グレムリー公国軍ペズン砦
司令官「またしても失敗です・・・」 ギレン「のようだな・・・まったく・・・」 司令官「もうしわけございません」 ギレン王と黒いフードの司令官がある部屋で面談をしていた。これまでの度重なる失敗に関する話だ。 ギレン「我が息子も傷付いた、これ以上はいかんのではないのか!?」 司令官「わかっております・・・王子を酷い目に合わせてしまった事は申し訳ございません」 ギレン「何度も聞いたぞ、その言葉」 司令官「ええ・・・」 ギレン「キルケー文明とリーナスとか言う娘に固執しすぎではないのか?」 司令官「そうでしょうか?」 ギレン「うむ、最近は何気にキルケー文明に固執しているような気がする、それにあの娘は本当にキルケーの最重要人物だと言うのか?」 司令官「ええ・・・一応はね・・・」 ギレン「一応は・・・か」 ギレンは司令官に疑念の視線を向けた。 ギレン「少しの間は大掛かりな作戦はしないようにせんとな」 司令官「・・・確かにね・・・偵察くらいにしておきますよ」 ギレン「それはそうといい加減に部下の前でも素顔を見せたらどうだ?闇卿(ダークロード)レイブンよ」 司令官「!・・・」 ギレン「以前私の前で素顔を見せたが・・・部下達の前ではまったく素顔を見せてない・・・何故だ?」 司令官レイブン「まあね・・・恥ずかしいのですよ・・・」 ギレン「ほお・・・」 レイブン「それでは私は忙しいのでここで・・・申し訳ございませんね」 レイブンと呼ばれた司令官は部屋から去っていく。 ギレン「・・・レイブンよ・・・どうせ貴様は何か野心を隠す為にフードを被っているのだろう・・・」 ギレンはレイブンが去った後に呟く。
通路
ヴィッシュ「おや司令官」 司令官「おおヴィッシュか」 ヴィッシュ「王様との話は終わったのですか?」 司令官「まあな」 ヴィッシュ「はあ・・・にしては早かったような・・・」 司令官「話が早く終わったのだ、最近の事でぐちぐち言われた」 ヴィッシュ「ご苦労様です」 司令官「それで・・・今後しばらくは偵察のみにしようかとな」 ヴィッシュ「と言うと?」 司令官「ガイアの監視だ、場合によってはリーナスを攫って来れば良い」 ヴィッシュ「リーナス・・・また彼女か・・・本当に彼女は重要な人物なのですか?確かに彼女は強力な魔力を持っているようですが・・・何故にそこまで固執するんですか?」 司令官「それを貴様が知る必要は無い」 ヴィッシュ「はぁ・・・」 司令官「余計な詮索はするな、すれば貴様を処断する」 ヴィッシュ「はっ!申し訳ありません!!」 司令官「うむ・・・よろしい・・・」 司令官はヴィッシュと共に司令室へ向かう。部下達に指示を出す為だ。 司令官レイブン(私の事を調べようとしている奴がいるかも知れんな・・・この軍団の中に・・・!)
続く
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