目を開けると、そこは見たことない場所だった。
前方に小さな街の影が見える。
だが、オレの知っている街じゃない。
「…行ってみるか」
此処がどこなのか――手掛かりを求め、オレは愛機“ムラサメライガー”を街へ向かい走らせた。
ライガーが街に近づけば近づく程、街の様子が変な事に気がつく。
その“異変”とは――
「人がいない…?」
正確には人気が感じられないのだ。
しかも所々、火があがっている。野良ゾイドでも暴れたのだろうか?
半壊している街を見渡していたると、不意にコクピットが大きく揺れた。
グォァァァッ!!
「な、何だ!?」
何かに向けての威嚇だろうか、ライガーが吠える。
「!……コイツか」
この街を襲撃した犯人だろうか? 目の前には白いブレードライガー。
よく見ると、背中にはアタックブースターが装着されている。
「カスタマイズされてるな…人が乗ってるのか?」
試しに白いブレードライガーに通信をいれてみる
「おいっ! そのブレードライガーのパイロット!! 何があった、答えろッ」
ガガッ――
「…ん……ん……っ――」
耳障りなノイズとと共にパイロットの微かな声が聞き取れる。
声から察するに女、どうやら会話は出来ないらしい。大方気絶でもしているのだろう。
ブレードライガーはこちらに気付いたのか、咆哮をあげながら接近してくる。
それは正に“暴れまわる”機動。
あの動きは人の手によるものじゃない。時折、駆逐する野良ゾイドがあんな動きをよくしている。
間違いない―――
オレは主人の手から離れ、暴走しているソイツを“止める”ことにした。
―――思えば、この時に気付くべきだったんだ。
なんて『面倒な事』をしてしまったのか、って