対吟十二調脇起り「枯野」の巻　文音・新仮名
かまきりの尋常に死ぬ枯野哉　　　　　　其　　　角（冬・動物・虫
　そぞろに歩く木の葉舞う道　　　　　　御手洗毅使（冬・植物
読みさしの「江戸語辞典」に栞して　　　二上　貴夫（雑・固有名詞
　かぶる帽子を選ぶ妻見る　　　　　　　　　　毅使（雑・　　　
土曜日は海軍カレーと黒麦酒　　　　　　　　　貴夫（夏・
　福島離れ広島に住み　　　　　　　　　　　　毅使（雑・
何となく恋が芽ばえてつらくなり　　　　　　　貴夫（恋・
　獅子身中の虫をさがせば　　　　　　　　　　　仝（雑・
　三面記事の奴が怪しい

毅使さま、９句目に、秋の長句をお付けください。

御手洗 毅使でお願いします
1 福島離れ広島に住む
2 何処がいいのかスナックのママ
3 栄えし家に若き人なし

よろしくお願いします

第三に「江戸語辞典」の方を選んで頂いたものと思い、
四句目（しくめ）に「かぶる帽子を」頂きました。
五句目、ＡＢどちらかを選び、
六句目に、夏か雑で、まだ出ていない素材でお付けください。

例えば、衣食住の住はまだ出ていませんし、宗教や述懐も
出ていません。１巻は森羅万象を詠んでミクロ・コスモスを
構築するわけです。

　対吟十二調「凌霄」の巻　文音・新仮名
かまきりの尋常に死ぬ枯野哉　　　　　　其　　　角（冬・動物・虫
　そぞろに歩く木の葉舞う道　　　　　　御手洗　毅（冬・植物
読みさしの「江戸語辞典」に栞して　　　二上　貴夫（雑・固有名詞
　かぶる帽子を選ぶ妻見る　　　　　　　　　　　毅（雑・恋

A週末はデイクルーズの夏休み　　　　　拙次（夏　　　
B土曜日は海軍カレーと黒麦酒　　　　　　　（夏

1 ゴッホの愛した 浮世絵さがす

2 かぶる帽子を 選ぶ 妻 見る

3 雨の降る夜 カタカムナ詠む

第三のＡＢを選び、四句目に雑（無季）の短句を
お付けください。
Ａは屋外、Ｂは室内をイメージして、周辺にある
道具や器財などで付けると良いでしょう。

　対吟十二調「かまきり」の巻　文音・新仮名
かまきりの尋常に死ぬ枯野哉　　　　其　　角（冬・動物・虫
　そぞろに歩く木の葉舞う道　　　　御手洗毅（冬・植物

Ａ京都より在来線へ乗り換えて　　　二上貴夫（雑・固有名詞
Ｂ読みさしの「江戸語辞典」に栞して

死なずば如何一匹の虫

かまきりの尋常に死ぬ枯野哉

1 死なずば如何一粒の麦

2 そぞろに歩く木の葉舞う道

3 暗雲の上に名月は在り

脇の作り方。

前の連句の発句・脇を例にして説明しましょう。

歯がひとつ抜けたる秋の笑いかな　三秋
　鏡に映すうそ寒の顔　　　　　　仲秋

「鏡に映す」を上七といい、
「うそ寒の顔」を下七といいます。

脇は発句と「同季同場同時分」で案じます。
「同季」は、同じ秋の季語「うそ寒」があり、
「同場」は、同じ室内を想像しており、
「同時分」は、朝昼夜の時刻をいいますが、
この脇では時間帯が夜なのか昼なのか分かりませんね。

そして、下七を体言止めにしますが、ここでは「顔」
がそうです。
それから、下七のリズムを２・５や４・３にしては
いけません。
「うそ寒の顔」は、５・２ですが、
例えば「真顔の寒さ」では４・３になり不可です。

取りあえず何か作って見ましょう。

Ａ水仙に猶分行や星月夜　　　　　其角
Ｂかまきりの尋常に死ぬ枯野哉

御手洗 毅使さま
上記、ＡＢどちらかを選んで、
脇七七の短句を、３句ほど案じてください。