投稿日:2006年02月24日 (金) 03時16分
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だいぶ下がってしまいましたので、改めて。管理人さん、その他この掲示板をご覧になっている方々、感情的になってしまい申し訳ありませんでした。
少しは落ち着きましたので、現状に憤慨するのはひとまず置いて、今回のことを踏まえた上で今後のことを…私の一身上のことからこの国の医療のあり方についてまで含めて自分なりの考えをつらつら書いてみたいと思います。
前回も書きましたが、やはり現在の状況ではどうしても産科(その他小児科や救急など、リスクが高いとされる科)に進むことは躊躇われます。これは他の多くの医学生も同様でしょう。それに地域のために身を粉にして働いてきたと思われる加藤先生がどうなったかをこうして見てしまうと、僻地医療に携わることについても…(もし県民の方が見ていらっしゃったら申し訳ありませんが、特に福島県に赴任するくらいならばNGOに入ってアフリカに行く方がまだマシです。正直に言って)
…1年もたてば、あるいは研修の課程を終えれば、また考え方も変わってくるかもしれません。ですが昨今の医療を巡る状況を見ると、より後ろ向きに変わることはあっても前向きに変わることなどなさそうに思えます。
私も聞きかじりなのでそれほど詳しく説明はできないのですが、下で中間管理職さんがおっしゃっていた通り、小泉内閣によって今回診療報酬が3.16%下げられました。一般の方にはたかだか3%…という感覚だと思いますが(私も調べて初めてどれほど大変なのか知りました)、公立など一般の病院にとってこれは実質40%の純益減を意味するそうです。それがどういうことなのか、学生の私などよりは、社会人の皆さんの方がよくご理解いただけると思います。経営努力といっても、単価の値上げという手段を最初から封じられている以上は、さまざまなコストを切り詰めるしかない。真っ先に切り詰められるのは収益に直接反映しにくいリスク管理の費用でしょうか。上からの過酷な要求に、抜いてはいけない鉄筋まで抜いてしまった姉歯の件を思い出しますが、あれと同じことが全国の医療現場で起こりかねない。そして不採算部門の縮小もしくは廃止。その場合真っ先に消えるのは救急、産科、小児といった儲からない上にリスクが高く、成り手の少ない、しかし地域の住民には絶対に必要な部門です。当然人件費も削減を免れないでしょうが、現状ですら最前線の医療は「医師の使命」「奉仕の精神」の美名のもと、労働基準法を無視した環境で働く先輩諸兄によって支えられているところが大きいのです。リスク管理もままならず、訴訟率も高まる中さらに人員を削る…前線にこれ以上の自己犠牲を求めるのはほとんど爆弾を抱えて砲火の中に突っ込めというのと同じです。中間管理職さんがおっしゃった様に、先の戦争から何も進歩していない。特攻の結果、世間から軍神や英雄として誉めそやされるのではなく犯罪者として後ろ指をさされる点が違いますが。
(続きます。現場で働く先輩の皆様方、かなり付け焼刃ですので何か私が勘違いしているところがありましたらご指摘、訂正お願いいたします)
参考リンク http://www.geocities.jp/jgill37jp/low_cost1.html http://www.geocities.jp/jgill37jp/low_cost2.html
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