悲しみにくれるリーナスにサードは同情した。彼もまた同じように友を亡くしたのだ。
リーナス「そう言えばそうだったね・・・」 サード「ええ、それにあれはサードが起こしたようなものです」 リーナス「・・・らしいね・・・」
リグ地方がジオンの侵略にさらされていた頃・・・サードはワトホート街の守備隊の隊員だった。隊長は兄セカンドセイバーだ。ある日街の守備隊と同じ規模の敵部隊が接近していると言う報告を受けて守備隊は全兵力を持って迎撃に当たった。このとき優勢で有頂天になっていたサードは敵指揮官を発見し、それを撃滅した。だがその間にワトホートは敵の別働隊に攻撃された。 守備隊が急いで戻り、防衛戦に突入した。かろうじて敵部隊は撃退できた。だが街は半壊、多数の死者が出た。その中にはサードと親しかった少年達も含まれていたと言う。
サード「・・・サードが敵の指揮官を見つけてそいつを集中攻撃するなどと進言したから・・・」 リーナス「多分サードは悪くないと思うと・・・」 サード「そうでしょうかね・・・」 リーナス「それで・・・あなたは・・・」 サード「なんだか自分を鍛えたい上に一人になって考えたくなりましてな・・・」 リーナス「それが一人旅の理由・・・」 サードの言葉にリーナスは聞く。あの修行の旅は彼にとっての傷心旅行だったのかもしれない。だから彼がリーナスの護衛に付いたのだと。同情の念だったのかと改めて感じた。 リーナス「ねえサード、それで・・・何か結論とか旅の結果とか・・・出た?」 サード「まあね、出ましたよ」 リーナス「それは?」 サード「過去の事ばかり気にしてるよりも目の前の事、即ち今をどうにかする・・・ですかね・・・」 リーナス「え?・・・」 サード「まぁあの旅でちょっと酷い目に合いましたよ・・・過去の事よりそれをどうにかすることを優先するように・・・」 リーナス「そ・・・そうなんだ・・・」 サード「まぁ人生は色々とあるのです、リーちゃんも記憶パーでも頑張るしかないでしょう、今をどう生きるか」 リーナス「う・・・うん・・・」 だがリーナスの心にはまだレスターの事があった。 リーナス(・・・レスター・・・私は・・・頑張れるだろうか・・・?) リーナスは腰にぶら下げたレスターのボーガンを触った。
続く
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