[180]超神甲ウルフェンサー 第1話 狼剣士(1) - 投稿者:オックス
今一番記憶に残っている童話は何か?と聞かれたら、俺は迷わず「三匹の子豚」と答えるだろう。
鮮明に残った子供の頃の記憶……というわけじゃなく、単純につい最近古い絵本を読む機会があっただけなんだが。
その古い絵本に書かれていた内容はなかなか衝撃的だった。俺が子供の頃に読んだ話は「豚の三兄弟が、それぞれ藁と木と煉瓦で自分らで家を建てたが、藁と木の家は狼に吹き飛ばされて残ったレンガの家に避難し、最終的に狼は諦めて去っていく」という内容だったのだが、それは数十年前に残酷な描写を変更したモノなのだそうだ。 変更前の話は「藁の家と木の家を吹き飛ばし、住んでいた子豚を食った狼が残ったレンガの家を狙うも吹き飛ばせず、何とか知恵を絞り家から誘き出そうとするもするも失敗し、最終的に煙突から侵入しようとしたらそのまま鍋に落され、残った豚が狼を美味しく頂いた」と、文字通り食うか食われるかの戦いを書いた物語だった。 それが子供向けかそうでないかはあまり気にならなかった。しかし、未だにどうしても…一つの疑問が頭を離れない。
何故狼は、レンガの家を吹き飛ばさなかったのか。
藁や木とはいえ、家を構成出来るだけの強度と量を持っていた素材を吹き飛ばしたのだ。それだけのパワーを持ちながら、レンガは他より頑丈だった。というだけで諦めるのは、ちょっと待つべきだったろうと俺は思う。 自分より賢そうな相手と知恵比べをする暇があるのなら、己を鍛え更に高めれる方が肉体に良い。 俺ならば、目の前に立ち塞がる存在がレンガであろうとコンクリートであろうと鉄骨であろうと……悪意を持った人であろうと、何であれフルパワーで吹き飛ばす。
そう、いつだって俺はフルパワー! 何が相手でも立ち止まれない男だ!
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2008年05月03日 (土) 02時53分 )
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