葉中メモ
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タイトル | |
現在までにこのタイトルには、12 件の投票があります。 | 投票する |
[31] 2007年04月22日 (日) 09時20分 システムメッセージ | |
投稿された方の依頼により、2007年09月26日 (水) 12時57分に記事の削除がおこなわれました。 このメッセージは、設定により削除メッセージに変更されました。このメッセージを完全に削除する事が出来るのは、管理者の方のみとなります。 |
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[46] 2007年05月06日 (日) 00時52分 葉中 | |
【5/5の手記】 朝起きると、急に体が軽くなったように感じた。 温泉かあの地蔵のおかげだろうか、と妻に話し掛けてみるが、妻は無表情だ。 何か寝ぼけている時に怒らせてしまったのだろうか? その日、ずっと反応も悪く無表情な妻が心配で、正直、食事の味がまるでわからなかった。 今までは妻の事など気にもとめていなかったのだが……定年で弱気になってしまったのだろうか? これからは妻の事を気にかけてやろうと思う。 風呂に入りそびれた。また、明日にでも行くとしよう。 |
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[48] 2007年05月06日 (日) 21時05分 葉中 | |
【5/6の手記】 滞在も三日目、明日でこの村を離れることになる。 今日は村のハイキングコースに挑戦してみる。 体の節々が妙に動きにくい。やはり年なのだろうか?当然とはいえ、少し凹んだ。 妻は相変わらず無愛想なままだが、一応ハイキングにはついてきた。 不思議と息も上がらず汗もかいていないのが印章的だったが、私以上に体が硬く、背中を押してやることもたびたびあった。 予想していたよりも体が軽い。本当に苦労をかけたと思う。 二人で蕎麦を食べたが、味はわからなかった。明日、一人で食べに行こう。 そうそう、神社の側で妙な唸り声を聞いた。森に野生生物でもいるのかも知れない。宿の人に聞いてみようか。 (焦ったような走り書きで)風呂で熱さを感じなかった。一昨日はそんなことはなかったのに。何かの病気だろうか?不安だ。 |
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[51] 2007年05月07日 (月) 23時31分 葉中 | |
【5/7の手記】 得体の知れない怪物に頭から食べられる夢を見た。 ……昨日気付いた自分の体の異常のせいだろうか? その日は一人で村を散策してみるが、何度か村の人の顔がのっぺらぼうのように見え、落ち着かない。 食事の味もわからない。気が付けば、地蔵を奉納した神社に足を向けていた。 人の姿はなく、中はただ地蔵が並んでいるばかり。だが、妙な違和感を覚える。 まるで、耳元で誰かが囁き続けるような、まるで、誰か自分を見つめているような。 その時、足元の地蔵にけつまずいた。 (この後、ところどころページが赤く染まり、字が震えている) ぐらりと体が揺れる。関節が動かず、体勢を立て直せない。 グチャリ、という感覚を感じながら私はその場に倒れてしまった。 いやまて……グチャリ?その時はそう思った。 なんだ?これは、とも。 目の前にあったのは腕の折れた地蔵……そこからは真っ赤な血が噴き出して? 目の前の地蔵は腕が折れている、腕が折れれば血が噴き出すはずだ、だから、これは変ではない。 いやまて、違うだろう。 気が付けばまわりの地蔵が全て私を見ているような気がする。 いや、気のせいではない。声が聞こえる。 今響いている獣のような唸り声は私を食い破ろうとしている地蔵のものに違いないんだ、きっと! 地蔵の折れた腕からはまるでミンチのような肉が見え、 ゆっくりと脈動しながら血をボタリと。その柔和な顔のままで私の事を見つめている。 明らかにおかしいが、間違いなくその地蔵の中には血と肉が詰まっており、 そして私に潰されて泣き叫んでいた。 私はどういう事か全くわからないままその場にへたり込んでいたらしい。 立ち上がろうとしたとき、外は既に暗くなっていた。 が、私は見てしまった。気付きたくないが気付いてしまった。 地蔵から流れた血がまるで、何かの枠にそっているかのように固まっている…… 手を差し込むと、それは開いた。 隠し階段。 神社の中に何故、地下への隠し階段があるのか、 あの地蔵の中には血が詰まっていたのか? まるでわからない。 だから、私はこの日記に地下へ入るまでの私の記憶を書き記しておく。 耳元ではまだ地蔵の泣き叫ぶ声が聞こえてくる。 (とある山中にて発見された日記はここで途切れている) |
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[82] 2007年06月13日 (水) 21時38分 葉中 | |
【赤いノート1ページ目】 自分の身に起きたことが今でも信じることが出来ない。 ゆっくりと過ぎていく新幹線の外の景色も、 傍らで眠る妻の姿も、 そして自分の腕に巻かれた包帯も全て絵空事のように感じてしまう。 だが、あれは紛れも無く実際に起こったことなのだろう。 だから、私はなくしてしまったあの日記の続きを今、示さなければならない。 |
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[95] 2007年06月22日 (金) 06時23分 葉中 | |
【赤いノート2ページ目】 どこまでをあのノートに書いたのだろう。 おそらく、あの隠し階段を下るまでだったはずだが……。 隠し階段は石で作られていた。 古い石段は形が不規則で、生えているコケが足元を狙う。 人2人分が通れるほどの階段の両脇、所々くくりつけられているたいまつだけが、周囲をぼんやりと照らし出していた。 たいまつが「燃えている」という事は人が入ってすぐ、または人が入ったばかりということだろう。 ゆっくりと、一歩一歩進む。あまり動かない関節が恨めしかった。 |