>『ひばりくん』
主題歌だけ印象に残っていて、本編はさっぱり(汗)。
80年代半ばからしばらくの間、黄金期のジャンプアニメでは王道「熱血ヒーロー」路線が主流となるわけですが。奇しくもそれらの作品に先行したのが『アラレちゃん』や『ひばりくん』だったのかと思わず唸らされます。
『ひばりくん』みたいな「既存の価値観おちょくり型」の漫画やアニメは、記事中でも仰っているように、時が経つにつれ「恋愛は男女間でするもの」みたいな基準となる価値観(社会通念と言えばいいのかな)が風化していくと、その芸風が成り立たなくなって、あとから事情を知らない人が観ると「何がおもしろいの? これ」となってしまう。これって大きなジレンマですね。
過去記事にある『ダメおやじ』だって、「父権」がまだ威儀を保っていた当時だから成り立つ作風なわけで、「父権」が否定され尽くした感のある今現在、ただの家族内いじめ漫画くらいにしか受け取られない気がします。
で、思ったのですが、じつはひょっとすると、そうした「価値観おちょくり型」作品が世に出回ること自体が、基準となる価値観の風化を少なからず後押ししてしまってるのでは? だとすれば、自分で自分の尻尾を食べるヘビのようなもんじゃないかと。
それはさておいても、「何でもアリ」と言い続けて価値観をのっぺり真っ平らにして、行き着くところは「おもしろい」も「つまらない」もない世界なんだろうなあ、というのが正直なところです。