映と、玩具販売と学年雑誌掲載、こども向けタイアップ商品だったのが、現在は映像作品(テレビ放映、DVD、インターネット動画)、ゲームソフト、カードゲーム、玩具、etc,etcその展開はどこまでいっちゃうんだろう、という感じですらあります。

総合的な展開が成功すると、大ヒット商品になる。

当たり前のような話ですが、それだけで、「作品」というものを語れるのだろうか?
また、成功例があるのに、同じように商品として大ヒットしないのは何故なのだろうか?

まあ、いろいろなことを考えたりしています。

アンデレンスホリゾントは心から映像作品になって欲しいと願っていました。
ウルトラマンメビウスの物語が40年間の「ウルトラマン」の世界観を壊す事無く、ひとつの流れとして大切に作り上げた作品だったのですから、そのウルトラマンメビウスを冠した作品であるならばウルトラマンメビウスを大事に思う人々に大事につくって欲しいと願ったからです。

どんきーさんの書いていらっしゃる、カナタがメビウスの金色の瞳の暖かさを感じるというシーンが私も大好きでその映像をみたい!と心から願っています。

特撮ヒーロー物というジャンルの名称が妥当なのかどうか良くはわかりかねますが、ある意味、世間の方々がそういうジャンルでとらえているのならばその王道をウルトラマンには進んで欲しい。
特撮とは何か、ヒーローとは何か、他人のまねではなく、今の流行りを追うのではなく、オリジナルな、そして想いのこもった作品が見たいと願っています。

藤子さん、おひさしぶりです!
私も「無敵のママ」小説バージョン面白かったなあ、と思いました。
そう、マリナさん、カナタいうところの勝負師としての顔、良かったですよねー。
テッペイさんの「マグネリウムメディカライザーだっ!」も是非聞いてみたかったです。
サコミズ隊長もさりげなく大活躍で、ホントにミライ君のかげが〜。
以前、マニア板でいろいろな創作が発表されていた時も、どの方が描いてもそこそこミライ君の影が薄いのですよねー。そ、それがウルトラマンメビウスの作風なようで今回もそれを踏襲しているのか?とさえ思えました。
でも、視点をかえれば、まさに「メビウス」はCREW GUYSとの友情の物語であったのだと、思います。それならばなお、メビウスの続きは、単に記号としての「ウルトラマンメビウス」が登場して子どもを喜ばせよう、と、いうのではなくウルトラマンと人との物語りであってほしいと、願っています。

いよいよ、ゼロのDVDが発売、来月は映画公開ですね。無限に続く光の国のお話がみれますように。





[1079] 無限に続く、光の中へ
ゆうはは - 2011年04月29日 (金) 00時47分

みなさん、こんばんは。

おそらく、書く場所が違う!と、思われる方が多いと思うのですが、なんだか、ここに書かせていただくのが一番しっくりくるので、ごめんなさい。

先日、「ウルトラマンメビウス」でサコミズ隊長を演じられた田中実さんの訃報が報道されました。

大変驚き、ショックでした。ご冥福をおいのりいたします。

当たり前の話ではありますが、「ウルトラマンメビウス」でいろいろな役柄を演じて下さった俳優さん方は、俳優を続けていらっしゃる方は、次々に違う役を演じていらっしゃいますし、俳優をおやめになった方は、新しい生活の場で新たな役割をなさっていらっしゃいます。

新しい場で活躍なさっているのを目にして、とても嬉しく誇らしい思いでいっぱいになります。

一方、それでも、私にとってあまりにも「ウルトラマンメビウス」という作品を溺愛しているためか、「メビウス」の時の姿をもう一度みたい、と思う気持ちがすごくあります。

まあ、そんな気持ちもあって、いつか、また本当の「ウルトラマンメビウス」の続きか番外編が見たいと願い、「アンデレンスホリゾント」の感想の記事を書かせていただいた訳なのですが、

いままでの、かんがえうるどんな困難な要因よりも今回の出来事はそれをあきらめざるをえない状況だと、思わざるをえなくなってしまいました。


サコミズ隊長、GUYSの面々が思っているのとおんなじ、あなたのことが大好きでした。田中さんが演じてくださって本当によかったです。自分と同世代の方が隊長を演じると、こんなに素敵な隊長になる、誇りに思いました。

ありがとうございました。

CREW GUYSは永遠です。

[1080]
藤子 - 2011年05月04日 (水) 23時51分

 ゆうははさん、皆さん、今晩は。お久しぶりです。

 私も、サコミズ隊長について、何か書きたくて。
 素人同然の新メンバーに怒鳴りつけることもなく、上手に導いてくれる彼が好きでした。色々と重いものを背負っている筈なのに、それを感じさせない彼が好きでした。「別れの時」で、何も言わずにミライの肩を軽くたたき、自分の判断に任せてくれた彼が好きでした。相手の胸の内を全てくみ取れるなんて、素晴らしいことです。
 こんなことを書くのは時期尚早かも知れませんが、私は四十九日まで待てませんので、やはりどうしても円谷様に聞いていただきたいことがあります。
 今後の作品で、メビウスやゾフィーが地球でのことを回想するシーンがある場合、また、ウルトラマンの歴史を振り返る特番が組まれる場合には、ちゃんとサコミズ隊長のシーンを入れて欲しいのです。辛い思いをするのは分かっています。しかし、彼を慕う人々は、彼の存在を伏せるようなことは望まないと思います。以前にも書きましたが、ウルトラマンメビウスは「巣立ちの物語」だと思います。ならば、「育ての親」を外して欲しくないのです。
 こういうことは直接円谷様に申し上げるべきかもと思いましたが、ここに集う皆様にも読んで頂きたくて。

 最後にゆうははさんへ。感想の続きが遅くなりまして失礼しました。結局、以下のことしか思いつきませんでしたけど。
 私がカナタに贈る言葉は「初めて出会った宇宙人がミライで良かったね。」です。

 それでは、いつかまたお会いできますように。



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