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ウルトラマンメビウス&ウルトラマンシリーズマニア掲示板

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[1017] 創作「泣き虫メビウス番外編 サコミズのモノローグ」
藤子 - 2008年06月25日 (水) 17時27分

 「泣き虫メビウス番外編 サコミズのモノローグ」


 ミライ、とうとう君は巣立っていったね。おめでとう。たった一年だったけど、君を育てるのは楽しかったよ。いや、育てられ、教えられたのは、むしろこちらかも知れないね。
 
実は、初めてゾフィーに会った時に、もう君を預かる約束をしていたんだよ。『留学生というわけではないが、我々がお互いをより深く理解しあうためにも、一人の若者を地球に送るつもりだ』と彼は言った。その若者はまだまだ未熟者で繊細で純粋すぎて、こちらが不安になるほどだが、底知れぬ力を秘めていて、しかも自覚がないからどう化けるか分らない諸刃の剣だと。ゾフィーは私に断られることを覚悟していたらしいが、初対面で単刀直入にそこまで言われて、逆に乗り気になった。「諸刃の剣」なら自分も傷つきかねないということだ。それは自分でも持て余すような科学力を手に入れてしまった我々地球人も同じこと。
不幸な形ではあるが、共通点を持つのなら理解しあえるはずだ。私はその場で引き受けた。後で分かったことだが、その頃地球を守ってくれていたのはタロウだった。そんなに前から、先を見越して彼は君を選んでいたんだね。
 そして一年前、月の裏側で私は初めて君に会った。一応GUYSスペーシーには根回しをしておいたし、君もミクロ化の状態で飛んできたから大騒ぎにならずに一安心、と思ったら、君は人間体になるなり突然泣き出した。子供みたいに泣きじゃくって訳を聞くどころではなくて、まあこれでも飲みなさいとコーヒーを出したら、君は両手でカップを握ったまま泣き続けて、すっかり冷めてしまった頃に、やっと、アランダスの事故現場に居合わせたこと、ヒロト君を救えなかったこと、自分の人間体のモデルが彼であることを話してくれた。それで、バンさんを慰めたいから、彼の家に連れて行ってほしいと言い出した。そんな事をしても何の解決にもならないとは思ったけど、何故か駄目とは言えなくてね。わかった、と言ったら、君はようやく泣きやんで、それから「あの、これ、何ですか?」…食事の訓練は受けさせたとゾフィーは言っていたが、メニューにコーヒーは無かったとは知らなかった。君は恐る恐る一口飲んで、目を白黒させるもんだから可笑しくて可愛くて、笑いをこらえるのが大変だったよ。…結局、「ヒロトさんの代わりに」という君の好意は、バンさんにはかえって残酷でしかなかったけど、「大切な人に代わりはきかない」ということを君は学んだ。それにバンさんは、君にぴったりの名前をくれた。「日々の未来」。不器用だからこそ、こつこつと努力を重ねる君の生き方そのものじゃないか。ゾフィーから聞いたよ。君は幼い頃から発達が遅くていじめられて、それでも必死で這い上がって来たって。泣きながら、それでも歯を食いしばってね。

 君の優しさ、純粋さを知るにつけ、私は君が地球人でないことが残念でならなかった。地球に帰還した私が最もショックだったのは、人の心があまりにも荒んでいたことだったからだ。身勝手で強欲で短絡で残酷な怠け者…そんな人間が溢れる地球に果たして未来はあるのか、と落胆した時の気持は、とても言い尽くせないよ。これでは、盾になってくれたウルトラマン達に申し訳ない、ムラマツやハヤタと共に過ごしたあの頃に戻れたら…と。
 そして、あのディノゾール戦。奴が来ると分かっていて、私は初めて君を一人で外に出した。何かが起こる、起こさなくてはならない、そんな衝動に駆られてね。なんとか倒したものの、リュウに「バカヤロー!!」と罵られて、君は自分を恥じて落ち込んでいた。でも、いつまでも泣いてはいなかった。「このままでは、僕を地球に送ってくれた大隊長と教官に申し訳ありませんから」と言って、リュウを探しに行った。打たれ強いんだなあ、君は。でも、もっと私が感動したのは、君がすぐに素晴らしい新メンバーを集めてきてくれたことだ。何の策もなく、誠意と熱意だけで、「お願いします」と何度も頭を下げて。君の人柄に魅かれて来た彼らを見て、「まだまだ地球人も捨てたもんじゃない」と私はひそかに喜んだ。むしろ、リュウの方に手こずったな。GUYSのメンバーであることを誇りに思い、セリザワと先輩達を心から敬愛していたのに、それを一瞬で総て失って、自己嫌悪と復讐心に凝り固まっていた。彼がまさに「第二のツルギ」になりかけていたのを必死に食い止めたのは、リュウの心の叫びに目覚めたセリザワと、何度突き放されても彼から離れなかった君だよ、ミライ。

 やがて、共に闘う経験を積んで、リュウ達と打ち解けていく喜びを感じる反面、君は不安と孤独感を募らせていったね。オオシマ彗星のかけらの件では、焦りから「出しゃばった」と誤解されるようなことをして、ふてくされたこともあった。だからなおさら、真実を告げたら、彼らが態度を変えてしまうのではないか、「ヒビノミライ」が真実の姿だったらどんなにいいかと、時々泣いていたのは知っていたよ。でも、そんな心配は無用だったね。インペライザー戦で、君が自ら正体を明かした後も、彼らは君を「ミライ」と呼んでくれたじゃないか。第三者がいない限り、どちらの姿であろうとも。どちらも君の真実の姿なんだよ。…ついでに言わせてもらえば、私も君に人間名がついて以来、一度も「メビウス」と呼んだことはないけれどね。

 ───そういえば、ゾフィーは本当にぎりぎりまで手を出さずに、君と、そして我々を見守ってくれていた。彼にしてみれば、地球人も宇宙社会ではまだまだルーキーで、頼りなくも危なっかしく思っただろうに、こちらの「自立したい」というプライドを尊重してくれた。情報だけ与えて、後は我々自身で考えて行動させる。失敗─大惨事に至ったら自分の責任だと思えば、突き放すのは恐ろしかったろうに。私も人の上に立つ者として、その気持ちは分かる。それだけに、なんとかこなせた時は嬉しくて、君達と一緒にはしゃぎたいくらいで、そんな我々の成長を喜んでくれる彼の気持ちが伝わってきた時は嬉し泣きしそうだったよ。
父親に認められた青年の気分だった。
 父親、か。私もGUYSの皆にはそういう気持で接していたな。手のかかる子供が一度に六人もできて、大変だけど楽しかった。もちろん、一番手のかかったのは君だったけど、自立心が一番強かったのも君だったような気がする。だって君は、私がゾフィーに後見人として付けられていて、しかも彼と融合していることを知りながら、私にもゾフィーにも、殆ど甘えなかっただろう?何かにつけて泣きつこうと思えば、いくらでもできた筈なのに。

 そして、遂にこの日が来た。君は愛する人達のために、再び這い上がり、戻ってきた。いくつもの壁を越えて結んだ絆を途切れさせないために。君が彼らを求め、彼らが君を求めた。絆は双方が手を差し伸べればこそ、結べるものだと実感させられたよ。ここまで来て、遂にゾフィーは「共に行こう」と呼びかけてくれた。奇跡の瞬間に立ち会う喜びを分かち合えて、私は最高に幸せだったよ。
 ──やがて、再び地上に降り注ぎ始めた光の中に佇む君を見て、君が初めて地球に降り立った日のことを思い出した。プラズマではなく自然の太陽の光を浴びて、君は至福の顔をしていたね。あの時と違うのは、成長した男の顔に、別れの寂しさが宿っていたことだ。君がメモリーディスプレイを黙って素直に返した時は、正直驚いたよ。確かに「職場の備品を私物化してはならない」と教えはしたけれど、「リュウさんが描いてくれた『心の炎』は、皆と本当の仲間になれた証なんです!!」と、あんなに喜んで、とても大事にしていたから、泣きながら「お願いします!!」と懇願されたらどうしようかと内心ビクビクしていたのに。私が思うより、君はずっと大人だった。泣き虫はそのままだったけどね。
 ミライ、君はこれからも色々な場面で泣くだろう。乾くそばから、また新しい涙が溢れることもあるだろう。でも、それでいいじゃないか。ある時は今の自分を恥じ、ある時は誰かのために泣く心がある限り、君は確実に前に進んでいける。「日々の未来」、──本当に、なんて君にふさわしい、いい名前だろう。

 さて、もうそろそろ寝なければ。地球の復興、GUYS再建のためにも当分は休みなしで働かなければならないからね。そして、一刻も早く新しいフェニックス・ネストを構えて、新しい若鳥達を育てなければ。
 ミライ、これからも時々は地球においで。私達が世を去った後も。我々の志を受け継ぐ者の中に我々は生き続けるのだから。次の世代、また次の世代へと、何度でも繰り返し絆を結び合おう。そうすれば、いつの日かまた「我々自身」が君と再会できる日が必ず巡ってくる。それが私の信じる「ウルトラの奇跡」だ。

 おやすみ、ミライ。その日が来るのを待っているよ。

(了)


 後書き

 私がこの話を思いついたきっかけは、主題歌の二番の「銀色の目が 時の流れを見つめてる」です。ウルトラ一族と地球人は、寿命の長さがあまりにも違いすぎる。メビウスがやっと本当の一人前になるころには、もうリュウ達はこの世にはいない。それでもお互いに大切な人を忘れたくない、また会いたい、その存在を感じていたいとなれば、「転生」に賭けるしかないわけです。
 「メビウスの輪」は、一本の帯を半分ひねって繋ぐことで裏と表が繋がります。そのままでは出会うはずのない世界が結ばれる、ということです。あり得ないことが起こったのだから、危険とセットとはいえ、可能性も無限にあるのではないでしょうか。
 偉そうなことを書きましたが、「どんな希望も積み上げながら」生きていくメビウスとGUYSの面々が再会できることを祈って、サコミズのラストの言葉となりました。

[1018] その日が来るのを待っています。
ゆうはは - 2008年06月26日 (木) 14時18分

レイゴさん、藤子さん、みなさん、こんにちは。
藤子さん、お帰りなさい!泣き虫メビウス番外編読ませていただきました。

藤子さんが、ご指摘の通り、光の国の住人と、地球人の寿命の長さは余りにも違い過ぎます。簡単にウルトラマンは2万歳と、かかれた学習雑誌を見ていた時は、「へえ〜」と、思っていましたが、メビウス=ミライと、GUYSの皆との絆の物語を見た後にそのことを思い出すと、せつない気持ちになります。まさにメビウスの物語は無限に続く、希望の物語。私も「ウルトラの奇跡」を信じたいと思いました。

実は藤子さんの「泣き虫メビウス」は私のもっているメビウス感と遠い位置にあるように思えて、と、いうのも、いろいろ、皆さんの創作を大喜びして読んでいるくせに、ウルトラ一族はやはり、神秘の存在でいてほしい、と、思う部分があったり、メビウスにしても、まあ、泣き虫なのはあの通りですから、おいておくにしても、藤子さんの、彼の生い立ちの設定についていけない、ところがあって、スルーさせて頂いていました。(なにせ、本人が呑気な楽天家なので、シビアな話が苦手なんです。)ですが、今回は、その色があまり、濃くなく、ああ、サコミズ隊長のモノローグとして、本当にそういう感じだったろうな、と、しみじみ読ませていただきました。

いやはや、失礼な事を書きました、藤子さんは藤子さんの思うように、これからもどんどん、書いていっていただきたいと、思います。楽しみにしています。

「むしろ、リュウのほうにてこずったな」の一文は受けました!本音ですね〜。

感想板の方も、前回ちょうど、CSの感想は「旧友の来訪」でした。これから終盤戦です、ぜひ、そちらの方で藤子さんの感想もお聞かせ下さい!

ありがとうございました。



[1019] ありがとうございました。
藤子 - 2008年06月30日 (月) 22時53分

 ゆうははさん、ありがとうございました。失礼などと、とんでもありません。私は昔から、ひねりが効きすぎた妄想をしては、周囲に引かれていましたから。かつて色々な動物占いが流行った頃、何種類か試してみたら、いずれも「空想上の生物ゆえ、言動が突飛で周りの人は振り回される」という結果でした。しかし、現実の世界に生まれている以上、懲りずに生きて行きます。(笑)

 感想板の方にも、そのうちお邪魔しようと思っております。では。



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