コンパ)「羅針?いるー?」 羅針)「はーい!今行くよー!」 私は狐の耳をピクリと動かし、お母さんの呼び掛けと同時に階段を降りていって、リビングに着いた。 そして何故か、お母さんと正面で向き合う形で座る事になった。これにはちょっとびっくりしちゃったけど、何かあるのかな...? コンパ)「あのね、羅針。よく聞いてね」 羅針)「う、うん。」 私は動揺しつつ、狐の耳をピンとお母さんの方へ向けた所で話は始まった。 コンパ)「実はこの話何だけど...羅針が此処まで大きくなるまで、ずっと秘密にしてたのよ。気になるでしょ?」 羅針)「えっ!?お母さんが隠している事があるなんて珍しい...でも、気になるよ。」 お母さんはあんまり色んな事を隠さないような神様だと今まで思っていたのでそこにも衝撃を受けたが、この後...思いもよらない事実を告げられる事となってしまった。 コンパ)「あのね...今の羅針が居るのは、1500年前、つまり羅針が産まれた年何だけど...実はその時ね...お母さんがね...」
〜1500年前〜
コンパ)「はぁ...ずっと銀河の観測をしていると、何だか、暇になるなぁ...」 お母さんはね、その時はまだ若くてピチピチの時だったんだけど、その時のお母さんの夢であり、その時に働いてた仕事何だけど、[銀河群観測屋]をやっていたのよ。まぁ、お母さんの性格も有るし職業の内容もそうだけど、ただひたすら、ありとあらゆる銀河を時間毎に、交代しながら異常が無いか、ず〜〜っと観測していたの。でも、だんだんその内に...。 コンパ)「あ〜...交代の時間まだかな...キレイだけど、何をしながら観測とか無いから...どうしようもないなぁ」 まぁ、銀河に映る星々を眺めるのも良かったけど、でも光景もあんまり変わらないから...要は飽きてきてねぇ...。それで、そんなある日、あることが気になってきて、気になってきて数日後に、あるものを職場にこっそり持ってきて...それも、夜に。何を持ってきたかと言うと...? コンパ)「いや...駄目なのは分かってはいるけど、この量の魂を銀河に注ぐのは...相当勇気が要るよね...大丈夫かな...」 そう、確か1万99999京体程の魂を貴方の元の姿に一気に注ぎ込んだの。一体も残らずにね。...ちょっと怖かったけど。するとその魂達が、一つの巨大な物に憑依して実体へと戻る為に、一致団結でもしたのかしらね。だんだん、融合していって、やがて、一つの銀河レベルの大きさまでになったの。そして、憑依してる所を見ていると、だんだん、私が普段見ている銀河と全く違う様子になってね...それがだんだん、人間の赤ちゃんのような形になって、でも、小さな尻尾と耳が付いてたの。 私はその後、誰にも見つからずに羅針を連れ出す事がうまく行って、何とか自宅に戻る事が出来たの。 コンパ)「とりあえず、私がした事だから...責任をもって育てなきゃね!!...名前はどうしようかしら...」 私は、その時はまだ羅針の体が銀河の様に薄暗い体だったけど、でも、この時にまた、羅針の体がキラキラと光り始めて...二つの星座が浮かんだの。 コンパ)「う〜ん...と...あった!三角座と羅針盤座!!」 私はこの時、偶々其所に浮かんでいた星座から、あんたの名前を取ったの。特に、羅針盤座は凄くロマンを感じたから、[羅針]と名付けたの。素敵でしょ?
_そこから、羅針との生活が始まったの_
コンパ)「...とまぁ、こんな感じだけど...」 羅針)「でも、そう言うことがあってからこその私なのか...だと考えたら、お母さんは凄いのか...ヤンチャなのか...」 衝撃すぎる真実で羅針は思わず、戸惑いを隠せなかった。 コンパ)「そして、今日は何の日だっけ?」 羅針)「...もしかして...私の誕生日...それも、1500歳の...」 そして、コンパは外にある大きなロケットを指差し、羅針を外に連れ出す。羅針は未だに、これから何が 始まるかなど、想像も出来なかった。 コンパ)「羅針。最後に、お母さんの顔をしっかりと記憶に焼き付けなさい。あんたはこれから、世界観間を跨ぐ、長い長い旅に出るんだから。」 羅針)「...!離れるの嫌だ...」 羅針は思わず、涙ながらコンパに抱きついた。 コンパ)「よしよし...可愛い我が娘...例えどんなに遠くても、お母さんはあんたの事を応援するから...ずっと見守ってあげるから...心配しないで」 一方、コンパも涙を流しながら、羅針を心優しく撫でていた。
そして...
コンパ)「テイクオフ!頑張ってね!」 ロケットの発射の轟音と共に、空間の壁を突き破り、遠い何処かへと旅立って行った。 コンパ)「ふふ...頑張ってね。らっしー。」 一方でそんな事を呟きながら。
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