オバQマンさん、訃報は驚きました。
相当ご高齢ですから仕方のない事とは言え。
吉田竜夫さんと同じくアメリカンコミックタッチを
画風に取り入れ、アクションものや戦記もので多くの作品を
残したあと、タツノコプロ設立後はアニメに従事し
紅三四郎・決断・ガッチャマンと健筆を奮いました。
骨格から筋肉まで嘘偽りのないリアルな体躯を描ける
氏でなければ、あのタツノコアニメの描写は
出来なかったでしょう。故にあのタッチ=タツノコに
なっていたのも事実です。
1994年に日本コロムビアから発売されたОXA
「キャシャーン(全4巻)」の制作が決まった時の話、
ひどく不安だった、と九里社長は語っていました。
「タツノコのラインを継承できるのは、あえていうと
もう私しかいない。他の人にあのラインを継承できる
人がいるのか…?」それ故に制作に不安がたえず
付きまとっていたと言いますが、そこに梅津秀行さんが
起こしたキャラクターデザインを見て
「タツノコのラインを持ちつつも新しさもある。
これなら世に出しても問題ない」と了承。
事実、ОXAキャシャーンは高評価で
商業的にも成功を収めました。
紆余曲折あったタツノコプロも創立60年を超えました。
今までの映像遺産は新たな視聴者を生み出していくでしょう。
ただ、新作も魅力的であってほしいのですけどね。
クライアントの要望とは言えリメイクばかり目立つので。
謹んでご冥福をお祈りいたします。