アデレードの森でのガイア軍とジオン・グレムリー軍の戦い。先日の戦いでグレムリーに酷い目に会わされた盗賊王戦士バーンドライセンは秘密兵器を持参して戦場に介入しようとしていた。だが・・・
バーンドライセン「うむ・・・こいつを使うには・・・奴が必要だ・・・」 バーンドライセンはリーナスを木陰から見つめる。他人から見ればストーカーみたいに見えるだろう。 バーンドライセン「よし・・・隙を見て捕えるか・・・」 バーンドライセンは気配を殺してリーナスに近づく。リーナスは気付かない。と言うか戦闘に集中していてバーンドライセンなどに気付いていない。 リーナス「てりゃあ!」 リーナスは戦士ドムと交戦中だ。 ドム「おりゃあ!」 ドムがアックスを振り下げる。だがリーナスはそれをかわす。 リーナス「おっと・・・!」 ドム「・・・ちょこまかと!」 リーナス「ふふん!私は黙って捕まらないから!けど・・・私を傷つけたらどうするの?」 リーナスは敵を挑発する。 ドム「いい度胸だな!」 ドムがアックスを振りかざして襲い掛かる。リーナスは剣を構える。 リーナス「来る!・・・」 そのときだ、彼女の後ろからロープが飛び出したのは。 リーナス「!?」 ロープはリーナスを絡め取ってそのままリーナス共々林の中に消えた。 ドム「な!?」 そしてその林からナイフが飛び出しドムの頭部目掛けて刺さった。 ドム「ぐあっ!」 ドムは倒れた。誰もこの事に気付いてはいなかったりする・・・
リーナス「な・・・何!?何なの!?」 リーナスは少しパニックに陥った。そして口を塞がれる。 リーナス「もが!・・・もが・・・!(訳:一体・・・誰よ・・・!)」 バーンドライセン「俺だよ」 リーナス「もがっ・・・もがっもごっ!(訳:あ・・・あなたは!)」 バーンドライセン「静かにしろよ・・・すれば口から手を離すよ」 リーナスはとりあえず静かにした。そしてバーンドライセンは手をリーナスの口から離す。 リーナス「はぁはぁ・・・バーンドライセン・・・どういうつもりかしら・・・」 バーンドライセン「あのグレムリーの青二才王子を叩くのに手を貸せ」 リーナス「今戦ってたのに・・・」 バーンドライセン「まぁ聞け、見ろ」 バーンドライセンは大砲を見せた。 リーナス「これは・・・」 バーンドライセン「マジカノンって言う」 リーナス「マジカノン・・・?」 バーンドライセン「前に部下が盗んできたものなんだがコイツはすげえ魔力を秘めてるらしいぜ・・・ただ・・・」 リーナス「ただ?」 バーンドライセン「コイツを作動させるには魔道師か魔法使いが必要でな・・・」 リーナス「それで・・・私を・・・」 リーナスは悟った、この盗賊は私を利用し、この兵器を起動、そしてグレムリー軍もガイア軍も殲滅するつもりなのだろうと。仲間殺しに加担するつもりなどリーナスには無い。 バーンドライセン「そういうことだ」 リーナス「嫌、どうせ作動させたらグレムリー軍だけじゃなくガイア軍まで潰すつもりでしょ」 バーンドライセン「む・・・」 バーンドライセンはガイア軍を潰すつもりは無い。あくまでグレムリー軍だけを叩きたいだけだ。 バーンドライセン「俺はそんなつもりは今の所無い・・・」 リーナス「今の所・・・?怪しい・・・」 リーナスはバーンドライセンを睨んだ目で見ていた。 バーンドライセン「ガイアの奴等も・・・潰したいが・・・ぐっ!」 傷が痛み出したようだ。 リーナス「ちょ・・・大丈夫なの?」 バーンドライセン「まあな・・・」 リーナスはマジカノンと呼ばれた大砲を睨むように見つめる。 リーナス「大体こんなの・・・ん?・・・」 リーナスはマジカノンを見つめた。この大砲の表面に文字があった。 リーナス「これ・・・この文字はキルケー文字!?・・・」 そう、その文字は古代キルケーの文字であった。リーナスは知っている、これは彼女の腹部と掌に浮かんでくる文字と同じだ。 リーナスは悟った。これもキルケーの遺産ではないかと。 リーナス「これ・・・どこで手に入れたのよ?・・・」 バーンドライセン「だから部下が盗んできた・・・どっかの盗掘品だとか」 リーナス「へえ・・・ならば協力するわよ・・・」 バーンドライセン「そうか・・・」 リーナス「ただし条件があるわ・・・」 バーンドライセン「なんだ?」 リーナス「ガイア軍には攻撃しないで・・・」 バーンドライセン「む・・・」 リーナス「仲間を・・・手にかけたくないから・・・」
ついにマジカノンが火を吹こうとする!果たしてマジカノンはキルケーの遺産なのだろうか?
続く
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