【広告】楽天市場にて 母の日向けギフト値引きクーポン配布中

改めて題詠マラソン2003・私的感想掲示板

横レス歓迎。お気軽にどうぞ。
(ページ左下に検索機能が付いています。よろしければご利用下さい)

ホームページへ戻る

 

Name
Mail
Homepage
Subject
Color
Delete Cookie

 

過去ログ46より。
ぽっぽ [ Home ] [ Mail ]
このログはもう10月下旬になってますね。

099:かさかさ しのざき香澄 2003年10月22日 (水) 21時36分
かさかさと銀色セロファンたたむ夜はあなたも星もどこか遠くて

しのざきさんのラストスパート。
31音で夢を描いているような印象があります。
隙のない歌だけが歌じゃない。純粋に楽しむための歌もある。

013:愛 島田牙城 2003年10月23日 (木) 09時53分
灰皿が土星に見ゆる福寿草ほどの愛など育てしがため

ワンポイントに反応しちゃ駄目なんですよ。
駄目なんですけど「福寿草ほどの愛」が好き。(笑)

037:とんかつ 佐藤りえ 2003年10月23日 (木) 22時51分
筋を切る 肉を叩いて整える とんかつを作るようにする

うわ、怖いなあ。(^_^;)
「とんかつを作るように」何をしているのかは書いてないのがポイント。

065:光 黒瀬珂瀾 2003年10月25日 (土) 22時55分
カップ麺夜の路肩に分けあへる君、ネットでは光の勇者

非常に分かりやすい対比なんですけれども、
それでも結句の「光の勇者」は輝くほどに美しい。さすが。(^^)
No.53 2004年04月23日 (金) 22時28分

 

過去ログ45より。
ぽっぽ [ Home ] [ Mail ]
ぼちぼち行きます。

034:誘惑 春村 蓬 2003年10月16日 (木) 01時11分
誘惑は閉ぢたディオネアムスシプラ微風のなかに旧姓はあり

「ディオネアムスシプラ」が分からなくて悔しい歌。
(ドラゴンドライブ?アンコモンカード?)
「微風の中に旧姓はあり」という下の句に惹かれただけに分かりたかった。

058:たぶん 羽田野 令 2003年10月17日 (金) 00時50分
カスタネットカタカタ鳴らすジプシーの一団がゆく たぶん眉間を

このログの羽田野さんの歌、
どれも不思議で惹かれるんですが私には読み切れないですよ。(^_^;)
この歌も平凡とさえ言える第4句までを結句がひっくり返しています。
うーん、たとえば頭痛の暗喩なのかしら。でもそれじゃ面白くないですね。

087:朝 高澤志帆 2003年10月18日 (土) 13時07分
決行の空砲鳴りし神無月の朝の逆さのてるてるばうず

高澤さんの歌は安心して読めるな、という印象があります。
これはたぶん運動会でしょう。「神無月」が効いてるなと思いました。

055:置く 五十嵐仁美 2003年10月19日 (日) 11時18分
いつからか金次郎は居なくなり風の台座に団栗を置く

二宮金次郎ですね。
銅像が消えて台座だけが残っているのでしょう。
「風の台座」という省略的表現に惹かれました。
団栗がちょっと甘いかな。でもここが作者の優しさでしょうね。

066:僕 星川郁乃 2003年10月20日 (月) 01時14分
「僕らは」と複数形で語られてかぼそいラの音にされてしまった

発見の歌。
「僕ら」は「僕」以外は「ら」なんだなあと。
確かにこの「ラ」はか細い。字余りがちょっと気になりますが。

079:眼薬 岩崎一恵 2003年10月20日 (月) 23時23分
ひとしずく眼薬たらしまなうらの砂地に青きすみれを咲かす

美しい歌。
そうかまぶたの裏って砂地だったんだー。(感心)

031:猫 佐藤りえ 2003年10月21日 (火) 00時55分
ありえないかたちで眠る猫の足にみなぎっている春の肉球

ワンポイントに反応しちゃいけないと分かってはいるんですが、
「みなぎっている」が心底好きです。(笑)
No.52 2004年04月23日 (金) 20時14分

 

過去ログ44より。
ぽっぽ [ Home ] [ Mail ]
こちらのログはもう10月です。
あたしはこの頃なにしてたっけかなあ。

072:席 岩崎一恵 2003年10月07日 (火) 10時05分
終バスの後部座席にひとりきり宛名の滲んだ手紙のように

岩崎さんの歌はとても繊細で、
言葉にはできない何かをできるだけ言葉にしてくれている、
といった印象があります。
この歌の下の句もそうですね。
ただ第三句の「ひとりきり」の「きり」が強いので、
その時点で下の句の方向を先に決めてしまっているところがあるかも。

070:玄関 林 ゆみ 2003年10月08日 (水) 18時43分
玄関の傘立ての裏こおろぎがヒリヒリヒリと秋運び込む

「ヒリヒリヒリ」という擬音語が新鮮で秋にぴったりだと思いました。
二か所の助詞の省略が気になるかな。第二句の後は一字空けてもいいかも。

066:僕 西橋 美保 2003年10月11日 (土) 00時19分
国民の公僕と父の言ひしとき声にかすかな陶酔のあり

微妙なところを突いた歌。
謙遜の裏の傲慢、みたいな感じでしょうか。
「言ひし」と「あり」の時制の不一致が少し気になりました。

090:ぶつかる 佐藤弓生 2003年10月11日 (土) 10時46分
水滴にぶつかられつつそういえばわたしもいつかだれかに降った

水の触覚が呼び起した前世の記憶、といった感じ。
ちょっとだけヘレンケラーみたい。
「だれかに降った」という結句が衝撃的。
作者の心も水のように変幻自在なんだろうなと思いました。

091:煙 近藤かすみ 2003年10月13日 (月) 12時02分
ひとを焼く煙がのぼり消ゆるまで親族(うから)はぬるき茶を啜りをり

この「ひと」はおそらく他人。
たぶん順番待ちなんでしょうね。「ぬるき」が効いてるんじゃないかな。

077:落書き 芦田美香 2003年10月14日 (火) 12時58分
落書きも夢も寝言も失言も解釈されて痴呆の祖母は

もう普通人としては接することができないので、
まるで研究材料のようになってしまうんですね。
でもそうせざるを得ない周囲の状況も分かります。「解釈」が切ない。
No.51 2004年04月19日 (月) 21時58分

 

過去ログ43より。
ぽっぽ [ Home ] [ Mail ]
去年はこのログでもう9月末なんですね。
やっぱり今年は歌の数が多いんだなあ…。

019:蒟蒻 寒雨 2003年09月30日 (火) 00時01分
そういえば蒟蒻久しく喰ってないそろそろ冬の仕度もしよう

上の句から下の句への唐突すぎない跳び方が楽しかったです。
「冬の支度も」と「冬の支度を」どっちの方がいいかしらね。

051:敵 黒瀬珂瀾 2003年09月30日 (火) 02時03分
テレビ売り場に並ぶ無数のアラファトに吾は味方か敵か知らねど

アラファトさん、今はどこで何をなさってるんでしょうか。
下の句「吾の」ではなく「吾は」であるところが高慢で素敵。

083:予言 かいり 2003年10月01日 (水) 14時56分
「心配はしないで。そんな大それた予言じゃなくて、ただ見えるもの。」

ああ、やっぱりかいりさんって見える人なんだー。
そう思うとちょっと安心しますけど、もっと怖くなりますね。

067:化粧 芦田美香 2003年10月02日 (木) 16時01分
暗がりの鏡の前で鏡など見ずにべろりと化粧を落す

「べろり」が怖い。
目や鼻や口も一緒に落ちそう。

055:置く 林 ゆみ 2003年10月04日 (土) 23時49分
テーブルに置かれたままの朝刊のような貴方を何処から開く

これ、何となくご主人かなあと思いました。
疲れ果ててとりつくしまもないような感じ。
でも作者は開こうとしている。そこに救いがあるような、ないような。

061:祈る 兵庫ユカ 2003年10月05日 (日) 23時09分
掃除機に何か詰まって神様に祈ったことをすべて取り消す

二句までの前半と、
三句以降の後半は理屈で繋がってるわけじゃないんですが、
だけどものすごく納得できちゃう。
こういう一瞬の心の動きを逃さずに言語化できるのがユカさんなんだなー。
No.50 2004年04月15日 (木) 19時48分

 

過去ログ42より。
ぽっぽ [ Home ] [ Mail ]
068:似る 佐藤弓生 2003年09月23日 (火) 06時39分
水に身をふかくさしこむよろこびのふとにんげんに似ているわたし

この、ふっと気づく感じが怖いというか何というか。
にんげんじゃないんですね。変だな?みたいな感じかしら。

064:ド−ナツ 岩崎一恵 2003年09月24日 (水) 23時54分
ドーナツをふたつに割って空しさも甘さもわたしが多く味わう

ハイリスクハイリターン、かな。
「ふたつに割って」ですから現実の量は等分なのでしょうけれど。

001:月 西橋 美保 2003年09月25日 (木) 16時09分
快楽が身体を夜ごとかへてゆく見られつつなほ空をゆく月

下の句がいいな、と思いました。
上の句はちょっと通俗過ぎるかも。

046:がらんどう 羽田野 令 2003年09月28日 (日) 11時32分
がらんどうに差す月光を愛(かな)しみてあなたは胸に駅舎を組めり

これも下の句がいいなあ。
上の句がやや曖昧なのが惜しいか。
No.49 2004年04月14日 (水) 00時01分

 

過去ログ41より。
ぽっぽ [ Home ] [ Mail ]
ぼちぼち行きます。

003:さよなら 千名民時 2003年09月15日 (月) 21時50分
さよならのよだけ母音の違ふこと見つけてけふの悲しみとする

某所の家主さんです。
そうやってネタ探してんのかー、じゃなくて。(笑)
わざわざ悲しみを見つけるということは幸せなのかなあ、
とも思いますがどうなんでしょうね。悲しいから悲しみが欲しいのかも。

003:さよなら 錦見映理子 2003年09月15日 (月) 23時15分
一瞬にくちびるふさぐ風のごとあした告げたき「さよなら」はあり

ひー、えりりん〜(じたばた)
錦見さんの歌は静かだけどテンション高いよなと改めて思いました。
どの歌も全部ドラマなんだよね。

095:満ちる 荒川美代子 2003年09月17日 (水) 00時47分
うしろからふいにだきしめられるたびわたしのなかに満ちてく薊

あらかわさんの歌もドラマなんですけど、
えりりんに較べるとずっと日常っぽいんですね。
日常の中の落とし穴を探し歩いているようなところがある。
この歌も満ちて来るのが「薊」なのがあらかわさんらしくて痛いなあ。

083:予言 稲村 一弘 2003年09月17日 (水) 10時10分
何故に予言とふ題つけたるか訝しみつつ辞書眺めをり

すいませんすいませんこの題出したのあたしです…(^_^;)
「やゆよ」担当だったんですけど、最初はもっと普通の題だったんですよ。
それが書き込むときになってつい魔が差しちゃって。てへ。
No.48 2004年04月13日 (火) 22時59分

 

過去ログ40より。
ぽっぽ [ Home ] [ Mail ]
051: 敵 椎木英輔 2003年09月08日 (月) 11時27分
碁敵は基本的には友をいふ碁にぞ日本語の良さが残れる

理屈といえば理屈の歌なんですが、
何となく妙に納得しちゃいました。(笑)
「基本的には友をいふ」がいいなー。

031:猫 村上きわみ 2003年09月08日 (月) 12時49分
教科書の余白に描いた曲線はゆるすぎて、たぶん、じきに猫です

「猫」のお題でこう来たか、と思った歌。
結句「じきに猫です」の不思議な説得力は、
「、」と「たぶん」の呼吸の効果なのかも。

058:たぶん 岩崎一恵 2003年09月08日 (月) 21時16分
たぶん明日も雨 しずみやすいあのひとのからだに蔓をからませておく

初句二句が破調。
でもリズムがあるせいかあまり気になりませんでした。
植物的な性愛の歌か。生々しくない、でも濃密なエロスを感じました。

042:クセ 黒瀬珂瀾 2003年09月08日 (月) 21時26分
一閃の雷(らい)、沖に見て静かなりアクセルを踏む君の横にて

藤田湘子の「愛されずして沖遠く泳ぐなり」を思い出しました。
でもからんくんの歌は甘さよりニヒリズムの方が強いですねー。
自分でアクセルを踏むのではなくて横にいるのがいいな。らぶ。

087:朝 荒川美代子 2003年09月08日 (月) 23時32分
朝礼でたおれるような美少女にあこがれている少年ジャンプ

最近はジャンプを読んでいないのでよく分からないのですが、
こういうイメージはありますね。
日本の男って基本的にみんなそうじゃないのかなあ。(^_^;)

046:南 山本双葉 2003年09月09日 (火) 00時56分
ブランコをこいでる方が真南と空のすべてが味方だったころ

不思議な歌。三句切れなのかしら?
「と」が微妙ですね。魅力的な感じがするのですが。

075:痒い かいり 2003年09月09日 (火) 19時37分
痒そうにみえるの掻くの灼熱のガードレールにはじけるひかり

これも不思議な歌ですが不思議さがちょっと違う。
ひかりが痒そうだから掻く。きっと本当に作者にはそう見えるんだと思う。

038:明日 星川郁乃 2003年09月10日 (水) 00時56分
明日届くはずの手紙を眠らせて赤いポストはひんやりと立つ

「届ける」ではなくて「届く」としたところがポイント。
視点の位置がポストの外側にあるんだな。「ひんやりと」がまだ動きそう。

077:落書き 笹田かなえ 2003年09月10日 (水) 21時19分
落書きのようにも服にシワつけて床に転がるもうすこしだけ

いいですね、色っぽくて。切なくて。(喜)
「シワ」は「皺」の方がもっと切ないような気もする。どうでしょ?

036:遺伝 村上きわみ 2003年09月10日 (水) 23時26分
(元気でね)手を差し出してたしかめる蟻の遺伝子ほどのさむさを

きわみさん、もう一首。
蟻の遺伝子だよー。そのさむさだよー。(じたばた)

075:痒い 高澤志帆 2003年09月12日 (金) 01時18分
ありがたうと言ふわれを母はじつと見る痒いところのあるやうな顔

むー、ドラマがありますね。
母と娘が探り合ってる感じ。
付き合いの長い女同士だからなあ。

026:妻 瓜生ゆき 2003年09月13日 (土) 00時17分
振りかざす妻の正義は正当で故にラーメンは長く伸びゆく

これもドラマがありますね。
ラーメンだからアパートに乗り込んで来た感じかしら。
上の句の固さを「故に」で繋いだ下の句が面白い。

033:中ぐらい 氏橋奈津子 2003年09月14日 (日) 04時10分
しんとあかるい眼差しをして恋人を中ぐらいには侮っている

なとさんの歌、
私には難しいんです。(でも好きです)
この歌は他の歌よりちょっとは分かるかな。
侮るって時には悪いことじゃないと思う。相手を知ってるってことだから。

056:野 兵庫ユカ 2003年09月14日 (日) 19時51分
求めても今求めてもでもいつかわたしのことを外野って言う

外野ー!(泣く)
どうしてここまで分かっちゃうのかなあ。それがかなしい。
No.47 2004年04月08日 (木) 22時24分

 

過去ログ39より。
ぽっぽ [ Home ] [ Mail ]
063:海女 コメット 2003年08月31日 (日) 20時04分
気にそまぬ社員旅行で海女潜る海の汚れが気になっていた

職場詠のコメットさん。
不機嫌さと人の良さが感じられた歌。
「海女潜る」がやや舌足らず。助詞がないせいでしょうね。

054:麦茶 兵庫ユカ 2003年08月31日 (日) 23時25分
空襲のイメージがして十二歳真夏わたしは麦茶を拒む

ユカさんのすごい歌の一つ。
すごい十二歳だよなあ。こういう拒否の理由もあるのか。

056:野 久哲 2003年09月01日 (月) 01時06分
草深い野に転がった硬球を探す暇などもうないけどな

下の句の途中からクッとねじれる歌。
外されるとでもいうのかしら。こう来たか、みたいな感じ。
初句の「草深い」が重いですけど、これも仕掛けのうちかしら。

051:敵 岩崎一恵 2003年09月01日 (月) 13時08分
敵を追いつめる快楽ゆっくりと銀のフォークでミルフィーユくずす

状況は描かれていないんですが、
最初に思ったのは恋敵との対決、
次に思ったのは口説き落とす直前、
最後に思ったのは浮気の追求でした。(笑)
ミルフィーユはすぐにほろほろ崩れて食べにくい。
ゆっくりと慎重に、でもあくまで優雅に切っているのでしょう。

068:似る かいり 2003年09月01日 (月) 16時32分
このくすりの効きはじめっておおぞらが虹にむかっていくのに似てる

この歌もすごいなー。
虹が大空に向かうなら少しは分かりますが、
大空が虹に向かうとは。そういう習性(?)だったのか。
でも感覚的には何となく想像できそう。実感としてはつかめないけど。

055:置く 佐藤弓生 2003年09月03日 (水) 06時12分
どんなにかさびしい白い指先で置きたまいしか地球に富士を

ああ、この歌があったなあと。
神様はさびしいひとなんでしょうね。
地球はなぐさめになったんだろうか。

026:妻 浦奈保美 2003年09月04日 (木) 12時09分
一夫一婦制の国と
一夫多妻制の国と
婦と妻の不思議に遠い距離を測る

終電車白きあかりは寒々と妻子へ向かう螺鈿の小筺

「寒々と」の批判性と「螺鈿の小筺」の美しさ。
この相反する表現が一首を複雑に深くしていると思う。

027:忘れる 佐藤りえ 2003年09月04日 (木) 23時28分
周回数忘れるためにアクセルをもっと踏み込む ころがれひかり

結句が気持ちいい。
四句までが素朴すぎるかも知れない。どうなんだろう。

056:野 新谷休呆 2003年09月05日 (金) 17時30分
またひとつ老人の家が消えてゆく故郷の村に野分立ちけり

「老人の家」はたぶん一人暮らしの老人宅ではないか。
(老人ホームかも知れませんが。ちょっと曖昧な表現かも)
下の句、はまりすぎているような気もしますが言いたいことは分かる。

055:置く AQ 2003年09月05日 (金) 23時49分
テーブルに広げ置きたる朝刊のそのままにある深夜の帰宅

なかなか選べなかったAQさんの歌。
ようやく選べました。簡潔な描写。

038:明日 塩谷風月 2003年09月07日 (日) 12時12分
子とあそび妻をいたわり家中のかたづけをして終わろう、明日は

明日は今日の次の日だから、
実は永久に来ない日だったりします。(笑)
でも、そう思ってるだけ優しいよね。

066:僕 村本希理子 2003年09月07日 (日) 17時13分
僕といふ影なき主語を当然の権利と使ふものたち 羨し

たしかに「ボク」に影はないですねえ。
「しもべ」は影だらけですけど。「羨し」は皮肉だけではないような。
No.46 2004年04月06日 (火) 07時57分

 

過去ログ38より。
ぽっぽ [ Home ] [ Mail ]
夫婦して風邪を引きました。ぐしゅぐしゅ。

065:光 かいり 2003年08月23日 (土) 12時37分
たくさんの光がぼくを傷つけるきずつけるからにぎってしまう

かいりさんの歌は、
使われている言葉自体はとても平易なんですけど、
その接続やら何やらが全く普通でないので驚かされます。
たとえばこの歌なら結句の「にぎってしまう」。
でも読者を驚かせてやろうなどというあざとさは全然ない。
いつも透明でかなしい。だから惹きつけられるのだと思います。

052:冷蔵庫 ていだきねこ 2003年08月23日 (土) 14時37分
冷蔵庫背もたれにしてずっといる。ずっとしている音ってしずか。

性的な歌に読んだら邪すぎるでしょうか。
おそらくは夜。だから本当は音はうるさいはずなんですけど、
音さえ飲み込んでしまうほどの静けさなんだろうなと。どこまでも一人。

050:南瓜 岩崎一恵 2003年08月24日 (日) 10時57分
帰る家さがす老婆の煮くずれた南瓜のようなおもいでばなし

この直喩はすごいなあ。<煮くずれた南瓜のような
実は私も帰る家を探したことがあるんです。
そういう家ってもうない家のことが多いそうですね。

055:置く 村本希理子 2003年08月24日 (日) 11時05分
黒鍵に置いた右手がかゆくなる嬰ヘ長調げんじつは何処

結句ですっ飛んだなあ。(笑)
でもこのかゆくなる感覚は分かるような気がする。

085:銀杏 ていだきねこ 2003年08月26日 (火) 15時28分
あなたしか言えないことのとうとさをとおくでひかる銀杏のように
090:ぶつかる ていだきねこ 2003年08月26日 (火) 15時31分
「ぶつかって左、信号右、ですね?」しらないひとと空に描く線
096:石鹸 ていだきねこ 2003年08月26日 (火) 15時34分
きみのつめつむたびかおる石鹸はパパイヤパインみなみのねむり

きねこさんのラストスパートから三首。
なんて照れ屋なんだろうなあと勝手に思います。
優しくてひんやりしてる。今日も元気でいて下さい。

028:三回 羽田野 令 2003年08月27日 (水) 18時09分
水面を三回切つて飛ぶ石を遠い記憶のやうに見てゐる

デジャブーよりももっと遠い感じでしょうか。
眼前の景色が遠くなる。どこからか呼ばれているような。

074:キャラメル 笹田かなえ 2003年08月27日 (水) 22時59分
キャラメルのつつみ紙よりまだ薄い逢う日のはなやかなうすぐもり

「はなやかな」が巧い。切ない。
薄いのにね。曇ってるのにね。でもやっぱり華やかに思えてしまうんだ。

037:とんかつ ひぐらしひなつ 2003年08月28日 (木) 09時44分
向きあってとんかつ食めばほとほとと雪はちいさなあかりにも降る

あー、駄目だ。泣けそう。(^_^;)
不幸せと言ってしまっていいのか。幸せと呼んでしまっていいのか。
No.45 2004年04月05日 (月) 08時50分

 

過去ログ37より。
ぽっぽ [ Home ] [ Mail ]
ちょっとお腹痛いですけど頑張ります。(^_^;)

074:キャラメル 荒川美代子 2003年08月16日 (土) 23時20分
キャラメルをからから口でころがせばきっとみえるわ雲の肋骨

とりあえず、これ。(笑)
荒川さんのひらがなの歌は、
呪文というよりは小さな女の子の独り言みたいな感じがする。
絶対に聞かれないことを前提にした独り言。
だからたぶん質問したらすごく怒られそうな気がします。
たましいがするすると吐き出した言葉だから、
きっと聞かれても困るんじゃないかなあ。
結句「雲の肋骨」が秀逸。前半との繋がりは不明ですが。

028:三回 ていだきねこ 2003年08月18日 (月) 06時53分
ネオテニーでもこどもではないことが三回寝てもわからなかった?

うーん、すごい歌だ。(^_^;)
「ネオテニー」はイソギンチャク類などの幼形成熟。
三回寝ても分かんなかったのか。ダメな男だなあ。

070:玄関(再投稿) 藤原龍一郎 2003年08月18日 (月) 21時29分
たぶんこれは夢だと思うが玄関に井伏鱒二が佇んでいる

きっと夢です。(笑)
井伏鱒二って佇むに似合うなあ。さすがだ。

041:場 佐藤弓生 2003年08月23日 (土) 06時02分
夕焼けはむかし磁石を埋めた場所――堺市菩提町のほうから

磁石の方から来る夕焼け。
今でも太陽を引きつけているのでしょうか。
実際にはあり得ない。でもここには詩的真実がある。

067:化粧 高澤志帆 2003年08月23日 (土) 09時25分
化粧坂をなすびの馬がのぼりゆく夏のくらがりひとをかくしぬ

某一首批評会にも出された歌。
解釈が難しいですが、私は歌の景色のまま、
なすびの馬にのってこの世にはいない人が坂をのぼっていくと読みました。
あの世に帰るところでしょうか。そして暗がりはその人を包むように隠す。
No.44 2004年04月03日 (土) 18時40分

 




Number
Pass

ThinkPadを買おう!
レンタカーの回送ドライバー
【広告】楽天市場にて 母の日向けギフト値引きクーポン配布中
無料で掲示板を作ろう   情報の外部送信について
このページを通報する 管理人へ連絡
SYSTEM BY せっかく掲示板