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[482]私も… 投稿者:はじめまして

投稿日:2006年02月21日 (火) 23時31分

はじめまして、福島県の事件について色々調べているうちにここにたどりつきました。
私も、今回の一件で将来、産科にすすむ意志を全くなくした医学生の一人です。
今の気持を一言で表すなら「絶望」としか言いようがありません。

私は再受験生で、一度入った都会にあるそれなりの私立大学を中退した上で、
地方国立大学(かなり田舎)の医学部を受けなおしました。
当時、「将来は医師過剰の時代がきて医者は儲かる職業ではなくなる」と
言われておりましたが、「儲からなくても人のためになる、人を助ける人生を歩みたい」
と考えたのです(こうやって言葉にするとモニター越しでも赤面しゃいますが)
もともと田舎の生れでもあり、僻地にも特に抵抗はありません。それに性格的に
地位とか名誉には一生縁がなさそうだと自分でも思うし、僻地医療に従事するのも
それはそれで遣り甲斐があっていい人生かな…などと呑気に考えていました。

加藤先生には直接お目にかかったことはありません。しかし、もしお会いしてたら
あるいは人生の師と仰いでいたかもしれないと思います。産科医の現状は、既に下で
多くの先輩方がおっしゃっている通り。加藤先生の出身がどちらかは存じませんが、
他にもっと労働条件のよい勤め先はいくらもあったでしょう。それにこれは想像ですが、
今回この様なことになる以前、何度も危ない場面はあったはずです。間一髪で
死神が連れ去ろうとする母親を、赤ん坊を奪い返し、額の汗を拭う。今日は
生き延びた。でも明日は判らない。私はせいぜい表面をポリクリで知ってるだけ
ですが、産科の医師はほとんど戦場の最前線に立つ兵士のようなものでしょう。
しかも敵は際限なく押し寄せてくる。一度の敗北だって許されない。十中九、
負ける戦いに勝ったとしても英雄と讃えられることはない。彼らは常勝を求められているから。
…いや違う。彼らが守る者達は知らないから。自分たちが、守られていることを。
大事な人と愛し合ってその結晶が生れ、育ってゆく。そんな当り前の、幸せな家族の営み
を守る為にぼろぼろになりながら踏ん張っている彼らのことを。

余りに兵士(産科医)達がよく戦って敵を遠くへ追いやったものだから、若い者達は安全を
当然そこにあるものと受け取るようになってしまった。(長くなってきたので後半分けます)

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[484]衣食足りて…投稿者:某旧邸外科医
投稿日:2006年02月22日 (水) 00時10分
衣食足りて礼節を知る、とはいかないようですね。少なくとも最近の本邦の国民は、医療に関する限り。
 投稿者の学生さんの言うとおり、幾多の先人の文字通り血と脂にまみれての闘いにより、そして、いまこの瞬間も最前線で一歩も引かじと踏ん張っている幾千万の同志医療従事者の獅子奮迅の働きにより、日本国の医療水準は世界最高であるとWHOに認定されるまでに到りました。
 どこの社会主義国家よりも(Cubaには負けるかも)平等に医療が受けられ、生活保護者でも米国一流施設に留学していた術者にオペしてもらえる国は、日本以外には地球上のどこにも存在しません。
 …我々の闘いはなんだったのでしょうか?自分たちの頚を絞めただけなのでしょうか?感謝して貰える・賞賛して貰えるとは思わないまでも、まさか石もて逐われる立場になろうとは、誰が想像したでしょうか。
 外科も産科と同様、入局者は激減です。当科は悪性腫瘍(癌)を扱うことが多いのですが、昔は「手術して貰えただけで満足です」というぐらい成績は惨憺たるものでした。がんセンターや癌研究会を始め、医療・医学会挙げての征圧努力の結果、徐々に”治る”ことが期待出来るようになってきました。その結果が、どうでしょうか?これ以上は述べなくても賢明な貴方なら認識してますよね。
 これが現実です。医療従事者と患者は共闘すべき戦友だと長年思ってきましたが、最近は後ろから撃たれることが多くなりました。悲しいことです。

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[496]ほんとうは国VS医師、国民なんですよ投稿者:中間管理職
投稿日:2006年02月22日 (水) 01時08分
マスコミに踊らされているようですが、国が道路などの公共事業を進め、医療を押さえるからこのようになっているのです。先進国では日本は、
公共事業 ぶっちぎりの1位 6カ国の合計と同じ
医療費  最低 あまりに低くて1.5倍にすると言ったイギリスより低い

つまり、国民は「道路を作りまくって世界一の水準でお金を掛ける、医療は最下位(トルコやメキシコより低い)でもいーや」といっているのです。マスコミがそう言うデータを報道しないのも悪いのですが。

医師は負け組みです。ほんとうは国VS医師、国民なんですよ。でも情報操作で国民VS医師になってしまって、いまは医師が悪者なんです。これは信じられません。医師は政府の決められた安い医療費でかなり頑張っていると思います。「日本医療は世界一の効率(高くないのに成果が上がっている)」といわれているのに、これも国民は知らないのです。

学生さんでしたら下記URL見てみてください。産婦人科の訴訟率はもっと上がっています。生涯訴訟率は40%以上です。やってられませんよね。

日本人の大好きな、精神論で医師が最前線に行くように大合唱が始まってます。医師の本分とか、自己犠牲とか、奉仕の精神とか、言われなくてもそんなの持っていますよ。限界を超えた奴隷生活が待っています。第2次世界大戦から国民のレヴェルは全く上がっていないのです。問題の構図を分かってください。

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[498]投稿者:はじめまして
投稿日:2006年02月22日 (水) 01時18分
…どなたかがおっしゃってましたね、「医師には病気とたたかう人であって欲しい」と。正直、腹に据えかねるものがありましたので、これだけは言わせてください。加藤先生は、そしてまた、全国の多くの先輩方は、

戦っていますよ! 必死に! 今この瞬間も!!

先ほど、書きました。加藤先生だって何度も危険を感じていたはずだと。大体、ちょっとでも冷静になればわかった筈です。いえ、今現在、頑張っておられる産科の先生方も

と っ く の 昔 に 気 付 い て い る は ず です。

こ の ま ま つ づ け れ ば い つ か 破 滅 だ と。 

今日は運良く生き延びた。では明日は? その次は? 危険は上昇し続ける。味方はいない。援軍も来ない。ついには、もとより心もとなかった兵站までも絶たれそうになっている。それが彼らの現在の状況です。いや、それどころか――――後から銃弾が飛んできた。百中九十九防げない敵を通した責任を取れといわれて。お前たちは人殺しだ、と自分たちが必死に踏みとどまって、ぼろぼろになって守ってきたはずの者達から石を投げられ非難されて。いやもう、私が彼らの立場ならどうだろうなんて想像もつきませんね。とりあえず笑うしかないかも。

じゃあ、危険を感じながらも何故彼らは、先人たちは、退かずに戦っているのか、戦い続けてきたのか。ヒヨコにすらなっていない、卵の私にすら簡単にわかります。

後にいる者を、つまりは患者さんを、言わせて貰えば今、石もて加藤先生を非難している方々…

貴 方 た ち を 守 る 為 に 彼 ら は 戦 っ て き た ん だ!! 

そして、今も戦い続けているんです、ボロボロになって! いつ訪れるか判らない破滅に脅えながら! さんざん繰り返されたことかもしれませんが、お願いだから、できる範囲でいいから、想像してみてください。週5日の外来。年に200を超えるお産。その合間にある病棟での入院患者のケア、手術…大げさでなく、文字通り命がけです。いつ過労死しても不思議じゃない。責任感を持って? 命の重さを知れ?! 何がそこまでさせたのかわかりませんが、ほとんど宗教的な使命感なしに、患者の命をどうしても助けたいという強い想いがなくて、どうしてこんな生活ができるものか!! 産科医は引く手数多です。探そうとすれば他にいくらでも、働き口はある。金儲けに走る、あるいは産科をやめるまでしなくても、せめて、ほんのもう少し人間的な生活ができる環境でも、十分に医師としてのやりがいは充たせたし、誰も非難することはできなかったでしょう。私なら間違いなくそうしています。彼がたった一人で踏みとどまって、すべてを捧げて戦ってきたのは、今、眼の前にいる患者さんを見捨てられなかったからじゃないのか?!代わりなんていない。そんなものがいるならそもそもこんなことになっていないし、全国で産科医不足なんて起こる訳が無い。それを…それに対する、応えが、これか… (続く)

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[501]投稿者:はじめまして
投稿日:2006年02月22日 (水) 01時49分
おお、文面を推敲している間にレスが。
先輩諸兄、ありがとうございます(汗

…申し訳ありません、少々頭に血が上りすぎているようですので、続きは少し外の空気を吸ってきてから投稿します。レスへの個別の扁桃もそのときに…

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[508]投稿者:血液内科医
投稿日:2006年02月22日 (水) 11時47分
貴 方 た ち を 守 る 為 に 彼 ら は 戦 っ て き た ん だ!! 

そのとおりです。私は加藤医師を戦友だと思っています。彼を背中から撃つような人々は医師であれ患者であれ許す訳にはいかないのです。



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