放浪戦記
第3話
「依頼」
―ロブ基地―
「でっ、その依頼主って言う人はここに居るのか?」
「うん・・そのはずなんだけど・・」
ミランに入った依頼それはここにいる共和国軍人からのものだった。
しかしその共和国軍はおっかない剣幕でこちらを睨んでいる。
「そこの不法侵入者!さっさと立ち去れ!さもないと攻撃するぞ!」
ゴドスのパイロットが叫ぶ。
「ああ!いい度胸してるな!いいぜ!血祭りに上げてやる!」
ハーデスがそう怒鳴ると、縮み上がる共和国軍。そこへ通信が入る。
『こちら共和国軍第57高速戦闘部隊副官、マイク・アレゴーン中尉だ。』
「こちら傭兵のハーデス・テルス。あんたらの依頼を受けてここに来たんだがなんだ!この様だ!」
『!!なんだと!』
そこへコマンドウルフACが現れる。
「やばいよ・・怒らせちゃったか?」
しかしその軍人は降りると警備部隊の隊長のところへ歩む。
「どういうことだあ?」
「いや、じ、自分はなにも・・・」
「うそつけえ!つい30分に彼らを通すよう言っただろオ!」
「いや、そんなことは存じていませんが・・・」
「だろおな!女房と電話していたからな!」
「それは・・・」
「この不届き者めえ!」
そのセリフの前に顔面パンチを喰らう隊長。
「へ?」
『すまない。いかにも依頼を頼んだのは自分の上官だ。心からお詫び申す。』
「それよりさっさと依頼主に会わせてくれないか?」
『了解した。』
―基地内、高速戦闘隊作戦室―
「失礼・・・ええ!?」
作戦室に入るなり仰天する2人。
ハーデスとミランを待っていたのは刀を多く壁にかけている畳の部屋。それどころか掛け軸には『気、技、体』と筆で描かれていた。
「貴方方がハーデス、ミラン傭兵ですね?」
「はあ・・・」
そこへ来たのは高気品すら感じられる女性軍人。代わっているといえば刀を腰に差している事だ。
「私は第57高速戦闘隊隊長、サヤカ・ゼオン少佐です。貴方方に依頼があってここに呼びました。」
「でっその依頼は?」
「これを見てください。」
モニターに作戦用地図が出てくる。
「これは私達が以前入手した帝国軍基地の地図よ。前からここに帝国軍が駐屯しているため、ここの攻撃に参戦してください。」
「それだけで?」
「ええ。何か不服でも?」
「いいえ・・・」
その剣幕だと刀で斬られかねない。やむを得ずそう答える。
「では出撃は3日後に。」
そういうと立ち去るサヤカ。
意外な依頼主に度肝を抜かれたハーデス。ほっと溜息がでた。
―帝国軍ダグラス基地―
「いま偵察隊から報告が入った。どうやら共和国の奴ら攻撃をするようだぞ。」
「でッ?」
「しかしジョージ大尉、ほっとくつもりで・・・」
「そんなわけ無いよ、ロック少尉。僕に考えがあるんだ。」
「どんな作戦で?」
「今はまだいいよ。あとで言う。」
そう言うと不気味な笑みを浮かべるジョージだった・・・