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ゾイド系投稿小説掲示板

自らの手で暴れまくるゾイド達を書いてみましょう。

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[307] ZOIDS−翡翠色の姫騎士…インターミッションA 闇に惑う堕天使 ケイ氏 - 2011/06/15(水) 00:51 -

忌まわしき血は、黒き覇王を歩ませる……
彼の歩むは血塗られた道。その先に待つのは一体………?



リョウト・ルティーナ

[308] インターミッションA 闇に惑う堕天使 ケイ氏 - 2011/06/15(水) 02:46 -

目を閉じれば、いつもあの光景が蘇る……
全ての始まりとなった、あの日の惨劇が………

.

.

「ぅ……」
焼け付く様な痛みが全身に走り、少年は意識を取り戻した。
(ここは……一体…………僕…は……どうなっ…………て………?)


自分は確か、雪の振る中を逃げていた筈……父と母、そして年の離れた妹と共に………
周囲では小型ゾイドによる市民の掃討が始まっていたが、そんな惨たらしい光景に目を奪われている余裕は無い。
少しでも遠くに逃げないと、自分達も血溜まりに沈む事になりかねないからだ………

しかし、どういうわけか妹が逃げ遅れていた。
折しも、その真上には降り注ぐ無数の爆弾の影が………

「危ない!ミント……!」
気付いた時、少年は妹に向かって駆け出していた………

途端に……

カッ!!!

轟音と共に、少年の視界は白一色に覆われていた………



「そうだ……あの時、ミントを助けようとして………ミントは!?」
全てを思い出した少年は、とっさに辺りを見渡した。

だが、振り向いた彼の視界に入ったのは……
「ぇ………!?」

つい先程まで家族がいたであろう場所は、燃え盛る火の海と化していた………

「ぁ……あ………?」
少年は、周囲を紅く染める炎に言葉を失っていた………

「と……父さん………母さん………ミン…ト………?」
焼け付く様な喉の痛みに耐えながら、掠れる声で少年は呼び掛ける。
父を……
母を……
そして、妹を………

だが、それに応える声は上がらなかった………
しかもこの業火の中で、人間が無事でいられるわけが無い。

それに気付いた時、少年は悟った……自分以外の家族は皆、死んでしまったのだと………
しかも、死体すら満足に残らない無惨なやり方で………

「……うっ…く………ぁ………っ……」

それを理解したと同時に、少年の全身から不意に力が抜けた。
そして、双眸から滴る雫が焼け焦げた地面に落ちていく………

「ぁ……くっ………」


やがて、少年は力無く空を眺めた。
そこには、我が物顔で空を蹂躙するカルミナ軍のゾイド部隊が地上爆撃を続ける有様がくっきり映し出されていた……

涙に濡れた翡翠色の瞳に、不気味なまでの憎悪が宿っていく………
「う………ぅあァーーーーーー!!!!!!!」
少年は、悪魔の如き形相で敵軍を呪い続けていた………

.

しかし……
やがて力尽きたのか、少年はそのまま地面に倒れ込んでしまった………

.


バッ………

暗い闇が、一瞬にしてまばゆい光に覆われる。
「……!?」
その眩しさに、少年は瞳を開けた。


[起き給え、少年よ。]
やけに機械的な声に揺り動かされ、少年は顔を上げようとした。だが……

(え…!?)
少年は、椅子に座らされて後ろ手に拘束具を付けられていた。

自分は先程まで爆撃から逃げていた筈……だが、父と母と妹を失って………

[我々は炎に飲み込まれそうになっていた君を助け、ここに連れて来た。君は重要なサンプルなのでね、以後は丁重に扱わせて貰う。]
機械的な声は、少年の心境などお構い無しに続けていた。


「お前達は……まさか、カルミナ軍か!?」
覚醒した少年は、どこからともなく聞こえてくる声に向かって敵意を顕に怒鳴った。

だが……返ってきたのは、少年の予想を遥かに越えた『真実』だった……!

[……残念ながらそれは違う。しかし、我等はかのカルミナ大公国をはじめとした諸国を裏から牛耳ってる存在だ。そして、今回のロフト進攻の真の目的を知る者でもある。]

.
「真の目的だと………何言ってんだよ!奴等は大陸を支配するために他国を無理矢理併合してるって先生が言ってたぞ……」
[どうやら君には事実が掴めていないらしいな……では、これを見たまえ………]
いきり立とうとする少年(拘束されているために立てないのだが)に、声は無機質な口調で話し掛ける。
すると……

ピッ………

不意に奇妙な電子音がしたと思うと、少年の視界は闇に包まれた。
そして、眼前に四角い光の空間が出現していた……
[見給え、これが真相だ………]

.

モニターに映っていたのは、鈍い緑灰色に輝く巨大な物体だった……
「これは……ゾイド……!?」
一目見ただけで、少年はそれを看破していた。

モニターに映るティラノサウルス型のフォルムは、一見するとカルミナ軍における指揮官機「ジェノザウラー」を彷彿とさせる。だが、そこに映っていたのは明らかにジェノザウラーとは別物の機体だった……
「これは、ジェノザウラー………いや、違う……こんなゾイド、見た事無い………!」

少年が、拘束されていることすら忘れて息を呑んだ瞬間、声はそれを待っていたかの様に先を紡いでいた。

[見えるかね、この機体が……このゾイドは『バーサークフューラー』。かつて失われた野生体強化計画によって作られた、強力なゾイドの1つだ……]

「バーサーク……フューラー………!?」
少年は、モニターに映る翡翠色の竜を食い入る様に見据えていた。

[かつて戦争の中で確立された強化システム……それが、野生体の潜在能力を維持しつつ戦闘ゾイドへと改良する物であった。我々はこれを『UX(アルティメットエックス)計画』と呼称しているが……然る技術によって、ロフト共和国は1体のティラノサウルス型野生体を強化……実験機として生み出した。]

「な………」
戯言と思いたい……そんな感情は存在していた。
しかし、モニターに映る映像はそれを覆すのに充分過ぎる衝撃を与えていた………

[我々はその情報をカルミナ大公国にリークした。この技術を闇に葬る為には、彼等の軍事力は不可欠だったからだ……]


「何……だ…と…………?」
少年は、改めて声の言ったことを反芻していた……

ロフト共和国は、密かに強力なゾイドを開発していた……何らかの方法でそれを知った組織は、カルミナ軍を焚きつけてロフトに侵攻させた………

少年は瞬時に理解した。
全ての元凶はこの組織であり、同時に自分の故郷、ロフト共和国そのものだと………


その瞬間、思いがけない事が起こった………

ガチャン…!
「ぇ……!?」

少年を縛り付けていた拘束具が、何の前触れもなく外れたのだ……

.

[そしてもう1つ……我々が君を実験材料として取り入れた理由がある。]
再び声が響いたのは、それから間もなくの頃だった。

「従うもんか……僕はお前達を許さない!父さんも母さんもミントも……みんなお前達のせいで死んだんだ!!!」
だが、口から放たれたのは憎悪に満ちた激しい慟哭だった。

[……いや、君には従う義務がある。そして、これから我々が言う真実を聞き入れる義務もだ………戦犯の子孫としてな……]


ドクン……!

途端に、胸の奥で何かが弾け飛ぶ様な感覚が少年の全身を貫いた………!


[君とて聞いた事があるだろう……はたまた、歴史書で一度はその名を目にしている筈だ……かつて銀河の彼方より飛来し、ときのゼネバス帝国を私欲の為に混沌と破滅に向かわせた、奴を……!]

いつの間にか、脳を頭蓋骨ごと揺さ振られる様な不快感が少年を捕らえていた。それは、声に比例して徐々に激しくなっていく………


(やめろ………やめてくれ、これ以上言われたら……………)

.

.

[そうだろう……戦犯『ランドバリー』の後継者………]

[315] インターミッションA 闇に惑う堕天使 ケイ氏 - 2012/01/20(金) 11:56 -


「うあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」





どのくらい経っただろうか……
気付いた時、リョウトは自室のベッドに横たわっていた。
「はっ…ハァ…………ちぃ、嫌な夢だ。よりによってあの時の記憶とはな………」
最高級の布団やシーツを纏ってはいたが、今朝の彼の寝覚めは頗(すこぶ)る最悪だった。

.

(しかし、よもやミントが生きていたとはな……兄としては嬉しいところだが、お前は気付いているのか……自分が何に命を預け、何と共に戦っているのか………)
自室を出たリョウトは、シャワーを浴びながら数日前の事を思い起こしていた。


あのアルトハイム侵攻から8年……当時13歳だった自分も、今や所属する組織『イプシロン』の大幹部となっていた。
この8年の間、方々に手を回してあの忌まわしきバーサークフューラーの行方を探していたが、最近まであまり芳しい成果は得られなかった……
つい最近になるまでは………


デザートプレデター潰滅の報せ、そしてノーティス中尉の見たティラノサウルス型ゾイド……それを聞いた時、リョウトは確信した。

間違い無い……と……………


破壊されたアルトハイムの軍施設よりどうにか引き出せた情報によると、その実験機は装甲に稀少金属『ロストジェダイト』を使用している事が分かっていた。
このミューズ森林地帯特有の稀少金属の採掘に、各国家群が力を注いでいることも……



ロストジェダイト……
それは、ミューズ森林地帯からのみ産出される特殊な鉱石である。
現在、ヘリック共和国で実用化されている古代チタニウムに並ぶ硬度を持ちながら、それでいて柔軟性に富んでいる。更に、ゾイドの金属細胞に取り込まれる事によって核を飛躍的に成長させるという実証データもある。
但し、空気に長時間曝されていると、その形を記憶してしまう。故に、取り扱いは注意を要するという代物だが、バーサークフューラーの外装にはこのロストジェダイトを取り込んだアーマーが使用されていたのだ………!!


各国家群を動かすのに、あれは良い材料となってくれる。
そう確信したリョウトは、西方大陸全域の構成員を動員してカルミナ軍を動かし始めた。


程無くして、フューラーは侵攻部隊の前に現れた………




(ここまでは予定通りだったな………)

だが、事態は思いも寄らない方向に進んでいく。

ならず者達を煽り立ててフューラーを捕えようとしたが、これに協力する部隊との連携で会えなく失敗に終わる。その粛清の最中、よりによって件の敵が現れたのだった。

.
そして…そのパイロットとなっていたのは、かつて守ろうとした少女…………死んだとばかり思っていた最愛の妹だった――――――!



清潔なバスローブを纏ったリョウトは、これまでの行動を思い出して自嘲するようににほくそ笑んだ。
すると…

ピリリリリ…………

唐突に、執務室からベル音が流れた。

「こちらジェネラル.θ。どうした?」
通信機を手に取ったリョウトは、先程の疲れを悟らせない厳格な口調で応じていた。
[ジェネラル.θ、こちらヴァルーシア潜伏工作員A−34。軍部に動きが確認されました。報告重要度はレベルAと予想されます]
「詳細な報告を送信しろ。こちらで吟味させて貰う。」
リョウトは簡潔に、しかし重みのある声で言った後、端末を起動させた。

程無くして、機密文書とおぼしき羅列が画面を埋め尽くし始めた。


「ほぅ、彼等の為に軍が専任部隊を結成したか。しかも、指揮官があのヴィステリオ大佐にアムンゼン中佐とはな………」
送られてきた内容は……カルミナ大公国に敵対するミント達に対し、軍が精鋭を取り揃えた専任討伐部隊を編成。調査、対応にあたらせるという内容だった。
「面白い。彼奴等があの連中を相手に、どこまで食い下がれるか……見応えのあるショーになりそうだな………」

思いがけない報告に、いつしかリョウトの顔には不気味な笑みが浮かんでいた………
「よし…こちらもいい事を考えたぞ」



「ジェネラル.θ……今何と仰いました?」
数分後、ホエールキングのブリッジは騒然としていた。
「聞いた通りだ………直ちに進路を変更、艦をニカイドス島に向かわせろ。」
突然ブリッジにやって来たリョウトが、とんでもない事を言ったのだから………


「今回、カルミナ大公国の派兵に伴って我々も精鋭を数名送り込む事にした。その為……プリズンに収容されている『彼等』を討伐部隊に組み込ませて貰う。」
「何と………あの危険人物達を送り込むのですか!?」
『彼等』……その言葉を聞いた瞬間、艦長の表情が強張っていた。
「……既に賽は投げられた。それに、我々がロストジェダイトを手に入れる為にも、彼等には潰れて貰わなければならんのだよ………そして、それを遂行する為ならば俺は如何なる手段であろうと取らせて貰う。」
そう言いつつ進行方向を凝視するリョウト。その目は、翡翠色の不気味な光を爛々と湛えていた…………



同時刻、メルクリウス湖上空……

「これは……正気ですか、大佐!?」
オーガスタス・ダロム少佐は、今しがた司令部から送られてきた書類を見て目を丸くした。
「……上層部の命令よ、私達は従うしか無いわ………!!」
セレナ・リィン・ヴィステリオ大佐は、苦虫を噛み潰した様な表情で書類を見据えていた。


「あの連中を解き放つなんて……一体、上層部は何を考えているの………!?」



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