【広告】Amazonからクリスマスまとめ買いフェア2点以上で5%OFF

何でもノベライズ掲示板

何か記念に書いてください!

ホームページへ戻る

Name Message
Subject
URL
Mail
Color
Delete Cookie

[16]MyRPGノベル・プロローグ1・レイコの夢 - 投稿者:仮面ライダー音夢



・・・・・・あれは有名な魔法研究家の娘、レイコ=ダイゴが12歳の頃だった・・・。

レイコ「ねえお兄様・・・・大人になったらレイコをお嫁さんにしてくれる??」

『お兄様』というのは、レイコが長年想いを寄せている幼なじみのチヒロ=クサカのことだ。

チヒロ「うんいいよ・・・・僕が20歳の誕生日を迎えたときに結婚しようね・・・。」

レイコ「お兄様!!・・・・嬉しい!!」

レイコは目に嬉し涙を浮かべていた。5・6歳の時にチヒロと初めて会って以来、ずっと好きな想いを寄せつづけていた・・・。そしてついにその想いがチヒロに届いたのだ・・・!!

レイコ「おにいさま・・・・。」

レイコはチヒロにキスをしようとした・・



ドタン!!!!!

レイコは我に返った。ここはダイゴ家の屋敷でレイコは寝ていた自分のベットから落ちていた。

レイコ(夢だったのね・・・・。)

そう分かったとたん、ベットから落ちた痛みがレイコを襲った・・・・。

お手伝いさん「おはようございます、お嬢様。」

レイコ「・・・・・・おはよう。」

お手伝い「今日の朝食はいかがなさいます??」

レイコ「今日は自分で作るわ。作らずに入られないの!!」

お手伝いさんの顔が真っ青になった!!!!それから、レイコから逃げるように洗濯をし始めた!!過去に何度もレイコの料理を無理矢理味見させられた事があるのだ・・。レイコの料理の腕前は・・・・・言うまでもないだろう・・・・・(大汗)

レイコ(花嫁修業は料理から・・・・。お兄様に喜んで食べてもらえる料理ができるのも、もうすぐですわ!!)
それはないって・・・・・。

料理をしている間も、レイコはチヒロのことばかり考えていた。
レイコの夢はチヒロと結婚して幸せな家庭を築く事だ。今の生活は不幸ではないが、幸せとも言えない・・・・。レイコの両親は新しい魔法の研究で忙しく、家を空けることが多い。たまに帰ってきても、自分の研究している魔法の話しかしない。両親はレイコに自分のあとをついでほしいと強く願っていて、レイコ自身も、両親に言われるがままに魔法の修行をしていた。それが時々むなしく思うレイコだったが、チヒロとの結婚で自分も変われると思っていた。
今は遠距離恋愛(?)だけど、チヒロという婚約者(?)が自分の支えになってくれる。

レイコ(お兄様は明後日に20歳の誕生日を迎えるから、その時はお兄様のほうから改めてプロポーズを・・・・・・)

レイコは変な形のオムレツに、ケチャップ代わりのアップルジャムとマスタードをかけて、自分で味見した。パリっという音が口の中でしたが、オムレツの中に卵の殻も入っていた・・・・・。
レイコ「うーーーん。これならいうことなし!!おいしくできましたわ!!」

レイコの舌と胃袋は鋼鉄なのだろうか・・・(大汗)

レイコは明後日という大事な日を心待ちにしながら、次の料理を作っていた・・・・!!


チヒロが子供の頃の婚約(??)なんてすっかり忘れて、マイコという恋人をつくっていた事をレイコが知るのは数週間後のことだった・・・・・・。

(つづく)

( 2004年09月12日 (日) 20時00分 )

- RES -

[17] - 投稿者:仮面ライダー音夢

復活記念(?)のノベルです。

RPGツクールアドバンスで作っている物語のプロローグです。

詳しい設定は後ほど・・・・・。

( 2004年09月12日 (日) 20時07分 )

[18] - 投稿者:壱伏 充

復活おめでとうございます(ManiaXではたびたびお見かけしておりましたが)。

 RPGツクール系は触ったことが無く、RPG自体やり遂げたゲーム数が「たった一本」の私ですが、音夢さんのノベルとなれば話は別です(何)

 しかしレイコ……「明後日が誕生日」で「チヒロが恋人を作っていたのを知ったのが数週間後」ということは……誕生日当日のチヒロが来ないことへの落胆ぶりが目に見えるようです(汗)

 ともあれ、これからの展開を楽しみにしております。

( 2004年09月13日 (月) 12時28分 )

[19] - 投稿者:仮面ライダー音夢

充さん、お久しぶりです。

家のパソコンは壊れていても、マンガ喫茶のネットでマニアックスに書き込みをしていました・・・・・。

この小説は日曜・祭日にどんどん書き込む予定です。もしよろしければ見てくださいね・・・・。

( 2004年09月14日 (火) 18時04分 )

[20]キャラクター紹介 - 投稿者:仮面ライダー音夢

    レイコ=ダイゴ

魔法研究家の娘で、お嬢様の19歳。
幼なじみのチヒロ=クサカを一途の愛している。性格はわがままで、高飛車なように見えて、実は結構優しくて一生懸命で友達思い。

子供の頃は親に似ず、魔法がなかなか覚えられなかったので、周囲から馬鹿にされがちで友達もできなかった・・・・。
今現在は魔法もある程度使いこなせ、友達もいるが、将来の道の事で悩んでいる。

( 2004年09月18日 (土) 19時04分 )

[21]キャラクター紹介修正版 - 投稿者:仮面ライダー音夢

    レイコ=ダイゴ

魔法研究家の娘で、お嬢様の19歳。
幼なじみのチヒロ=クサカを一途に愛している。性格はわがままで、高飛車なように見えて、実は結構優しくて一生懸命で友達思い。料理が下手で、味覚もくるっていて、人迷惑な料理しか作れないのが欠点・・・。

子供の頃は親に似ず、魔法がなかなか覚えられなかったので、周囲から馬鹿にされがちで友達もできなかった・・・・。
今現在は魔法もある程度使いこなせ、友達もいるが、将来の道の事で悩んでいる。

( 2004年09月18日 (土) 19時06分 )


[13]ざ・ふぇすてぃばる 「参上!我らがキャプテン・ナイス!」 中編 - 投稿者:イシュ

 暁の邂逅
黄昏の喪失 天意
破滅の狭間に生まれしは
小さな光
祈りにこだまする星たち

The crying small light in the dark
Reverberant the voice of Calling
幾たび迎える深淵 遠く近く導くさが
The crying small light in the dark
Reverberant the voice of Calling

歳月綾織り
全てを呑み込み しずかに流れる
次なる未来へ

The crying small light in the dark
Reverberant the voice of Calling


………。

……。

…。

 EDまで流れたが幕は未だに降りない。スタッフが「はいお疲れさん」と寄っても来ない。冷静に考えると意識ははっきりとしている。恐る恐る目を開けると…。

チンピラ2「イテテテテテテッ、なんだァッ、テメェはァッ!?」
 よく見るとチンピラの攻撃は何者かの手によって阻まれていた。ギリギリともの凄い音を立てて鉄パイプを持ったチンピラの腕を握りしめる。
チンピラ2「アガアァァ〜〜ッ!!」
「あなたは・・!」
 たまらず大声を上げて鉄パイプを落とすチンピラ。それを見計らってチンピラの腕を離す誰かさん。突然現れた正義のヒーローのその風貌を確認しようかと思った、が。
正義のヒーロー?「弱き者に暴力を振るい、その希望をも蝕む者・・・人、それを悪党と言う!」
 セリフは1歩譲って正義のヒーローであると肯定しよう、しかし・・・。何処の世界にもう春先だというのに全身コートに身を包みマフラーまで巻き、追い打ちに覆面で素顔を隠す正義のヒーローがいますか?
 そういうと仮○ライ○ーやその類も十分怪しいが、これではまだこのチンピラ達の方が常識に満ち溢れていると言えよう。
チンピラ1「テメェッ!何者だッ!!」
正義のヒーロー?「このキャプテン・ナイス!悪党に名乗る名は無いッ!」
チンピラ3「・・・名乗ってるじゃねェか。」
キャプテン「・・ム。」
 しかもバカだった。
チンピラ2「ウォ〜ッ!?腕の骨が折れた〜〜ッ!」
 オーバーリアクションで腕の激痛を訴えるチンピラ。
チンピラ1「おーおー、どうしてくれるンじゃ。こいつァ、慰謝料をたんまりと貰わなアカンな。」
 ここぞとばかりにキャプテン・バカもといナイスに迫るチンピラ。あれではどこかのヤッさんだ。
チンピラ2「アンギャアァ〜〜〜ッ!」
チンピラ3「おいおい、演技が過ぎるぞ。」(ヒソヒソ)
チンピラ2(ブラーン)
チンピラ3「ヒィッ、腕があらぬ方向に曲がっているゥッ。」
チンピラ1「テッ、テメェッ!何しやがったッ!」
 予想もしなかった急展開。見かけはともかく、このキャプテンなんたらはしっかりとヒーローしているらしい。何が起きたか俺には理解できないが。
キャプテン「なに、少し強く握りしめただけだ。」
 そう言いながら、怪人、じゃなかった、ヒーローは足下に転がっている掌よりやや大きい石を手に取り、そして…。

バキャッ

 握ったその石を鈍い音と共に粉々に握り砕く。
チンピラ共「なんと!!!」
 見事にピッタリと声をハモらせて、驚きを表現するチンピラ達。コイツ等、どっかのお笑いユニットか?
チンピラ3「あ、兄貴ィ、コイツヤバイゼェ?」
チンピラ1「しかしここで逃げたら、後でシャッチョさんにどんな目に遭わされるか・・・。」
 さっきまでの威勢は何処へ行ったのか、弱腰になるチンピラ達。まぁ、こんな怪人、いやいやヒーローに出くわしたら俺でも一目散に逃げるが…。
キャプテン「さあ、悪党共!観念して正義の鉄槌を受けろ!」
 ……何言ってんだ、コイツ?降伏も許しませんか、この正義のヒーローは。
チンピラ1「えぇいッ!毒を喰らわば皿まで!その拳を俺に味わわせておくれぃッ!!」
チンピラ3「えぇっ!?敗北前提ッスか!?兄貴!」
 玉砕魂を力に変えてキャプテンに特攻するチンピラとその部下。しかし、ページの都合でこの漢の戦いは省かせてもらおう。

ドガガガガガガガッ


チンピラ共「ぶう゛ぇらっほぉうっ!!?」
「おー、飛んだ飛んだ。」
 キャプテンの拳によるガトリング砲の如きラッシュを受け、豪風に飛ばされた紙のようにお空の彼方へと吹き飛ぶチンピラ達。
チンピラ2「ひーん、シャッチョさ〜ん!」
 折れた腕をぶらーんぶらんさせながら今まで放置されていたチンピラは逃げていく。
「・・・・・。」
 恐ろしく不格好に逃げていくチンピラの後ろ姿をしばらく見つめる。あ、こけた。
「………じゃ、俺はこれで。」
 何事もなかったかのように立ち去ろうとする俺。
キャプテン「待ちたまえ。」
「……はい?」
 甘かった。というか何故呼び止められているのだろう、俺は。
キャプテン「この辺りは『シザースブレイン』の息の掛かったブロックだ。1人で出歩くのは止した方がいい。」
「ハ?シザースブレイン…?」
 なんちゅーネーミングじゃ。マフィアの一組織でももっとマシな名前を付けるぞ。
キャプテン「ほれ、あそこに大きなビルが見えるだろう。」
 キャプテンの指さした方向を向く。
犬「きゃんきゃん。」
「……犬?」
キャプテン「…もっと上だ。」
 視点を更に上に上げる。
鳶「ピ〜ヒョロ〜」
「鳶だな。」
キャプテン「…もっと下だ。」
犬「きゃんきゃん。」
「……バカにしているのか?」
キャプテン「君に言われたくないな。」
 真顔(だと思う)で返された。
「どれどれ…。」
 埒が明かないので、もっと下でももっと上でもない中間に視点を置いた。視点の真正面に飛び込んできたのは、今俺がいるこの寂れた街を見下ろす巨大なビルだった。いくつかのビルの集合体であるそれは一つのタワーとも呼べる。
キャプテン「あれがシザースブレインの本拠に当たるビルだ。表向きは日本の63%を占める巨大企業だ。」
 微妙な数字だった。
キャプテン「しかし裏ではさっきのような輩共を使って悪行の限りを尽くす悪党の総本山だ。」
 心なしか燃えているな、キャプテン。
「わかった、アンタは頑張ってその悪党共を根絶してくれ。じゃ、俺はこれで。」
 俺はすかさず立ち去ろうとする。これ以上関わってはダメだ。ビンビンに感じるぜ。しかし…。
キャプテン「まぁ、待ちたまえ。」

ムンズッ

 去りゆく俺の襟を豪快に掴むキャプテン。
「何か御用でしょうか?」
 石をも握り砕く握力だ。抵抗しても血を見るだけだろう。
キャプテン「うむ、栄える悪党があるならば、当然それに立ち向かう正義の軍団も存在する…。それが…。」

だだだだだだだだっ


 キャプテンに掴まれていた上着をパージし、俺はこの男の視界から離脱するために一目散にダッシュした。何処を走っていようが、この先に何があろうが構わない!
 今は何が何でもこの男の居ない所へ!この男の目の届かないところへ!この男の気配が無い所へ!走れ俺!駆け抜ける嵐のように!

 そしてこの先の角を曲がる。
キャプテン「満足したか?」
 唐突に俺の前方に沸いて出てくる恐怖の対象。…わかっていたさ、こんなオチだってのは。
キャプテン「いやいや、君に取り付けた発信器が思いの外役に立った。」
「いつの間に付けやがった!?」
 心当たりはまるでない。唯一この男と接触した際に取り付けられそうな上着は律儀にこの男が未だに掴んでいる。
キャプテン「それは私がキャプテン・ナイスだからだッ!!」
 このバカに常識的解答を求めた俺がさらにバカだった。
キャプテン「まぁ、それはそこに置いといて。ああ…すまないが、ちょっとそこに置いといてくれまいか。」
通行人「はぁ・・・。」
 何も収まっていない両手を通りすがりの通行人に差し出すキャプテン。困りながらもキャプテンから何かを受け取り、適当なところへ置いて去る通行人。どうやら俺には見えていないだけらしい。そう思っておこう。
キャプテン「さて、さっきの続きだが…栄える悪党があるならば、当然それに立ち向かう正義の軍団も存在する…。それが…。」
 律儀に先ほどの言葉を繰り返すキャプテン。録音再生でもしてるかのように一寸の狂いもない発音だった。
キャプテン「……」
 ホントに録音再生だった。再生が終わるとキャプテンはおもむろにテープレコーダーを懐に仕舞う。懐の件はもう既に慣れた。
キャプテン「善人社だ」
 唐突に己が口で喋るキャプテン。先ほどの続きのつもりなのだろう。

( MAIL 2004年08月28日 (土) 18時51分 )

- RES -

[14] - 投稿者:イシュ

挿入歌「天意悠久」
作曲編曲:磯江俊道 作詞:江幡 育子 歌:いとうかなこ

 ただ単にEDな曲を当てただけなので、本編との繋がりとはまるでありません。以上。

( MAIL 2004年08月28日 (土) 18時55分 )


[12]ざ・ふぇすてぃばる 「参上!我らがキャプテン・ナイス!」 前編 - 投稿者:イシュ

 「うぅ〜、やめてくれぇ〜、俺には出来ないぃ〜。・・・・ハッ!」
 よくわからない悪夢から解放された俺の目に飛び込んできたのは、見慣れない天井だった。
「・・知らない天井だ。」
 なんて言ってみたが、ここが俺の新しい住居というのは既に整理済みだ。俺の周りは昨日と同じく何もない。
「・・やっぱ最低限の物は必要だよ、な。」
 あの医者のことだ、物を借りようにも法外なレンタル料をふっかけかねない。否、あの性根の腐りようじゃそれだけでは済むまい。俺から強引にでもレンタル料をぼったくるための罠も張っているはずだ。
 こちらも何らかの抑止力を用意しないと危険だ。と、その前に。


「はよーっす。」
 俺が居間に降りると先生とレイはもう朝食を食べていた。と言っても、全く手の加えれていない食パンを貪っているだけだが。調理という物を知らないのか、コイツ等は。
佐伯「遅いぞ、下僕。これからは朝・昼・晩3食は君が用意するんだからな。」

ヒュンッ
パシィッ

レイ「?」
 怒りの衝動に駆られて疾風の如く放たれた俺の右腕を、同じく疾風の如くこれを受け止める俺の左腕。
佐伯「・・・何だ?」
「いーえ、別に何も。」
 危うくここで短い生涯に幕を下ろすところだった。こんな事で腹を立てていたら俺の胃は穴だらけになってしまう。
レイ「ごちそうさま・・・じゃあ行ってくるね。」
佐伯「ああ・・。」
 よく見ると昨日の制服姿のレイは席を立つと、椅子に掛けていたカバンを持って玄関へと向かう。
「ん?学校?」
レイ「そだよ、見てわかんない?」
「んー・・・・。」
 レイの挑戦的に台詞に乗り、彼女を凝視する。
「お子様のコスプレにしか見え・・ガヴォッ!?」
 俺の鳩尾にドスッと何か重い物が突き刺さる。口に何やらすっぱい物が広がる。危うく天に召されかけたMySeoulを力づくで現世に引き戻す。不意打ちにも程がある。誰だ!
「・・・・。」
 視点を正面に向けても何もいない。まさかと思い視点をやや下に向けると…。いた。
レイ「・・・・。」
 細く白い華奢な拳を俺の鳩尾に突き刺している金色の悪魔がいた。目元が長い金髪で隠れているが、それが余計に怒りのオーラを際だたせている。つーかこれがガキの力か・・・?
「・・・痛いんですけど。」
レイ「そうだろうね・・・急所だもんね。」
「・・・・。」
 突き刺して拳を抜くと、こやつは笑っていた。夕べの控えめな笑みではない。天使の如き清々しい笑顔だ。
レイ「じゃ、行ってきます。」
 鳩尾を押さえて悶絶している俺を余所に、とてとてとカバンを持ってレイは家を出る。あの歳で(外見年齢10〜12歳だが)中身がああなのはやはり保護者がコレだからだろうな。
佐伯「私も今日は仕事がある。家事はくれぐれもサボるなよ?」←コレ
「何処へ?」
佐伯「医者の職場といったら何かしらの医療施設に決まっているだろう。」
「あー・・・。」
 そういう設定だったんだっけ、コレ。
佐伯「今夜は多分遅くなる。私がいない間は適当に命を繋いでおけ。」
「・・・・。」
 なんて言い草だ。しかしここは「お前がどうなろうと知った事じゃないけどな」まで繋がらないことを吉と思っておこうか。
佐伯「せっかくの万能家事機だ。壊れるまで使い潰さないとな。(ニヤリ)」
 ――前言撤回。コレと出会った時点で俺の人生は大凶以外あり得ないと思い知らされた。
「とっとと何処へなりと逝ってくださいまし。」
 誤字ではない。
佐伯「君に言われずともな。」
 医者は席を立つと、仕事用だと思われるデスクの上に置いてある黒いケースを手に持つ。
「うわぁ・・・スゲェ悪人っぽい。」
 全身漆黒のスーツに黒いケース、これであの黒縁眼鏡がサングラスだったらどこぞのギャングだ。
佐伯「・・何か言ったか?」
「いーえ、別に何も。」
 一瞬医者が横目でギラリと睨んだ気がしたが、俺はさらりと受け流す。
佐伯「くれぐれも所有物としての立場を見誤るなよ。」
 釘を差すように一言そういうと、医者は家を出ていった。

ブロロロロ…

家のすぐ横のガレージから車のエンジン音が遠ざかっていく。
「事故にでも遭ってくんねーかなぁ・・。」
 流石に聞こえないとは思うが、念のために小声で呟く。あーゆーの程悪口には敏感なんだ。親父もそうだった。
「さて、どうしたものか・・・。」
 周囲を満たしてみると、テーブルに広がった皿や残りの食パンはそのままだ。

ぐぎゅるるる…

 食パンを見た途端、俺の腹が音を上げる。生理現象には逆らえまい。俺は食パンを見た後、冷蔵庫の中も覗く。
「ジャムくらい無いんか・・この家は。」
 ジャムだけではない。人間が食物と認める物は一切入っていない。あるのは缶ジュースや得体の知れない液体の充満した瓶だけだ。
「はー・・・。」
無い物を求めてもしょうがない。キッチンを見ても、使われた形跡は不思議なくらいに無い。仕方なく俺は椅子に座り、何も手を食われていない食パンをちぎっては口に運ぶ。
「普段どうやって生活してるんだ、あの親子は。」
 おそらく疑問に思っても無駄だろう。


 食事を終えると俺はとりあえずテーブルの上を片づける。必要最低限の食器類はあるようだが、ただあるだけのように見える。キッチンを再び物色してみるが、出てくるのは茶の葉にコーヒー豆、そして湿気た茶菓子。
「こらアカン。」
 思わず関西弁が出た。このまま、この親子に食生活を預けていたら何か取り返しの付かない惨劇になりそうだ。
「何とかせねば。」
 あの医者とその娘を心配する義務はあっても義理はない。が、俺は人が良い(自分で言うことではない)。しかし俺は自他共に認める無類の一文無し。金利関係は手も足も出ない。
「う〜ん、う〜ん。」
 と唸りながら家の中をうろついていると、医者の机の上に置いてある封筒と一枚に紙切れ、それに鍵が目に入る。
「なんぞなもし。」
 自分でも首を傾げる言語を吐きつつ、その紙切れを手に取る。

『これで食材を買い溜めしておけ。食事はもちろん君が作るんだぞ。あと、釣りと領収書はこの封筒の中に戻すように。ネコババしたら命は無いものと思え。追伸・戸締まりはしっかりな。泥棒にでも入られた日には即鮫の餌だ。』

「これはお使いなのか、はたまた脅迫状なのか。」
 見た限り後者以外の何物でもないな。しかし、やって来たばかりの居候にこの家の食生活を預けるなど、ズボラにも程がある。
「そう思いません?奥さん。」
 横の棚に置いてあった招き猫に振ってみる。当然返事など返ってくるはずもない。返ってきたら直ちに除霊師を呼ばねば。
「つーか、何でこんなトコにあるんだ・・?」
 詮索するだけ無駄だろうな。よく見ると、この家にはそういう物がゴロゴロしている。どこからか拾ってきているのか押しつけられたのか、まぁ、俺には関係ない。今俺が成すべきなのは、一方的に押しつけられたこの家の食生活を存続させる事である。
「ん・・?待てよ・・。」
 冷静に考えてみると、俺はまだこの辺りの地理はからっきしである事に気付く。ここに来るときも、迫り来る■と生の狭間でそれどころではなかった。
「さて、どすべ・・。」
 医者かレイに聞こうにも連絡先はわからんし、電話番号も知らない。思いっきり手詰まりだ。かと言って、黙ってここにいてもあの医者に何をされるかわかったものではない。
 つまり、俺はいつの間にか唐突に生命の危機に立たされていたのだ。
「短かったなァ、俺の人生。」
 などと諦めている場合ではない。とりあえず街に下りればスーパーなどいくらでも見つかるだろう。
「逝くか・・。」
 誤字ではない。


 街へ下りるまでは楽だった。佐伯家のある丘と街を繋ぐ道が狭い一本道だったのが幸いした。しかし…。
「あれだな・・・都会ってのは人の住むようなトコじゃないな。」
 街一帯に広がる排気ガスと人混みに揉まれながらそう思う。数日前までは車どころか人気すらないジャングル暮らしだったから尚更だ。まぁ、この街の人間からすれば俺の方が異常者なのは考えるまでもないが。
(しかし、心なしか…。)
通行人「じろじろ」
おばはん方「ヒソヒソ」
 やたらと周囲の視線を感じる。
(俺か?俺を見ているのか?)
 注目を浴びるような心当たりはない。そんな有名人に生まれた覚えもない。しかし答えは唐突に俺の前に現れた。
「おお・・これは・・。」
 通りかかった店のショーウィンドウに映る無惨にもボロボロでばっちぃ浮浪者の姿。誰かと思えばこの俺だった。そういえば、佐伯家に転がり込んでから顔を洗った覚えはおろか、入浴した覚えも着替えをした覚えもない。見事な不潔マンだった。
「こらアカン。」
 マジでシャレにならない。このままではあらぬ疑いを掛けられる。俺は流れる空気のようにその場から逃げ出す。


「はぁ・・はぁ・・ここなら人目につかんだろ。」
 決■の覚悟で人混みからエスケープ。そして不測の事態に気付く。
「・・・ここは何処だ?」
 冷静に戻って辺りを見渡すと、ただでさえ見慣れない街の更に見慣れない所に突っ立っていた。さっきまで目障りなほど辺りを埋め尽くしていた通行人やらなんやらは不思議なほどに消え失せていた。
「ゴーストタウンですか?ここは。」
 誰に尋ねているかは自分でもわからないが、俺の目の前に広がっている人気のない寂れた建物しか無いこの区画はまさにその表現そのものだった。
「出口はどこぞな。」
 無我夢中でここまで逃げてきたから当然帰り道などわからない。俺は決して誇れない野生の勘を頼りに出口を求め彷徨う。
チンピラ1「オイ。」
「ハ?」
 いかにもガラの悪そうなあんちゃんに後ろから呼び止められる。つーかいつの間に背後を取られたんだ?
チンピラ2「ニィチャンよォ、ここを俺等のシマだと知った上で彷徨いてんのかァ?オ?」
「いえ、初耳です。」
チンピラ3「そーかそーか、なら二度と忘れられんように、その臭ェ身体に叩き込んでやらァ・・!」
 俺がここにいるのが気に入らないらしく、いつの間にか囲まれていた。その上次々と鉄パイプや果物ナイフなど物騒な物を懐から出し始める。ここらの住人の懐はみんな4○元ポ○ットか?
「臭いは余計だ。」
 強気な態度を取ってはいるが、多勢に無勢。しかも丸腰で凶器を持った輩の相手など、いくら無差別喧嘩流継承者の俺でも・・・え?名前変わってる?
チンピラ2「ゴチャゴチャうるせェんだよッ!■やァッ!」
「ヒィッ、たしけて〜ッ!」
 振り下ろされる鉄パイプを前に、成す術なく少しでも痛みを軽減させられる構えで受け身の体勢をとる俺。

ガッ

パタッ

 俺の人生という少し切ないヒューマンストーリーは終わった…。

( MAIL 2004年08月26日 (木) 14時56分 )

- RES -


[11]ざ・ふぇすてぃばる 「我、覚醒セリ」後編 - 投稿者:イシュ

「むぅ、揉めるほどの大きさではないが形はいい・・・こりゃ今後の発育が楽しみだ。」
せっかくなので視界に飛び込んできた夢の詰まった卵をマジマジと鑑賞してみる。
金髪ロリ「あの・・・ちょっと・・。」
 ヤバイ、見れば見るほど美味しく見えてくる。野生の本能を抑えろ、俺!このままではあの人外鬼畜(※認めたくないが親父のことだ)と同種と認定されてしまうぞ!
金髪ロリ「もしもし・・?」
「ハッ・・!」
 男の葛藤と格闘中の俺を現実へと強制送還する声。やっと夢の詰まった小さな卵に釘付けだった俺の視点が初めて上昇する。
金髪ロリ「・・・・。」
「・・・・。」
 俺の視点に入ったのは顔を赤く染めて目元にはじわりと涙まで一粒の涙まで浮かべている先ほどの金髪ロリが全身を振るわせて立っていた。
「えっと・・・何故そこに?」
金髪ロリ「・・・その言葉、そのまま返す。」
 俺達が互いを威嚇して(ということにしよう)身動き取れない状況の中、ギシギシと床を轟かせ(少々行きすぎた表現)あの医者が登場。
佐伯「言い忘れていたが、お前の隣の部屋には私の娘(仮)がいるから、気を付けてな。」
 コノ野郎(仮)って何だ、(仮)って。否、それよりも・・。
「オメェ、狙ったな?狙ったろ?正直に言えば、ゴろしデやるガんな!」
佐伯「何のことだ?」
「クソッ、俺のピュアなハートを傷つけた代償は高くつくぜ!」
 この大敵を前にジャングルで親父に叩き込まれた虐殺拳法窮極武葬「魅亡御呂死」の構えをとる。差し違える覚悟もある。それだけコイツの罪は許し難い。
佐伯「ところで、夕飯の準備が出来たが。」
「マジ?行く行く!」
 魔のキーワードの前に、俺の牙はあっさりもがれた(0.2秒)

しかし…。

「なんディスか、これは?」
 食卓に並んでいるのはホカホカと湯気を立てる日珍カップヌードル(地獄味)
佐伯「カップ麺を見るのは初めてか?」
「ちげェよっ、ボケ!」
 この男を相手に一瞬でも心を許した自分が憎い。
「ヴハ−ッ!しかも辛ッ!」
 赤々と染まった麺に、ラー油、ねりわさび、黒こしょう、七味唐辛子、マスタードect…が考えなしにぶちこまれたスープに美味さなど皆無だ。「辛けりゃいいだろう」という知能の欠けた制作者側の思惑がひしひしと伝わってくる。
 あまりの刺激の強さに必殺極技「バーニングファイヤー」を覚えてしまった。
金髪ロリ「ズズズ・・・。」
「そこっ!当てつけみてーに幸せそうに食ってんじゃねぇっ!」
 どういう味覚をしてるんだ、コイツハ。さっきのささやかな仕返しのつもりか?
佐伯「むぅ、やはり失敗だったか。新製品は信用できんな。」(ゴソゴソ)
 さりげなく自分の分の日珍カップヌードル(地獄味)を俺の方へ退け、懐からシーフード味を取り出す医者。
「ちょっと待てや、そこのクサレ医者。」
佐伯「残さず食えよ。」
 何て事だ、まるで会話が絡み合わない。ATフィールドが肉眼でも確認で来るくらい強力なのが張られている。
「・・・ズズズ。」
 戦力の衰えを感じて涙を呑んで前戦を退く俺は、この医者への復讐を考慮しつつ日珍カップヌードル(地獄味)をすする。嗚呼、この無意味に舌を刺激する香辛料の塊が次々と俺の脳裏に浮かんだ復讐計画を侵していく。
 いかん、目の前が白くなってきた。う・・・意識が・・・。


金髪ロリ「・・・動かなくなったね。」
佐伯「その内復活するだろう。ほっとけほっとけ。」
 くそ・・・こんな奴が人命を救う仕事に就いているとは、腐った世の中だ。そして人を棒で突くな、小娘。
金髪ロリ「あ、動いた。」
佐伯「なんだ、もう復活したのか。ゴキブリ並の生命力とはよく言ったモノだな。」
「ざけんなっ、コノ野郎!」

スチャッ

 猛然と立ち上がる俺の喉に何やら冷たく尖った物が触れた。
佐伯「佐伯先生、だろ・・?」
 眼鏡を光らせて手に持った医者の専用装備・メスを俺の喉先に突きつける医者。コイツ、マジだ。
「や、やめましょうよ・・・こういう事に使うモンじゃないでしょ?佐伯先生。」
 このサイコドクターを前に俺のテンションは一気に檄落する。しかし、俺の紙のように薄っぺらなプライドと神から授かった命とでは天秤に掛ける必要もない。
人間、引き際が肝心だ。
佐伯「それでいい。それと・・・。」
 満足気に物騒なブツを懐に仕舞うと、またそこから今度は一枚の紙を取り出す。隣の金髪ロリといい、コイツ等の懐は四○元○ケットか?
佐伯「この書類にサインしろ
。」
 聞きましたか、奥さん?しろですよ?命令形ですよ?やんなっちゃいますね。
「どれどれ。」
 差し出された書類を手に取る。
「ヴッ!」
 その檄文とも言える無いように思わず吹いてしまう俺。

契約書

私は下記の条件を快く受け入れ、この家の一員になることを誓います

1.先生の物は先生の物。私の物も先生の物。この家における私の所有権も先生の物。

2.自分の生活費は自分の手と足と頭で稼ぎます。先生の手は煩わせません。

3.私は先生の犬です下僕です道具です。

以上の条件を受けるなら該当するいずれかにマークせよ。

YES


「・・・・・・。」

ビリビリビリビリッ

 俺はこの人権を完全否定した契約書、否、怪文書を徹底的に引き裂く。しかも拒否権は無しかよ!
佐伯「これが呑めないなら、帰れ。」
「クッ、卑怯な・・!受けるしかないのか・・?」
金髪ロリ「・・・てか、なんでそこまでされて出ていかないの?」
「そんな自殺行為が出来るかッ!」
 今まで背景と同化していた金髪ロリの提案を完膚無きまでに蹴り倒す俺。一文無しの俺がこの大都会に1人身を置くなど怖くても考えたくもない。やはり後ろ盾は必要だ。
「あの、これ何とかなりません?」
 散り散りになった契約書(だった物)の一部を手に、文書の改訂を申し出る。
佐伯「フフン、君の態度によっては考えてやらなくてもいい。」
 クソッ、この医者め・・完全に見下してやがる。しかし、ここで逆らったらどんな目に遭わせられるかわかったものではない。
 俺の脳が警告音を鳴らしてるぜ。
「せめて人間として最低限の扱いをしてくだせー。」
 紙のプライドを灰にして、俺は土下座をする。
佐伯「そこまでされると、考慮せざるを得ないか・・・私とて鬼ではない。」
 十分鬼ですよ、アンタ。

 そして悪戦苦闘すること数時間、俺はやっとこの家の一員として認められた。代償として家事一切を任せられるが…。クソ、結局はこうなるんかい。
「あー・・・疲れた。死ぬ。」
 その後も俺は洗濯、掃除等々を強制的にさせられ、心身ボロボロでやっと、相変わらず何もない部屋の床に寝っ転がる。時計はもう夜の10時を指している。

コンコン

「んー・・?」
 この家の犬であるこの俺(自虐発現)に誰が何の用だ?傷ついた体を起こし、ドアを開ける。
???「・・・・・。」
「・・・・?」
 俺の目の前に待っていたのは、宙に浮いた毛布と枕だった。
「これが噂のポルターガイストってやつか。」
金髪「・・・布団持ってきたんだけど。」
 布団の横から金髪ロリがひょこっと顔を出す。笑える構図だが、ここはこらえねば。
「そりゃどうも・・・。」
 そのちっこくて華奢な身体とは裏腹に、金髪ロリは平然と、自分の身体を包み込みそうな布団を持っている。
「・・・重くない?」
金髪ロリ「ん、平気。」
 ハッタリではないようだ。

「・・そういえばさ。」
金髪ロリ「?」
 受け取った布団を床に敷きながら口を開く俺を、金髪ロリは入り口で突っ立ったままきょとんと眺める。
「名前、まだ訊いてなかったような・・?」
金髪ロリ「・・・そだね。」
「・・・・・・。」
金髪ロリ「・・・・・・。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「・・・・・教えてくんないの?」
金髪ロリ「・・・さっきの事を謝るなら、教えてあげるけど。」
「さっきの?」
はて、覚えがない。
金髪ロリ「・・・私の着替え、見たでしょ?」
「あ、あー・・・。」
 つーかまだ根に持ってたんかい。しかし、自己とはいえ男の方が非を押しつけられるのは、何故か古来よりの異性同士の関係だ。ここは謝っておこう。
「ゴメンナサイ、ワタシガワルゥゴザンシタ。これでいいか?」
金髪ロリ「・・・・なんか勘に障るけど、ま、いいか。」
 そういうと金髪ロリはバックターンする。
「うぉいっ!」
金髪ロリ「クスッ・・・私はレイだよ。じゃ、おやすみ。」
 甘い笑みを浮かべ、金髪ロリ改めレイは隣の自分の部屋へと去っていた、迂闊にもドキンとしてしまった。
 俺はこの身体の中に確実に流れるあの鬼畜外道親父の血に恐怖した。俺も将来あんな人間になるのかと思うと身震いまでする。
「ガタガタブルブル……寝よう。」
 存在すらまだ未設定の姉さん、いきなりこんな家に住むことになって僕は不安です。無事、成人式を迎えることが出来るのでしょうか?(現在19歳)
 それ以前に、明日の夕日は見れるんでしょうか?教えてください、姉さん。


続く

( MAIL 2004年08月22日 (日) 04時37分 )

- RES -


[9]ざ・ふぇすてぃばる 「我、覚醒セリ」前編 - 投稿者:イシュ

 20XX年…人類は未曾有の危機に陥っていた。悪の組織の暗躍、要人暗殺事件、都内連続行方不明事件、連続変死事件、不死生命体出現、謎の機動兵器襲来ect.ect…
 次々と起こる怪事件に地球上の誰もがその未来を諦めたとき、救世主は現れた。鋼の仮面で素顔を隠し、摩訶不思議なモンスターと共に趣味の悪い絵柄のカードを巧みに使い、妖しげ技術の結晶たるハイテクツールを振りかざしてはゴスロリファッションに身を包み、人型機動兵器を駆って異形共をバッタバッタと薙ぎ倒していく。
この物語は彼とその仲間の苦悩と挫折と絶望の物語。
――ではありません。期待しないでください。


さて、始まったばかりだが俺はいきなり――

子供「おかーさーん、誰か倒れるよー?」
母「シッ、寄っちゃダメよ。人はいつか死ぬものなのよ。」
チッ…このババァめ。勝手に人を殺すんじゃねぇ。……そろそろヤバイけど。
若者「うオッ!腐乱死体かYO!TOKYOは怖いZE!」
ゾンビ以上死体未満でーっす。
ぎゅむっ
細目のロン毛「ん?なんか踏んだかな?」
目つきの悪いノッポ「兄貴、死体を踏んでるぞ。祟られるぞ。」
細目のロン毛「親しみを込めて兄さんと呼べ、弟よ。」
ぐりぐり
目つきの悪いノッポ「12人の妹とでも仲良くしてろ、クソ兄貴。」(スタスタ)
細目のロン毛「マニアックな奴め。」(ぎゅむっ、ぎゅみっ、スタスタ)
 くそっ、あの蟹ヤロー。完膚無きまでに漢の背中と心意気を踏みにじりやがって。何故蟹かって?気にしない気にしない。
 ああ、そろそろマジでヤバくなってきた…走馬燈が。

俺「うわーん!饅頭怖いよー!」
父「バカモノッ!そんな事で世界が取れるかッ!」

父「息子よ、小さな星の話をしようか。」
俺「そこで何故アブない童女雑誌を広げている、親父殿?」

父「飛んでくるボールの番号を当てるんだ!」(ビュンッ)
俺「5ッ!」
父「出鱈目を言うんじゃない!」(釘バット)
俺「えっ、合って・・・ギャァーッ!」

 う・・・イカン、親父に刻まれたトラウマと共に天に召されるところだった。俺はまだ死ねない!殺られる前に殺れ!(何を)
「フォオオオオオオオッ!!」(ガバッ)
少女「!?」(ビクッ)
 むォ、俺の猛々しい咆吼もとい奇声で目の前の女のコを驚かせてしまった。イヤン、恥ずかしい。と、その前にまず弁明しておかないと熱にやられた電波野郎と思われてしまう。
「てな具合に敵を威嚇して意表を突けば、戦場では優位に立てるよ。」
少女「はぁ・・でもそんな大声出したら敵に囲まれません?」
「む、確かに・・・。」
 てか何故普通に会話してるんだろう、この娘は。見たところ、日本人とは思えない金髪ロリだが外国人だろうか。しかも学校帰りのセーラー服と来た。こいつぁソソられるぜ。
「で、君は誰?」
金髪ロリ「こっちが聞きたいです。」
「ごもっとも。」
 俺の胸まで届かなさそうなちっちゃいナリで随分と大人びた雰囲気のコだな。現実感がないぞ。
金髪ロリ「それじゃ、私はこれで。」

ガシィッ

 眼前からクルッとターンして去りゆく金髪ロリの細い足を掴む俺。周囲からは絶対零度の視線を浴びせられ、ヘタをすれば告訴されてしまうがこの際そんなことまで頭が回らない。最高にハイってやつだぜ!
金髪ロリ「・・・まだ用が?」
 コイツめ、全く動じていやがらねぇ。
「いや、君はこの状況を見て何も思わないのかね?私のこの様を見たまえ。」
 彼女の目に転がっているのは、全身ボロボロで異臭漂う腐乱死体30秒前のゾンビモドキ。つまりは俺だ。
金髪ロリ「・・・・・・。」
 考えてる考えてる。無表情だけど。
金髪ロリ「俗世に見捨てられた行き倒れの人生の負け犬・・?」
「うわーい、容赦がまるでな―い!」
 キレるぞ、ゴルァ。
金髪ロリ「そんな可哀相なあなたにこれをあげる。」(ゴソゴソ)
「勝手に肯定すんな。まぁ、1/4+1/6-1/9+10%は当たってるけど。」
金髪ロリ「全部じゃん。そんな哀れな子猫ちゃんにはこれを。」(ポイ)
「うわーい。」
 って、ロリッ娘に同情されてるぞ、俺。つーか魚一匹かよ!しかも生だよ!!しかし、生命のレッドゾーンギリギリのマイハートはこの恵に食い付く。
金髪ロリ「じゃ、私はこれで。強く生きるんだぞ。」
 小さき器の柵を解き放ち(人間失格)生魚に食い付く俺から、金髪ロリは風のように走り去った。つーか何故、生魚を持っていたのだろう。しかも懐から出してたぞ、オイ。
「まぁ、いい。これで常識的に物を考えられる。」
 つまりさっきまで壊れてました。
「さて、お目当ての家は確か・・・こっちだな。」
 さっきの走馬燈で垣間見せたが、俺は先日まで人里離れた人外魔境で親父と共にサヴァイヴァル生活を(強制的に)していた。しかし晴れて親父の下を脱走・・・いや、卒業して俺は既に懐かしい下界へと下りてきた。
「たった一度与えられた命はチャンスなのだから、もっと有意義に過ごさんと。」
 いきなり都会へと下りてきた俺だが、ちゃんと行くアテはある。親父が紹介した旧い友人の家だ。何でも凄腕の医者らしい。しかし、俺はその医者にどうしても言いたいことがある。

友達選ぼうよ



 まぁ、俺に言えることではないのだが。そんなこんな言ってる内に例の家らしき一軒家にたどり着いた。しかし・・・。
 海の見える丘に立つ一軒家ってのはアレか?ブ○ック○ャックのつもりか?どうやら親父の友人だけあってマトモな神経の持ち主ではないらしい。
 このゾンビモドキの有様でここに来るまで、何十何百の人間の注目の的になった俺が言うのは間違っているだろうが。
「ごめんくださーい。」
 人間としての最低のマナーとして、入り口と思わしきドアをノックする。

ガチャッ

 俺の奏でる美しきノック音に惹かれて開いたドアから現れたのは、本当にこんな人間がいるんだなと思わせる黒縁眼鏡のよく似合う白衣を着た男だ。ははーん、コイツが例の・・。
「こんにちは、変人さん。」

バタンッ

 しまった!自分に正直に成りすぎた!
「あぁっ、ごめんなさいごめんなさい!口からポロッと出た真実、いや冗談です!虚言です!ジンクスです!」
 最後のは自分でも意味不明だったが、俺の誠意が届いたのか、固く閉じていた扉が開き、あの白衣の男が再び現れた。
「さっきはゴメンね。変態ドクター。」

バタンッ

 この口がッ、この口がァッ!見た物の感想を素直に述べるこのピュアなハートがこうも裏目に出るとは迂闊だった。だが、こちらとしても入れて貰わないと困る。
 負けられません、勝つまでは。

 熾烈な攻防戦を繰り返すこと30分。

変態ドクター「君が善次郎の言っていた出来の悪いロリコン癖のある馬鹿息子か・・。」(眉間をピクピク)
「はぁ・・・。」
 死闘の末、やっと中に入れて貰えた。医者のイメージに合った本棚だらけの居間だ。それにしてもあのクソ親父、自分の息子を卑下しまくりだな。ロリコンはテメーだろ。
変態ドクター「私としては君のような無礼者は今すぐにでも放り出して鮫の餌にしたいところだが、奴には借りがあるしな・・・。」
 この医者、親父に弱みを握られているな。わかるぜ、その気持ち。2004の弱みを握られている俺にはわかる。
変態ドクター「いずれは君の親父に話をつけるとして、それまで大人しくしていられるなら置いてやってもいい。問題を起こしたら即鮫の餌だ。」
「はーい。」
 本気で言っているな、この医者。流石は親父の友人殿と言ったところか。
 しかしあの親父と話を付けるとなると何年掛かるか・・・俺だって今どこにいるかすらわからないってのに。
変態ドクター「言い送れたが、私は佐伯だ。医者をやっている。空き部屋がいくつかあるから、そこを君の部屋に割り当てよう。」
「へーい。」
 家裁道具や内装を見た限り、住人はそういなさそうだ。多くて2,3人と言ったところか。

変態ドクター改め佐伯「そうだな、この部屋にしよう。多少ホコリまみれだが、そこら辺は自分でなんとかしてくれ、必要な物も自分で集めろ。私は知らん。」
「ふぇーい。」
 二階の部屋を案内すると、その入り口前で医者は下へ去っていった。見事な無責任ぶりだ。それに俺の持ち物と言ったらこのボロイリュックと中のサバイバルグッズぐらいだぞ。まぁ。ベッドくらいはあるだろう。

ガチャッ

無かった。

「クソッ、あの医者め!」
 リュックを適当に場所に置き、ホコリまみれの床にゴロンと寝転がる。すっかり放置されていたが、俺は死にかけたゾンビモドキ同然の身。体力などもう既にマイナスの域だ。ちかれたび〜。
 時計を見ると午後1時過ぎ、夕飯(出してくれるかどうか怪しいが)まで時間があるだろう。寝て英気を養うのも武士の(もののふ)の勤めなり。
「おやふみ、とっつぁん。」


ギッ ギッ

「ん〜・・・。」
 木工造りの廊下を誰かが歩く足音で目が覚めたときには、窓の向こうの空色は日が沈んで黒みを帯びてきた。

ギィィッ

 続いて隣の部屋のドアが開く音。どうやら他の同居人が帰ってきたらしい。この際だ、挨拶の一つでもしてやろう。
 俺は重い腰を上げ、部屋のドアを開ける。

金髪ロリ「え・・・?」
「は・・?」
 俺の視界に飛び込んできたのは、小さな二つの山もとい、無い胸を隠したブラジャーもとい、着替え中の先ほどの金髪ロリだった。
 何がどうなっとるんじゃい。おせーて、ドラえ○ん。

続く

( MAIL 2004年08月17日 (火) 23時59分 )

- RES -

[10] - 投稿者:イシュ

 さて、勢いに任せて執筆した自キャラ総出演作ですが、いきなりこんな展開になったのは石の思考故です(開き直るな)
 どうでもいいですが、この主人公の名前を募集したいと思います。お暇な方はどうぞ。

( MAIL 2004年08月18日 (水) 00時01分 )


[5]2ちゃんで投稿したブレイド小ネタ - 投稿者:オックス

ブレイラウザー内

リザード「オイ知ってるか? ボアとローカストとディアとジャガーが解放されたんだってよ!」
ライオン「マジ? つーか何でだよ。まだ一万年経ってねーべ?」
リザード「あのバク野郎の能力らしいぜ。お前が製作関わってたライダーの」
ライオン「ああ、アイツか」
リザード「しかしアレだよな〜 何で解放されたのが、役立たずボアといつも活躍してるライソニ三人組なんだよ…
     俺は最近使用回数が減ってるってのにさぁ……」
ライオン「お前はマシな方だ。俺もトリロバイトもまだ一回も使われてねぇんだぞ?」
リザード「あ〜〜〜俺らも解放されてぇな〜」
ライオン「お前、開放されたら何する?」
リザード「とりあえず人間カッコ良く襲うね。もう上級連中もビビるくらいに」
ライオン「俺は操られずに暴れてぇ……トリロバイトは開放されたら何したい?」
トリロバイト「檻の無い海の中でグッスリ寝たい」
リザード「…………そんなんだから、お前の種は絶滅するんだよ」


解放後の三匹

ジャガー「あ〜やっぱシャバの空気は美味いな」
ローカスト「さて、馬鹿ブレイドに報復してから人でも襲うか」
ディア「その前に一つ提案がある」
ジャガー「何だよ」
ディア「俺たち三匹で組まないか? 『優しい祖様を目指す』とか、そういう感じで」
ローカスト「は?」
ディア「ピーコック見てて思ったんだが、こういう戦いで組むのは有利になれる
   俺たちがライダーや上級連中相手に勝利するには、それくらいしないといかんと思うんだ」
ローカスト「なるほど…」
ジャガー「俺は嫌だぜ。何でお前らみたいなノロマと組まなくちゃいけないんだよ」
ローカスト「あぁ? 下半身がCGで変化しない足腰のクセに吼えてんじゃねぇぞ?」
ディア「いきなりバトルファイトるなって、それがいかんのだ」
ジャガー「ウルセーんだよ! 大体お前、誰とでも組みたがり過ぎなんだよ!
     ブレイドんとこ戻ってリザードと組むかバイクと組むかしてろっての!」
ディア「バ、バイクは関係ないだろバイクは!!」


レンゲルカードホルダー内

センチピード「帰るぅ〜〜俺もう帰るぅ〜〜〜」
ポーラー「どうしたんだ?あの新人」
テイピア「なんでも、カリスの所に戻りたいらしいですよ」
ポーラー「封印なんてどこでも同じだろ…『封印されるなら、ぱっと出より伝説サマ』ってつまらない意地か?」
テイピア「いや、そういう事じゃないっぽいですよ」
センチピード「天音ちゃ〜〜〜ん!天音ちゃ〜〜〜〜〜ん!!」
ポーラー「アマネチャン……何かの必殺技か?」
テイピア「カリスの居候先の人間の雌の子供だそうで」
センチピード「プラント!モス!ドラゴンフライ!! 助けてくれ同志達!!」
テイピア「あそこの連中、カリスを筆頭になんかそういう趣味のヤツが多いらしくて、
     カードホルダー内で『幼女を愛でる会』結成してるそうです だから帰りたいと」
ポーラー「…………まあ、趣味は色々だよな。ウチの大将は縛り好きだし」
テイピア「スパイダーさんが聞いたらまたキレますよ?あの人、いつも『コレは仕事だ』って主張してるじゃないですか」
センチピード「天音ちゃ〜〜〜ん! ハァハァ……ウッ!」
ポーラー「ここで毒液を飛ばすんじゃねぇ!!」

( 2004年05月16日 (日) 12時12分 )

- RES -


[3]ドラえもん「のび太の紀元前戦記」 - 投稿者:T

時は、紀元前。
少年達は歴史から消滅してしまった。

「ドラえもんッ!」
のび太の、ショットガンが。
「スーパードリル髪型!」
スネオヘアーが。
「ジーン・マイク!」
ジャイアンの凶悪な歌声が。
「コケおどし手投げ弾!」
しずかちゃんの偽善者っぷりが。

「空気砲!」
そして、ドラえもんの四次元ポケットをもってしても敵わない相手。

どこまでも最悪な敵、「○×小学校校長」。
そして、出木杉の裏切り。

記憶を消され、タイムベルトで生まれた直後の地球に送り込まれたドラえもん達。
果たして失った誇りを取り戻し、隕石衝突を免れる方法はあるのか!?
劇場版ドラえもん「のび太の紀元前戦記」
公開予定―――














なし
だってエイプリルフールですから♪

( 2004年04月01日 (木) 23時24分 )

- RES -

[4] - 投稿者:T

何だろうねこれは…勢いだけで書いてみたら意味不明な結果に。
何でドラえもんなのかも良く覚えてません。
詳しく覚えていないので質問や指摘等にはお答えできません、あしからず。

( 2004年04月01日 (木) 23時27分 )


[1]DEAD HAND 予告編(?) - 投稿者:鯖

ああ、自分の右手がたまらなく重い。
真っ赤に染まった右手がたまらなく重い。
湿った、いや濡れた右手が、耐え切れないくらい重い。
消えてしまえば・・・そう思ったとき、はっと気付いた。
左手に、剣を握っている。
通りで重いわけだ。
両手に剣を持っているんだから。
片方を降ろしたい。そう思って、左手の剣を振りかぶった。
ドンッ――。
間抜けな音がして、それから一瞬で、右手は地面に落ちた。
真っ赤に染まった右手が、落ちた。
夕焼けで、真っ赤に染まった右手が。
汗で濡れた、右手が。
血で、染まって、濡れた。
ああ軽い―――。
重荷をやっと下ろせた。
自然とため息が漏れた。
しばらく、その快感を味わう。
どれくらい時間が経ったか。
日が沈みきるかきらないか、その時だった。
右手の断面から何か触手のようなものが伸びてきた。
目がにじんだ。
それから、赤い筋肉のようなもの、白い脂肪のようなもの。
目頭が熱い。
最初の触手は神経だと悟ったころには、自分の右手は完全に元通りだった。
少し指を動かして、自分の物だと確信する。
涙があふれた。
その場に血のついた剣を落とした。ああ、
 ――ああ、僕は両手に神を背負っている。

DEAD HAND〜神の両手〜

( 2004年03月29日 (月) 00時22分 )

- RES -

[2] - 投稿者:鯖

すいません。駄文で(汗
とりあえずここから展開していきます。
大分前に書いた予告を少し手直ししました(それでこれかよ
恐らく「キノ○旅(○の意味ほぼなし)」
のパクリのようになりますが、どうかお許しを。

( 2004年03月29日 (月) 00時25分 )





Number
Pass

ThinkPadを買おう!
レンタカーの回送ドライバー
【広告】Amazonからクリスマスまとめ買いフェア2点以上で5%OFF
無料で掲示板を作ろう   情報の外部送信について
このページを通報する 管理人へ連絡
SYSTEM BY せっかく掲示板