日本冬虫夏草の会 画像掲示板

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No.138 クロミノクチキムシタケ 投稿者:錦田   投稿日:2018年08月10日 (金) 22時34分 [返信]

宮城県から報告します。

朽木生虫草、宿主はカミキリムシ幼虫に見えます。
クロミノクチキムシタケだと思うのですが、いかがでしょうか。
もしそうなら、高尾山以外で初の発生地になるでしょうか。

確認のために追って検鏡しますが、取り急ぎ報告まで。

No.139  投稿者:山鳥   投稿日:2018年08月11日 (土) 08時41分

おはようございます。

初めて見せて戴きました。
たしか、最初、S.Uさんの発見と聞いています。
以前、画像をいただいて持ってます。
少し太いですが似てます。
詳細な確認をお願いします。

No.140  投稿者:錦田   投稿日:2018年08月13日 (月) 01時22分

すみません、多忙につき遅くなりました。
子嚢胞子の大きさは70~80×2㎛です。
中央で二つに分かれるという特徴的な胞子なので、本種で間違いないかと思います。

No.141  投稿者:K.Y   投稿日:2018年08月13日 (月) 17時28分

大変驚きました!
この掲示板が始まって以来、最も珍しい虫草ではないでしょうか。

宿主といい子実体の外観といいクロミノクチキムシタケで間違いなさそうです。
クロミノクチキムシタケの特徴については、事実上S.Uさんだけがご存知なので、何かコメントが
頂けると良いですね。

ちなみに、本種は始めCordycepsとして記載されてから、おそらく黒っぽいストローマなどに基づき、
系統解析せずにOphiocordycepsに移され、現在に至っています。
しかし、近年クロミノクチキムシタケがオフィオコルディセプス科のPodocrella属(アナモルフは
Harposporium)という系統に属することが報告されました。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/msj7abst/57/0/57_4/_article/-char/ja/
さらにその後、命名規約の改訂によりHarposporiumの優先権が認められ、Podocrellaはそのシノニムと
なりました。
したがって、クロミノクチキムシタケをHarposporium属に移す分類学的な処置が必要と思われますが、
未だにOphiocordycepsのままです。

なお、Harposporium属には他に、ヤスデを宿主とするHarposporium harposporiferum(=Podocrella
harposporifera)や、栽培下のヘンヨウボクを食害したゾウムシ類Cryptorhynchus sp.の幼虫を宿主とした
Harposporium peltatum(=Podocrella peltata)など、4種のテレオモルフが知られていますが、
いずれも暗色でクッション状の平たい結実部を持つ虫草で、一見すると朽木生のボタンタケ類の子実体を
見間違えそうです。
クロミノクチキムシタケの子実体はフサノミ状のツブタケ型となる点で、他種とは大きく異なります。

また、興味深いことにHarposporium属は線虫寄生菌として有名で、上述のテレオモルフも線虫と培養すると
寄生することが確認されています。分生子はHirsutella型、分節型、Harposporium型の3タイプを形成し、
とくにHarposporium型は湾曲した鎌形で、線虫体内で発芽、感染するそうです。
クロミノクチキムシタケも、線虫寄生菌としてのアナモルフの生活環をもっているかもしれません。

No.142  投稿者:錦田   投稿日:2018年08月14日 (火) 11時47分

K.Yさん
いつも詳細で興味深い情報を教えて頂いてありがとうございます。

たった一つの小さめの朽木からのみ発生していたので今後も見られるかは分かりませんが、
絶滅危惧T類とされる本種の新発生地が確認できて良かったと思います。

滅多に見られないのに種として存続できているのは、
線虫寄生菌としての生活環があるからなのかもしれませんね。

No.132 西表島・奄美大島 投稿者:K.Y   投稿日:2018年07月18日 (水) 23時12分 [返信]

6月25日から6月29日に西表島に、そこからさらに7月2日まで奄美大島に行ってきました。
西表島での収穫
1. シロアリシメジ(オオシロアリタケ)
2. カンピレームシタケ類似種:1日で掘れず翌日早朝に再訪し、何度かギロチンしましたが
なんとか宿主を掘り出しました。5個体ありましたが、宿主にたどり着いたのは一個だけでした。
掘り出した穴の深さは40cm以上あり、柄は曲がりくねりながら伸びていたことから、全長は
少なくとも50cmはあると思われます。宿主は狩バチの仲間の繭と思われ、清水図鑑のカンピレー
とは別種の可能性が高そうです。
3. アカエノツトノミタケ
4. カンザシセミタケ
5. イリオモテセミタケ

No.133  投稿者:K.Y   投稿日:2018年07月18日 (水) 23時15分

奄美大島での収穫その1
1. ヒゲダシアマミムシタケ
2. タンポタケ
3. アマミコベニタンポタケ
4. クチキフサノミタケ類似種

No.135  投稿者:K.Y   投稿日:2018年07月18日 (水) 23時18分

奄美大島での収穫その2
1. クチキムシツブタケ:ヤエヤマコメツキムシタケの未熟個体に重複寄生しているようです。
2. コガネムシハナヤスリタケ
3. ハチタケ
4. サビイロクビオレタケ?:ゲッチョ先生が見つけた個体です。

No.136  投稿者:K.Y   投稿日:2018年07月18日 (水) 23時26分

奄美大島での収穫その3
1. Cordyceps neosuperficialis?
2. ヤクシマセミタケ:ゲッチョ先生が見つけた個体です。掘り出す時間がありませんでしたが、
ヒメハルゼミをホストとするアマミセミタケよりもひと回り大きい印象です。
3. ヤエヤマコメツキムシタケ

奄美大島は南方系の虫草だけでなく本州でよく見つかる種類も多く、西表島とは
種構成が大きく異なることを実感しました。おそらく、西表島よりも奄美大島
の方が種数・発生個体数ともに多いと思われます。

ちなみに、台風の影響で奄美に一泊、さらに鹿児島で一泊余分に泊まる羽目になり
南国らしい体験?ができました。

No.137  投稿者:山鳥   投稿日:2018年07月20日 (金) 10時23分

おはようございます。

殆どが、実際に見たことがないものばかりで、有る所には有る事を教えてもらったようです。
ありがとうございました。

No.126 蛾幼虫生?不明種 投稿者:錦田   投稿日:2018年07月13日 (金) 22時21分 [返信]

沢沿いの苔むした岩の上に見つけた虫草です。他には発生していませんでした。
ストローマ15mm程度、子嚢殻380*290㎛、老菌だったようで子嚢胞子は確認されませんでした。
宿主は岩の微小な穴の中に入り込んでおり、取り出せたのは一部のみです。
並んだ単眼のようなものが見えるので、鱗翅目幼虫ではないかと考えています。

これだけの情報ですが、何か当てはまりそうな種はあるでしょうか。

No.127  投稿者:山鳥   投稿日:2018年07月14日 (土) 22時42分

こんばんは、
お返事遅れて申し訳ありません。

裸生で、この様な感じのものは思い当たりません。

No.128  投稿者:K.Y   投稿日:2018年07月15日 (日) 23時21分

古い子嚢殻の上あたりで柄が折れて、そこから再生して伸びているように見えます。
コツブイモムシハリタケやイラガハリタケのような、チョウ目生のハリタケ型
(Ophiocordyceps)のようですが、この類は最近多種が東南アジアなどから記載
されており、簡単には同定できない状況になっています。

直近では、タイから裸生型のOphiocordyceps属が多数記載されました。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0166061618300046
オープンアクセスなので誰でも読むことができます。

No.130  投稿者:ignatius   投稿日:2018年07月17日 (火) 20時40分

K.Yさんご紹介の論文、見てみました。
新種記載されている種は日本産未記載種と似ているものが多いように思います。
Ophiocordyceps geometridicola=シャクトリムシハリセンボン
O.spataforae=ウンカハリタケ
O.pseudoacicularis=ミジンケムシハリタケ
はほぼそっくり、
O.pauciovoperitheciata=ハトジムシタケ、スカシヒメハリタケ
O.brunneiperitheciata=ハマキムシイトハリタケ
は宿主が違うとはいえ同じく蛾の幼虫で、前者は子嚢殻がばらけるタイプ、後者はまとまるタイプと思われます。尚、ハマキムシイトハリタケは清水図鑑などでは宿主は甲虫の幼虫とされますが、実際に見つかるのはハマキガの仲間の幼虫です。
O.multiperitheciataはボクトウガオオハリタケとは比較していますが、イラガハリタケなどとは比較していないようです。
O.brunneinigraは最近関西で度々みつかっているハゴロモ生不明種と関係があるのではないかと思います。(写真参照)
中国で記載されているO.jinggangshanensisやC.neosuperficialisとの比較検討がされていないのが残念です。
錦田さんのは無理に当てはめればO.brunneiperitheciataかな?

No.131  投稿者:錦田   投稿日:2018年07月17日 (火) 22時19分

やはりなかなか難しいですね・・・
皆様ありがとうございました。

No.120 菌生虫草 投稿者:錦田   投稿日:2018年06月20日 (水) 23時24分 [返信]

宮城県で先日採取したタンポタケの仲間です。
一つのツチダンゴから最長5p程のストローマが10本も生えていましたが、カビのせいかポロポロ落ちて最後は1本になりました…。
検鏡結果は以下の通りです。

子嚢殻:570〜604×216〜274㎛
子嚢胞子:254〜332×2.8〜3.3㎛、16個の二次胞子に分裂
二次胞子(両端除く):13.9〜24.8㎛、紡錘形
二次胞子(両端):17.4〜26.6㎛

自分で調べた限りでは何なのか分かりませんでした。
当てはまる既知種はあるでしょうか?

No.121  投稿者:山鳥   投稿日:2018年06月21日 (木) 08時57分

錦田さん、おはようございます。

私自身は、数種しか、地下生菌の冬虫夏草を見た事が無いので
よくわかりませんが、詳細な情報をありがとうございます。
これからも宜しくお願いします。

No.122  投稿者:K.Y   投稿日:2018年06月22日 (金) 22時03分

検鏡的特徴が原記載と合わないのですが、外見はミナヅキタンポタケと私が
思っている種に似ています。
原記載は下記論文のp118にあります。
https://ci.nii.ac.jp/els/contents110000008325.pdf?id=ART0000328748
ミナヅキタンポタケは、灰色の頭部、ささくれがあり、地上に捻じれながら
長く伸びる柄、白色で折れやすい基部、宿主がアミメツチダンゴである点が特徴で、
錦田さんの写真の個体はこれらの特徴を備えているようです。
私が長野県で6月に採集していたミナヅキタンポタケとも外見的には一致します。
(イッカク通信に何度か登場するのでご覧ください)


福島県や群馬県では、8月〜10月にツチダンゴを宿主とするミナヅキも採集されて
いるようですが(例えば冬虫夏草ハンドブックのミナヅキタンポタケ)、これらは
実際にはチャボタンポタケに似ています。冬虫夏草生態図鑑のチャボタンポタケは
私が撮影したものですが、発生状況を写した方の個体は地中部が短く、ハンドブックの
ミナヅキとよく似ていました。
チャボタンポタケは若いときに頭部が被膜で覆われるのが特徴で、ignatiusさんが
福島で採集した"ミナヅキタンポタケ"で顕著です。
http://ignatius.blog3.fc2.com/blog-entry-269.html
6月に採集している真のミナヅキと思っている方では、このような顕著な被膜は
見られません。

現状、ミナヅキタンポタケはアミメツチダンゴ生で、その名の通り6月前後に発生が
見られ、夏から秋に採集されているツチダンゴ生の個体はチャボタンポタケの
可能性が高いと考えます。

No.123  投稿者:K.Y   投稿日:2018年06月22日 (金) 22時08分

余談ですが、フランスタンポタケTolypocladium rouxiiは宿主が
アミメツチダンゴで、ストローマの特徴はミナヅキタンポタケに
よく似ています。
両者の関係は調べる必要がありそうです。

No.124  投稿者:錦田   投稿日:2018年06月23日 (土) 06時57分

K.Yさん

外見的特徴はミナヅキと大分一致しているのですね。
検鏡的特徴で合致しない部分は子嚢殻のサイズかと存じますが、私の拙い検鏡作業で子嚢殻が変形してしまったのかもしれません。
無理に決定するものでもありませんが、ひとまずミナヅキタンポタケとしておきます。
貴重なご意見ありがとうございました。

No.125  投稿者:ignatius   投稿日:2018年06月24日 (日) 23時41分

K.Yさん、それではこれはチャボタンポタケだったのですね。地元の方にミナヅキと聞いていたのでミナヅキとしていたのです。以前、K.Yさんからミナヅキではないだろうとお聞きしていたのですが、それでは何なのかよくわかっていませんでした。ありがとうございました。

No.113 タンポタケの仲間 投稿者:尾道太郎   投稿日:2018年05月23日 (水) 19時40分 [返信]

広島きのこ同好会のメンバーの人が見つけたタンポタケの仲間なのですが、何だろう?
僕はヒメタンポタケだと思うのですが皆様いかがでしょうか?
近日中に乾燥標本が届くので検鏡してみようと思います。

No.114  投稿者:山鳥   投稿日:2018年05月23日 (水) 20時16分

ツチダンゴが普通と違いますね。
僕は見たことがないので、よく判りません。
検鏡結果を待ちますよ。

No.115  投稿者:尾道太郎   投稿日:2018年05月23日 (水) 20時52分

まだ乾燥標本が届いてないのですが、ツチダンゴは黒色、大きさは約5mm、表面は滑らか、とのことです。

No.116  投稿者:K.Y   投稿日:2018年05月28日 (月) 22時39分

太郎君、お久しぶりです。

昨日まで菌学会に参加していたのですが、そこで広島きのこ同好会のIさんに
お会いしました。ちょうど採集された標本(113の写真の片方)を持ってきて
おられ、検鏡写真も見せていただきました。

恐らく、アマミカイキタンポタケだと思います。
私は奄美でしか見たことがないのですが、どうやら福島の土湯温泉で初夏に
発生する「エゾタンポタケ」と同定されている種も本種のようです。だとすれば
本州にも広く分布している可能性があります。
宿主のツチダンゴは、外皮が黒色、胞子が肌色で大きく、27-30マイクロもあるのが
特徴です。実は本種は私が昔から気になっているツチダンゴで(冬虫夏草 24号 p35の
京都市産)、京都府をはじめ関西から南西諸島に広く、しかも比較的普通に発生
しているようです。やや砂質の沢沿いのシイ、カシ、コナラなどの雑木林の斜面に
見られます。
この時期は春の菌生冬虫夏草シーズンにはやや遅く、盲点となっているのかもしれません。

No.117  投稿者:山鳥   投稿日:2018年05月28日 (月) 23時59分

KYさん、ありがとうございます

明日、博物館の方へ郵送しますので、
ご確認願えればと思います。

宜しくお願いします。

No.118  投稿者:oso   投稿日:2018年06月05日 (火) 00時38分

三重県でも肌色胞子の黒いツチダンゴからアマミカイキタンポタケの発生を確認しました。
K.Y氏へ生サンプルをお送りして調べて頂く予定です。
我が家の環境でも観察しましたが胞子等の特徴も一致しています。

No.119  投稿者:山鳥   投稿日:2018年06月05日 (火) 10時02分

osoさん、おはようございます。
よろしくお願いします。

貴重な情報をありがとうございます。
広島県産の標本は、K.Yさんに届けております。
そのおりに、
本州内にも、分布するのではないかとの予想を聞いていましたが、実際に発見されている事を見て、
四国にも、有るのかも知れないと、注意するようにしたいと思います。

No.129 ありがとうございました 投稿者:尾道太郎   投稿日:2018年07月16日 (月) 09時11分

K・Yさん、山鳥様ありがとうございました。
採取した方に報告したいと思います。

No.109  投稿者:ignatius   投稿日:2018年02月08日 (木) 22時37分 [返信]

山鳥さん、K.Yさん、ありがとうございます。文字認識機能は気づかなかったので、いちいち辞書を引いて読んでいました。
ヌンチャククモタケは会誌30号で発表されていますが、明瞭なヌンチャク形ではなく、片方の端がわずかに膨らむ程度ではないかと思います。eが未熟な子嚢という考えにも同意です。
小林博士は薄い子座の上に裸生の子嚢殻を作ることなどからT.aranicidaをモモイロクモタケにしたのでしょうが、子嚢殻が黄褐色から黄橙色という点や二次胞子に分裂しないことから、当てはまらないようにおもいます。コゴメクモタケも子嚢や胞子がヌンチャククモタケに似ているので、Akanthomycesかもしれません。

No.110  投稿者:ignatius   投稿日:2018年02月08日 (木) 22時56分

No.50の菌については私もコゴメクモタケと同じような環境でしばしば見ているものと同じと思われます。私は密かにコゴメクモタケのアナモルフかもと思っていたのですが。

No.111 ヌンチャククモタケ 投稿者:K.Y   投稿日:2018年02月08日 (木) 23時22分

ignatiusさん、私はヌンチャククモタケをまだ採集したことがなく、
もちろん胞子も未見ですので、大変参考になりました。
ありがとうございます。
たしかにヌンチャククモタケの子嚢胞子は明瞭に膨らまないため、
ヌンチャク型という概念がなかった当時は、糸状と認識していても
無理はありません。

今のところ、ヌンチャク型の形質は狭義のCordyceps属内でしか
見つかっていません(昨年のKeplerらの論文参照)。
もしT.aranicidaがヌンチャク型胞子を形成する種で、他のヌンチャク
型の胞子をもつ種と同じ系統に属すなら、TorrubiellaはCordycepsの
シノニムとなってしまいますね。

No.112  投稿者:ignatius   投稿日:2018年02月09日 (金) 01時17分

えっ、K.Yさんが採集しておられないんですか?
私は2003年に最初に見つけて以来15年間で4体だけです。
最近はネットで結構たくさんの発見例を見ますが、もしかしたら検鏡しているのは武田さんと私だけなのかも。
どろんこさんなんてたくさん見つけているのだから、しっかり検鏡データ取ってほしいものです。

No.106 そっくりさん 投稿者:ignatius   投稿日:2018年02月07日 (水) 18時54分 [返信]

小林博士のトルビエラの論文に転載されていたTorrubiella aranicidaの図版です。ヌンチャククモタケにそっくりだと思うのですがいかがでしょうか?
同種は1885年記載のトルビエラ属のタイプ種ですが、この学名は清水図鑑ではモモイロクモタケに当てられています。しかし解説文を読み比べた感じではどうも別種のような気がします。
Index Fungorumで記載論文の画像が見られるので見てみてください。227ページに本文、257ページに図版。胞子の図もありますが、なんとヌンチャク形のようです。

No.107  投稿者:山鳥   投稿日:2018年02月07日 (水) 20時04分

似てるね。

No.108 Torrubiella aranicida 投稿者:K.Y   投稿日:2018年02月08日 (木) 21時06分

Index Fungorumからのリンク先は文字認識機能があり(手動で修正が必要ですが)、
これをgoogle翻訳で英語に変換して読んでみました。
記載中には胞子は糸状と書いてあるようです。
p227の最下部にある図のキャプションによれば、fが子嚢でgが胞子末端とあります。
これらを見る限り、ヌンチャク型かどうかは正直よくわからない気がします。
eは側糸と書いてありますが、実際は未熟な子嚢の頭部のようです。

仮に、ヌンチャク型ではなく糸状ということであれば、子嚢殻の付き方から、サンゴ
クモタケに近い可能性も捨てきれません。サンゴクモタケは系統がまだ不明ですが、
たぶんアカミノオグラクモタケなど、クモ生のAkanthomycesではないかと予想しています。
アカミノオグラクモタケやオグラクモタケが、しばしば宿主体表の菌糸マット上に
直接子嚢殻を形成し、トルビエラ型になることについては、本掲示板No.50にて言及しました。

No.103 Ophiocordyceps unilateralisグループの論文 投稿者:K.Y   投稿日:2018年01月09日 (火) 22時14分 [返信]

新年早々に、重要な論文が出ていたのでお知らせします。

ゾンビアントの研究でお馴染みのAraujo博士らが、世界中の標本を検討し
多数の新種を報告しています。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0166061617300593
Download full text in PDFから論文を入手できます(ただし、まだ印刷中
なので読みにくいです)。

日本産標本も検討されています。その結果、日本産のタイワンアリタケは新種
Ophiocordyceps ootakiiとして記載されています。
ちなみに、狭義のOphiocordyceps unilateralisは、レクトタイプの選定と
エピタイプ指定が行われ、結果的に分布がブラジルに限られることがはっきり
したようです(下記論文)。
http://fuse-journal.org/images/Issues/Vol1Art2.pdf

さらに、クビオレアリタケについては変種から独立種に格上げとなり(さらに
clavataはすでに他種で使用されているため)、新名Ophiocordyceps satoiが
与えられました。

イトヒキミジンアリタケについては、この論文では検討されなかったようです。
これからじっくり読んでみるつもりです。

最後になりましたが、今年も皆さまの虫草報告を楽しみにしております。
本年もよろしくお願いいたします。

No.104  投稿者:ignatius   投稿日:2018年01月10日 (水) 01時18分

すみません、この件については私にも幾分関係があります。
フェイスブックで、アメリカの女子大学生が日本でゾンビーアントが出る場所を教えて欲しいと言ってきたので京都に来たら教えてあげると冗談で答えたのですが、本当に来てしまったので案内するはめになったのです。(虫草日誌2014年7月31日の記事参照)
ちなみに採集の日付とか、私の名前とか、宿主の学名とかいろいろ間違っています。

No.105  投稿者:ignatius   投稿日:2018年01月10日 (水) 17時01分

すみません、宿主の学名は間違っていませんでした。私の勘違いです。
あと、採集地の標高とか、クビオレの採集地名とかにも間違いがあるようです。
タイワンについては清水先生が最初にタイワンで発見したものであることも文献を添えて知らせておいたのですが、反映されていないようです。
なお、イトヒキはこの日は残念ながら干からびた標本しか採れなかったのです。

No.101 Cordycipitaceaeの変更 2 投稿者:ignatius   投稿日:2017年11月25日 (土) 23時22分 [返信]

今回名前が変更 された種の内、和名があるもの、日本に産すると思われるものを抜き出してみました。抜けているものもあると思いますので、ご指摘ください。

CordycepsからAkanthomycesへ
アカミノオグラクモタケ A.coccidioperitheciatus
ガヤドリタケの仲間 A.tuberculatus

CordycepsからBeauveriaへ
マヤサンエツキムシタケ B.brongniartii
コガネムシタケ B.scarabaeidicola
ハネカクシヤドリタケ B.staphylinidicola

CordycepsからBlackwellomyces(新属)へ
ホソエノコベニムシタケ B.cardinalis

IsariaからCordycepsへ
コナサナギタケ C.farinosa
赤僵病菌 C.fumosorosea
ハナサナギタケ=ウスキサナギタケ C.tenuipes

TorrubiellaからGibellulaへ
ハトミネクモタケ G.arachnophila
ニュージーランドクモタケ G.aranearum
トルビエラ・ディモルファ(和名なし) G.dimorpha
クモノオオトガリツブタケ G.globosa
クモノエツキツブタケ G.globosostipitata
コエダクモタケ G.leiopus
トルビエラ・アラクノフィラ var.プルクラ(和名不明) G.pulchra

Akanthomyces、CordycepsからHevansia(新属)へ
ウスジロクモタケ H.arachnophila
ハスノミクモタケ H.nelumboides
アカンソミセス・ノヴォギネエンシス(和名なし) H.novoguineensis

No.102  投稿者:ignatius   投稿日:2017年11月26日 (日) 16時02分

イザリア カテニアニュラータは生態図鑑に出ていましたね。これもCordyceps cateniannulataに変わりました。
あとCordyceps amoene-rosea、Cordyceps coleopterorum、Cordyceps javanicaなども国内に産する可能性があります。

あと、正式な報告はありませんが、Hevansia cinereaと思われるものが国内で見つかっています。(画像)

No.96  Cordycipitaceaeの変更 投稿者:ignatius   投稿日:2017年11月24日 (金) 11時38分 [返信]

今朝、某SNSを見ていたら次のような論文が紹介されていました。
http://www.ingentaconnect.com/content/ima/imafung/pre-prints/content-n8_vol8_no2_article8#

Abstractしか見ていませんが、
ガヤドリがAkanthomyces、マヤサンがBeauveria、ツクツクホウシタケがCordyceps、クモ生TorrubiellaがGibellulaへという解釈でいいのでしょうか?

No.97  投稿者:K.Y   投稿日:2017年11月24日 (金) 15時23分

この論文、遂に出たか、という感想です。
Cordycipitaceaeについては、Beauveriaを残すかCordycepsに統一するかが焦点に
なっていましたが、Beauveriaを残すことになった結果、BeauveriaやCordycepsに
属さない側系統をすべて独立属とする必要性が生じたため、多数の新属が設立されています。

ホソエノコベニムシタケは、 Blackwellomyces cardinalisと変わりました。
また、ハスノミクモタケなどは、アナモルフがAkanthomycesと思われていましたが、
ガヤドリを含む狭義のAkanthomycesとは異なるクレードを形成したため、新属に移され
Hevansia nelumboidesとなりました。
Torrubiellaについては、基準種T. aranicidaの系統的位置が明らかになっていないので、
この論文ではGibellula型のアナモルフを伴うことがわかっているTorrubiellaが移されたようです。
また、Isariaとされていた種のうち、Cordycepsに属することが系統解析により判明している種
(ハナサナギタケや赤疆病菌)はCordycepsになりました。ただし、ツクツクボウシタケに
ついては、多様な系統が包含されているため保留し、今後別の論文で発表するようです。

この他にも、よく読めば色々ありそうです。

ガヤドリとマヤサンについては、ignatiusさんのコメントの通りです。

No.98  投稿者:K.Y   投稿日:2017年11月24日 (金) 15時52分

見落としがあったので追記します。
基準種T. aranicidaはLecanicilliumかSimplicillium型のアナモルフを形成し、
子嚢殻の着き方も異なるため、Gibellulaではないことが示唆されるそうです。

No.99  投稿者:K.Y   投稿日:2017年11月24日 (金) 16時33分

なお、IMA Fungusは国際菌学会のジャーナルで、オープンアクセスなので、誰でも無料で
論文を閲覧できます。
下記のサイトの上から3番目が件の論文です。
http://www.imafungus.org

No.100  投稿者:ignatius   投稿日:2017年11月24日 (金) 18時20分

K.Yさん、いろいろと教えてくださりありがとうございました。
ざっと目を通しましたが。まだまだDNAが調べられていない種類が多いようで、もやもやした感じが残る論文ですが、おおまかな感じはわかりました。
私のサイトも大幅に変えなければいけませんが、今、個展前で忙しいので、来月以降になりそうです。
またわからないことがあれば質問させていただきます。



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