久し振りです。しばらく「OVA」ぐらいしか取り上げてないと思われましたが、知らぬ間にタツノコアニメを3本も取り上げてました。
その中の1本「炎のアルペンローゼ」。当時私は見てませんでしたが、時々見て「タツノコでも少女アニメをやるのか」と驚きました。それも正統派の少女アニメ。タツノコのイメージを大きく変えた作品でした。
あの枠、フジテレビ土曜18:30は「タイムボカンシリーズ」以来タツノコが仕切っておりますが、「ウラシマン」以降の作品、泥流は日曜18:00、そう、あの「サザエさん」の前座役(「てんとう虫」や「ミラクル大作戦」もやってた)、更にさかのぼれば「グズラ」「ドカチン」「紅三四郎」です。
こんな伝統アニメであり、しかも当時の各局はニュースだらけ、こんな中「アルペンローゼ」は「ハキダメにツル」とばかりに唯一のアニメ。しかしわずか半年、それも度々中断(ナイターか?あの枠がローカルセールスになったので中継が伸びたのだ)。
確かにあの枠は長きに渡って男性路線が続き、少女路線は珍しかったかもしれません。しかしもっと大切なのは、1年前に起きた「グリコ森永事件」で、「グズラ」以来のお得意様だった森永製菓が一時的に降板してしまった事です。1作前の「メカドック」はプラモでなんとかなりましたが、少女作ではキビシイかもしれないでしょう。
あの後タツノコは「あかぬけ一番」「光の伝説」と少女路線を続け、その後は「タイムボカンシリーズ」よもう一度とばかり「ドテラマン」を放送しましたが、いずれも愚作だらけ。おまけに「アルペンローゼ」終了後にフジから発注を打ち切られ、「あかぬけ」はテレ朝、「光」は朝日放送、「ドテラマン」はNTVと、「ゴーダム」や「決断」以来関わってなかった局で放送する様に。この時期はタツノコにとって一番辛い時期だったかもしれないでしょう。
「アルペンローゼ」が終わった後は「鬼太郎」第3作が始まって、久々のヒット、そしてその後は、今や成長談も作られた「おそ松くん」が始まり(あれから30年)、以後ぴえろ路線へ。今度はタツノコに代わってぴえろが売れる状態になります。そういえばぴえろ創始者の布川ゆうじはタツノコ出身者ですな。