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[287]帝王切開でもこんなにリスクが・・・?! 投稿者:くまぴょんの妻

投稿日:2005年03月14日 (月) 23時49分

公務員医師さんの書き込み拝見しました。
2回目以降の帝王切開って、思っていた以上にリスクがあったんですね。
肺塞栓血栓症はちゃんと認識していたので、
それに対する対策を病院側も自分もしていたので、
大丈夫って思っていたのですが、
それ以外にも母体側には出血や前置胎盤や癒着胎盤、
子供には自然分娩に比べて呼吸器の合併症が出ることが多くなるなんて・・・

わたしの場合、次妊娠したら有無を言わせず予定帝王切開になりますが、そのときにはこれらの問題をどうしたら無事クリアできるか、医師と相談しなくては・・・
こういう情報ってなかなか手に入らないんですよね。
こちらのHPに多くの産科医師さんが情報を書き込んでくだされば、
多くの妊婦さんやこれから妊婦さんにならはる方にとって
非常に役に立つので、
これからもこういう書き込みしてくれはる方が増えるといいな。

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[288]経膣分娩 vs 帝王切開投稿者:産科医
投稿日:2005年03月15日 (火) 01時32分
**分娩にも、帝王切開にも、それぞれ大きなリスクがあり、しかもリスクもケースバイケースであり、どちらの分娩方法がより安全とは一概には言い切れません。

**分娩の場合は、胎内生活から胎外生活に移行するための準備過程(陣痛のストレス)がありますが、帝王切開の場合は、何の前触れもなく、いきなり胎内生活から胎外生活に移行するために、出生直後は呼吸が安定しない場合が多いとよく言われます。従って、当科では、帝王切開で出生した児は、一晩、保育器での経過観察を行っています。翌日になれば経**分娩の児との差はほとんどなくなると私は思ってます。

**分娩では、適度な陣痛ストレスを経て出生した児の場合は、呼吸がもっとも安定しますが、児にとって過重な陣痛ストレスにさらされて重症仮死の状態で出生した場合は最悪の呼吸状態で、新生児死亡や脳性麻痺となってしまう場合もあります。

一般的に言えば、呼吸状態の安定度の順番は、安産の経**分娩>帝王切開(予定>緊急)>難産の経**分娩、となると思われます。

母児にとって一番安全で、患者満足度の最も高い分娩方法は、安産の経**分娩であることは当然の話で、すべての妊婦や産科医にとって安産の経**分娩が理想ではありますが、それはあくまで結果論であり、各妊婦さんがどのような分娩になるか?(安産か?、難産か?)の予測は非常に困難です。

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[290]産科病棟の人員配置について投稿者:産科医
投稿日:2005年03月16日 (水) 07時51分
産科病棟に分娩目的で入院してくる患者さんのほとんどは、安産の経**分娩ををめざして病院に入院してきます。ほとんどの分娩は入院後24時間以内に決着がつきますが、分娩経過は人それぞれで、本人の希望通りに無事に安産を達成できる場合もあるし、難産となる場合もあるし、突然、途中で帝王切開となる場合もあります。最終的にどのような分娩となるか?は終わってみないことにはわかりません。

産科病棟では、24時間いつでも患者を受け入れて、患者さんの刻々と変わる状況を常時監視し、何か異常が発生した場合には24時間いつでも即座に適切に対応できる体制を整えておかねばなりません。いざ緊急手術という事態になれば、複数の産科医、麻酔科医、新生児科医、助産師、手術室看護師などが手術室に結集する必要があり、産科病棟を有する病院では、24時間いつでも即座に緊急手術を開始できる人員、設備を病院内に整えておく必要があります。しかし、産科医が2〜3人しか勤務してないような病院では、そのような勤務体制を維持することは絶対に不可能で、緊急時にうまく対応できないような事態も、場合によっては、起こり得るということになってしまいます。

完璧な体制で無理なく産科業務をやってゆくためには、産科医は最低でも10〜20人は必要だと思われます。しかし、どこでも産科医不足は深刻で、特に若い産科医が圧倒的に不足していいます。

患者さんの病院に対する期待度と、現実の病院の体制とは非常にかけはなれていることが多いというのが現実の姿です。

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[291]投稿者:管理人ベル
投稿日:2005年03月16日 (水) 12時58分
そうですねぇ、リスクはあらかじめ回避策がとれるリスクと予期せないリスクがあります。
だから、患者にとっては、自分のお産についてできるだけ正確な情報を得た上で、自ら回避できるリスクは回避する必要があると思います。
そのためには、1人の医師だけの意見では、その医師の考え方や方針の影響が大きくなりますから、セカンドオピニオンやこういったサイト情報を通じて色んな意見を聞いた上で、判断することが大切だと思いますね。
裁判の時に、左裁判官いい事を言いました。
彼は結婚はされているけれど、まだお子さんはいない方で、
「この裁判を通じて、お産は生まれて当たり前という認識の人が多いけれど、これは自然分娩を含め出産は立派な手術である、だからもっと患者さんが自分の行なう医療行為に危機認識をもつようにならなくてはいけないと思いました。」
と言ってくれました。
本当にその通りですね。

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[292]産科医療の現状と将来投稿者:産科医
投稿日:2005年03月17日 (木) 07時22分
私も同感です。

私自身の個人の少ない経験の範囲内で、研修医時代から今までに勤務していたいくつかの病院で、子宮破裂を合計6例経験しましたが、その6例のうちの3例は既往帝王切開妊婦で、3例は帝王切開の既往のない妊婦でした。

既往帝切妊婦の子宮破裂の3例では全例で母体は救命できました。しかし、帝切の既往のない妊婦の子宮破裂の3例は全例で母体死亡となりました。

母体死亡となった3例とも、何のリスクもない普通の妊婦さんで、陣痛発来で病院に入院し、入院中に子宮破裂が起こり、破裂の直後より、新鮮血大量輸血、子宮摘出、ICUでのDICの治療などの集中的な治療が実施されましたが、医師団の必死の治療の甲斐なく最終的には亡くなられました。

最近、近隣の基幹病院での子宮破裂による母体死亡例が1例あったとの報告を聞きましたが、やはり、その患者さんも帝王切開の既往のない妊婦さんであったと聞きました。

前もってわかるリスクがあろうがなかろうが、妊娠自体が非常に大きなリスクであり、どんなに健康な女性であっても、妊娠すれば分娩時母体死亡の可能性があり、今後どんなに医学が発達しても、母体死亡の可能性は決してゼロにはできないと思います。そのことは一般の方も十分に認識すべき基本的事項だと思います。

現在の日本の、妊産婦死亡率、新生児死亡率などは世界最高水準であり、現在の日本の産科医療は世界の先進国の中でも最高水準にあると考えられています。しかし、新規参入が少ないために産科医の平均年齢が毎年あがって産科医の高齢化が進み、産科医数もどんどん減り続けている現状では、この先、日本の産科医療はどうなってしまうんだろうか?と多くの人が危機感を抱いてます。

優秀な若い医学部卒業生達が、夢を持って、新規参入できるような産科医療の体制を作ることが急務と考えてます。

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[296]産科医さん、ベルさんありがとうございます投稿者:くまぴょんの妻
投稿日:2005年03月17日 (木) 23時42分
わたしのただ思った事述べただけのコメントに、
丁寧にコメントしていただいてありがとうございます。

驚いたのは帝王切開を経験していない方が子宮破裂を起こした場合、先生が経験しはった例すべてが亡くなってはること。
お産って言うのはホント命がけの大イベントなんだなぁってつくづく思いました。
だから普通分娩でも帝王切開でも、母子ともに無事ならそれでいいやないですか!
それだけで幸せやないですか!
こんなに大事なイベントの手伝いが出来る「産科医」や「助産師」ってすごく素敵な仕事ですよね。
大変なこと、「何かあったときは・・」って言うのわかりますが、
もっと増えて欲しいです。
そうすれば一人の医師にかかる負担が減るでしょ。



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