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[48]試練の駆け落ち魔法事件4(愛する人と過ごす一夜) - 投稿者:仮面ライダー音夢


チヒロはレイコが苦手だった・・・。会うたびに『お兄様ぁ』と、甘ったれたような声で、チヒロに抱きついてくる・・・・。レイコがチヒロの恋人のマイコに初めて会ったときも、まずは

レイコ「お兄様ぁ!!会いたかったわ!!」

と、チヒロに抱きつき、マイコはチヒロが浮気をしているのでは!?と、一瞬疑ったのだ・・・・。
今回はマイコがいないのが、せめてもの救いだが、また抱きついてむりやりデートに誘おうとするのか・・・・と思うと、ため息が出た。もういい加減に慣れてもいいころなんだけど・・・・・・・・(汗)。
しかしよく見てみると、レイコの後ろにカップルの姿があった。少なくとも抱きついたりデートに誘ったりはしないな・・・・とチヒロは少しホッとした。

チヒロ「レイコさん、どうしたの??とにかくあがって・・・・・。」

レイコたち3人はチヒロの家に上がりこんだ。そして、部屋にあった大き目の机の左側にチヒロとレイコが、右側にエツコとヒロヤが座った。

チヒロ「レイコさん一人じゃなかったんだね・・・。」

チヒロはホッとしたように言った。

自分もチヒロお兄様と駆け落ちがしたいと思っているレイコはしまった!!と思った・・・・。

レイコ(あの二人を王都に送り届けてから、ここに飛び込めばよかったかも・・・でも今更やり直すわけにはいきませんわね・・。)

レイコは少しがっかりしたが、気を取り直してチヒロに二人を紹介した。

レイコ「私の親友のエツコ=ツバキさんと、その恋人のヒロヤ=シマくん。二人は駆け落ちしてきたの!!」

チヒロ「あ、どうも。僕はチヒロ=クサカといいます・・・・・・え?え?か、かけおちーーーーーーーー!!!!」

チヒロは大声を出して驚いた・・。

チヒロ「あの・・・出し抜けにそんなことを言われても混乱するからさ・・・詳しい話を聞かせてくれるかな??」


エツコ達から事情を聞いたチヒロは少し納得したようだった。

チヒロ「なるほど・・・・つまり駆け落ちは二人の仲を認めさせるためのお芝居なの??」

エツコ「まだなんとも言えません・・・父との話し合いが決裂したときは、本当に二人だけで暮らすことも考えています・・・!!」

チヒロ「うーーん・・・・他に味方になってくれる人はいないんですか?」

エツコ「います!!私の叔父です。父の弟で、王都の近くにある遺跡の警備員をしています。ヒロヤとの関係がバレてすぐに叔父に手紙で相談したんです・・・。そうしたら駆け落ちをすすめてくれたんです。」

チヒロ「・・・・・・・・とんでもない叔父さんだな・・・!!」

エツコ「いえ、本当に駆け落ちをしてはだめだけど、お互いの家族を脅してみてもいいんじゃないかって言ってくれたんです・・。」

レイコ「それでエツコ達は私のところにやってきて、私は父親を味方につけたほうがいいと提案したというわけですわ。」

チヒロ「それで、3人じゃ心細いから、僕にもついてきてほしいと・・・?」

レイコ「ねえいいでしょ??お兄様!!」

チヒロ「いやそのあの・・・・・・・・分かったよ・・・・僕でよければ・・・・。」

放っておくわけにはいかなくなった・・・。

レイコ「それで、今日は遅いからお兄様のところへ泊めてもらおうと思って・・・。あの二人は駆け落ちしてきたから、お金もたくさんあるわけじゃないの。」

チヒロ「え!?・・・でも!!」

レイコ「寝室に私とお兄様が、そしてこの部屋にエツコとヒロヤくんが寝ればいいことですわ!!」

チヒロ「だ、だめだよ!!寝室にきみとエツコさんだ。僕とヒロヤくんはこの部屋で寝る!!」

レイコ「じゃあよろしいんですのね、ここに泊まっても??」

レイコはニヤリとしながら言った。

ヒロヤ「ありがとうございます。クサカさん。」

チヒロ(してやられたような気がする・・・・トホホ・・・・えらいことになってしまった・・・・。)

チヒロはまたため息をついた。

レイコ「その代わり、夕食と朝食は私が作りま・・・・・・」

レイコの地獄の料理を知っているチヒロとエツコは真っ青になった!!

チヒロ「いやいやいやいや、そこまでしなくていいんだよ!!!!船旅で疲れているだろうから、レイコさんたちは休んで休んで!!」

エツコ「レイコ!!クサカさんのお言葉に甘えましょうよ!!!!ね。」

エツコとチヒロのあわてぶりに、ヒロヤだけが頭の上に?を浮かべている。

レイコ「お兄様・・・うれしいですわ!!私のために気をつかってくれるなんて・・」

レイコは思いっきり勘違いをしていたが、その方がありがたかった・・・・・・。


そして真夜中になって・・・寝室でレイコとエツコは寝る準備をしていた。

エツコ「ねえレイコ・・あのクサカさんって人とどういう関係!?お兄様って呼んでいたけど、レイコは一人っ子だよね?もしかして従兄??」

レイコはよくぞきいてくれましたという顔になって、

レイコ「実は私の婚約者なの!!今は遠距離恋愛なんだけど、たとえ遠くに離れていても、二人に愛の絆は不滅なの・・・ああ・・・お兄様・・・・・」

エツコ(そうは見えないんだけどなあ・・・・・。)

エツコがさらに質問しようとしたときレイコはもう寝ていた・・・・。

そして夜は明け、王都に行く準備は万全だった・・・!!

レイコ「さあ王都に出発ですわ!!」

レイコはワクワクしながら言った。

ヒロヤ「レイコさん、やけにハイテンションですね・・・・。」

チヒロ「いやな予感がする・・・レイコさんのことだから絶対何かたくらんでるよ・・・・・・。」

4人は期待と不安の中、王都に向かい始めた。

つづく

( 2004年10月31日 (日) 15時06分 )

- RES -

[58] - 投稿者:仮面ライダー音夢

最近書く時間がなくて、滞りがちですので、年末年始に一気に書き込む予定です。

( 2004年12月14日 (火) 18時40分 )





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