リーナスはペズン砦への潜入を試みる。
リーナス「さあて・・・どうしようかしら?」 ちょうど良い所に人類族の兵士を発見した。見張り役のようだ。ただ一人だ。 リーナス「よし!」 リーナスは林に隠れてわざと音を出した。 兵士「ん?何だ?」 兵士が近寄る。 リーナス「よし・・・」 兵士「誰かいるのか?」 そして・・・ リーナス「ビット」 リーナスはその兵士に気絶魔法ビットをかけた。 リーナス「よし!」 リーナスはその兵士の服を頂いて兵士を森の奥へとおいていった。縛り上げてだ。リーナスは兵士に変装した。 リーナス「よし・・・これで潜入できるかも!」 そう言って兵士に変装したリーナスはペズン砦へと潜入する。
ペズン砦内部
リーナス「ここがペズン砦か・・・」 前に来たプリムス砦と同じくらいの大きさで構造は違うがしっかりとした作りだ。 リーナス(この中に奴が・・・) その時、目の前に知っている奴がいた。 リーナス(あれは・・・騎士ヴィッシュ!!) ヴィッシュだ。最近見ていなかったが間違いなくヴィッシュだ。 ヴィッシュ「どうした?」 リーナス「いえ!滅相もありません!ヴィッシュ殿!」 ヴィッシュ「そうか・・・」 ヴィッシュは何か悩んでいるような表情だった。 リーナス「どうしました?」 ヴィッシュ「実はお前も知っていると思うがあのマリオンが使い魔達と共に反乱を起こした」 リーナス「ああ・・・その様ですね・・・」 ヴィッシュ「私は奴が反乱を起こすような女とは思わないのだ・・・それが気がかりだ・・・事実司令官が彼女に襲われたと言うのだし・・・何がなんだかわからんのだ・・・」 リーナス「はあ・・・」 ヴィッシュ「私もマリオンの上司だ。あいつのせいで色々と苦労するよ・・・」 リーナス「ご苦労様です!」 ヴィッシュ「まったく・・・ガイアへの総攻撃の準備をしている最中なのに・・・」 リーナス(!?総攻撃!?) リーナスは心の中で驚く。グレムリーはどうやらガイアへの攻撃を再び始めるつもりのようだ。 リーナス「そうですね・・・それでは・・・!」 兵士に扮したリーナスはヴィッシュと別れを告げる。ヴィッシュはリーナスの事に気づいていないようだ。 リーナス(どうやら大丈夫かも・・・ヘルメット被ってるからばれてない) リーナスは砦内部を移動する。レイブンを探している。 ふと、ある部屋を見つける。表札に目が止まった。 その表札には「スカーレットキュベレイ」と書かれていた。 リーナス(スカーレットキュベレイの部屋ですって・・・) あのスカーレットCの部屋だと言うのだ。中からスカーレットの声がする。よく聞こえないが。 リーナス(気にはなるけど・・・レイブンを探さないと・・・) リーナスは去っていく。
スカーレットCの部屋
スカーレットC「ま・・・まさか・・・驚きね・・・」 スカーレットはマリオンの部屋から持ち出した日記を見て驚愕していた。 それは自分達が追い続けるあのリーナスと言う娘の誕生にまつわるものであった。 スカーレットC「どうりでレイブン司令官が捕獲しようとするわけだわ・・・逃げ出した上によりによってガイアに取られちゃった・・・どうしよう・・・」 スカーレットはとんでもない事を知って戸惑っている。こんな気持ちは初めてだ。もしかしたら自分は知ってはいけないことを知ってしまった。そんな事を彼女は思った。いつもはニヤニヤしている彼女だが・・・ スカーレットC「もしかしてマリオンちゃんはこれを知ってしまったが為に司令官に・・・!?」 もしこれがレイブン司令にばれれば確実に彼女は消されるだろう・・・彼女は恐怖を感じた。
ペズン砦通路
リーナスは案内マップを見て司令官がいそうな所へ向かった。司令室だ。 リーナス(どうやら奴はそこにいるかも) 案の定、前方にエリアルド王子を発見した。そしてその近くにはフードを被ったレイブンもいる。 リーナス(見つけた!) そして二人は部屋へと入っていった。 リーナス(遅かった・・・) リーナスは巡回する兵士のふりをしてその部屋の周囲を回ることにする。奴が出るまで・・・
司令室
エリアルドはレイブンと話を始める。緊迫とした空気が部屋に流れる。 エリアルド「何やら部下が反乱を起こしたらしいな・・・」 レイブン「ええ・・・どういうわけか・・・」 エリアルド「マリオンだったか・・・アイツは何を考えて・・・」 レイブン「我ながら得体の知れない部下ですよ」 エリアルド「得体の知れない・・・それはお前も同じかもしれないね」 レイブン「何を仰っているのですか・・・」 エリアルド「父上に忠誠を誓っているようだがやっぱり何か怪しい・・・」 レイブン「何故です?キルケーの件に関してですか?」 エリアルド「あの娘の事は俺も分かってるけど・・・お前は何がしたいのだ?」 レイブン「何がって・・・それは決まっております!この国の為に!」 エリアルド「本当にこのグレムリー公国の為に?本当は・・・自分の為とか?」 レイブン「いやいや・・・それは無いです。見も心もこの国に捧げる所存です」 エリアルド「そうか・・・」 レイブン「それに近々ガイアに攻勢でもかけようかなと思っていましてね・・・ギレン王への忠誠の証としてね」 エリアルド「それは聞いている。今日から準備しているそうだな」 レイブン「ええ・・・あの娘もついでに頂きますよ・・・ふふふふふ・・・」 レイブンは不気味に笑うのだった。 エリアルド「それでは、俺はおいたましよう。準備で忙しいのにすまないな」 レイブン「いえいえ!どんな時でも王子が来られれば大歓迎ですよ。仕事もはかどれるかも知れませんし士気だって高まるかもしれません」 エリアルド「そうか。それでは頼んだぞ」 レイブン「はっ!」 だがレイブンは心の中では呟く。 レイブン(何もかも本当は私のためなのだよ・・・だがもう時間が無いのだろうか?)
続く
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