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No.475 騎士ガンダム戦記 フェイズ306「夜の森」 投稿者:GX−9900   投稿日:2015年12月07日 (月) 22時28分 [返信]

グレムリーに単独潜入中のリーナスはレイブンのアジト近くでレイブンを見張っていた。そして夜を迎えようとしていた。

リーナス「小鳥・・・ねえ・・・」
リーナスは自分の後ろに現れた小鳥を見る。伝書鳩でもいれば味方に情報を与えることができるはずだった。だが目の前にいる鳥は鳩でもない。ただの雀だ。
リーナス「ねえ・・・あなた・・・ある人たちに伝えたいことが・・・」
だが小鳥はそんな言葉を聞かずに飛んでいってしまう。
リーナス「所詮普通の鳥には無理か・・・」
通常の生命体には人間やMS族の言葉は通じないのだ。
リーナス「あはははは・・・ダメか・・・ん?」
その時、リーナスは茂みの向こうから何かの気配を察した。彼女は剣を構える。
リーナス「はっ!」
出てきたのは凶暴な虎であった。
リーナス「普通の生物・・・モンスターじゃないわね・・・」
そして虎は襲ってくる。リーナスを夕飯にするつもりだろう。だが彼女は黙ってやられるつもりは無い。
リーナス「たあ!」
リーナスの一太刀で虎は倒れた。
リーナス「ふう・・・危なかった・・・」
どうやらこの森には野生の動物がいるらしい。危険だ。
リーナス「レイブンを倒す前にただの生物にやられてたまるものですか!」

その夜

虎の亡骸を地面に埋めた頃にはもう日は沈んでいた。
リーナス「流石に夜は冷えるわね」
リーナスは焚き火を起こしながら呟いた。もはや空は暗黒の夜だった。両脇にはボーガンと剣が置いてあった。それはいつ敵襲にあってもいいように防衛に備えていた。そして今は警戒モードだ。
リーナス「この森・・・何が出てくるのやら・・・」
リーナスは晩飯のスティックパンを食べながら周囲を見渡す。
リーナス「大丈夫ね・・・今の所は・・・」
そしてパンを食べ終わると寝転がった。
リーナス「あ・・・」
リーナスは夜空を見上げた。綺麗な星空であった。
リーナス「いい空ね・・・」
リーナスは星空を見て警戒が少し緩まった。
リーナス「この星空は昔から変わっているのかな?あれをもっと近くで見たいなあ」
リーナスはあの空の向こうに何があるのか知らない。空の向こうにはきっと何かがあるのかもしれない。広い空。そして世界も広いと言う。このリグ地方もその世界の一部分に過ぎないのだ。このスダ・ドアカワールドの全貌が見てみたくなった気がした。
リーナス「空も広ければ世界も広いんだね・・・」
いっそ世界中を旅してみたいと思っていた。だが今はそんな場合じゃない。レイブンを倒さねばならないのだ。
リーナス「そんな事してる場合じゃないよね・・・」
その時、茂みで何かが蠢いた。
リーナス「!!」
リーナスは剣を取った。そして茂みから出てきたのは熊だ。モンスターじゃない。普通の熊だ。
熊「ぐるるるるる」
熊はうなる。
リーナス「何かしら?森の熊さん・・・」
熊「ぐるぁああ!」
熊は吼えるとリーナスに襲い掛かった。
リーナス「うおっと!」
リーナスは熊の突進を避けると剣で熊を刺した。急所に直撃だ。熊は倒れて動けなくなった。
リーナス「ごめんなさいね・・・襲ってきたあなたが悪いんだから・・・」
リーナスは熊にすまないと思っていた。そしてさっきの虎にもすまないと思い始めた。

グレムリー首都の宿

その頃Gセイバー達、潜入部隊はグレムリー首都の宿にいた。
ナイトシーカーA「ペズン砦には奴の姿は無かったようだな・・・覗いた限りでは」
ナイトシーカーB「一応伝令役がコアピジョンの待機している場所に行きましたが・・・大丈夫かな?」
コアピジョン達が潜入部隊突入と共にグレムリー国内に潜入していた。そして伝令役としてナイトシーカーCがコアピジョンへ報告の手紙を届けに行っていた。
Gセイバー「首都にはリーナスがいなかったようだが・・・やっぱり無理か・・・まさか捕まっているって可能性が・・・」
ナイトシーカーB「弱気にならないでくださいよ!奴が捕まっているわけが・・・」
ナイトシーカーA「と言うかアイツの容姿は敵にも知れ渡っているからあのままじゃ速攻で捕まる。多分変装してるんじゃないのか?変装道具まで持っていったようだし・・・」
Gセイバー「ああ・・・ばれていないといいがな・・・」
そう言っていながらも夜は更けていく。

その頃リーナスは・・・

リーナス「うわっ!蜘蛛!」
リーナスは仕留めた熊を茂みに隠した。明日の朝飯にするつもりだ。隠している途中に蜘蛛と遭遇した。普通の蜘蛛だ。
リーナス「えええい!」
リーナスは剣で蜘蛛を真っ二つにした。
リーナス「はあ・・・やっかいね・・・この森は・・・」
そして火を消して寝ようと思った。
リーナス「おやすみなさい・・・」

続く




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