この句は、大阪の岩田明子先生の句です。見ず知らずの赤の他人が、何かの縁で結婚し、一つ屋根の下で暮らすようになる。ラブラブの新婚さんの間は良いとしても、段々お互いの隠れた七癖も見えてくるようになる。そして迎えるのが倦怠期です。
倦怠期を乗り切るには、ある意味「親しき仲にも礼儀あり」が必要となります。この句ではそれを「演出もいる」とその処方箋を出されています。お互いに、時として良い夫婦を演じることによって、夫婦の関係が円満になる秘訣のようです。
上五の「ときどきは」という言葉は、いつもかしこも演技をしていたのではやってられないけど、たまに、そのような夫婦の演出をすることによって、新鮮さを取り戻すことができる。しかし、その頻度にも絶妙のバランス感覚が必要だと詠まれているように感じます。
削除されましたが、久美さんの確か「夫婦仲」だったと思いますが、もしかすると、新婚当初から、たまに演出(思いやり)に気を付けていれば、倦怠期も訪れないのかも知れませんね。
人間関係全般に渡って、演出も必要だと思います。例えば、会社勤めの立場で詠めば、「宮仕え」という言葉も浮かんできます。でも、一番身近な人への演出が、全てのバランスを保つ上で必要だとも思います。