《谷口雅春先生に帰りましょう・第二》

 

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これからの北朝鮮 何故中朝首脳会談は短期間に二度も行われたのか?  (9367)
日時:2018年05月11日 (金) 18時46分
名前:コスモス

 合掌 有難うございます。

 【トランプ米大統領は10日、ツイッターを通じ、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との史上初の米朝首脳会談を6月12日にシンガポールで開催すると発表した。

 韓国の文在寅大統領と正恩氏が4月27日に合意した「板門店宣言」で明記された朝鮮半島の「完全な非核化」の実現に向け、具体的な方法や期限などで米朝が合意できるかが最大の焦点だ。】


 このようなニュースに関連して、次のような見解もあるようです。参考のために転載致しました。

ーーーーーーーー
 
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180510-00055590-gendaibiz-int&p=1



  金正恩が核放棄後にいきなり直面する「最も深刻な問題」


   核を即時に捨てなければ経済が持たない


 
 史上初の首脳会談開催に向けて、米朝両国が積み重ねてきた秘密の予備交渉が大詰めを迎えている。労使の賃上げ交渉に例えれば、100円玉1個をめぐる土壇場の攻防が水面下で繰り広げられている。



本稿執筆の5月9日時点では、米朝首脳会談の日時と場所はまだ正式発表がない。発表された時点で、会談の成功は約束されたのも同然だ。北朝鮮は間違いなく「核放棄」に応じる。


 大方の専門家とメディアはこれまで「絶対に放棄しない」と断じてきた。幸いにも、この懐疑論は外れる。


 同じく、北朝鮮が非核化の過程で「時間稼ぎ」を繰り広げると予測する悲観論も外れる。


 原子炉の廃炉と化学兵器の廃棄を含めれば、技術的に10〜20年を優に超す長い時間が要る。しかし、問題の核心である軍事的脅威の除去作業はずっと簡単だ。北朝鮮は保有する全ての核弾頭を早期にアメリカへ引き渡すだろう。


 懐疑論の欠点は単純だ。北朝鮮の「目的と手段」を混同する。北朝鮮の究極目標は世襲独裁体制の「生き残り」にある。核開発はそのための手段であり、核保有自体が目的なのではない。


 体制保証が果たされるのなら、核保有と核放棄は「等価」だ。トランプ政権は北朝鮮の核放棄と引き替えに体制保証を約束する。


 悲観論の欠点も単純である。北朝鮮の国力を買いかぶり過ぎだ。


 北朝鮮は表向き「段階的解決」を主張する。だが、本心ではない。むしろ段階的解決は「ありがた迷惑」だろう。下手に時間を稼げば、北朝鮮経済は死ぬ。


 北朝鮮は経済制裁に先手を打ち、核ミサイル開発に必要な資金と物資を事前に確保・備蓄してきた。だが、北朝鮮の国力では国民経済に必要な資金と物資の確保と備蓄までには手が回らない。


 この2年間ほどで北朝鮮への経済制裁は格段に強まった。これを耐え抜く政策手段は限られる。それも持続性を著しく欠く。


 公共事業による内需拡大。市場経済化(民営化)の促進による経済の効率化。家電製品などの消費熱を煽る労働意欲の向上。20隻余りの保有船舶を総動員した「瀬取り」などの密輸行為――。


 これに国内市場での中国人民元の流通放置が加わる。通貨主権を事実上放棄したのも同然の奇策だ。これが自国通貨乱発の誘惑を抑え、悪性インフレの発生を何とか防いできた。


 だが、どの対策も一定の効果は期待できるが、限界の天井は低い。財源不足、外貨不足、密輸の取り締まり強化で、必死の対抗策もついに賞味期限が切れた。


 対中貿易の激減→資材不足による国内企業所の稼働停止→賃金の遅配・欠配→地域商店の販売不振。


 この悪循環で、今年3月頃から景気が急速に腰折れした。おまけに北朝鮮の国内市場は中国人民元の流通量不足で「貧血」状態だ。中国企業の投資が止まったせいである。



    改革開放でも本質は変わらず



 北朝鮮経済が、核ミサイルという病巣を一刻も早く取り除くという外科手術が必要になっている上に、窓の外には海上封鎖と軍事攻撃の暴風雨が迫っている。


   金正恩は潮時を見計らい、核放棄を決断した。


 元来、金正恩が執権当初に打ち出した、核と経済の「並進路線」の狙いには、短期と中長期の区別があった。


 核ミサイル開発は短期の生存戦略で、中長期の生存戦略は経済再建にあった。筆者は2年前、「並進路線の力点は後者の中長期的な経済再建策にある」と見立て、その上で次のように予測した(「『反中国の怪物』になった金正恩」、『Voice』2016年5月号)。


 「駆け込みで核・ミサイル実験を強行し、核弾頭開発に一定の目処を付ける。そして対話攻勢に転じて制裁局面の打開を図る」、「(核ミサイルを)押し売りして、米中両大国を天秤に掛け、経済再建の血路を切り開く算段である」と。


 その意味では、核放棄はノーベル平和賞に値する「世紀の英断」では決してない。金正恩の策略の「想定内」だ。


 金正恩は今年4月20日、労働党全体会議で核開発と経済再建の「並進路線」の総仕上げを宣言。それに代わる「新たな戦略路線」と称して「経済建設総力戦」を打ち出した。


 そこで金正恩は「国家核戦力を(執権後)5年間にもならない短期間で達成した」と自画自賛する。専門家の多くはこれを「核保有国宣言も同然」と読んで強く警戒した。だが、率直に言って誤解だ。注意深く文脈の行間を読めば、婉曲話法の「非核化宣言」である。


 金正恩は体制の生き残りを懸け、核放棄よりも困難で危険な道に踏み出す。北朝鮮式の改革開放政策だ。


 もちろん「経済建設総力路線」とは言え、金正恩が並べ立てる美辞麗句に油断は禁物だ。「恒久平和」や「平和愛好的立場」は偽物、「人民生活を画期的に高める」のも本意ではない。


 金正恩の真の狙いは経済発展を通じた「軍近代化」にある。核は捨てられても、北朝鮮主導での「南北赤化統一」の国是は捨てられない。


 ケ小平の改革開放政策を手本に、最新兵器で重武装した将来の北朝鮮軍を夢見る。中国がその道に要した40年間を、後発メリットを最大限に生かして圧縮すること。これが金正恩の稼ぎたい「時間」の正体である。


 それでも、この先10年ほどを見通せば、金正恩の率いる北朝鮮は、捲土重来の再起を期して、静かに息を潜める。その間、全方位での「平和愛好的」な外交を進める。


 経済再建のためには、経済制裁の解除だけでは不足だ。周辺諸国から経済支援を最大限に引き出し、さらに経済交流を活性化させる以外にない。当然ながら、その相手国には日本が含まれる。



    
        正念場は軍のリストラ



 他方、北朝鮮の内政は波乱含みだ。


 全方位の平和外交は内政を緊張させる。秘密警察の「主敵」は自国民なので揺るぎはない。だが、軍隊は「仮想敵国」なしには紀律を保てない。金正恩は北朝鮮軍の仮想敵国をどこに据えるのか。当面は頭を悩ませる。


 「千年の宿敵」の中国、「百年の宿敵」の日本とアメリカ、それとも同民族の韓国か――。経済再建を最優先に据えれば、どれも差し障る。


 北朝鮮は総人口が約2400万人で、120万人の大軍を擁する。これに民兵組織を加えると200万人にもなる。兵員確保のやりくりで、北朝鮮は若者に10年間もの兵役義務を科す。


 この軍部リストラが金正恩の至上命題だ。「軍縮」(兵力削減)は先の南北首脳会談でも言及された。今後の南北交渉で主要議題のひとつとなる。本気度はともかく、北朝鮮はかつて「南北が各々10万人規模」を提案したことがある。


 大幅な兵員削減は軍部の既得権益を大きく損なう。仮想敵国を見失い、待遇に不満を持つ軍部は政情不安の火種になる。最新兵器と新規利権で軍部を宥めるのには、莫大な費用と長い時間が要る。


 それと同時に、金正恩は今後、経済的な生産性の高い年齢の若者を兵舎から追い出し、経済建設に振り向ける必要がある。とはいえ、数十万人の若者に新たな働き口を与え続けるのは難題だ。


 外国からの大規模な経済援助と直接投資の早期誘致が不可欠だ。それで間に合わないようなら、韓国や日本への海外出稼ぎを積極的に推し進めるしかない。現実的には、外国投資奨励と海外出稼ぎ容認を組み合わせることになるだろう。


 この雇用創出策に失敗すれば、民心が乱れて収拾不能の混乱を招く。


 持続的な高度経済成長で国民の旺盛な消費欲を刺激して、世襲独裁体制への不満を封じ込められるかどうか――。


 金正恩は核放棄で「外部の敵」からは体制保証を貰える。だが「内部の敵」から世襲独裁体制の安心立命を得られる保証はどこにもない。


 金正恩体制の生き残りは核放棄の後に正念場を迎える。


  李 英和

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 スレッドを独立させました。ご一読をお願い致します。


これに対してこの様な観方もあります 北朝鮮がこれまでに5度も世界を欺いたことも詳しく述べられています。 (9368)
日時:2018年05月11日 (金) 19時08分
名前:コスモス

 https://www.facebook.com/michio.ezaki/posts/1755547287895094

  江崎道朗


 以下の分析は重要。朝日新聞などのトランプ叩き報道に惑わされないためにも、ご一読をお勧めしたい。



(以下、引用)

米朝首脳会談、6月12日にシンガポールで開催

早読み 深読み 朝鮮半島

「北の核」は対話で解決か、戦争を呼ぶのか
2018年5月11日(金)
鈴置 高史


史上初の米朝首脳会談が6月12日、シンガポールで開かれることが決まった。トランプ(Donald Trump)大統領が5月10日、発表した。北朝鮮の核問題が対話で解決するのか、あるいは軍事的な衝突につながるかの分かれ道となる。

リビア方式で押すトランプ
米朝首脳会談はどんな結果を生むでしょうか。


鈴置:大きく分けて3つの展開を予想できます。

「米朝首脳会談、3つのシナリオ」をご覧下さい。首脳会談でトランプ大統領が金正恩(キム・ジョンウン)委員長に対し「つべこべ言わずにまず、非核化しろ。見返りはその後だ」と要求するのは確実です。


 いわゆる「リビア方式」です。2003年12月19日にカダフィ大佐が非核化を受け入れると、米英の情報機関は直ちにリビアに入り、核関連施設を米国に向け運び出しました。翌2004年3月には全ての作業を終えるという早業でした。


 トランプ大統領の要求に金正恩委員長が素直に応じれば、平和のうちに北朝鮮の核問題は解決に向かいます。シナリオ@です。


 ただ、北朝鮮が素直に核を放棄するとは考えにくい。金正恩委員長がリビア方式を拒否し、トランプ大統領が席を蹴る可能性が高い。

 そうなれば米国は空爆など軍事力による解決を選ぶか、少なくとも経済制裁と軍事的な圧力を強化するでしょう。シナリオBです。


 もちろん、金正恩委員長だって空爆されれば、あるいは経済制裁を強化されるだけでも相当に困ります。そこで、「核を放棄するから体制を保証して欲しい」などと様々の条件を付けて対話が決裂しないように持って行くでしょう。これがシナリオAです。



核保有を主張する金正恩
シナリオ@つまり、北朝鮮が即、核を手放す可能性は全くないのですか。


鈴置:金正恩委員長にそんな気はさらさらありません。4月20日、朝鮮労働党は核武装を宣言したうえ、米国にそれを認めろと要求しました。

 核とICBM(大陸間弾道弾)の実験を中止し、核実験場は廃棄するとも発表したので、北朝鮮が改心して核を捨てる気になったかと勘違いする人も出ました。


 しかし、それらはすべて世界を欺く平和攻勢です(「しょせんは米中の掌で踊る南北朝鮮」参照)。


 4月27日の南北首脳会談も同様です。この際に署名した「板門店宣言」で「非核化は南北共同の目標」とうたいました。が、その狙いは「非核化」を米国との取引材料に使って、米韓同盟を揺さぶることでした(「『民族の祭典』に酔いしれた韓国人」)。
 北朝鮮は核を手放さずにいかに米国の空爆を防ぐか、に心血を注いでいるのです。



「米朝」の後、習近平訪朝か


南北のスクラムを誇示
 北朝鮮の本音は日ごとに露骨になっています。5月6日配信の朝鮮中央通信「朝鮮外務省代弁人 朝鮮に対する圧迫度合いを高めている米国に警告」(日本語版)は以下のように通告しました。


・米国はわれわれが核を完全に放棄する時まで制裁・圧迫を緩めないと露骨に唱えて朝鮮半島に戦略資産を引き込み、反朝鮮「人権」騒動に熱を上げるなど、朝鮮半島情勢をまたもや緊張させようとしている。


・歴史的な北南首脳の対面と板門店宣言により、朝鮮半島情勢が平和と和解の方向へ進んでいる時、相手を意図的に刺激する行為はようやくもたらされた対話の雰囲気に水を差して情勢を原点に逆戻りさせようとする危険な企図にしか見られない。


・米国がわれわれの平和愛好的な意志を「軟弱さ」に誤って判断し、われわれに対する圧迫と軍事的威嚇を引き続き追求するなら、問題の解決に役に立たないであろう。


 ポイントは「米国は核を完全に放棄する時まで制裁・圧迫を緩めないと唱える」部分です。

 これはリビア方式による非核化を指します。そして、そんな「相手を意図的に刺激する行為」は「問題解決に役立たない」と北朝鮮は言っているのです。


 この「問題解決に役立たない」とは「米朝首脳会談をキャンセルするぞ」ということでしょう。「情勢を原点に逆戻りさせようとする危険な企図」と言っていることから分かります。北朝鮮は結局は「米朝」を受けたわけですが。


 自分ひとりが肩をそびやかしても効果は薄いとも判断したのでしょう。南北対話と板門店宣言に言及することで、南と結束して米国に当たる姿勢を見せたのです。


今度騙されればピエロ

 結局、首脳会談は対話継続のAか、軍事行動・制裁強化のBか、のせめぎ合いになるということですね。


鈴置:その通りです。しかし、米国が北朝鮮に時間稼ぎを許すAを選ぶとは考えにくい。「非核化の約束を5度も破った北朝鮮」をご覧下さい。米国と国際社会はこれだけ北朝鮮に騙され続けてきたのです。


 今回、またもや騙されればもう、ピエロです。韓国や日本以上に、米国の「嘘つきの北朝鮮」を見る目は厳しい。

 ことに、トランプ大統領は「取引の天才」と任じているのです。「過去の大統領とは異なり騙されないぞ」としょっちゅうツイートしています。


 トランプ政権の強硬路線に批判的なNYT(ニューヨーク・タイムズ)でさえ、北朝鮮をペテン師と決めつけています。南北首脳会談前後――4月25日から27日の間に、同紙に載った北朝鮮関連の論説は3本。


 まずは「North Korea’s Phony Peace Ploy」(4月25日)。政治経済学者のエバースタット(Nicholas Eberstadt) 氏の寄稿です。

 見出しからして「北朝鮮の詐欺師的なやり口」。本文でも北朝鮮が国際社会を騙し続けてきたことを指摘し、最後に「こんなしたたかな相手とは、中途半端な外交交渉などすべきではない」と突き放しました。
・North Korea is a fearsome adversary. Let’s not play pretend-diplomacy with it.



●非核化の約束を5度も破った北朝鮮

▼1度目=韓国との約束▼

・1991年12月31日
南北非核化共同宣言に合意。南北朝鮮は核兵器の製造・保有・使用の禁止,核燃料再処理施設・ウラン濃縮施設の非保有、非核化を検証するための相互査察を約束
→・1993年3月12日
北朝鮮、核不拡散条約(NPT)からの脱退を宣言


▼2度目=米国との約束▼

・1994年10月21日
米朝枠組み合意。北朝鮮は原子炉の稼働と新設を中断し、NPTに残留すると約束。見返りは年間50万トンの重油供給と、軽水炉型原子炉2基の供与

→・2002年10月4日
ウラニウム濃縮疑惑を追及した米国に対し、北朝鮮は「我々には核開発の資格がある」と発言

→・2003年1月10日
NPTからの脱退を再度宣言

▼3度目=6カ国協議での約束▼

・2005年9月19日
6カ国協議が初の共同声明。北朝鮮は非核化、NPTと国際原子力機関(IAEA)の保証措置への早期復帰を約束。見返りは米国が朝鮮半島に核を持たず、北朝鮮を攻撃しないとの確認

→・2006年10月9日
北朝鮮、1回目の核実験実施

▼4度目=6カ国協議での約束▼

・2007年2月13日
6カ国協議、共同声明採択。北朝鮮は60日以内に核施設の停止・封印を実施しIAEAの査察を受け入れたうえ、施設を無力化すると約束。見返りは重油の供給や、米国や日本の国交正常化協議開始

・2008年6月26日
米国、北朝鮮のテロ支援国家の指定解除を決定

・2008年6月27日
北朝鮮、寧辺の原子炉の冷却塔を爆破

→・2009年4月14日
北朝鮮、核兵器開発の再開と6カ国協議からの離脱を宣言

→・2009年5月25日
北朝鮮、2回目の核実験

▼5度目=米国との約束▼

・2012年2月29日
米朝が核凍結で合意。北朝鮮は核とICBMの実験、ウラン濃縮の一時停止、IAEAの査察受け入れを約束。見返りは米国による食糧援助

→・2012年4月13日
北朝鮮、人工衛星打ち上げと称し長距離弾道弾を試射

→・2013年2月12日
北朝鮮、3回目の核実験


親子3代「橋を売る」

4月27日には定期寄稿者のステフェン(Bret Stephens)氏が「Kim Jong-un Sells a Peace Bridge」を書きました。これまた見出しは「平和の詐欺師、金正恩」。

 米語の「sell a bridge(橋を売る)」とは、ニューヨークのブルックリン橋を売ってやると持ちかけ、カネをだまし取った詐欺師がいたことから来た言葉だそうです。

 ステフェン氏は「金正恩だけではない。祖父の金日成(キム・イルソン)はクリントン(Bill Clinton)に、親父の金正日(キム・ジョンイル)はブッシュ・子(George W. Bush)に、同じ『非核化』という橋を売りつけた」と書いています。そして結論はやはり「相手にするな」でした。


 NYTは4月27日には社説でも北朝鮮の核問題を取り上げました。「Koreans’ Talk of Peace Raises Hopes and Doubts」との見出しから分かるように、先行きを楽観しませんでした。


 米国紙の社説も裃(かみしも)を着た存在ですから、さすがに詐欺師とは決めつけない。しかし「金ファミリーが時間と巨額のカネをかけて培ってきたテコを金正恩が手放さない以上、状況は変わらない」と、北朝鮮の言う「非核化」に疑問を呈したのです。

・most experts suspect that, in the end, nothing will change since he will not surrender a lever his family spent years and millions of dollars developing.

中間選挙惨敗で安易な妥協

結局、シナリオBですね。

鈴置:そうなったら金正恩委員長はお終いです。直ちに攻撃されなくとも経済制裁でどんどん首が締まって行く。軍事的な圧迫も強まって、指導層にまで動揺が広がります。


 金正恩政権と文在寅(ムン・ジェイン)政権は、とりあえず2018年11月の米中間選挙まで時間稼ぎしようと考えているはずです。10年前の成功体験があるからです。


 ブッシュ(子)政権(2001―2009年)は出帆当初、北朝鮮に厳しい態度をとりました。しかし政権末期には腰砕けとなり、北朝鮮のテロ国家指定まで解除してしまったのです(「非核化の約束を5度も破った北朝鮮」参照)。


 2006年11月の中間選挙で与党の共和党が惨敗したことが引き金となりました。政権は求心力を失い、実績作りのために安易な妥協に走ったのです。

 南北朝鮮は中間選挙のある今年秋まで何とか時間を稼ぎたい。頼みの綱は国際世論です。「平和を求める南北朝鮮」「そんな南北に強硬策で臨む米国」とのイメージを世界に植え付けておく。


 これにより、米国がシナリオBを選択しにくくできる、と南北は考えているのです。そのため4月27日の南北首脳会談という政治ショーの舞台を設定し「和解に努める南北」を世界に演じて見せたのです。


 64%が「金正恩は信頼できる」

そんな見え透いた猿芝居に騙される人がいるのでしょうか。


鈴置:韓国人の71.4%が南北首脳会談の結果、CVID――「完全で検証可能で不可逆的な非核化」が可能になったと考えています。

 世論調査会社のリアル・メーターが5月2日に調べた結果です。「不可能」と答えた人は18.2%に留まりました。

 もし、米朝首脳会談が決裂すれば、韓国人の多くは「金正恩委員長は悪くない。問題児はトランプだ」と言い出すでしょう。

 同じリアル・メーターの調査では「金正恩氏を信頼する人」が会談前の14.7%から64.7%に急増しています(「『民族の祭典』に酔いしれた韓国人」)。


悪いのはトランプ


 韓国ではそうかもしれません。でも、政治ショーの舞台の外では北朝鮮に非難が集まりませんか?


鈴置:この問題に理解が浅く、トランプ嫌いの多い欧州でも「米国が悪い」との声が起きるでしょう。日本だってそうです。その前兆を朝日新聞で観察できます。


 4月27日、トランプ大統領は「勇気づけられた」と南北首脳会談を評価する一方「過去の政権の過ちは繰り返されない。非核化されるまで最大限の圧力は続く」と北朝鮮を牽制しました。


 朝日新聞・東京本社版はこれを1面トップで報じましたが、見出しは以下の2本でした。

・「完全非核化」 米なお強硬

・南北会談「評価」でも圧力維持


 この見出しを見て「北朝鮮が完全な非核化を約束した。しかし米国はいまだに強硬策を捨てず、圧力を維持すると言っている」と認識した読者も多いことでしょう。


 そもそも北朝鮮は完全な非核化など約束していません。

「非核化が目標」と言っているに過ぎないのです。その北朝鮮に対し圧力を加え続けるのは当然の話です。


 でも、朝日新聞はこの1面トップの記事により「トランプこそが平和を乱す悪い奴だ」とのイメージを日本に広めたのです。


 南北朝鮮は国際的な世論誘導に必死で取り組んでいます(「米国の空爆を防ごうと『時間稼ぎ』に出た南北朝鮮」参照)。


 5月7−8日、金正恩委員長は中国遼寧省・大連で習近平主席と会談し「非核化は一貫した立場」と述べました。北朝鮮は平和愛好国家であり、中国がその保証人になると宣伝したのです。


 5月9日には訪朝したポンペオ国務長官に、拘束中の3人の韓国系米国人を引き渡しました。米朝首脳会談が近づくに連れ、北朝鮮は宣伝攻勢にますます熱を入れるでしょう。


ーーーーーーー


習主席を慌てさせた「中国ナッシング」 北の核保有問題を長引かせたいわけ (9404)
日時:2018年05月17日 (木) 15時54分
名前:コスモス



https://www.sankei.com/world/news/180517/wor1805170012-n1.html  

 【石平のChina Watch】

ーーーーーー

 
 今月7日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は中国・大連を訪れ、中国の習近平国家主席と会談した。


 3月下旬に開催された中朝首脳会談からわずか四十数日後のことである。国家間の首脳会談というのは普通、年に1回あるかないかであり、このような頻繁な首脳会談の開催は異例中の異例である。



 さらに奇妙なのは、習氏が2013年3月に中国の国家主席に就任してから今年2月までの約5年間、一度も会うことなく互いに敬遠していたはずの両国首脳が、3月に入ってから突如「親密」になったことである。それは一体どういうことなのか。



 時系列で考えてみると、両首脳が急接近した理由は明らかだ。

 3月8日、トランプ米国大統領の決断により、米朝首脳会談の開催が決められた。まさにその時以来、習主席は金委員長と2回も会談したり、トランプ大統領や日本の安倍晋三首相と電話会談を行ったりして慌ただしい動きを見せた。


 トランプ大統領と金委員長が一対一で直接に対話することになったこと、それこそが習主席を慌てさせた最大の原因ではないのか。


 
 今まで、中国は北朝鮮問題に対して一定の影響力を保ち、それを自らの対米外交のカードとして使ってきた。北朝鮮危機が高まると、米国は常に中国に頭を下げて協力を求めてくるから、中国のアメリカに対する立場はそれだけ強くなるのである。



 しかし、北朝鮮が中国の頭越しに米国と直接に対話することとなったり、あるいは北朝鮮の核保有問題が米朝の直接対話によって解決の道筋がつけられるようなこととなると、米朝両国にとって中国の存在と影響力はもはや不要なものとなろう。


 中国は、半島問題に対する自らの影響力を失い、対米外交の有力なカードも失うのである。



 まさにこのような「中国ナッシング」の流れを止めておくために、習主席は2回にわたって金委員長との首脳会談を行い、両国間の「親密ぶり」をアピールすることによって主導権を奪い返そうとしていたのだ。



 そして金委員長との会談においても、会談後のトランプ大統領への「電話報告」においても、習主席は繰り返し北朝鮮問題への中国の「積極的な役割」を強調し、自国の「役割」に対する厚かましいほどのアピールを行った。


 それは、ゲームから外されかねないことへの焦りの表れではないのか。



 習主席と金委員長との2回目の会談の後、中国国務院新聞弁公室(国務院広報担当)の公式サイトである「中国網」は、会談の「重要な意味」を解説する論評を掲載した。


 論評はその文中、「中国は半島問題において重要かつ積極的な役割を果たしている」「半島問題における中国の役割はこの上なく重要だ」「半島の非核化は中国の働きが必要不可欠」と、何回も繰り返して中国の「役割」を主張しているのだが、


 それもまた、習政権が半島問題への影響力の保持に執念を示していることの証拠であろう。



 しかし、このような意味合いにおいて、中国は決して、北朝鮮の核保有問題の早期解決を望んでいないことが分かる。


 なぜならば、この問題が完全かつ迅速に解決された暁には、中国の「役割」はそれこそ不要なものとなってしまうからである。



 つまり中国にとって、最大の関心事は問題の解決ではなく、そこにおける自らの「役割=影響力」の保持であるから、問題の解決が長引くことは、習主席と中国にとって、むしろ好都合なのである


 
 それこそが、北朝鮮問題に当たっての中国の本音中の本音であろうが、このような中国は北朝鮮問題解決の妨害者になることがあっても、その積極的な促進者にならないことを、国際社会はきちんと認識しておくべきであろう。

                  


【プロフィル】石平

 せき・へい 1962年、中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍を取得。

ーーーーーーーーー

 なるほどそうでしたか。よく解りました。




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