001:月 五十嵐きよみ 2003年02月01日 (土) 00時00分 冬空に薄切りレモンの色の月 いざや漕ぎ出せ百首の海へ
題詠マラソン2003のスタートを切った一首。 今になってやっと、この歌にどれだけの思いが込められていたか少しは分かったような気がします。五十嵐さんの歌は、いつも明るいなあ。
001:月 斉藤斎藤 2003年02月01日 (土) 00時13分 歩行者用押ボタン式信号の青の男の五歩先に月
題詠マラソン2003のヒーローの一人だった斉藤斎藤さん。一首目からこんなに巧かったんですねえ。
001:月 ひぐらしひなつ 2003年02月01日 (土) 00時36分 中天に月しらじらと今宵またあなたの舟に櫂だけがある
昨年は第一歌集を発刊されたひぐらしひなつさん。 この人の歌はなぜこんなにも美しくて透明なんでしょうか。今年の出走歌もとても楽しみです。
006:脱ぐ 花笠海月 2003年02月01日 (土) 01時46分 脱ぐために着る服を買うよくはれた土曜出勤帰りの夜に
今年も既に完走されている花笠海月さん。 歌の速さもさることながら、歌の質の安定感に驚かされます。必ず最低1か所は仕掛けが組んであるんだよな。
001:月 荒川美代子 2003年02月01日 (土) 02時19分 おつかいのかみをなくしたりゅうのこがまだないている月のうらがわ
「ひらがな使いの達人」と命名しましたっけね。(笑) 荒川さん、今年はどんな歌を見せてくれるのかな〜
002:輪 夏己はづき 2003年02月01日 (土) 04時53分 大昔夜店で買った指輪にはそのときだけの魔法があった
みずみずしい歌を作る人、という印象があります。 この歌も発想はそれほど奇抜ではないですけれど、それだけに素直に共感できる。下の句が好きです。
005:音 藤原龍一郎 2003年02月01日 (土) 10時57分 音楽として性感はあるものを飯島愛の本の山積み
すみません、去年もこの歌拾いました。(^_^;) 人名縛りで見事に完走された藤龍さま。上の句の洞察、下の句への流れ。お見事ですね。
008:足りる 足立尚彦 2003年02月01日 (土) 13時51分 「足りない」と「余る」が同時に過去形となつてゴミの日ゴミらしくなる
足立さん、ゴミの歌お好きですね〜(笑) この方の皮肉は明るいから好きです。全然湿っぽくないんだよね。
001:月 萩原留衣 2003年02月01日 (土) 14時18分 満月の夜に扉を締めたなら密室人魚をゆっくり放つ
人魚にもいろいろな種類があるんだな、と思ってしまった歌。「密室人魚」とか「乾燥人魚」とか。不思議に青い。
001:月 梨乃 礫 2003年02月01日 (土) 15時37分 喧嘩して電話を切って三日目に月見うどんのきみを見つめる
梨野さん、 きみって「君」ですか?「黄身」ですか?(笑) 「源氏の君」みたいに「月見うどんの君」だったら面白いなあ。(^^)
008:足りる 神崎ハルミ 2003年02月01日 (土) 16時44分 たわむれに「足りているか」と訊いているイエスのようなティッシュ配りだ
神崎さんもティッシュの歌お好きですよね? (違うか^^;) 四句までが全て結句に掛かるテクニカルな歌。すごく納得できる光景。
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