投稿日:2006年02月22日 (水) 12時30分
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>このニュース少し前に私も読みました。 明らかな医師の技量不足による医療過誤と思います。
はじめてメールさせていただきます。この件に心底腹を立てている医師の一人です。どうも事実誤認があるようなので、やむにやまれずメールしました。 「なぜ、全国の医師の大半が怒りをあらわにしているか」ということをご理解下さい。この件は加藤医師の技量不足によるものではありません。医学臨床の前線に立つ、普通の感覚を持つ医師が、「この件で主治医の責任を問うのは酷」と思うケースなのに、有無を言わさず刑事事件として逮捕に至ったという異常な事態に対して怒っているのです。確かに、女性が一人亡くなった事実は非常に重いし、ご遺族の方の悲しみも痛いほど分かります。だからといって、僻地で孤立無援のまま、命を削るような激務に耐えていた加藤医師を、単に「明らかな技量不足」で切り捨てるようなことは、同じく医療現場で体を張っている人間には到底我慢なりません。 |
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[518]投稿者:いち麻酔科医
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投稿日:2006年02月22日 (水) 23時46分 |
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「僻地」「公務員体質の公立病院」「年々高まる『市民』様の要求」「一人体制を放置する県立医大と福島県」「公立病院の決して高くない報酬」「労働時間の過酷さ」…
これらのファクターを加味すると,たとえ癒着胎盤が予見できなかったことを「ミス」としても,情状酌量の余地はいくらでもあります。 それを「逮捕」という形で幕引き記した警察を含めて,福島「県」というものそのものに問題があると解釈せざるを得ません。 あとは他の先生方が言うように,癒着胎盤を予測することは難しいです。 更に,子宮摘出を選ぶべきだった,と他人事のように言うことには怒りを覚えます。 自分が経験した症例で,28歳の帝王切開のあと、用手的に剥離したにもかかわらずDICとなり、逆上した父親と主人を何とか説得して要約子宮摘出に至った…それでも訴訟寸前までいった…と言うことがあります(三人めだったから良かったような物で,初子だったら訴訟ものでしたでしょう)。
一番憎むべきはこのような体制を放置し,医師個人の責任で解決しようとする「福島県」という存在ではないでしょうか。 あとは、世界一といってよいほど安い医療費で,世界最高レベルの(先端医療はともかく,普通の「市民」に対するもので)医療を提供していることが「当たり前」で,「ちょっとしたミスでも絶対に許せない」ということになれている「市民」様にも問題があるのではないでしょうか。 この流れでいくならば,周産期・妊婦死亡率が100年前の水準に戻っても良いか,完全自由診療となり「安全確実なお産をしたいなら,家を売れ」の世界になることを甘受しているとしか思えませんよ。 |
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