[153] ゼノン=ヴァーミリオン |
- 蛍 - 2007年10月14日 (日) 01時02分
Zennon’s prolog
ずっと小さい頃から魔法というものに憧れていた。
憧れ、という表現では少し甘いかもしれない。 僕は早く魔法が使えるようになりたくて、仕方が無かった。 だから「それには目一杯勉強してえらい人にならなきゃ」という両親の言葉にも簡単に乗せられて、小さな頃から死に物狂いで勉強してきた。 アカデミーに入れば、きっとすごい魔法使いになれるに違いない。 そう教えられた時から、苦手だった体育や組み手も頑張って出来るようになった。 けど、念願叶ってアカデミーに入った直後に突きつけられたのは、僕にとってはこの上無く残酷な真実だった。
───僕には、魔法の才能が全く無かった。
普通はどんな人にも多少の魔力が備わっているものなのに、僕の身体にだけは、まるでそれだけ綺麗にこそぎ落とされたように存在しないのだ。 だからどれだけ的確に魔力の使い方を指導されても、僕にはそれを実行する事も、練習する事すらも出来ない。 僕は泣いた。幼馴染みのアシュレイがいつも傍にいて、慰めてくれたけれども。 毎日、毎晩、涙が枯れる程泣きつくして、次第に、少しずつ、涙も心も乾いていった。
それからの僕がしてきた事といえば魔法以外の勉強と、自分で実践する事も出来ない理論だけの魔力の勉強。 そして、護身具に銃剣を選んだ事だ。 近くの相手も離れている相手も攻撃できる銃剣は、なんだか少し、魔法みたいだと思ったから。
進級を繰り返して、その内僕はメル先輩の事を知った。 先輩こそ、まさしく僕が憧れた魔法使いそのものだった。 強く神秘的で雲の上のような存在。僕には決して臨めない領域。 でも、それでも良い。 僕は彼に憧れつつ、それでも僕は僕で、自分に出来ることを頑張って生きていこう。
そう……とっくにそう……吹っ切れたと思っていたのに………
1: 名前
ゼノン=ヴァーミリオン
2: 年齢
15歳
3: 性別
男性
4: 種族
人間
5: 外見
身長:168cm 体重:54kg
外見:蒼髪を短く刈っている。茶瞳。額が広く目が大きい犬顔童顔。やや痩身だが中肉中背。美形ではないが不思議な色気がある。
服装:フードつきノースリーブにジーンズの裾を折り曲げている。スニーカー。背中に銃剣をしまうホルスター。シルバーチェーンのチョーカー。
6: 性格
少々気が強く負けず嫌いだが、根は素直で健気な性格。 努力をする事を惜しまないが、そんな彼の勤勉さは自分に対する自信の無さや凡庸さに対するコンプレックスからきている。 その為、彼の努力には常にどこか焦燥のようなものが漂っている。
恋愛などには未だ疎い。
7: 過去
魔法国家「ケントニス」の出身。 ごく一般的な商家の生まれ。
幼い頃から上昇志向が強く、全世界でもトップクラスの難関と呼ばれるケントニスアカデミーに入学し、合格。 勉学でも運動でも好成績を取り続けているが、ただ1つ魔法の才能だけが著しく欠けている事がコンプレックスでありつづけている。 しかも皮肉な事に、自由自在に魔法を操ることは昔からの彼の夢であった。 アカデミーには多くの優秀な先輩がいたが、特にメルとジェットという2人の上級生はさらに群を抜いて非凡な能力を持ち合わせていた。 アカデミー内外から色眼鏡で見られていた彼らに、ゼノンも強い尊敬の気持ちを抱いていた。 特に、メルに対するゼノンの思い入れの度合いは筆舌に尽くしがたいものがあった。
ある日の事、ケントニス市街に大国「ルカーディア」の戦闘部隊が奇襲を仕掛けてきた。 ケントニスには優秀な魔導師が非常に多く存在していたため、他国が迂闊にこのような侵略行為を働いてくる事はこれまで無かったのだが、やってきた部隊は皆、見慣れない強力な魔法封じを武装しており、高名な魔導師達が次々に身柄を拘束され(おそらくそれが彼らの目的であったようである)、彼らの任務の障害になりうるものは悉く抹殺、破壊しつくされた。
戦闘部隊の魔手はアカデミーの生徒達にも及び、少しでも魔術の腕に覚えのありそうな者は選抜され、拘束された。 しかし、その様子を黙って見ていられなかったゼノンは単身で銃剣を振るい、彼らに立ち向かった。 幸か不幸か魔法を使えないゼノンは、魔法に頼りきりの他の仲間達よりもずっとマトモに戦う事が出来たのだったが、それでも未だ子供の身であるゼノンは次第に追い詰められていった。 敵の刃がゼノンと、そして彼の傍についていた幼馴染みのアシュレイに向けられた瞬間。 気が付いた時には、ゼノンにはこれまでの彼には無い妙な能力が宿っていた。
その能力は空間を歪め、時を止め、ゼノンを常人にはありえないスピードで戦わせ、敵を討ち取らせた。 やがて、戦闘部隊はケントニス中の魔導師を虜にしてしまったが、ゼノンは自分の傍にいた者達に限り、守りきることが出来たのであった。
メルが連れ去られた事を知ったゼノンは、その時からすでに自分のやるべき事を決めていた。 ゼノンはアシュレイとそして、彼ともう一人、奴らに対抗し得た実力者・ジェットの、たった三人で祖国を飛び出していった。
8: 職業
学生 銃剣士
9: 口調
マジメ 気が強い
「すぐ僕の頭を触るの、やめてくださいよ。」
「(すごい………やっぱり先輩はすごいぞ………!!))」
「どうだ、勝ってやったぞ!?」
「分かってたさ……これが僕の力じゃないって事なんか……。」
「それでも僕は、嬉しかったんだ。僕はずっと、先輩に近付きたかったから。僕は、先輩みたいになりたかったんだ。」
戦闘開始時
「よし、行くぞ!!」
etc…
戦闘勝利時
「あははは!!やったね!!!……ゴホン!!(照)」
「この調子で、一気に行こう。」
etc…
10: 一人称、二人称
一人称「僕」
二人称「君」「お前」
11: 好きなもの
白身魚のムニエル ブドウ酒 シルバーアクセサリー 鍛錬
12: 嫌いなもの
セロリ 鼠 猥談
13: 好きな人
アシュレイ:幼馴染み。恋愛感情にまで発展してるとは言えないが、大切に思っている。
14: パートナー
特にいない
15: 属性
無
16: 苦手な属性
無
17: 戦闘スタイル
所有武器:「アガートラーム」
銃剣「アガートラーム」を使いこなし、遠距離・中距離への銃撃や牽制、近距離での斬撃などあらゆる状況において互角以上に戦うことが出来る。 身体能力は高く身のこなしにも優れているが、何よりも視力が非常に良く銃撃の命中率はかなりの高さを誇る。 また、アイオーンの力によって時空間を操れるため攻撃のスピードは凄まじいが、彼自身の剣技はかなりのパワー型。 直接戦闘能力ではかなりのポテンシャルを誇る。
なお、魔法の才能は全く無い。 召喚獣「アイオーン」との契約により「アイオーン」が銃剣「アガートラーム」に融合しており、これによって魔法を操ることが出来る。
18: 精神力
未熟だが活力にあふれている
19: 戦闘熟練度
★★☆☆☆
20: 技や魔法
銃剣による科学の力とアイオーンの魔法の力を同時に操る。
「風刃剣」:アガートラームで前方を薙ぎ払い、衝撃波を放つ。
「連刃斬」:三回連続で敵を斬りつける。
「爆雷砲」:アガートラームを敵に突き立て、発砲する。
「空雷砲」:斜め上空へ向かって発砲し、焼夷弾を降らせる。
「断裂剣」:振り上げたアガートラームを力任せに振り下ろし、目の前の敵ごと地面に叩き付ける。
「黒馬蹄蹴」:敵の体に剣を突き刺し、さらに回し蹴りを食らわせつつ引き抜く。
「流星弾」:前方に無数の散弾を放つ。
「天空雷覇」:上方へ斬り上げながら飛び上がり、空中から敵へ向かって発砲する。
「超加速」:一定時間、運動&感覚スピードが超人的に上昇する。
「光束弾」:飛行速度を極端に遅くした照明弾を放つ。長く宙に留めておく事で盾に使用できる。
「神速斬」:敵に向かって発砲した瞬間、弾丸を遥かに越えたスピードで敵を斬りつけ、直後に弾丸を被弾させる。
「修羅神速斬」:敵に巨大な光弾を浴びせかけた瞬間、時間を止めて敵をあらゆる方向から斬り付け確実にトドメをさす。
「多重徹甲弾」:アイオーンの時空を操る力によって、一瞬の内に数回の発砲を浴びせる。
「疾風八方殺」:空間移動を繰り返しながら敵を何度も斬りつけ、トドメに敵の死角から勢いよく斬りかかる。
etc…
21: 特殊能力・特殊技能
「アイオーン」:異界「ロストガーデン」に存在する召喚獣の一種。強大な力を持っているが、ロストワールドの中でははぐれ者のような存在である。 時空間を操る能力を持ち、生物の負の感情や狂気を喰らう。巨大な黒狼の姿をしている。 より多くの人間の負の感情を喰わせてくれる事を条件にアガートラームに憑依し、ゼノンの召喚獣となった。 負の感情を食われた人間は憎しみや悪意を忘れ、心に清らかな風が吹く。 しかし、その憎しみや悪意に関わった全ての物を失う。
あるきっかけによってロストガーデンに干渉したゼノンはそこでまた偶然に出会った「アイオーン」と契約を結んだ。 どういうわけか、アイオーンはゼノンを気に入り上記の条件と引き換えに彼の剣となる事を承諾したのである。
アイオーンはゼノンを気に入っていたが、もう1つ、彼にはある目的がある。 彼の好物は人間の憎しみや悲しみ、狂気のような負の感情であるが、実はそれにもさらに好みがあるのであった。 例えば、子供らしい情熱と正義感に溢れる少年に力を与えてやり、彼に多くの事を経験させつらく厳しい現実をいくつも叩きつけてやる。 すると、どうなるだろう?おそらくその少年は打ちひしがれ、生きる事に挫折し、絶望し、世の中を呪うであろう。 それまで少年が鍛錬し秘めてきた瑞々しいエネルギーは全て、自分を裏切った世界に対する悪意に変わる。 そしてそのとき自分は、それまで愛を込めて育て上げてきたこのご馳走を、頭から飲み込み余さず喰らうだろう。 その様を想像する度、アイオーンの体にはゾクゾクするような感覚が走るのである。
そんなアイオーンを、ゼノンはやっと手に入れたこの上ない友として見るのである。 その瞳の輝きが、アイオーンの欲望を益々掻き立てる事に全く気が付くこともなしに。
22: 必殺技
「天王飛翼刃」:上空から敵に飛び掛り、残像を見せながら敵の周囲を飛び上がって無数回斬りつけると、トドメに相手の頭上から特大の光弾を撃ち込む。
「銀皇七星剣」:敵を斬り付けた瞬間に時を止め、アイオーンの魔力を帯びたアガートラームで7度斬り払った後、次元ごと敵を斬り裂いて時を戻す。
「冥皇超烈覇」:敵を上方へ斬り払い、空へ銃口を向けた瞬間に発砲。空へと伸びたアイオーンのエネルギー波を巨大な剣のように振り下ろし、あらゆるものを消し潰す。
etc…
23: 能力[E.まるで駄目 D.苦手 C.人並み B.得意 A.達人級 S.化物級 SS.神級] 体力:B 魔力:C 腕力:A 知力:B 素早さ:S 命中:A
24: 武器やアイテム
「アガートラーム」:銃剣。退魔の力を持つ銀で作り出された歯車をモチーフに作り出された銃剣。 アイオーンと融合している為、他には無い時空間を操る力を持つ。
25: その他
「ケントニス」:南方に存在する小国で、国土は狭い(日本の北海道程度)が歴史は古く、魔法科学の著しい発展を遂げている為他国への影響力は非常に大きい。 学問の国という異名を持ち、特に首都に存在するケントニスアカデミーはありとあらゆる知恵知識が集うと言われ毎年世界中から受験者が訪れる。
「ロストガーデン」:現実世界とは異なる次元に存在する世界で、ある程度の魔法の心得のあるものならば直接あるいは間接的に干渉が可能。 ロストガーデンの発見はごく最近の出来事で未だ詳しい事は明らかになっていないが、少なくとも現実世界とは全く異なる理の元で動いている世界であり、そこには「現実世界には存在しない全てのもの」が存在していると予測されている。 強力な魔導師の中にはロストガーデンに存在するものと契約する事で現実世界にロストガーデンの力を召喚する事の出来る者もおり、代表的なのはケントニスアカデミーに所属するメル=シエルアークの「12神将」などがある。 逆に、ゼノンのようにわずかの魔力も持たないような者が召喚獣を持つという事は極めて異例な事である。
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