ゾイド系投稿小説掲示板
自らの手で暴れまくるゾイド達を書いてみましょう。
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ZAC1890年、東方大陸。神族独特の仮面をした男がいる。「これを残しておけば・・必ず・・神族の天下が来る・・・。」彼が残した遺産。このせいで、、後に惑星Ziの運命をかけた戦いに発展することになるとは、彼は知るよしもなかった・・。
時は進み、ZAC2150年、東方大陸。戦争が終わって、間もないこの大地を5人の男女が歩いている・・・。その中の1人が喋る。「本当にこの大陸に、神族が残した遺産だかがあるのか?」リーゼル・パルス。賞金稼ぎである。愛機のジェノブレイカーに乗っている「あるはずよ!古代遺跡にそう書いてあったもの!」リセア・コール。歴史研究者だ。愛機はレイノス。「そんなの当てになるかどうか・・。まぁ楽しい冒険でもあるなら別だが。」クレゴル・ゴルス。冒険家。愛機はゴルドス。「おめーは冒険できれば後のことはどうでもいいんだろ。」ヴァイジス・リアス。商人。だが見習いだ。愛機はアイアンコング。クレゴルが言う「失礼だな。俺は勇敢なんだよ!」「ああ!?よくそんなこと言えるな?デスザウラーを目の前にしてビビッて逃げたのは誰だよ?」「なんだとぉ!てめぇ〜こそ・・」「喧嘩しない!!!」2人の間を1人の女がさえぎる。セリアル・シュルツァー。吟遊詩人。というかほとんど無職といっていい。愛機はライガーゼロ。彼らは今、神族が残したという遺産を求めて旅をしていた。今日で旅に出て3ヶ月がたつ。「そうだぞ。喧嘩するな。」リーゼルが言う。「そうそう・・喧嘩なんてしたって無駄・・キャア!」リセアが叫んだ。そして大地がわれ、そこから悪魔が姿を現した。「デススティンガー!!!」一同が叫ぶ。旅には困難はつき物であった。その様子を遠くから1人見つめる男がいた・・。
「キシャアァァアァ!!!」デススティンガーの金属質な高い声がこだまする。それを聞きながら、リーゼルは仲間の指揮をする。「リセア!クレゴル!蠍の右に回れ!他のは俺と一緒に左に回れ!そしたら間接を攻撃しろ!」そう、デススティンガーといえども無敵ではない。各関節が非常に弱いのだ。「んなことわかってるよ!お前こそミスするなよ!」クレゴルが叫びながらゴルドスの主砲を発射する。特殊な改造で150%まで威力が上げられた砲塔だ。かなりの破壊力がある。「くそっ!遅れをとってたまるか・・うぉっ!?」デスステの怒りの爪がコングを引き裂こうとする。間一髪、避けるヴァイジス。「これでもくらえ!!」リーゼルのジェノブレが荷電粒子砲を発射する。強烈な光がデスステを包む。「さらにそこでストライクレ〜ザァ〜クロォ〜!!」セリアルのゼロの爪が光る。次の瞬間、デスステの腕が吹き飛んだ。「キ・・ッシャァァアア!!」苦しそうな声を上げるデスステ。さらに追い討ちをかけるリーゼルたち。「うぉおおおぉぉお!!」絶叫しながらジェノブレのエクスブレイカーを振るうリーゼル。そしてデスステの懐に入ったかと思うと、一気にデスステの足を根元からもぎ取った。しかも右の足をすべて。「ギシャアァァァ・・・・」足をもがれその場に倒れるデスステ。命のともし火が消えるのも時間の問題だった。だが・・・。突如その場に閃光がきらめいた。するとデスステの足が回復しはじめた!「な・・なんだ!?」不思議がるリーゼルたち。そこに冷たい、ゾッとするような声が聞こえた。「第2ラウンド・・スタートさ・・。」そこにはゾイドが立っていた。それも、ダークスパイナーという名のゾイドが。そしてそのコクピットに座っている男がにやりと笑った。
「だ、ダークスパイナーだと!?」ヴァイジスが叫ぶ。そしてリーゼルも言う「なろほど・・・このデスステもあいつに操られているのか!!」ジャミングブレード。敵ゾイドの調子を狂わせ、自在に操るダークスパイナーを一時無敵にしたこともある超兵器である。だがリーゼルたちのゾイドには特殊なコーティングがされているためジャミングは効かない。しかし、完全に無防備な野良のデスステなら簡単に操れるのである。「にしてもさっきの不気味な声は誰なんだ?ダクスパのほうから聞こえてきたぞ・・。」不気味がるクレゴル。だがヴァイジスが言う「んなことはどうでもいいだろ!きっとどっかの狂人科学者みたいな奴だろ!ビビッてんなよ!勇敢なんだろてめぇ!」その勇敢という言葉に反応するクレゴル。「あたりまえだ!俺は強いし勇ましい!」完全に自信家のクレゴルにあきれる他のメンバーその時、ゾイドについてはなぜか博識のリセアルが気づいたように言う。「ちょっと待ってよ!ダークスパイナーのジャミングに回復能力がついてるなんて聞いてないわよ!?きっとあれは改造機よ!!」皆がはっとする。そしてリーゼルが叫ぶ。「おそらくデスステにダメージを与えても無駄だろう・・。先にダクスパを倒すぞ!」一同叫ぶ。「わかった!」そして全員がダクスパに向かって突進した。だが、またあの不気味な声がした。「君たちに僕を倒すことはできない・・・・プラズマ粒子砲、発射。」するとダクスパの口から砲塔が出てきた。そこには「危険、使用は最小限に抑えること」と書かれた赤いラベルが貼ってあった。さっきの声を聞いたリーゼルが絶叫する。「プ、プラズマ粒子砲!?ギルベイダー以来使用されていないあのプラズマ粒子砲か!?くそっ・・退け!やばいぞ!!」だがもうすでに遅かった。そして不気味な声が言う。「バイバイ、危険分子たち。」そして凄まじい閃光が放たれた。静けさを取り戻した大地にリーゼルのジェノブレは横たわっていた。プラズマ粒子砲をギリギリで避けたため無事だった。ほかの機体も何とか無事だ。だが動ける状況ではない。リーゼルは朦朧とする意識の中、コクピットから1人の男と人間くらいの小ゾイドが立っているのが見えた。かすかな声でリーゼルが言った。「オー・・ガ・・ノイ・・ド」そしてリーゼルの意識は途絶えた。
リーゼルの視界に光りが差し込んできた。「う・・・どうなったんだ・・・。」するとクレゴルの声がした。「お、気がついたか。」クレゴル以外にも、みんな気を取り戻したようだ。「クレゴル・・みんな・・いったい何が起こったんだ・・?」「何もこうも、景色を見ればわかるだろ。」「景色って・・・!!!!」そこには想像を絶する景色が広がっていた。さっきのプラズマ粒子砲のせいで湯気を立てながら赤くなっている大地と、完全に破壊され、半ば石化しているデススティンガーの姿があった。「こ・・これは・・・全部さっきのダクスパがやったのか・・?」「そのとうりだ。」聞きなれない声がする。見るとそこには50歳くらいの男が立っていた。「あなたは・・?」「君にはまだ自己紹介をしてなかったね。私はオルコル・ブレイズだ。大企業ZOITECに勤めている。」「ZOITEC!!??」ZOITEC(ゾイテック)・・・かつての共和国と帝国の戦争で、表面上は帝国に協力しながらも影から共和国に援助していた企業。今ではそのおかげで巨大企業へと成長した。「その巨大企業が・・何用ですか?」「君たちに来てほしい。話はそこでする。ネオタートルシップも用意してあるから君たちのゾイドに心配はしなくていい。」こうしてリーゼルたちは東方大陸・・ブルーシティに行くこととなった。リーゼルたちは気づかなかった・・。この様子も、あの謎の男と黄色い、オーガノイドに見られていたことを・・・。
東方大陸、ブルーシティ・・。リーゼルたちは町の真ん中にある、巨大なホテルに泊まっていた。「・・・まさか・・こんなにもてなしてくれるとは・・意外だな。」ヴァイジスが言う。見習い商人である彼はいつも安いところにしか泊まったことがなかった。「俺たちを油断させて煮て食う気か?」クレゴルが冗談を言う。「非現実的なこというわね・・アンタ。」リセアが言う。歴史研究者であるため、やたらと現実、現実という。ユーモアのかけらもない。「まぁゆっくりしましょ。」セリアルがゆったりと喋った。さっきからリーゼルは黙りこくっていた。その時、ドアが開き、オルコルが入ってきた。「リーゼル君・・だったな。話したいことがある。来てくれ。5階・特別会議室で待っている。」「わかりました。」リーゼルが答えたのを見ると、オルコルはその場を去っていった。「なんでホテルに会議室なんだ?」「おそらく・・ゾイテックのお偉いさんがよく泊まるからだろう・・。まぁどうでもいい。」そう言って、リーゼルも会議室へと向かう・・。会議室に到着し、ドアを開けるリーゼル。「来たな・・。まぁ座りたまえ。」そう言われて座るリーゼル。「いきなり聞くが・・君があったというオーガノイドだが・・色は何色だったかね?」「黄色でした。」「やはりな・・。」オルコルはやはり何かを知っている。「あいつが誰だか知っているんですか?」「うむ・・。」そして一息入れて言った。「奴は・・・ブレイゼント・レイツァル。裏では知らぬもののいないほどのお尋ね者だ・・。」ようやく謎の男の名を聞いたリーゼル。続いて聞く。「じゃぁあのオーガノイドは?」オルコルはため息をついた。「・・・・奴が3年前・・このブルーシティの研究所から盗んだものさ・・今では名前までつけてやがる・・。もっともあいつのほうもブレイゼントになついてるようだが。」「そのオーガノイドの名前は?」「・・・・リッチと呼ばれている・・。」オルコルが言ったその直後、突然爆音がした。「なんだ!!!」オルコルが叫ぶ。そして管制室から悲鳴が聞こえてくる・・。「ダ・・ダークスパイナーです!!付近に黄色いオーガノイドも飛んでいます!!」「黄色いオーガノイド・・ブレイゼントか!!!」そう言うと、急に走っていったオルコル。会議室にはリーゼルただ1人となった。だが・・後ろからいきなり声をかけられた。「こんにちは。危険分子君・・。」リーゼルが驚いて後ろを向く。そこにはハンサムだが、どこか冷たい感じのする、15,6歳の少年がいた。少年に言うリーゼル「君は・・まさか・・。」そして答えが返ってくる。「そう・・僕がブレイゼント・・ブレイゼント・レイツァルさ・・。」ついに・・この2人は出会ったのだった・・。この広い世界で運命的に・・。
「君が・・ブレイゼント・・!?まだ子供じゃな・・」「子供だからどうだというんだい?」東方大陸、ブルーシティでついにまじかで出会った2人。だがリーゼルたちを襲った男はまだ少年だった。驚きを隠せないリーゼルだった。リーゼルが問う。「なぜ俺たちを襲ったんだ!!」ブレイゼントが答える。「何故?君たちが危険分子だからに決まってるだろ?」「危険分子って・・俺たちが何をしたっていうんだ!!」「フフフ・・まだ君たちは自分たちがやっている事の重大さに気づいてないようだね・・。」「事の重大さだと・・?」首をかしげるリーゼル。しばしの沈黙の後ブレイゼントが言う。「まぁいいさ・・いずれ気がつくさ・・。じゃあね・・。」そう言うと窓に近づくブレイゼント。「!!??そんなとこからどうやって降りる気だ・・!?」驚くリーゼルにブレイゼントは不敵な笑みを浮かべる。「別に簡単なことさ・・君たちにはできないことだろうけど。さて、もういいか・・リィーーーッチ!!!!」ブレイゼントが叫ぶと、さっきまでダクスパの周りを回っていた黄色いオーガノイド・・リッチが飛んできた。「また会おう・・危険分子君・・。そうだ。その気があるなら戦ってみるかい?僕と。」その言葉を聞いて一瞬たじろぐリーゼル。だがここで逃げては男が廃ると思ったのだろう。OKをだした。「ああいいぜ!やってやろうじゃないか!!」「フフフ・・ならば表に出るがいい・・。」そう言って窓から去っていくブレイゼント。「くそっ!」そう言ってリーゼルも下の階へ急ぐ。愛機、ジェノブレイカーが待っている倉庫へと。リーゼルが倉庫から出たとき、ブレイゼントはもうリーゼルを待っていた。「ようやく来たか・・危険分子君・・。」「俺は危険分子じゃねぇ!リーゼルだ!!」「名前なんてどうでもいい・・さっさと始めるぞ・・。」「やってやろうじゃないか!!」そう叫ぶと、リーゼルはブレイゼントに向かって突撃した。ブレイゼントのダークスパイナーの力は圧倒的だった。ジェノブレイカーは反撃すらできない。「くそっ・・!なんて野郎だ!」「ハハハ・・君の力はそんなものか!!雑魚にも等しい!!」「くっ・・くっそぉおおおおお!!!」「ギャオオオオオオオス!!!」叫びながら突撃するリーゼルとジェノブレ。「何度やっても同じだ!!」そう言ってブレイゼントとダークスパイナーも突撃する。もう少しでぶつかるという時、ジェノブレが突然ジャンプをした。「何!!??」驚くブレイゼント。辺りを見回す。「上だぜ!ブレイゼント!!」「・・!しまった!」上空から突撃してくるジェノブレ。そしてエクスブレイカーでダクスパの腕を切り裂いた。崩れ落ちるダクスパ。「よっしゃあ!」ガッツポーズをするリーゼル。だが負けたはずのブレイゼントはなぜか余裕だった。「フフ・・少々なめていたようだね・・。」「へっ!負け惜しみかよ!」だがブレイゼントは落ち着きを払って言った。「今度は本気で行くぞ・・。」そして叫んだ。「リイィィィィィイッチ!!!!!!」突然、リッチが飛んできた。そしてダークスパイナーの中に入った。すると、ダークスパイナーは腕を蘇生し、再び叫び声を上げて立ち上がった。さらに色が黄色となり、巨大になっている。「・・・いくぞ、リーゼル・・。」ブレイゼントが言った・・。その時、リーゼルの耳に別の声が聞こえた。ぞっとするような声で・・「神 族 の 邪 馬 を す る な ! !」
ブレイゼントのダークスパイナーとの戦い。突如聞こえた謎の声に戸惑うリーゼル。「今のはなんだ!?確かに神族って言ったよな・・邪魔をするなって何のことだか・・わぁ!」「何ぶつぶつ言っている!戦いは始まっているんだぞ!」「くそっ・・ええい!やってやらぁ!!」威勢はよかったが、オーガノイドの力で通常の5〜6倍まで強くなったダークスパイナーに勝てるはずがなかった。叩きつけられ、投げ飛ばされ、踏まれた。「うわぁぁぁ!!!」「弱い!弱すぎる!所詮君なんて僕が本気をだしたらこんなものなんだ!!ハハハ!」「くそっこのままじゃ・・」「このままじゃ■ぬだろうな!だがこの状況を変えることなんて不可能だ!・・・もういいだろう・・。安らかに■!!危険分子・・グハッ!」いきなりダークスパイナーに砲撃があたった。「1人で戦って1人でやられてるんじゃねえよ!」クレゴルだ。他のみんなもいる。「ええい!虫ケラが!みんなまとめて片付けてや・・なっ・・なんだ!くそっ・・ダークスパイナーがリッチとの合体に耐え切れなくなったか!くそう!もう少しなのに・・うう・・覚えていろ!危険分子ども!!!」そう叫ぶとブレイゼントは去った・・。「助かったよ。みんな。」リーゼルがお礼を言う。「気にしなくていいわよ。」「貴様は何もやってないだろリセア・・。」「あう・・」ヴァイジスがいきなりリーゼルに問う。「ところで・・なんでさっきあんなに隙を見せたんだ?リーゼル。」「ん、ああ・・なんだか声がしたんだ・・。頭の中で・・神族の邪魔をするなって・・。」「神族の邪魔??俺たちが遺産探しているからかなぁ?」「わからない・・。」その時、オルコルが歩いてきた。「危なかったな。リーゼル君。」「あ・・オルコルさん・・すいません勝手に戦ったりして・・。」「かまわないよ。それと・・耳寄りの情報があるのだが、ちょっと来てくれないか?みんなで」一同首をかしげる「情報?」ブルーシティ・ゾイテック本社「あったあった。これだ。」そう言うと、オルコルは古い地図を取り出した。「これは?」リーゼルが問う。「うむ・・最近になって発見された地図でな・・かなり昔のものだ・・。おそらく中央大陸のものだ。」(リセアが何か言おうとしたが長くなりそうなのでクレゴルが止めた。)「それで・・ここを見たまえ。」「ええと・・?神・・族・・の神・・殿?」「そうだ。かつて神族が暮らしていたといわれる神殿だ・・。われわれは以前からここに「遺産」の手がかりがあると思っていた・・。」リーゼルが不思議そうに言う。「あれ?ゾイテックも神族の遺産を探しているんですか?」「あれ?言ってなかったかな?まぁいい。うむ実はそうなのだ・・ここではいえぬ理由があってな・・。」セリアルがいきなり見抜いたような口調で言った。「わかりました。そこに言って、遺跡を調べて来いというんですね。」「うぐ・・やるな・・君。そうなんだ。いろいろと忙しくてね。あの社のこともあるし・・。」「?」「あ・・気にしないでくれ・・。ともかく中央大陸へ渡って至急調べてくれ。手続きは私がする。たのんだぞ。」こうしてリーゼルたちは中央大陸に渡ることになった。リーゼルはジェノブレの整備をした。長旅になる可能性が高いからだ。だがその時・・またあの声がした・・。「や め ろ ! お 前 た ち が 神 族 の 邪 魔 を す れ ば 必 ず セ ト は 復 活 す る !」かすかに・・空が暗くなった。
東方大陸を出てからはや3日・・。あの謎の『声』も聞こえることもなく平和に過ごしていたリーゼルたち。しかし妙に平和なのもかえって不安になる。「・・・・・・平和だ。」「なんだよいきなり・・。」いきなり言うリーゼルにびくっとしてしゃべるヴァイジス。「平和すぎるもの問題よね・・。」セリアルが言う。「確かにな・・はぁ・・。」クレゴルも同感。「・・・・あ〜暇だ。本持ってくればよかった・・。」「いまさら遅い。」リーゼルの愚痴にも的確にツッコミしていくヴァイジス。「・・・甲板に行ってくる。」「おう、言って来い。あと1日の辛抱だ。」甲板に出たリーゼル。潮風が当たる・・。だが特に何も変わることはない。ボーっとするリーゼル。その時、ふと顔を上げると黄色い『何か』が浮かんでいるのが見えた。「なんだ・・・・ゾイド?」さらに目を凝らすリーゼル。すると、いきなり顔色を変えた。「・・・あれは!?まさか・・・!」もう1度確かめるリーゼル。そして叫んだ。「リッチ!!!!」それはまぎれもなくブレイゼントのオーガノイド、リッチの姿だった。「グオオオオオオオ!!!」叫び声を上げたリッチ。そしていきなり一直線に海に飛び込んだ。一瞬海が光る。「なっ・・・!?」リーゼルが驚くと同時に、水しぶきを上げて謎のゾイドが現れた。リーゼルも全く見たことのないゾイド。黄色いドラゴン型ゾイドだった。「黄色・・!するとやはりあれにリッチが入ってるのか!?」そして予想通り、そのゾイドは攻撃してきた。「何が起こったんだ!?」クレゴルが飛び出してきた。なぜか嬉しそうだった。「ブレイゼントのオーガノイドだ・・ゾイドに入って攻撃してきやがった・・。にしてもあのゾイドは何だ?見たことないけど・・。」「・・!あれは・・『ヴァロス』よ!」リセアが言った。「ヴァロス?」リーゼルが聞いた。「近年発見されたドラゴン型ゾイドよ・・。いつごろ作られたかは不明だけど、その能力はかなり高いそうよ!・・だけど・・そのヴァロスが何故ここに・・?」不思議がるリセア。「あらかたブレイゼントが盗んだんだろ!リセア、俺と一緒に来てくれ、あいつを倒す!」「へ!?私なの!?」リセア、驚く。「ったりめーだ!海上で戦えるのは俺の改造ジェノブレとお前のレイノスだけだろうが!」「ひ〜ん!そんなぁ〜(涙」こうして海上での戦いが始まった。ヴァロスは恐るべき性能だった。ジェノブレやレイノスの攻撃を海へ潜ってかわしてゆく。「くそっ!!どうしようもないじゃねーか!!」「すごい性能だわ・・」感心ているセリア。「言ってる場合かよ・・この!これでもくらえ!」そう言って荷電粒子砲を発射するリーゼルのジェノブレ。だがそれもすぐに避ける。「化け物め・・うわっ!」突如、海の中からいきなり目の前に現れ、攻撃してくるヴァロス。間一髪でかわす。「ひえ〜・・こわ・・。」その時ふとリーゼルは後ろを見る。そこにはいるはずのリセアの姿はなかった。「げっ!リセアの奴逃げやがったな!くそ〜っ!」悔しがるリーゼルを無視し、攻撃を続けるヴァロス。その時、ヴァロスが口を開けた。「!??」用心するリーゼル。するといきなり、ヴァロスの口から閃光が放たれた。用心していたため、すぐに避けることができた。だが、完全に避けたはずなのだが、一部の装甲が溶けていた。「今のは・・グランドキャノン!?今現在開発途中のはずの最新鋭の武器が何故ヴァロスに・・くそっ!ブレイゼントの野朗か!!」そこまで言ったとき、いきなり衝撃をくらった。「うわっ!」見ると、いつの間にかヴァロスのアゴにがっちりとジェノブレははさまれていた。「しまった!油断しててよそ見してるなんて・・くそぉ!」ギリギリとジェノブレを噛み砕こうとするヴァロス。「やばいやばいやばい!!!どうする・・!?」悩むリーゼル。その時、いきなりヴァロスが悲鳴を上げてジェノブレを離した。」「なんだ!?」「逃げたわけじゃないわよ!リーゼル!」「リセア!!」なんと、りせアのレイノスがオプションの砲塔をつけて、そこにいた。「それは?」「グランドキャノン!聞いたことあるでしょ!」「・・・哀れヴァロス・・。」「?」「なんでもない!ともかく援護を頼む。」「わ・・わかったわ!」怒りの叫び声を上げるヴァロス。「ギャオオオオス!」だが、もうヴァロスの圧倒的優位性はなかった。両者互角の戦いをする。「くそっ・・なんとかグランドキャノンを当てることができればいいんだが・・よし!」そう言うと、リーゼルはヴァイジスに向かって突撃した。ヴァロスが向かってくる。だがぶつかる直前、ジェノブレは急に高度を上げ、ヴァロスをよけた。すると、ヴァロスは海にぶつかるのを避けようとしたのか、急停止した。その時、わずかな隙ができた。「いまだ!!!グランドk・・」叫ぼうとするリーゼル。だが途中でリセアがさえぎった「了解!」初めからわかっていたのだろうか。そして、グランドキャノンを撃った。「グギャァアアアア!」苦しむヴァロス。隙だらけだ。そして・・「うおぉぉぉぉぉおお!!!!」ジェノブレイカーのエクスブレイカーがヴァロスの首を切り落とした。轟音を立て海中に没するヴァロス・・。そしてリッチはヴァロスから飛び出し、遠くの空へ去っていった・・。「ふわ〜大変だった!」ジェノブレから降り、その場にどっと倒れこむリーゼル。「私の助けがなかったら終わってたわねw」得意げなリセア。「わかってるよ・・。」さすがのリーゼルも命の恩人には頭が上がらなかった。「戦いは終わってなかったな。」ヴァイジスが言う。笑う仲間たち。「う・・うるせぇ!!」リーゼルが言った・・。翌日・・リーゼルたちは、無事に中央大陸の地に足を踏み入れた・・。明日から始まる新たな戦いに向かって・・。「ヴ ァ ロ ス は 倒 し た か ・ ・ 。 だ が セ ト の 強 さ は そ ん な も の で は な い ぞ ! !」
中央大陸に上陸したリーゼルたち。東方大陸とはまた違った世界にしばらく見惚れるリーゼルたち。だがいつまでもそうしてるわけにはいかない。神族の神殿を見つけなくてはまるでお話にならないのだ。「しかし・・このオンボロ地図じゃなぁ・・。」リーゼルが言った。「確かに、埋め立てられたりしてる可能性もあるかもな。」続いてヴァイジスが言った。確かにそうなのだ。推定400年前の地図ではもうかすれていたりして、文字もほとんど見えない。しかも現存しているかもわからない。だが、だからといって諦めるわけにもいかず、リーゼルたちは地図を頼りに探し始めた。そしてようやっと、その場所が中央山脈にある渓谷であることがわかった。早速向かうリーゼルたち。だが・・・「・・・・ああ、確かにここはいかにもってとこだな・・だけど・・・こんなとこに入れるかぁ!!」そこは・・目がくらむほどの高さで・・底の方は暗闇に包まれていた。あたり一面には異臭が立ち込め、底から熱い水蒸気が出る。「でも・・いくしかないぞ・・。」ヴァイジスが言う。そう言うものの気は乗らない。しかし・・。「あっ!あそこに降りていく道みたいなものがあるよ!」リセアが叫んだ。確かにそこには道があった。結構広い道で、リーゼルたちのゾイドの中で一番巨大なクレゴルのゴルドスも何とか進める幅だった。「でもよ・・この深さだぜ・・何日かかるか知れたもんじゃないよ・・。」「じゃあ逃げるの?」「・・・・・・」ということで進むことになった。リセアのレイノスが先に行く。何日も何日も歩く。途中、何度か危なくなったこともあったが、何とか進んだ。そして・・リーゼルたちは、もう太陽光のとどかないほど地下にいた。それでも進んでいくリーゼルたち。その努力が実ってついに、渓谷のはるか地下にある巨大な洞窟にたどり着いた。しかし、その場所は想像をはるかに絶する世界が広がっていた。それは・・『洞窟』ではなくもう1つの『世界』であった。・・・・かつてはここに、たくさんの恐竜型野生ゾイドがいたことをリーゼルたちは知らない・・。「ここが・・かつて神族がいた地なのか・・。」リーゼルが呆然と呟く。「ああ・・だけどこんなことしていられないぞ・・。早く神殿を探さないと。」ヴァイジスが言った。「ああ・・だけどこんなに広いとどれくらいかかるかわからないぜ・・。」リーゼルがそこまで言ったとき、聞き覚えのある声がした。「・・・・ここまで来たか危険分子・・。」そこにはかつて3回もリーゼルたちをオーガノイドを連れ襲った少年・・ブレイゼントの乗るダークスパイナーが立っていた。「ブレイゼント・・!」彼は何故ここまでしつこくリーゼルたちを襲うのか・・それはリーゼルたちが考え付かない大いなる目的があったのだ・・。「君たちは・・・ここで死ぬ・・。」ブレイゼントが言った・・・。
中央大陸・中央山脈地下・・。激しい金属音がする・・。リーゼルのジェノブレイカーとブレイゼントのダークスパイナーが戦っていた。「くそっ!てめぇしつけぇだよぉ!」リーゼルが叫んだ。「黙れ!君たちは知りすぎた!生かしておくわけにはいかない!」ブレイゼントが叫んだ・・と同時にダークスパイナーがプラズマ粒子砲を発射した。「ちっ・・!」かろうじてかわすリーゼル。後ろにあった巨大な岩が一瞬でチリとなった。「仕返しだ!」荷電粒子砲がうなった。「くっ・・・」ブレイゼントもかわす。「ちっ・・やはりオーガノイドなしでは互角か・・。仕方ない・・リイィィィッチ!」リッチを呼ぶリーゼル。そしてダークスパイナーと合体させた。巨大化するダークスパイナー。「これで終わりだ・・・。改造をしておいたからこの前のように合体に耐え切れなくなることも無いぞ・・。」そう言ってプラズマ粒子砲を発射する。巨大化した分以前より威力も上。「うわっ!」何とかよける。だがすでにダークスパイナーが爪を振り下ろそうとしていた。フリーラウンドシールドで防ぐ。だがいつまで耐え切れる?1分耐えればいいほうだ。「ハハハ!このまま逝け!リーゼル!」ブレイゼントの笑い声。「くっ・・そぉぉおおお!!!」そう叫んだ後、横滑りで爪をかわす。そして上のジャンプしてブレイゼントの視界から消える。「何!?」驚くブレイゼント。だが・・。「フフ・・またあの手段かい?リーゼル!!」そう言って思いっきり上に尾を振る鈍い金属音の後、ジェノブレイカーは吹き飛ばされていた。「がはっ・・」凄まじい衝撃。「・・・さて・・止めだ。」プラズマ粒子砲をチャージするブレイゼント。凄まじいエネルギーの塊だ。だがジェノブレイカーはまだ立とうとしている最中だ。このままではジェノブレイカーはプラズマ粒子砲をくらい、跡形も無く消え去るだろう。だが・・「俺は・・俺は・・こんなところで■ぬわけには行かないんだぁ!!!」リーゼルの気持ちに応えるかのように吼えるジェノブレ。そしてすぐさま荷電粒子砲を発射する。それも最大出力で。「おのれ・・っ!」そう言ってブレイゼントのダクスパもプラズマ粒子砲を発射する。荷電粒子とプラズマ粒子が激突した。辺りに飛び散る凄まじいエネルギー。だがやがてプラズマのほうが押し始める。「フハハハ!■ぇええええ!」狂人のような声で言うブレイゼント。その表情はもう10代の少年にはとても見えない。「ううう・・」悔しがるリーゼル。ジェノブレも苦しそうだ。しかし、リーゼルの脳裏に今までのことが駆け巡った。「もし・・もしここで俺が■んだら・・今までのこと・・・全部無駄になっちまうんだよぉお!」そう叫ぶリーゼル。すると荷電粒子の威力がこれまでより上がった。限界突破だ。たちまちプラズマ粒子砲を押しのける。「な・・!?馬鹿な・・そんなはずが・・!」だが荷電粒子はどんどん近づいてくる。恐怖を覚えるブレイゼント。「や・・やめろ・・・やめろぉぉぉおお!!」そして荷電粒子がダークスパイナーの背びれを粉砕した。「ゴオォォォ・・・・」断末魔の咆哮をあげ、崩れ落ちるダークスパイナー・・。「や り お っ た か ・ ・ 。」 『声』がした・・。
「やったじゃん!」「おお!」ついにブレイゼントのダークスパイナーを倒したリーゼル。歓喜の表情だ。「っていうか少しぐらい助けてくれても・・。」「手を出すなって言ったのは誰よ?」「う・・」確かに手を出すなと戦闘前に言っていたのだ。「でもいいじゃん。勝ったんだし。」「そうよ」ヴァイジスとセリアルの言葉にまぁそうかと思うリーゼル。その時・・。突如崩れ落ちたダークスパイナーの残骸が砕け、中からリッチが出てきた。「な・・なんだ!?」驚く一同その中から声がする・・。「今の戦いは負けを認めてやる。だがな、リーゼル。僕は君たちを必ず殺る。それまでこの迷宮の中をあてもなくさまよっているんだな・・。どのみち『アレ』の力が無くては『セト』には勝てないんだから・・・。」「セトだと!?」ブレイゼントの言葉を聞き、あの『声』のことを思い出すリーゼル。「おっと僕としたことが失言だったな・・。じゃあね、危険分子君・・。」「!!ま・・まて!セトって一体何なんだよ!それに『アレ』って・・おおい!待ちやがれ!」だが叫びもむなしく、飛び去っていくブレイゼント。やがて姿は見えなくなった・・。「おいリーゼル。セトってのを知ってるのか?」クレゴルが聞く。「ああ・・例の『声』が言ってたんだ・・何のことかわからないけど・・。」リーゼルが悔しそうに応える。「アレっていってたけど・・そちらも気になるね・・。」リセアが言う。「気にしたってしょうがない・・。とにかく進もうぜ。」ヴァイジスが言う。確かに進んだほうが得策だ。そういうわけで進む一同・・。洞窟は広大で入り組んでおり、なかなか思うように進めない。やがて分かれ道に出た・・。「ゲッ・・完全な分かれ道だな・・。しょうがない、2手に分かれるか・・。」ということでリーゼル、リセア、ヴァイジスのグループとクレゴル、セリアルのグループに分かれた。「じゃあ行くか。セリアル、クレゴルを頼んだぞ。」リーゼルが言う。「ちょっと待て!何で俺にセリアルを頼むんじゃなくてセリアルに俺を頼むんだ!」「わかったわ。」「お前も了解するな!・・くそう(涙」少々心配ながらも進んでいく2グループ。2時間後・・こちらはリーゼルグループ。「いろんな部屋を回ったけど・・たいした場所は無いな。」リーゼルががっかりしたように言う。「そうね・・教会みたいなとこに住居区・・ろくな所じゃないわ。」リセアもあきれて言う。「こんなんだったらあっちの道に全員で行ったほうがよかったな・・。」ヴァイジスが言う。「いまさら言ったってしょうがないだろ・・。それ、次の部屋だ・・。」こちらはセリアルグループ。こちらもたいした事はなかった。「無いわね・・。」セリアルが言った。「そうだな・・もっと凄い所期待してたのに・・。トイレになんだか怪しい実験室・・。悪すぎだよ・・。」「あの実験室ならリセアが喜びそうだったけど。」「確かにな・・。あの気違い歴史研究家め・・。」やがて次の部屋に着く。「今度は広いな・・。なんかの研究所?」「そうみたいね・・あれ?向こうになんかあるよ。」そう言って近づいていくセリアルたち。それは巨大な格納庫だった。だが扉は閉まっている。「凄いわね〜・・。なんかいよいよって感じw」「でも閉まってたんじゃなぁ・・。」そう言って台みたいなところに寄りかかるクレゴル・・。 『ポチッ』「ポチッ!?」同時に叫ぶセリアルとクレゴル。すると、格納庫の扉が開いていく・・。だが2人の表情は歓喜の表情からだんだん驚きと恐怖が混ざった顔に変わって言った。「そ・・そんな・・まだこんなのがあったなんて・・。」「と・・とりあえずリーゼルたちを探してくる・・。」「頼むわ・・。」そう言って大急ぎで駆け出すクレゴル・・。数十分後、リーゼルたちが来た。「どうしたんだよセリアル・・。何かあったのか?」複雑な表情のリーゼル。まだ奥にある巨大な物体には気づいていなかった・・。「あ・・あれ・・・見て・・。」セリアルがその巨大なものを指差す。「なんだよ・・一体それがどうしたって・・!!??」いきなり驚き、唖然とするリーゼル。「ば・・馬鹿な・・こんなのありかよ・・。」リセアも言う。「私・・昔話でしか聞いたこと無いわよ・・。」5人が驚きの表情で見つめるその先には・・・・かつて、大陸間戦争時代、当時の共和国がそのもてる技術の全てを駆使して作り上げた最強無敵の巨大獣。はるかかなたの惑星に飛んでいったはずのゾイド・・キングゴジュラスの異形の姿があった・・。
「キ・・キングゴジュラス・・まだこんなものが・・。」神族の住処・研究室。その格納庫でかつての最強ゾイド・・キングゴジュラスを発見したリーゼルたち。「これが・・ブレイゼントが言ってた『アレ』なの・・?」リセアが言った。「おい、何かそこに書いてあるぞ。」クレゴルが指を差した先には何か文字が書いてあった。近づいて確認するリーゼル。「え〜と・・こう書いてある・・。『私がここに降り立って早5年・・。いまだ出口は見つからない。一体自分が何処にいるのかもわからないのだ・・。だがあせることは無い。すぐに共和国の救助隊が来てくれるだろう・・。それまでの辛抱だ。しかし気になるのは神殿らしきもののところにあった謎の巨大ゾイドのことだ・・。周りを何か見えない力で封じてあるみたいだから大丈夫だとは思うが・・アレを復活させたら間違いなく惑星Ziは滅ぶだろう。・・・いずれこの文章を見つけるものよ・・もし、あいつが復活したら、ここに残したゾイドを使ってほしい・・。我が共和国が苦心して作り上げたゾイド、キングゴジュラス・・。未来の戦争に使われないことを祈る・・。 ヴァース・ブレインハルト』どうやら昔の共和国の軍人みたいだな。」しばしの沈黙が流れる・・。しばらくしてリセアが言う。「とりあえず・・これを神殿にもってく・・?」一同顔を見合わせる。そしてリーゼルがまた言った。「そうだな・・神殿の奥にあるものが・・『セト』なら持っていったほうがいいだろうな・・。」「でもよ、セトってのはゾイドだって決め付けていいのかよ?」クレゴルが問う。「ブレイゼントはアレがない限りセトは倒せないと言っていた。アレがキングゴジュラスならセトもゾイドだろう・・。」リーゼルが答えた。また沈黙が流れる・・。やがてヴァイジスが言う。「考えてたってしょうがねぇ!行くしかないんだろ!」一同飛び上がる。「た・・確かにそうだな・・行くしかない。でも誰がこいつを操縦するんだ?」リーゼルの問いに一瞬首をかしげる。だがすぐに首の向きを変える。・・リーゼルの方に。「へっ!?俺!?」「そりゃあこんなかで一番ゾイドの操縦に長けてるのはお前だろ?しかもキンゴジュと同じティラノ型ゾイドに乗ってるし。」ヴァイジスが言った。「そうそう、アンタ以外いないじゃないの。」皆同じ意見。「・・・わかったよ!乗ればいいんだろ!?しょうがない・・。」結局リーゼルが乗ることになり、裏で一安心するほかのメンバー。リーゼルはジェノブレイカーを降りて言った。「ここで待ってろよ・・ブレイカー。絶対すぐに戻ってきてやるからな・・。」うなずくように低く声を出すジェノブレ。・・そしてリーゼルはキンゴジュのコクピットに乗る。共和国軍の軍人が残してくれた神殿までの地図を頼りに進んでいく一行・・。やがて、広いところに出た。そこは紛れも無く神殿だった。そのまま神殿の中に入っていくリーゼルたち。そしてリーゼルは見た。見えないが確かにそこにある未知なる『力』で封じ込められた、あまりにも巨大なゾイド・・セトの姿を。そしてリーゼルはゆっくり目を落とす・・。やっぱりいた・・。奴も・・。「ブレイゼント・・。」ブレイゼントはゆっくりこちらを見る。「へぇ・・『アレ』を見つけたんだね。それはすごい・・。だがもう遅い。セトの復活準備は終わった。そこで指をくわえて見ていろ。」そう言って再び後ろを向くブレイゼント。そしていきなり手をかざした。「さあ復活しろ・・セトよ・・この神族の子孫である僕の願いに答えて!!」「!神族の子孫!?お前が!?」驚くリーゼル。「あれ・・言ってなかったかな?・・そう、僕は神族の子孫さ・・。僕たちは先祖代々こう言われてきた・・『必ず神族の天下を取り戻せ』とね・・。」「ブレイゼント・・。」「そしてその願いもついにかなう・・。さぁ!復活せよ!魔人・・セト!!!」ブレイゼントがそう叫ぶと、彼の手から無数の光りが飛び出しセトのゾイドコアのあたりへと当たった。急に地がゆれだす・・・。そして見えない『力』が解け、ついに『セト』は復活した。「ゴアァァァァァァ・・!!!」凄まじいエネルギー。「ハハハ!!!いいぞ・・いいぞ!!このままこの腐りきった世界を破壊しろ!!」ブレイゼントが叫んだ。・・だがセトは何もせず、ゆっくりとセトを見た。「!?どうしたセト!とっとと世界を破壊しろ!」もう一度叫ぶブレイゼント。だがセトはブレイゼントを睨み付けていた。やがて吼えると。ブレイゼントに向かって口を開けた。想像を絶するエネルギーが口内に集まる。「な・・!何をする気だ!・・やめろ・・やめろ!!やめ・・うわああぁぁぁぁ!!!!!」そうしてセトが放ったエネルギーの渦に、ブレイゼントは横にいたリッチもろともこの世から消え去った・・。「なっ・・ブレイゼントォ!!」愕然とするリーゼル。「ゴアァァァ・・・」セトが唸った・・。
「ゴアァァァァ・・。」セトがついに復活した。しかも自分を復活させたブレイゼントを殺して・・。「こ・・こんな奴に勝てるのか・・?」リーゼルが呆然と呟く。その力を見せられ半ばあきらめているようだ。「おい!しっかりしろ!リーゼル!」ヴァイジスの叫び声で我に返るリーゼル。「そうよ!ここであきらめたら何もかも意味ないでしょ!」リセアも言う。「そうだぞ!え〜と誰だったかな・・まぁいいや!ともかくあの共和国の軍人も泣くぞ!」「それに今までの努力無駄にしちゃうって言ったのあんたでしょ!」仲間の激励を受け、気を引き締めるリーゼル。「そうだ・・しっかりしないと・・あいつを倒さなきゃ意味がなくなっちまうんだ!」「ギャオォォオオス!」キングゴジュラスも咆哮する。「そうだ!援護は任せとけ!大丈夫!きっと勝てるさ!」クレゴルが言った。「ああ!それじゃ・・いくぜ!みんな!」「おお!」セトとの戦いが始まった・・。「うおぉぉぉぉ!!!」叫びながらセトに向かっていくリーゼル。そしてキングゴジュラスの巨大な爪で組みかかった。だがセトはその万力の腕を簡単に振りほどくと、キングゴジュラスを投げ飛ばした。地面に叩きつけられるキンゴジュ。「うわあっ!」苦痛の叫び声を上げるリーゼル。「くそっ・・!なんて野郎だ・・。」「ゴァアアア!!!」勝ち誇ったような声を上げるセト。「へっ!そんな声上げるにはまだちと早いぜ!セトさんよ!!」再び起き上がるキングゴジュラス。「くらえっ!!」キングゴジュラスの主力装備、スーパーガトリング砲がうなる。全弾命中。「やったか!?」だが煙の中から現れたのは、セトの傷ひとつ無い姿だった。「な・・なんて化け物だ!」クレゴルが言う。「弱点でも見つけない限りこりゃ無理よ〜!」リセアも悲鳴を上げる。「くそぉ!でも諦めるわけにはいかねぇんだよ!!」三度セトに突撃するキンゴジュ。それをセトは軽々よけると、思いっきり尾を振った。その1撃でキンゴジュの片腕が飛んだ。「ギシャアアア!!」悲鳴を上げるキンゴジュ。「このぉ!!」リーゼルはキンゴジュを緊急旋回させるとすばやく腕を振った。今度は当たった。凄まじい衝撃。「ギャルアァァ!」予想以上の威力に一瞬たじろぐセト。だがすぐさま後ろに下がると、口内にエネルギーをためた。「気をつけろ!ブレイゼントを消した技だ!」ヴァイジスが叫んだ。「わかってる!くそっ・・。」そしてセト最大の兵器・・グラウンドゼロが発射された。「うおおっ!!??」凄まじいエネルギーの塊がキンゴジュを襲う。ギリギリでかわした。だがそれが当たった後ろの壁は一瞬で吹き飛んだ。そのさらに後ろの壁まで。跡形も残らずに。「じょ・・冗談だろ・・オイ・・。」唖然とするリーゼル。またセトが向かってきた。すばやくよけ、尾で攻撃する。それはセトの顔面に当たり、その角をへし折った。「ギャオオオオアアアア!!!」悲鳴を上げるセト。「今がチャンスだ!」すばやく襲い掛かる。腕を振った。凄まじい勢いで。だがセトはそれを止めると、また勢いよく投げ飛ばした。再び地面に激突するキンゴジュ。「ガハッ・・!」その衝撃の凄まじさ。リーゼルの意識は一瞬でとんだ。「おい!起きろ!リーゼル!おいってば!」「寝てる場合か!セトが来るぞ!」クレゴルとヴァイジスが叫ぶ。だがその声はリーゼルにはとどかない。「くそお!」クレゴルのゴルドスがセトに向かって主砲を発射する。だが効かない。「うおおおお!」ヴァイジスのコングがセトを殴る。が、逆にコングの腕が衝撃で吹き飛んだ。「だ・・駄目だ・・とてもかなわない・・。」愕然とするヴァイジスたち。一方、リーゼルは少しだけ意識を回復していた。だがまだはっきりとせず、戦える状態ではない。その時、うっすらとした意識に、電撃的にはっきりとした声が聞こえた。・・・ブレイゼントの声だった。(リーゼル・・リーゼル!!聞いてるのか!?まぁどっちでもいい。聞いてないならそれまでだ・・。いいか、セトは普通の攻撃では傷ひとつつかない。だがお前のキングゴジュラスならやれる!コントロールパネルに赤いボタンがあるはずだ!それを押せ・・。そうすればきっとセトを破壊できる!・・最後になるがすまなかったね。自分で復活させた魔人を他人に倒させるなんて・・。じゃあな。また会おう・・。)そしてリーゼルの意識は戻り始めた。「う・・ブ・・ブレイゼント・・?」やがてはっきりする視界。仲間たちがセトと必死に戦っていた。「はっ・・そうだまだ戦闘中だったっけ・・。もしブレイゼントが言ってくれたことが本当なら・・。よし!!」そしてヴァイジスたちに向かって言う。「みんな!下がってくれ!勝手なこと言ってすまないけど・・。とりあえず・・一か八か試す!」ヴァイジスが言う。「お!意識が戻ったか。ああ、言われなくても下がるよ!みんないったん退却だ!」そうしてキンゴジュの後ろに下がるヴァイジスたち。「赤いボタン・・これか。・・・・ブレイゼント、ありがとう・・。必ず・・お前の心を操った敵は討つ!!」そう言ってリーゼルはボタンを押した。キングゴジュラスが急に大きく息をした。この世の空気をすべて吸い込んでしまいそうなほど。そしてついにキングゴジュラスは吼えた。ただ声を出したのではない。・・・最強兵器、スーパーサウンドブラスターを放ったのだ。サウンドブラスターの威力は凄まじかった。もし、キンゴジュの前にヴァイジスたちが残っていたら跡形も無く消し飛んでいただろう・・。さしものセトもこの最強兵器の前には歯が立たなかった。腕は砕け、装甲が割れまさに地獄絵図だった。想像を絶する世界が続いた後、音はやんだ・・。音が鳴っている間目を閉じていたリーゼルはゆっくりと目を開いた。・・そこには変わり果てたセトの姿があった。先ほどまでの堂々とした姿は今は無い。翼や尾がもがれ、目は光を失っていた。ゾイドコアも停止寸前だろう。だが・・その風前の灯の命でも、セトは吼えた。弱弱しい声だった。だが怒りがこもっている。そしてセトはキンゴジュに向かって突撃した。しかし、今の力ではセトに勝ち目は無い。すぐに止められた。そしてリーゼルは一息ついた後、キンゴジュの腕で、思いっきりセトのゾイドコアを貫いた。しばしの沈黙が流れていた・・・。やがてゆっくりと腕を引き抜くキンゴジュ。そして命のともし火が消えたセトはゆっくりと崩れ落ちて・・爆発した。「・・やった・・。」リーゼルが言った。「や・・やったのか・・?」ヴァイジスも言う。その場に座り込んでいた。「・・終わったわね。」リセアが言った。「そうね・・ようやっと・・。」セリアルだ。「なぁ・・ところでよ・・。」クレゴルが聞いた。「?」「結局、俺たちが探してた神族の遺産って・・セトのことだったのか?」「あ・・そういえば・・どうなんだろうな・・。」「はぁ〜何?自分たちが探していた宝を自分たちで壊したってわけ?馬鹿らし・・。」あきれ果てる一同。その時声がした。「それは違う。」声のほうを向く。そこにはオルコルが立っていた。「オルコルさん・・。違うってどういうことですか?」リーゼルが言った。「セトは遺産ではない・・。遺産を守る護衛に過ぎぬ・・。」「じゃあ遺産は・・?」「・・進みたまえ。すぐわかる。」オルコルにそう言われ、進むリーゼルたち。やがて、小部屋があった。「ここは・・!!」驚くリーゼル。その目線には・・培養液の中で静かに眠る、1つのゾイドコアがあった・・。「これは・・ゾイドコア・・ですよね・・。」リーゼルが問う。「そう・・君たちが中央大陸に行っている間、私はいろいろ調べていた・・。そして遺産が何かを知った・・。遺産とは・・超絶的な力を持つ、『古代虎』と呼ばれるゾイドたちのコアということを知った・・。」真実を語るオルコル・・。「そうだったんですか・・。」リーゼルが言った。「君たちには非常に感謝する・・。だが・・問題はあのキングゴジュラスだな・・。」そう言ってキンゴジュのほうを見るオルコル。「・・あのキングゴジュラスがどうしたんですか?」「・・君たち、これがあった近くに何か書いてなかったかね?」オルコルが言った。「あ・・そういえば書いてありました・・。その書いた人の名前は・・」途中でオルコルが言った。見通してたかのように。「ヴァース・ブレインハルトだね?」「!!」オルコルの答えに驚く一同。「何故・・知っているんです?」リーゼルが問う・・。「時は中央大陸戦争時代・・。私の先祖・・といえるほど昔かどうかは疑問だが、その人は『ブレイズ隊』という部隊を作った・・。その3代目隊長がそのヴァース・ブレインハルトという者だ。」沈黙して聞く一同。「・・彼はブレイズ隊が何かの理由で解散された後・・この神族の住処にある遺産(ゾイドコアだな)、を目指した。だが・・そこで彼はあの魔人セトを見た・・。そして、未来に不安を感じ、あのキングゴジュラスを残したんだ・・。」相変わらず沈黙している一同・・。やがてリーゼルが言った。「あいつを・・もとの場所に戻してやってくれますか・・?」「・・わかっている・・。あいつは・・人間の手に触れていいものではない・・。」「・・ありがとうございます・・。」 また・・沈黙が流れた・・。「で・・結局あいつは元に戻ったんだな?」クレゴルが聞く。「ああ。あいつはそのほうが幸せさ・・。ヴァースさんもそれを望んでいるだろう・・。」「でさぁ。これからどうするの?なんか目的ある?」リセアが聞く。「ないさ・・でも俺は旅を続ける・・。このままいてもろくなこと無いからな。お前たちはついてこなくてもいいけど?」リーゼルが言った。「・・ここまできたらついてくしかねぇだろ。アホ。」ヴァイジスが言う。「そうよ・・私たちだってこのまま一箇所に残りたくはないし。」「・・だろうと思った。お前らはそういう人間だからな・・。」「お前がいえるか。」クレゴルが言った。「じゃあ・・行くか!!」「おう!&ええ!」リーゼルは後ろ・・神族の住処を見て言う・・。「さようなら・・キングゴジュラス、ヴァースさん・・。そして・・ブレイゼント!」あの時・・セトとの戦いのとき、ブレイゼントがサウンドブラスターのことについて教えてくれたのは、リーゼルだけの秘密だった・・。「あ り が と う ・ ・ こ れ で 安 心 し て 寝 れ る よ ・ ・ 。」『声』の主・・ヴァース・ブレインハルトは言った・・。平和は・・続くのだろうか・・。
ここでは初のヴォルドです。某所でも公開しました小説、『神族の遺産』を書かせて(コピーですが(汗)もらいました。あちこちに進み方がいきなりすぎるところがありますが、ご了承ください。また、ここに書いてある物語の鍵を握る神族ですが、これは以前書いてなくてヒカル様(管理人様)にご迷惑をおかけしたことからここに説明を書いておきます。『神族』かつて中央大陸にいた部族のひとつ。超能力を駆使し、恐竜型ゾイド『ゴジュラス』を持っていることから他の部族に恐れられていた。髪と瞳が銀。 〜公式設定より〜ここに書いてあることがまずいようでしたら即刻削除いたします。ではでは〜
いや〜レス遅れました。なるほど・・神族とはそういう意味ですか・・なかなか面白い設定で読んであきないです。私も小説を書かなくては・・