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タイトル:妄想街での日常7 ファンタジー

 ここ最近、キャラクターの総数が三十体になったので、例のアレをやります。
 え?二十体の時にはやってない?

 ...とにかく、始まり。

ロイド 2019年09月15日 (日) 00時19分(1023)
 
題名:オープニング 充電だけじゃない

 ある日の事だった。
「ねぇ、ちょっと良いかしら」
 最初にそれを気になったのは、本魔唱苗(ほんま となえ)こと、唱苗だった。
「ん?どったの?」
 ロイドはそれに気が付いて、プラグをコンセントの穴に差し込んだまま振り向いた。
「あ、あのさ...ロイドってその...」
「僕が...どうしたの?」
 ロイドが不思議そうな顔をしたまま、その部位を唱苗に指で指された。
「...ロイドって、いっつも、そのコンセントに刺して、充電をしてるみたいだけど...もしかして、それでしか、自身のエネルギーを貯める事が出来ないっていうか...」
 ロイドは、少し笑って、「半分はあってるけど...」と、一旦止め、少ししてから話の続きを話した。
「でも僕は、君達の様に食べ物を食べても、エネルギーに変えれる、『原子炉』があるからね。だけど、充電のほうが貯まりやすいって分かってから、いっつも寝る時に、プラグを刺したまま寝てるんだ」
 唱苗は思わず、ポカン、としてしまったが、直ぐに情報を整理し、何とか話に追い付いた。
「まぁ、何処の、とは言わないけど、何処かの青い猫型ロボットも、原子炉はあったからなぁ、って」
 唱苗は何とか追い付く事が出来た。

 これは、異世界での日常の一部である

ロイド 2019年09月15日 (日) 00時41分(1024)
題名:第三十四話 入道雲の天気天変

[午後三時からは、晴れるでしょう]
 テレビの音が、ロイドの部屋に響く。
「おー...良かった...これで、やっと外に干せる...」
 十二時丁度に洗濯を終え、干そうという所で、運悪く雨が降ってしまったので、それまでは、テレビを、見ながら雨が止むのを待っていた。
「んじゃ、そろそろ干す準備でもしようかなっと」
 しかし、それを覆すかの様な出来事が、ロイドを襲った。

 時同じくして、星狐羅針(ほしぎつね らしん)こと、羅針は、妄荘近くのコンビニで、全員の分のアイスを買い、帰路に着いた頃だった。
「ふぅ〜...何で皆、こんな時期にアイス何か食いたがるのさ...体調壊しそうで怖いな...ん?」
 羅針が、愚痴を良いながら歩いて居ると、何かが降ってきた。それは...
「...えっ...ゆ、雪...?」
 まさかの雪だった。
「えっ、ちょ、ちょっと!?これ、どう考えても異変だよね!?」
 そして、この異変を伝えるため、羅針は、転ばない様に、ゆっくり走っていった。


 一方のロイドは。
「...嘘じゃん」
 あまりのショックで、思わず固まってしまった。
「しかも...ちょっと積もってるのなんのって...」
 この光景に、思わず「はぁ...」と、溜め息をついてしまう位だった。
 しかし、すぐにはただの雪じゃないことを察した。
「これは...多分、誰かが降らしてるのか...そうなれば、早速準備して取り掛かるか」
 ロイドはそう言うと、早速支度をし始めた。


 _妄荘_入り口前ロビー_

「...うわ」
 ロイドが思わず、引く様な素振りをしながら、外の光景に驚いていた。
 なんと、雲がそんなに集まらず、その大きな隙間からは、晴天の青空と太陽の光が覗き、その上、雪まで降っているのだ。
 その時。
「...っはぁはぁ...ロイドっ!異変だよ!」
 急いだ様子で羅針が異変であることを伝えた。
「...んなもん、この光景が教えてくれたよ...でも」
 ロイドは、今自身が抱えている疑問を言った。
「これ...誰が起こしてるんだ...?多分また、ナチュレじゃないと思うし...」
 一瞬、ナチュレ(ナチュレ・フォーシーズン)を思い浮かべたが、この状況から、違うと判断した。

 じゃあ、誰が起こしているのか。

 そして、二人が外に出た所で上空に一際大きい雲が現れた。
「...ん?」
「あれ...変じゃない...?」
 順にロイド、羅針である。
 二人が不思議そうにその雲を眺めていると、その雲から、少女が降りてきた。
「どうも」
 その少女は、髪も身体も、まるで雲の様な感じで、羽根は、片方は雷の様な、もう片方は霧の様な羽をしていた。
「...君が、この異変を起こしたのかな?」
 ロイドがそう問い掛けると。
「この感じは、どうやら私がやったみたいですね...」
 と、少し疑問に感じる答えを返された。
「ん?自覚は無かったの?」
「いやぁ、その、この世界の上空で私の魔法と力を、鍛練してたら、いつの間にかこうなっていたみたいですね...」
 どうやら、本人も気付かない内に起こしてたらしい。
「とりあえず、一旦解除しますね」
 彼女が指をパチン、と鳴らすと同時に、雪雲が一瞬にして消え去った。
「そうそう、自己紹介がまだでしたね。私の名は、入道気子(いりみち きこ)と、言います。宜しく」
 そう、気子が自己紹介を終えると。
「...所で、この世界で鍛練してたの?」
 ロイドがそれについて聞くと、意外な答えが出された。
「いやぁ、それがですね、私が元いた世界より、魔法や魔術が発展してるからですよ。それだから、もっと研究しがいがあるなぁって。何せ、此処には見たことのない技術と言うか、力と言うか、そう言うものがこの世界に溢れてるので。それに、魔法や魔術に関する本や技術が、溢れてるもので...」
 そして。
「...それに、私の元いた世界...もとい、『ゲルドニア』では、魔法や魔術は、少なからずあったんですが、歴史に関しては、どうも乏しくて...私、今十四歳ですけど、たった十三歳で、『賢者』と、呼ばれてる位ですから...そして、私には人型の魔物三匹を弟子に持ってますが...あの子達は、理解力が乏しいので置いてきちゃいました」
 流石のロイドも、これには苦笑いである。
「あ、あのさ...君が良いなら良いけど、いい住まいを提供する代わりに、僕達の仲間になるって言うのはどうかな?」
 すると、気子はぽん、と手を叩き目を輝かせた。
「い、良いの?...あっ、良いんですか!?」
 驚きのあまり、いつも使っている口調に戻ってしまった。
「良いよ。それに、これくらい日常茶飯事だし」
 かくして、再び妄荘に変わり者が加わった瞬間であった。

ロイド 2019年09月15日 (日) 07時55分(1025)
題名:第三十五話 二十体の自由人、三十体目(+1)の大所帯

 さぁ、二十人目の時にはやってなかったが、三十体目も纏めて...
「妄想街でパーリーだっ!!」
 ロイドがそう叫ぶと同時に、バックに居た、カファ・スカルから、最近仲間になった、入道気子(いりみち きこ)まで、お祭り騒ぎの様に叫び、そして、祭りと宴が始まった。
 先ずは...
「...うん、この不思議な粒々が入ったジュース、美味しいね。あ、カファ・スカルだよ」
 元々自身が居た、世界と研究室だけを捨て、研究資料(大体は自身が巻いているマフラーに注ぎ込んでいる、『可能性の魔力』に付いての記録書や、後は、魔導書や魔法に関する本等々)と研究材料を此方の世界に持ってきて、今もなお、研究を続けている、カファ・スカル。
「..ンっ、んっ、ぷはぁ!やっぱりカルピスが一番だヨ!」
 この世界に墜落してから数ヶ月、今も壊れたUFOを直しているが、ほぼ諦めかけている、鵺耳エイリ(ぬえみみ えいり)因みにカルピスを好きになったのは、この世界に来てから。
「...やっぱ、改めて思うけど、最初からこうすれば良かったんだよ。な、ガース」
「んー?まぁ、そうだね。...ところで何でこんなの着ないといけないの...もうっ///」
 元々、『マインクラフト』という、四角いキューブで生成された世界で暮らしていたが、ロイドと仲を直し、そして何故か現在、女性用の着物を着せらている、ガースと、その紅くなった顔を見て、思わず「可愛い」と、不覚にも思ってしまった、ウィン。...一応、男性同士だが。そして、友達同士でもある。
「線奈様、気分は如何でしょう?」
「...ええ、最高だわ。これにですら境界があるから、ちょっとね...」
「...結局は気分が良い、という事で良いんですね」
 何もない(しかし、時々空から大岩が降ってくることが有るが)月の世界から自身の能力で作り出した、空間の裂け目から直接この世界にやって来た、境目線奈(さかいめ せんな)...と、その側近のダイヤ・ボヤージュ。
「...僕は普段、こういう騒がしいのはあまり...だけど、お隣さんは凄くはっちゃけてるみたいだね」
 花火が上がる様子を渋々と見つめる、神霊怨ノ介(しんれい おんのすけ)と...
「FUUUU!!!花火だ花火だーっ!!わっちも打ち上げるよーっ!!」
 そう言うと、核の大玉を打ち上げては、破裂させ、その様子を喜んで見ている、サーガ・ナイトフラッシュ。
 怨ノ介は、たまたま肝試しに来た、ロイド達と会ったことが切っ掛けで、仲間になった。一方のサーガは、自身が起こした異変が切っ掛けで、和解し、仲間になった。

 さて、此処で折り返し地点に。まだまだ続く。

「...ほう、花火が打ち上がって、爆発する瞬間と、爆発してちょっと後の時に時を止めてみるのも、面白い」
 自身が開発した『時操(ときあやつり)の懐中時計』を使い、時を止めて花火を観察していた、化狸触蔵(ばけだぬ しょくぞう)。
 一見すると、化け狸に見えるが、狸の尻尾と一緒に、触手が生えている。そして、髪も触手になっているのだ。...なので、化け狸と触手のハーフである。
「花火か...何処かの世界の季節では、大体は夏という時期あげているみたいだね...っと、今のは独り言」
 かつて、この世界の一角で、季節をおかしくさせる異変を起こして、ロイド達とやり合ったが、今ではすっかり『この世界の』季節を、暇な時にでも管理している、ナチュレ・フォーシーズン。
「...すぱー。そういや、アンタのお姉さんが、風邪で休んだから、代わりに私をナイトメアの付き添い役として、任された訳だけど...」
「...うん、お姉ちゃん、早く治ると良いな...」
「そんなに落ち込んじゃあ、ご飯も不味くなるよ、ほら」
 自身の姉が風邪で付き添い出来なくなったので、少し落ち込んでるナイトメア・ドリーム。そして、それを慰める、葉巻タバ子(はまき たばこ)。
 タバ子自身は、カフェでたまたま相席になった、ロイド達と話が会うようになり、そこから仲良くなった。
 そして、ナイトメアがこの世界に来た時は、自身が管理していた、『悪夢の世界』の破滅から逃れる為、たまたまそこに空いた、空間の裂け目に逃げ込むと、偶然にも自身の姉である、リアリー・ドリームと再会する。
 ...という事が、実に、今から数ヶ月前に有った。
「...蜘蛛ちゃん達、あれが花火よ。宝石の様に綺麗でしょう?...ふふ、今夜も葡萄酒が美味だこと」
 ワインをグラスに入れて飲みながら、自身に仕える蜘蛛達に花火を見せていた、シュピンネ・スカーレットシルク。
 ...此処だけの話、彼女が所有する豪邸、『紅糸館』は、現在リニューアル中とのこと。
「...よっ、と」
「アっ、お兄ちゃン」
 鵺耳リアン(ぬえみみ りあん)が、エイリの横に降り立ち、座った。
「ソういえば、旅は今でもやってるノ?」
「...いや、最近はあんまり...」
 そんな日常の会話を二人で楽しそうに話していた。
 元々、銀河を旅していたが、仲間になっても、少しは行っていた様だが、無謀だと思ったのか、いつの間にか止めていたらしい。
「...えーっと...僕は操子さんの代理のつもりで、此処には居るけど(後、自分の為か)...これはひどい」
 ヘルが手にしている看板には、『極物操子こと極物神は、現在元の世界で行われている、例大祭の為、欠席』と書かれていた。
 地獄の創造主に、こんな役を任せれるとは...さすが万物以上を操れる神様だ、とヘルは呆れた。

 一方、場所は大きく変わって、空に沈む反裏城にて。
「どうです、空中からの眺めは」
「まぁ、眺めは良いけど...どうして、また此処には戻って来ちゃったの...」
「我なりのアイデアですぞ。存分に褒めて下され」
「褒めてないし」
 何時ものやり取りをしながら、花火を見ていた、反物逆沙(はんぶつ さかさ)と、その主である本魔唱苗(ほんま となえ)。
 かつて、自身が起こした異変の時にも十分活躍してくれた、天空城の天守閣から、花火を見ていた。
 ...永遠回廊の方が眺めが良かったのでは。
 それに関してはNG。禁忌であり、禁句でもある。

 一方、戻って妄想街にて。
「ふわぁ...」
「いやぁ、これは今日という今日は、晴れにしておいて良かったよ...うん、実に見事」
 花火に見とれている猫又三毛(ねこまた みけ)と、自己満足する入道気子(いりみち きこ)。
 今日と言う今日も、平和だ。

 ...と、思っていたが...

 _翌日_妄想街_中心区_中心区ロータリー_
「ロイドさん!ロイドさん!!」
 一人の税管理職に就いている、獣人の男性が慌ててロイドを訪ねた。
「うおっ、どうしたのどうしたの、何があったの」
 ロイドは落ち着いた様子で、獣人の男性に聞く。
「じ、実はですね...『お金』に関する概念がメチャクチャにされそうになっているんです!!」
「なっ、何だって!?」
 目を、クワッ、と見開き、驚いた。
 其が、いずれ波乱の展開になることは、この時、異変を起こした張本人以外、誰も知らない。

ロイド 2019年09月21日 (土) 21時06分(1026)
題名:第三十六話 富と欲望に溢れ、溢れ、溢れ、溢れ...

 突然だが、この世界のお金事情に付いて語ろう。
 この世界は基本、『G(ゴールド)』で統一されており、全て、貨幣でこの世界の経済は回っている。
 因みに価値は、とある世界のとある国で使われている...という前置きはさておき、我々の世界の、そして少なくとも、この文字が使われている国で『円』とほぼ同じだが、鉄貨は一円ほど、銅貨は十円ほど、銀貨は百円ほど、琥珀貨は五百円程、そして...金貨は一万円程。
 因みに、毎日のようにやって来る異世界の者と貨幣も、混乱せず対応出来るように『異世界の通貨を統一させる程度の結界』を無限に広がる世界にどん、と張っており、これにより金銭による混乱は無くなる。
 だがしかし、今回はそんなお金の概念を混乱させるような、大きな異変が生じた。


 _妄想街_銀行局_
「おいっ!!ゴールドの価は一体どうなってるんだ!!」
「現在...ええっと、どういう訳か、無限に増え続けています!!」
「異変の発生源は!?」
「何とかしてくれー!!!!」
 銀行局のあちこちで、怒号が響き、混乱が起こっていた。
「...うわ。こりゃあ...見事に荒れまくっているなぁ...」
 その混乱っぷりに、ロイドは一つトーンを落とした声で呟いた。
「ええ、現在我々銀行局は、ロイド殿が張った、『異世界の通貨を統一させる程度の結界』に対しての調査や、ゴールドの価に付いての対応に追われています」
「んー...そう言えば」
 ロイドには、とある心当たりがあり、それを思い出したので、相談してみる事にした。
「早朝、僕は珍しく早起きしたんだけど...それも、大体午前三時辺りかな?んで、外の空気を吸おうとして、窓を開けたら、まぁ凄い金属の匂いがとんでもない事、それに上空をたまたま見上げたんだけど、すごーくデジタルチックな雲から、鉄貨から金貨までの貨幣がジャラジャラと、降っていたからね...」
 そんなあっさりと。
 いかにも異変が起こる前触れ。
 というかそれそのものが異変じゃん。
 と、言わざるを得ない証言が飛び出した。
「あの後、彼処周辺は貨幣の山が出来たけど、数分後にはあっという間に山が無くなっていたよ」
 もはや引き気味の表情で、その事実も言った。
「しかし...それを発生させたのは、一体誰なのだろうか...」
「んー...恐らく、これは僕に向けて喧嘩を売ってきたと、解釈して良いのかな...?」
 そして、遂には。
「...あの程度のチート能力を持った、堕神様(だかみさま)なら、やりかねない...と言うか、自力で無限地獄から抜け出したのか...」
 そして、その一言を良い終えると同時に、銀行局の窓とカーテンが吹き飛び、その正体を表した。
「おや、鬼でも無いのに、それを手首に付けてるとは...それでもなお、抗い続けるのか...ま、僕自身が封印した存在でもあるけどね」
 ニヤニヤと、その『創造神』は苛立ちながらロイドの方を睨んだ、目の下には黒く、くまが出来ていた。
「この欲望の塊め、今すぐにでもスキマ送りにしないと...もっとも、無限地獄に戻さないといけないがな」
 すると、その『創造神』...ウィングは、手をかざし...0と1の数字の羅列を作り、徐々に、グランやオルターも使用している、『ガスターブラスター』と同じような物を作り出した。
「...」
 その『創造神』は一言も発さず、ただ嫉妬の眼差しでロイドを睨み付けた。
 だが。

 スゥッ。

 その音と共にスキマに吸い込まれ、見事な事に無限地獄にへと、戻っていった。
「...はぁ」
 ロイドは呆れた顔で溜め息をついた。
「...同じ過ちは二度と繰り返さない、ってね」
 そう、一言を言った後、スキマに潜り、被害を確認しに行った。








 皆さんは同じ過ちを、二度も三度も繰り返さない様に...

ロイド 2019年09月23日 (月) 00時21分(1027)
題名:第三十七話 妖怪の迷い人

「...ん?何だこれ?」
 ロイドがそれを見たのは、深夜の三時の事だった。
 この時間はだいたい、妄荘の大体の連中(中には天邪鬼のように起きている奴もいるが)は寝ている。
 しかしロイドは、パトロールも兼ねて、真夜中の妄想街を歩いていた。
 いつ、何が、何処で、起こるか分からない妄想街は、一応警備隊(騎士団も含め)も備わっているが、それだけでは対象しきれない部分もあるので、たまにだが、こうして自ら警備をしていることもある。
 そして、今夜も新しい仲間の予感が待っていた。
「...ふえっ?だ...誰...?」
 さっきまで布だと思っていた物が、ペラッ、と此方を向き、どんな魔法を使ったのか、ペラペラだった体が、一瞬で立体的になり...
 ...胸の方は、立体的ではないが、背が小さいので良しとする。
 そして、遂には見慣れた体になった。
 髪は白く、後ろ髪やアホ毛等は、布らしい、長いが下の方はパッツンという、独特な髪型をしていた。
「き、君、大丈夫?」
 ロイドはその様子に少しだけ驚きつつも、目の前の少女に話し掛ける。
「う、うん。私は大丈夫...ただ、突風に飛ばされて、気持ち悪くなっちゃって、そこからの記憶が無くて...」
 ロイドはその様子から、とある妖怪を思い浮かべ、少女の名を問いだ。
「君の名前は?」
「私は一反絹子(いったん きぬこ)。一反木綿の末裔よ」
(ああ、やっぱり、そうだったのか...)
 ロイドは予想通りな答えに少し驚いてしまった。

 絹子と出会って数分後、ロイドはひとまず、妄荘の自分の部屋に絹子を入れ、料理を作って上げる事にした。
 ロイドが「これからどうするの?」と聞いた瞬間、絹子の腹の虫が鳴き、絹子は思わず赤面してしまうが、ロイドはそれを上手くあしらい、その後は戻りながら、この世界に来た目的について聞くことにした。
 すると、その目的を聞くと、意外にもこの世界に住んでいる住人と、少し関わりがあるらしく、その人物を聞くと...
「変わった大きな筆をもった人です。それも魔法使いです」
「ん”っ、え?大きな筆?もしかして筆先が虹色だったりする?」
 驚いて、思わず味見をしていた味噌汁を吹き出しそうになり、飲み込んだが、それについて問いただす事にした。
「んー...確かそうだったはず...」
 絹子は顎に手を添えながら、思い出しつつ言った。
「...それならうちの所のメンバーに、心当たりがあるな。もしあれなら、明日でも聞いて来ても良いけど...っと、出来た」
 そうこう話している内に、味噌汁と鯖の味噌漬けが出来た。

「いただきます」
 手を合わせ、食前の祈りを捧げた後、以外にも自分がもといた世界でも食べていた味と再開する。
(んっ、しょっぱい...けど、懐かしい...)
 最初に取ったのは、鯖の味噌漬け。そのまま食べるとしょっぱいが、ご飯と一緒に食べると、ご飯の甘みによって、それはちょうど良い感じにマッチする。
(味噌汁...これ、母さんの味...)
 次に手に取ったのは、味噌汁。
 素っ気ない味噌の味とその中にある豆腐...更に、昆布もあることで味噌汁の味は完成する。
 そして...
「...ごちそうさまでした」
「うん。おそまつさん。どう?足りたかな?」
 ロイドはその意思を確認使用とすると、彼女の目は満足に満ちていた。それこそが何よりの証拠だった。

「...ところでだけどさ」
「うん?」
 ロイドの一言に、絹子が振り向いた。
「もし良かったらさ、僕の、いや、僕達の仲間にならない?...その代わりと言ってはなんだけど、僕自身の仲間達の一人に、心当たりが凄くあるからさ、そいつにも会わしてやるし...どう?」
 その言葉に、絹子は。
「まぁ、その目的だけで此方に来たし、良いよ。これからも宜しくね」
「うん。宜しく」

 ...翌日、『変わった大きな筆』を持った人物...虹色いろり(れいん いろり)が、絹子を見た途端、自ら凄い勢いで土下座する事になり、それであっさりと許して貰った上、絹子が、友達にもなろうと言い出し、あまりの衝撃にいろりが数分間固まってしまったのは、余談である。

ロイド 2019年10月05日 (土) 11時53分(1028)
題名:第三十八話 妄想街に住み着き、運を操る者 再び

 その日、珍しい事に草隠クローバー(くさがくれ クローバー)は、妄荘の メンバーの誰よりも一番遅く起きてきた。

「何があったのさ...悪夢にでもうなされたの?」
 その事に対して、ロイドが聞いてみる。
「...うーん...うなされたと言うよりは...」
 眠そうな目を擦りながら、一手間置いてクローバーが言った。
「...自分と家族の関係を持つ人の夢を見たって感じかな...」
 なんと。
「所で...その人は、クローバーから見て、どの立場なの?」
 すると、此処でも衝撃発言が。
「うーん...私から見て...恐らく、お姉ちゃん辺りかな?そして、夢を見て思い出したけど、物心が付いていない時に、生き別れたみたい」
「...そうだったんだな」
 同時にグランも、自分の事を照らし合わせた。合わなかったが。
「...そして、夢の中のお姉ちゃんが言ってた。「いずれ、此方の世界に来るつもり」って」
「...わぁ、そんな予知夢的な事があったんだね」
「予知夢かぁ、久々に聞いたなぁ」
 予知夢というワードに、ドリーム姉妹(リアリー・ドリーム&ナイトメア・ドリーム)が思わず反応した。
「でも、予知夢って当たる物なの?」
 クローバーが、予知夢に対して疑問を持ち、ドリーム姉妹に尋ねる。
「...う〜ん...そうだな...予知夢は、当たる確率が確率だからなぁ...」
「...ごめんね。私は悪夢専門だから、予知夢には全然知識がないの」
 リアリーは少し頭を抱えて、予知夢に付いて知っている事を言ったが、ナイトメアは専門外らしく、手を降振った。
「そうなんだ...まぁ、その内来るでしょ」
 クローバーは持ち前の、のほほんとした気楽な様子で待つことを試みた。


 _妄想街_西方広場_

 この場所は、妄想街に存在する多数の広場の中でも(今のところ)一番空間の裂け目の出口が多く存在する広場だ。
 そして、此処にまた、今日も空間の裂け目の出口が現れ、新たな来訪者が訪れた。
「...此処が、本にも書いてあった噂の妄想街か...」
 彼女の名は、草隠シロツメ。
 彼女は、まだ物心もついていない幼い時に、自身の妹と生き別れた。
 それと同時に、彼女が元いた『幻想郷』を離れ、異世界を跨いで、その異世界ですくすくと育ち...やがて、十九歳になった。
 そして十八の時に、偶然にも『スペルカード』を使える時になった時に、自身の実の母親から、初めて、自身の妹...クローバーの存在を、初めて明かしたのだ。
 それ以来...シロツメは、自身の部屋にある書物と家の近所にあった、図書館の本を読み漁り、母親から聞かされていた、元々住んでいた世界の『幻想郷』と関連で覚えるようになった、クローバーがいる可能性を見出だした『妄想街』を初めて知ることとなった。
 そして...自身が住んでいる世界にも...その『空間の裂け目』が出現した。

 最初は、そこから妄想街に行けるという情報しか無かった為、半信半疑で探すようになった。
「うーん...まぁ、探せば案外近くにあったり...って!?」
 意外な事に、自宅の倉庫の中にその『裂け目』があった。
 そして、母親に一言断ってからその中へ、どんどんと進んでいった。

 _そして_現在に至る_

「...とりあえず、旅人に「まずは中心区に行った方が良い」と言われたけど...まぁ、私は妖精で、空を飛べるし...空から探そう」
 そう言うと、シロツメの体は一気に急上昇し、あっという間に街を全体を眺めれる様な高さまで来た。
 ...そして、見つけた。
「おっ、あれっぽいな。ま、ボチボチ飛んでいくかぁー」
 そう言うと、中心区に向かって飛んでいった。


 一方、妄荘メンバーは。
「んー...居ないねー」
「此処まで空高く飛んだのは久し振りかな...最近弾幕ごっこもやってないし」
 ロイドを初め、グランや道示三色(みちしるし みしこ)、そして、クローバーなどの、空を飛べるメンバー全員で、妄荘の半径三キロメートルを飛び回って探していた。
 初めは無謀に思ったそれも、文字通り、幸運に味方され、遂に見つける。
「...あっ!?もしかして!!」
 最初にそれを見つけたのは、クローバーだった。
「「ん!?見つけた!?」」
 その声に思わず反応して、ロイドと境目線奈(さかいめ せんな)が、自身が作り出した空間の裂け目から、顔を出す。
 クローバーが両腕を降っている先を見ると、そこには一匹の、容姿は、クローバーよりは少しよりは背が高く、大分よりは背が低い、黄緑色のチャック式のパーカーを着た少女が居た。
 妖精の羽根は...クローバーよりは両側にそれぞれ、一つ多い位のハート型の羽根があった。
 そして、どこぞの青パーカーの骸骨(もしくは紫パーカーの液体化出来る触手ヤロー)の様に、スリッパを履いていた。



「お姉ちゃん...はじめまして、草隠クローバーって言います...宜s...」
「あー、いーいー、そんな堅苦しい喋り方じゃなくて...こほん、普通に姉妹の様に接してくれればウチは良いよ」
 物心付いてからの初めての対面だからか、敬語になってしまうのをシロツメが『初対面』という糸をほどいた。
「...まぁ、僕の創s...仲間達には兄弟姉妹組も居るし、今更って感じだけど、やっぱり、再開するところを見ると、何でか知らないけど、僕もホッとするんだよねぇ」
 ロイドも思わず、安心の一言が漏れ出した。
 すると、ヘルがこんな事をロイドに耳打ちするかのように、小声で言い出した。
「ボソッ」(あのさ、うごメモの時に作った奴等、まだ復活させてないのも沢山いるし...)
 それに対して、ロイドは苦笑いしながら返した。
「...ん、あぁ...いずれね。」
 あぁ、メタいメタい。


 あれからというものの、今日も草隠姉妹は、今日も仲良しです。

ロイド 2019年10月12日 (土) 16時59分(1029)


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