投稿日:2006年02月21日 (火) 23時31分
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はじめまして、福島県の事件について色々調べているうちにここにたどりつきました。 私も、今回の一件で将来、産科にすすむ意志を全くなくした医学生の一人です。 今の気持を一言で表すなら「絶望」としか言いようがありません。
私は再受験生で、一度入った都会にあるそれなりの私立大学を中退した上で、 地方国立大学(かなり田舎)の医学部を受けなおしました。 当時、「将来は医師過剰の時代がきて医者は儲かる職業ではなくなる」と 言われておりましたが、「儲からなくても人のためになる、人を助ける人生を歩みたい」 と考えたのです(こうやって言葉にするとモニター越しでも赤面しゃいますが) もともと田舎の生れでもあり、僻地にも特に抵抗はありません。それに性格的に 地位とか名誉には一生縁がなさそうだと自分でも思うし、僻地医療に従事するのも それはそれで遣り甲斐があっていい人生かな…などと呑気に考えていました。
加藤先生には直接お目にかかったことはありません。しかし、もしお会いしてたら あるいは人生の師と仰いでいたかもしれないと思います。産科医の現状は、既に下で 多くの先輩方がおっしゃっている通り。加藤先生の出身がどちらかは存じませんが、 他にもっと労働条件のよい勤め先はいくらもあったでしょう。それにこれは想像ですが、 今回この様なことになる以前、何度も危ない場面はあったはずです。間一髪で 死神が連れ去ろうとする母親を、赤ん坊を奪い返し、額の汗を拭う。今日は 生き延びた。でも明日は判らない。私はせいぜい表面をポリクリで知ってるだけ ですが、産科の医師はほとんど戦場の最前線に立つ兵士のようなものでしょう。 しかも敵は際限なく押し寄せてくる。一度の敗北だって許されない。十中九、 負ける戦いに勝ったとしても英雄と讃えられることはない。彼らは常勝を求められているから。 …いや違う。彼らが守る者達は知らないから。自分たちが、守られていることを。 大事な人と愛し合ってその結晶が生れ、育ってゆく。そんな当り前の、幸せな家族の営み を守る為にぼろぼろになりながら踏ん張っている彼らのことを。
余りに兵士(産科医)達がよく戦って敵を遠くへ追いやったものだから、若い者達は安全を 当然そこにあるものと受け取るようになってしまった。(長くなってきたので後半分けます)
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