獏眠のつぶやき
日々の川柳に対する思いをつぶやきたいと思います。
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この句、番傘川柳本社副幹事長、森中惠美子先生の句です。この句の「養命酒」という言葉は、養命酒製造(株)の登録商標です。例えば、「宅急便」はヤマト運輸の商標だから「宅配便」を使うようにという具合に、川柳の入門書では商標は詠み込まないことが書かれています。この句の場合、商標を使わなければ「薬用酒」となりますが、養命酒の薬臭い独特の匂いを表現することはできません。短歌の世界でも、俵万智の25年前の「サラダ記念日」の歌に 「嫁さんになれよ」だなんてカンチューハイ二本で言ってしまっていいのという歌がありますが、「カンチューハイ」は宝酒造の商標です。しかし、この歌も「カンチューハイ」でなければ、雰囲気のでない歌です。 川柳でも、これしかないと言う今の世相を反映した言葉は、商標であっても使って良いのではないかと思います。 虫食い川柳の目的は、1.句の一部だけを考えて貰うことで、色々な人の発想を理解しやすい、(句会の課題吟では、句全体の比較になるので、人の発想まで感じ取ることが難しいため)2.原句の句を味わうことで、川柳の知識を深める、という二点でやっています。ですから、原句の言葉を正解とは言っていません。あくまでも原句として掲載しています。例えば、今回のように原句の5音字を当てることなど、余程のヒントか、その句を知らない限り、原句の言葉を言い当てることは無理です。 そのため、色々な発想が考えられると思われる句を選んでいます。また、原句としても句の鑑賞のためになるものを基準に選んでいます。 実際、平番の句会後の勉強会で同じことをやっています。
やっと先生の意図を、理解することができました。しかしそこまで分かって下さる方がいらっしゃるでしょうか?養命酒に母の匂いを感じる方がどれだけおいでますか?私は甘酒に母の匂いを思い出す未だかつて母の作った物以外口にした事がありません
久美様 ご理解ありがとうございました。 正直言って、色々な発想の出てくる句を探すのが大変です。特に、句集になったものから選び出していますので、どうしても、そこに相応しい言葉が詠まれている中で探すと、一冊で1句か2句位しか無いのが実態です。 養命酒で母親を感じ取れるのは、多分森中惠美子先生ぐらいだと思います。 久美さんの「甘酒」もまた、久美さんの育った環境の中での、久美さんの感じるお母さんの匂いだと思います。川柳に何も正解など無いと思います。それはその人その人の個性だと思います。誰もが同じ感じ方をするならば、どんな川柳を作っても、同想句が出てくると思います。 それゆえに、川柳は楽しいと思えるのです。
養命酒は我が家にもありました。そのため「なるほど」と思いました。少しでも自分で考える機会をもつことができたので原句をみてしみじみと感じることができました。添削ありがとうございました。勉強になりました。