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改めて題詠マラソン2003・私的感想掲示板

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過去ログ13より。
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006:脱ぐ 塩谷風月 2003年02月11日 (火) 13時50分
セーターを脱ぐときのきみあたりまえのような顔して山茶花が咲く

「当たり前のような顔して」は前にも後ろにも掛かるのかな。
それとも山茶花だけでしょうか。確かにあの花はそんな感じ。

009:休み(再投稿) 近藤かすみ 2003年02月11日 (火) 14時11分
頤の捩子を外して昼休みサイバードールに木漏れ陽はふる

かすみさんは真っ直ぐで優しい歌を作る人。
サイバードールも疲れるんだろうなあ。

034:誘惑 藤原龍一郎 2003年02月11日 (火) 16時14分
文学の甘美なそして剣呑な誘惑として森茉莉が居る

「剣呑な」が秀逸。
どうせ生きるならあんな風に死んでみたい。

056:野 森川菜月 2003年02月11日 (火) 16時19分
野良猫も野良犬もまだ野良にゐた昭和五年は父の生(あ)れ年

野はなくなって言葉だけが残る。
かろうじてまだ野良仕事は健在かな。

050:南瓜 飛永京 2003年02月11日 (火) 16時50分
ハロウィンは明日だぞジョー見逃すな力石徹の南瓜はどっちだ

す、すいません。これ選んでもいいですか?(爆)

014:段ボール ひぐらしひなつ 2003年02月11日 (火) 17時33分
土砂降りの雨に打たれて段ボールはもう羽搏けぬ水鳥と化す

段ボールは、
鳥になった時にはもう羽ばたけないんですね。
飛べない鳥は美しい廃棄物。しかも水鳥ならもっと。

048:死 立花るつ 2003年02月11日 (火) 17時55分
犬の死を電話で聞きて真っ白な頭で幾度も靴を磨けり

結句の「靴を磨けり」がリアル。
意味がないようで意味があるそうな無意識の行動。

065:光 向日葵 2003年02月11日 (火) 21時57分
チカチカと蛍光灯がなる時の未練がましい光り方が好き

これも去年取ったような気がするなあ。
「未練がましい光り方が好き」が好き。(^^)

027:忘れる 青山みのり 2003年02月11日 (火) 22時27分
薬指すいと切りたるヒメジョオン 忘るることも強さなりけり

巧すぎるから取らずにおこうかと思ったけど、
やっぱり取りました。もうひと味欲しいかも。贅沢?(^_^;)

031:猫 高見里香 2003年02月11日 (火) 23時11分
おはなしの途中で寝ました猫なのか狼なのか分からないまま

この歌、やっぱり好きだなあ。(^^)
どんなお話だったのかすごく気になります。

017:雲 五十嵐きよみ 2003年02月11日 (火) 23時36分
出雲行き列車が通過する駅にこの夏もまたダリアが咲けり

キーワードは「出雲」と「ダリア」。
五十嵐さんは今年もダリアの歌を出しておられます。

015:葉 ひぐらしひなつ 2003年02月12日 (水) 07時37分
葉桜の匂える朝の肩先を掠めて、きみのクラウチングスタート

何も言いたくなくなりますね。こういう歌は。(^^)

096:石鹸 向日葵 2003年02月12日 (水) 08時51分
「石鹸がしなるようにくねってるよ」 「溶けるって苦しいのかな」

苦しいんでしょうかねえ。
気持ちよさそうな気もしますが。ああ、同じことか。
No.17 2004年03月07日 (日) 23時15分

 

過去ログ12より。
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009:休み 矢野伎理子 2003年02月10日 (月) 00時04分
休み明け病んでるサインを太腿に貼り付け歩く 誰か気付いて

どんなサインなんでしょうか。
歩きぶりなのかも知れないし、もしかしたら青痣かも知れない。
それはおそらく外からは見えない。でも誰かに気づいて欲しい。
貼り付けた場所が「太腿」なのが微妙な心理を表していると思いました。セクシャルですよね。タイトスカートの下で気怠そうに動く太腿、みたいな感じ。

004:木曜 春村 蓬 2003年02月10日 (月) 01時58分
ひいやりと貝釦が顎に触れる 木曜島は満ち潮らしい

優しい美学。服を着るところか、脱ぐところか。
木曜島はオーストラリアにあります。明治時代から戦前にかけて、多くの日本人がこの島で真珠採取に従事し、そして命を落としたそうな。
http://www.tanken.com/moku1.html

009:休み 荒川美代子 2003年02月10日 (月) 02時27分
じんせいに休みはなくてぶつだんのいもうと今日もつくりわらいで

荒川さんの歌には湿った血の怖さみたいものを感じるんですけど、これもそう。遺影が作り笑いをするわけはないのですが、作り笑いに見えるんですね。死者も大変です。

004:木曜 ゆらゆら 2003年02月10日 (月) 09時55分
マフラーのふいに解けてしまいたる木曜午後の どこにいてもひとり

ご存じの方はご存じかも知れませんが、わが妻の歌です。(笑)
去年は「まぼろしの鼓膜」の歌を選んだので、今年はこちらを。
この人はものすごい寂しがり屋でして、どこにいてもひとりなんです。でも、本当はみんなそうなんだよね。そう思わないようにしているだけで。

019:蒟蒻 浦奈保美 2003年02月10日 (月) 15時07分
やわらかさや
しなやかさ
必ず対極はあるわけで

輸入増価格低迷所得危機蒟蒻群馬産地崩壊

詞書きとの距離、漢字のみで作られた歌、しかもお題が蒟蒻。巧いですねえ。

007:ふと 井口一夫 2003年02月11日 (火) 11時15分
蘖と書きだしてふと振り返るたかが午睡の**かも知れず

「たかが」に一票。(^^)
「蘖」は「ひこばえ」。樹木の切り株や根元から群がり生える若芽。又生え。春の季語。

032:星 藤原龍一郎 2003年02月11日 (火) 11時33分
星条旗にただ単純にあこがれてテディ片岡を読んでいた頃

片岡義男ばっかり読んでいた時期がありまして。
植草甚一も好きだったなあ。高校生くらいの頃の話です。
No.16 2004年03月07日 (日) 21時45分

 

過去ログ11より。
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さんまをさばいてから来ました。
さんまとお漬け物は食い合わせが悪いそうです。
でもそんな時の強い味方は庶民の友だち・大根。
大根さえ食べれば食い合わせは防げるそうです。大根エラい。(笑)

019:蒟蒻 宵闇 2003年02月08日 (土) 21時46分
おでん鍋ハートに型抜く蒟蒻の君が外側私は内側

こんにゃくって捩ったことはあるけど型抜きしたことはないなあ。
こんなに手の込んだことができるのは毎日の食事じゃないですね。
外側もちゃんと食べるのは偉い。最初は片思いの歌かと思ったんですけど、
もし型抜きしたのが「君」だったらこれはノロけの歌になるかも。

008:足りる 笹田かなえ 2003年02月08日 (土) 23時06分
たましいが充ち足りるとき誰か死ぬような気がして声は出さない

この歌、去年も取りました。
その時は性愛の歌かと思ったんですけど、どうなのかな。
作者のたましいはどんなときに充ち足りるんだろうか。

065:光 浜田道子 2003年02月08日 (土) 23時08分
老い母に付き添い来たる旅の宿日は光りつつ海に没りゆく

結句の「没りゆく」をどう読むか、
というご質問を希理子ねえさんから受けた歌。
作者の浜田さんが教えて下さいました。「うみにいりゆく」。
歌のどこにも無駄というものがないですね。

009:休み   啓小出学 2003年02月09日 (日) 02時13分
休みなく回る地球よいつ眠りいつ孕みしか 祖母も病みたり

これも確か取ったなあ。
結句の「祖母も病みたり」に何度読んでも驚かされます。

011:イオン ぶらねこ落合 2003年02月09日 (日) 02時17分
東京にみれんはないがめくるめくプラスイオンは我を呼びたり

不思議な歌だなあ、と。
「めくるめく」でかろうじて繋がる前半と後半。

074:キャラメル 舟橋剛二 2003年02月09日 (日) 05時49分
甘すぎるキャラメルなのに止まらない 誰かをきっと思い出してる

舟橋さんのラストスパートの中から一首。
自分のことなのに自分から少し遠い下の句がいい。

039:贅肉 森川菜月 2003年02月09日 (日) 12時55分
贅肉は三十一(みそひと)文字にさへ巣食ふだから俳句に憧れてゐる

うん、短歌は長いですよね。かなり長い。
だから下の句で上の句を説明してくどくなったりしちゃう。
俳句には憧れますね。あたしは季語が選べないから駄目だけど。(^_^;)

008:足りる 新田瑛 2003年02月09日 (日) 18時35分
足りないって思ったの だから足してみたの そしたらこんなに大きくなったの

うわー怖いよー!
と思っちゃったんですけどなんで怖かったのかな?(謎)
彼女から妊娠を告げられる気の弱い彼氏みたいな気持ちになったんだよね〜

091:煙 斉藤斎藤 2003年02月09日 (日) 19時14分
喫煙所にため息を吐く中年よおれでよければ聞き流すけど

斉藤さんって、本当に優しいよねえ。(笑)

019:蒟蒻 春日山 2003年02月09日 (日) 21時26分
幼き日祭りの夜におでん買ひ
     蒟蒻落とし寂しかりしよ

こういうのが由緒正しい一般的な短歌なんだろうなあ、
と思いつつ眺めていました春日山さん。
結句の「寂しかりしよ」で取りました。つぶやきのオリジナリティ。

006:脱ぐ 丸山 進 2003年02月09日 (日) 22時44分
人により脱ぐ順番は決まってるがDNAとの関係不明

あたしは惚れっぽいので有名ですが、
ここ最近デートしたいと思ったのは丸山さんだけです。(笑)
もしかして統計取ってるんですか?と突っ込みたかった歌。

007:ふと 荒川美代子 2003年02月09日 (日) 23時39分
おやのないこのサンダルをなげこめばくろいプールがふとめをさます

「夏草」の歌は別宅で使わせて頂いたので、(^^ゞ
今回はこちらを。トトロのメイちゃんのサンダルを思い出しました。

038:明日 田丸まひる 2003年02月09日 (日) 23時52分
明日までは一緒にいたいいたい痛い片手を伸ばして貝を探した

「明日」は日付が変わる時間、
そしてそこから続く朝までの時間なのかも。いたいねえ。
No.15 2004年03月07日 (日) 17時12分

 

過去ログ10より。
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005:音 黒瀬珂瀾 2003年02月07日 (金) 16時00分
音叉より夜はあふれてわが胸の檣楼にこひびとは眠りぬ

からんくん、なんでこんなにかっこいいの…(としか言えない^^;)
ちなみに「檣楼(しょうろう)」は、
艦船などのマストの中間に取り付けた半円形の台。トップ。

018:泣く こはく 2003年02月07日 (金) 16時45分
泣く場所を探しています誰からも見えない涙は意外とカラフル

ふーん、意外とカラフルなんだあと感心した歌。
どんな色なのかしらね。

003:さよなら 島田牙城 2003年02月07日 (金) 18時08分
人間にさよならを言ひさよならの木霊の中へ人間を置く

この歌もやっぱりいいですねえ…(しみじみ)
どうして俳句の人や川柳の人ってこんなに短歌が巧いんでしょうか。
逆もあり?(^_^;)

046:南 神崎ハルミ 2003年02月07日 (金) 21時36分
「北側」とテレビ・キャスターが言うたびに幻肢のごとく <南> は疼く

時事詠も作り手によってはこんなに詩的になれるのね、という歌。

003:さよなら 笹田かなえ 2003年02月07日 (金) 22時21分
どうしてもさよならだけが書けません花は実になる実は食べられる

こんなこと言うと怒られちゃうかも知れませんが、
かなえさんの歌はちょっと演歌っぽい。でもそこがいいんだよね。

035:駅 飛永京 2003年02月08日 (土) 02時11分
駅と言えば名駅なのだ名古屋では駅はひとつしかないと思え

なんか、ホッとします。(笑)

07:ふと 芦田美香 2003年02月08日 (土) 09時45分
冬はいい ふと君の吹く口笛が空にまっすぐ届く明け方

芦田さんのこの歌はすごく印象に残ってました。
初句の断定から続く澄んだ空気の冷たさ。
硬質なエロティズムとか言ったら陳腐だよねえ。(^_^;)

055:置く(再投稿) 舟橋剛二 2003年02月08日 (土) 13時52分
詠み捨てた歌に置かれた明日という言葉が放つ刹那のひかり

これ、去年も取ったなあ。(遠い目)
舟橋さんの歌はこういう「刹那の光」が入ってる作品がいいと思う。

050:南瓜 神崎ハルミ 2003年02月08日 (土) 14時39分
かぼちゃ畑の南瓜いっせいにひび割れて世界は夕焼けに染まりゆく

もう一首、神崎さんの歌を。
寺山修司の「そら豆の殻一せいに鳴る夕母につながるわれのソネット」を
ごく自然に思い出させる秀歌。神崎さんの歌の方が終末感が強いですけど。

No.14 2004年03月06日 (土) 23時54分

 

過去ログ9より。
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005:音 伴風花 2003年02月06日 (木) 01時01分
幾億の生命(いのち)を抱いてこの水は

音をもたない

海へはいけない

音を持たない水とは、流れない水のことでしょうか。
だから海へはいけないんでしょうね。
その水は幾億の生命の素を含んでいる。おそらくは苦くて粘い水。

009:休み 村上きわみ 2003年02月06日 (木) 02時42分
ペリカンに襲撃されて全財産失いました(一回休み)

もうきわみさんはどこまでもきわみさんなので、
どの歌でもいいんですけど、(笑)
去年は鋏と電球とイルカと大天使を選んだので今年はこれ。
パン屋再襲撃じゃなくてペリカン襲撃なんですね。
でも休みは一回だけなんですね。だから好き。(^^)

007:ふと 谷川由里子 2003年02月06日 (木) 04時25分
窓にうつる自画像はすきとおってゆく後頭部から、ふと、くる夜明け

恐ろしいことにこれは写実の歌なんですね。
たとえインプットされた情報が同じでも、
心の性能が違うとアウトプットはこんなに違うという見本のような歌。

010:浮く emi 2003年02月06日 (木) 06時57分
深海にマリンスノーは降り注ぐ浮くものたちの亡骸として

もう一つマリンスノーの歌。
本来は浮くものたちが降って来る深海。
海中は弱い無重力状態ですからね。美しい死の雪。

013:愛 今岡悦子 2003年02月06日 (木) 09時03分
それはだな つまり君らが疑いの眼(まなこ)を愛に向けとるのじゃよ

お茶目ですねえ、今岡さん。(^^)
愛は疑うな、ということでしょうか。それも一つの真実。

023:詩 田丸まひる 2003年02月06日 (木) 12時22分
今日は二人センチメンタル二乗して詩人になったつもりの禁欲

この辺り、
まひるちゃんはいい歌がたくさんありますが今回はこれを。
ポイントは結句の「禁欲」でしょう。語選択のセンスがいい。

009:休み 岩崎一恵 2003年02月06日 (木) 13時16分
休みなく晴天の日々 乱丁の白いページで親指を切る

「空は残酷だ。誰も助けない」と、
うちの別宅のキャラが言ってたんですけど、(笑)
この歌も少しそんな感じですね。晴れていれば休めない。
もちろん、雨天や曇天ばっかりでも困るわけですが。

009:休み こはく 2003年02月06日 (木) 16時47分
前ならえ!気をつけ!休め!一回も休みだなんて思えなかった

思ったままのつぶやきのような歌なんですけど、
ピタリとはまることがあるんですね。かんたん短歌的秀歌。

055:置く 足立尚彦 2003年02月06日 (木) 18時42分
ああ何を信じて眠い 理髪店の刃物男に身を預け置き

この歌、やっぱりいいですね。(^^)
前半の「信じて」後半の「刃物男」「預け置き」など、
さりげなく超テクニカルな一首。

025:匿う 森川菜月 2003年02月06日 (木) 20時57分
アトリエに静物として置かれゐるギターは穴に蝶を匿ふ

この歌もやっぱりいいですねえ。(^^)
巧すぎるのが欠点かも。結句の「蝶」とか。

015:葉 青山みのり 2003年02月07日 (金) 00時11分
そんなにもさみしいのならひいらぎの葉の棘の数こたえてごらん

あたしは巧い歌が好きなのかなあ。
たぶん言葉に神経が通ってる歌が好きだとは思うんですが。
結句「かぞえてごらん」ではなくて「こたえてごらん」なのがポイント。

003:さよなら 風間 祥 2003年02月07日 (金) 05時02分
坂道の向こうに海が見えていたさよならまでの短い時間

風間さん、この歌やっぱりいいですね〜(こんなんばっかや^^;)
何となく「横須賀ストーリー」を思ってしまうあたしですが、
それはこの歌の詩情に対してかなり失礼かも。

002:輪 かいり 2003年02月07日 (金) 09時47分
罪深き父の背中にペンをたて永遠に輪を描きつづける

かいりさんの感性は独特で。
この人しか作れない歌だと思う作品が多いです。これもそう。
鑑賞を拒む歌というか、鑑賞が届かない歌というか。
でも、そこがすごく好き。

052:冷蔵庫 浜田道子 2003年02月07日 (金) 14時38分
真夜中にうなり音出す冷蔵庫凍れるものの泣けるがごとく

浜田さんの歌は発想が太くて、
その発想を的確な語選択が支えているんですね。
あざとさは全くない。こういう歌は強いなあと思います。
No.13 2004年03月06日 (土) 22時15分

 

過去ログ8より。
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055:置く 村田まゆ子 2003年02月05日 (水) 13時15分
ホワイトとバーントシェンナで描いてる枝に置くため蟹買いに行く

村田さんはおしゃれな歌が多いですね。
「バーントシェンナ」はいわゆる焦げ茶色。
そこに赤い蟹を置くわけです。うーんシュールだ。

014:段ボール 浦奈保美 2003年02月05日 (水) 13時53分
紙でつくった表彰台が
ひしゃげて見えるのは
眼鏡のせいではない

段ボール錐もみさせて春嵐卒えたることなど何ひとつなく

浦さんの作品としては比較的分かりやすいかも。
詞書きから歌への流れ、簡潔な上の句と下の句の感慨。
「卒えたる」の「卒」が歌の景色を見事に見せてくれます。

055:置く 斉藤斎藤 2003年02月05日 (水) 15時16分
それぞれのひとりをこぼさないようにあなたのうえにわたしを置いた

斉藤斎藤さんの歌は拾ってるときりがなくなっちゃうんですけど、(笑)
去年は迂闊にも読み流してしまった歌までカリカリ引っかかって来ます。
セクシャルな歌にも読めますが、
そんなことはどうでもいいくらい真摯な感じがありますね。

004:木曜 沼谷香澄 2003年02月05日 (水) 15時52分
月曜の傾きざまに比べればいくぶん背骨の立った木曜

香澄さんにはまだお会いしたことがないんですが、
短歌を始めてすぐの頃に大変お世話になった方なのでした。
「傾きざま」の「ざま」とか、
「いくぶん背骨の立った」の「いくぶん」とか、
やっぱり巧いなあ。

007:ふと 八香田 慧(ようかだ けい) 2003年02月05日 (水) 17時02分
サハリンと今は呼ばれるその土地のかつての呼び名確か“からふと”

このとぼけ方が八香田さんの魅力でしょうね。(笑)
からふとの前の「確か」が効いてます。

096:石鹸 花鳥 佰 2003年02月05日 (水) 17時32分
石鹸の工場ある日みづに沈み幾十億のシャボン玉生む

花鳥さんのラストスパートの中から一首。
おそろしいような美しいような。多分この方の歌も。

005:音 岩崎一恵 2003年02月05日 (水) 17時43分
鼓膜からこぼれて耳の底ふかく降りつもるマリンスノーの音は

これ、去年は気づかなかったんですけど、
もしかして耳抜きの歌ですか?>岩崎さん
http://www.izu.co.jp/~pro-tecs/miminuki-1.htm

そんでもってマリンスノーはこれ。↓
http://www.jamstec.go.jp/opedia/Docs/desc.pl?doc=marinesnow

005:音 星川郁乃 2003年02月05日 (水) 18時55分
あけがたにあなたのつかう水音を聴くはんぶんほど魚のままで

色っぽいですね〜(←いつかネタに使おうと画策中)
全部魚じゃなくて「はんぶんほど」なのがいい。人魚だわね。

013:愛  佐藤理江 2003年02月05日 (水) 20時02分
<久しく使っていない>
愛といふ言葉使へば愛の歌一丁あがつて素直なわたし

佐藤さんの歌は辛辣だけどカラッとしているところが好き。
結句の「素直」がいいですね。逆接のような順接で。あ、逆かな?

006:脱ぐ 兵庫ユカ 2003年02月05日 (水) 20時39分
飛行機が小さく見える立春の午後すこしだけ鰐を脱ぐとき

猫じゃなくて鰐を脱ぐのがユカさん。
猫被るくらいじゃ、きっと間に合わないんでしょう。
さりげなく丁寧な上の句が鰐を引き立てていますね。

013:愛 笹田かなえ 2003年02月05日 (水) 21時27分
「愛よりも恋だな」という横顔を見たこともないように見ていた

かなえさん、去年は大変お世話になりました。(^^)
「見たこともないように見ていた」って沁みますね。

さよなら 芦田美香 2003年02月05日 (水) 21時58分
ソラシドと歌うようなさよならを言いマフラーだらけの菜穂帰りゆく

芦田さん、どうも〜(って、挨拶ばっかしだな^^;)
「マフラーだらけ」の「だらけ」がいいですね。菜穂ちゃんが見える。

052:冷蔵庫 足立尚彦 2003年02月05日 (水) 22時02分
冷蔵庫の守護神なのだ前世紀で期限の切れた佃煮がある

出た、冷蔵庫の守護神。(爆)
この歌の少し前にある、
「果物は嫌ひだけれど果物のかをりは好きだ 誰にも告げず」にも、
「なんで?言えばいいじゃないですか」と一人で突っ込んでました。(^_^;)

003:さよなら 谷川由里子 2003年02月05日 (水) 22時55分
浴室の天がさよならと点滅し水滴をこぼす神などいない

これも去年取りましたね〜
神は水滴を零さない。では何を零すのか。

069:コイン 斉藤斎藤 2003年02月05日 (水) 23時13分
どうしようもなければいいよぼくの肩をコインパーキング風につかって

どうしても好きなのでどうしても入れます。(^^ゞ
「コインパーキング風」の「風」が最高。

007:ふと 泉 茫人 2003年02月06日 (木) 00時32分
短歌では“ふと”なんて語は使うなと小池も奥村も言ってたじゃんかよー

ねえ?と相槌を打ちたくなる歌。(笑)
両氏呼び捨ての四句と結句の「じゃんかよー」の組み合わせがいいよね。
No.10 2004年03月06日 (土) 01時22分

 

過去ログ7より。
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028:三回 村田まゆ子 2003年02月03日 (月) 21時25分
過ちは三回までは赦されてきみが演じるタルチェフの罪

「タルチェフ」はフランスの劇作家・モリエールの三大喜劇の一つ。聖職者の偽善を痛烈に批判したため、パトロンのルイ14世も庇いきれずに上映禁止になったとか。四回目の過ちは起きたんでしょうか。

024:きらきら 立花るつ 2003年02月03日 (月) 21時33分
着メロはきらきら星と決めている焦らずゆっくり待たせておける

これ、面白いなと思ったのは「焦らずゆっくり」できるのは相手じゃなくて自分なんですね。きらきら星のメロディには確かにそういう一種の鎮静効果がありそう。きっと慌てて電話を取ってしまうほど大事な人なのでしょう。

003:さよなら 近藤かすみ 2003年02月03日 (月) 22時43分
一斉にさよならさよなら手をふってススキは揺れる深泥池に

深泥池(みぞろがいけ)は京都にある「深泥池生物群集」の生存する特別な池。ススキは手を振りますよねえ。いつまでもいつまでも振っている。車を運転していると、ときどき骸骨の手に見えて来てちょっと困ります。
http://www.jca.apc.org/~non/introduction.html

003:さよなら 伴風花 2003年02月03日 (月) 23時24分
いつだって先生だった あのひとのさよならのらはとてもあかるい

「あのひと」が単に先生なのか、先生以外の人でもあったのか、それはこの歌だけでは分かりませんが、どんなさよならを言う人だったのかはよく分かる。尻上がりの明るいさよなら。明るく優しい拒絶感、かな。

001:月 黒瀬珂瀾 2003年02月04日 (火) 00時17分
わが夢の裾の荒れ野に来て去りぬ月になれとはつひに告げずに

からんくん、かっこいいなあ…(ほれぼれ)

005音 うちだゆみ 2003年02月04日 (火) 01時08分
眼を閉じて想ひを閉じて音消えてひらがなの海に浮かぶわたくし

「ひらがなの海に浮かぶ」っていいですね。
歌も全部ひらがなだったら良かったかも知れないな。

002:輪 高澤志帆 2003年02月04日 (火) 01時44分
虹の輪よ消えるなと今かけてゆく螢田といふ駅のふもとへ

この本歌はもちろん近年亡くなられた小中英之さんの、
「螢田てふ駅に降りたち一分の間(かん)にみたざる虹とあひたり」
ですね。駅のふもとは虹のふもと。あえたでしょうか。

001:月 羽田野 令 2003年02月04日 (火) 02時30分
霙降る二月の街の人群をはなれ三月書房に来たり

羽田野さん、お元気ですか。(^^)
三月書房は京都の個人書店。歌集取り扱い多し。

018:泣く 飛永京 2003年02月04日 (火) 03時00分
理科室の血管クンに涙腺が有ることを知りわたしも泣いた

京さんの血管クンシリーズ。泣けるよね。

009:休み 今岡悦子 2003年02月04日 (火) 03時40分
この我を手頃な歳と思うらし頼まれ事の 今日はお休み!

頼まれ事とはちょっと違うかも知れませんが、
あたしよく道を聞かれるんですよ。いかにも地元民なんでしょうね。(笑)
結句の「今日はお休み!」が楽しいけど、ちょっとストレートかな。

017:雲 舟橋剛二 2003年02月04日 (火) 05時58分
何人の悲しい人に見つめられているのだろうあの羊雲

この雲、
たとえば鰯雲じゃ絶対ダメなんですよねえ。
ギャグになっちゃう。やっぱり羊雲じゃないと。

007:ふと 悠嘉 2003年02月04日 (火) 10時11分
君の前 悩みぶちまけ泣くけれど ふと考える 君は泣かない

結句の「君は泣かない」がいいですね。
相手は泣かない人だということにふっと気づく。
泣かない人が泣くと大変です。命がけになるから。

087:朝 花鳥 佰 2003年02月04日 (火) 12時47分
朝市のすみし広場の無惨なり あまたあまたに死体ころがる

昔、パンが食べられなくなったことがあるんです。どうしてかっていうと、イースト菌の焼死体がびっしりぎっちり付いていると思ったから。だけどよく考えてみれば、死んだものを食べるより生きているものを食べる方がずっと怖いんですよね。だからそういうことはあまり考えないように気をつけていたらいつの間にか大人になりました。大人って楽ですね。

005:音 渦巻二三五 2003年02月04日 (火) 13時01分
トラックのチェーンの音が近づきて過ぎゆきてまたしんしんと雪

端正な歌を作られる方だなあ、と改めて感心。
まさに「音」の歌ですね。しんしんと雪。

012:突破 浦奈保美 2003年02月04日 (火) 14時28分
十四行にわたる愛の擦過傷がソネットだとすれば
短歌とは一行で語れる不幸自慢の掻き傷である
、のかもしれない。

詩人らよ最終ダンジョン突破せよ来し方行く末<ドコカニ?>どこにも!

「一行で語れる不幸自慢の掻き傷」って上手いなあ。
その後の歌との離れ具合も絶妙ですね。さすが。

002:輪 渡辺 夏希 2003年02月04日 (火) 17時29分
銀色の指輪はずせばひっそりと背(そびら)に羽根の生えくる気配

静かな歌だなあと。
発想自体はそれほど奇抜ではないですが。
「背(そびら)」がいいのかな。一語のちから。

022:素 蜜流あげは 2003年02月05日 (水) 12時38分
自分さえわからぬままのぼくはまだ素数のようにひとりぼっちで

下の句の直喩がいい。素数の孤独。
若い歌だなと思いました。

018:泣く 向日葵 2003年02月05日 (水) 13時08分
どうせなら罵りながら泣いてくれトドメ刺すにはお前はぬくい

「ぬるい」じゃなくて「ぬくい」ここが全てでしょう。
「世の中の木になる草がそいつだろ 葉の字崩したあいつが咲(わら)ふ」も不思議な歌だなあ。
No.9 2004年03月05日 (金) 21時30分

 

過去ログ6より。
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001:月 こはく 2003年02月02日 (日) 22時38分
火鉢に手かざし見つめる十(とお)の月白さばかりがきわだっている

「十の月」は爪なんですね。寒さとか、さみしさとか、不安とか、そういったものが全部混じり合って伝わってくる白い下の句だと思いました。

003:さよなら 春村 蓬 2003年02月02日 (日) 22時43分
本当の「さよなら」の意味を知りたくて沈んだ船の錨をはずす

おそらく錨を外されても沈んだ船はそのままでしょう。これは確認作業なんですね。さよならの。終わりの。浮かばない船の。

006:脱ぐ 大辻隆弘 2003年02月02日 (日) 22時49分
水を脱ぐやうに、といはば美しい湯船より飛び出してくわが子

「本当は美しくないんだよ」と作者はおっしゃりたいのかも知れませんが、それでもやはり美しい。水を弾く子供の肌も、それを眺める父の歌も。

005:音 兵庫ユカ 2003年02月02日 (日) 23時25分
ほころびてゆくだけだからおとなでもさいしょの音をいつもこわがる

この方もヒロインでしょうの兵庫ユカさん。最初っからおそろしくレベルが高いです。そうか、だから大人になっても怖いのね。

002:輪 伴風花 2003年02月03日 (月) 00時36分
かなかなの降りしきるなか輪唱のようにふたりの石きりの石

この歌も去年取りましたね〜
繰り返される言葉と歌と音。言葉遊びのようで決して遊びではない。輪は水面にも出来ているはず。

022:素 村田まゆ子 2003年02月03日 (月) 02時44分
あさましき雌で在り続ける吾の素肌 乳房のハモニカは鳴る

「乳房のハモニカ」っていいなあ。これは女性の乳房だから言えるんですね。ホモエロ小説じゃちょっと使えないな。(^_^;)
前半をもう少し淡く遠くした方が、この部分がより引き立ったかも知れません。

004:木曜 浦奈保美 2003年02月03日 (月) 12時38分
きのう浜辺では
たくさんの魚たちが
弔われた

木曜はわれらのサバト縊られし一行の詩に火を投げこめば

浦さんのこの詞書きと歌のコラボスタイル、かっこよかったですよね〜
いま気づいたんですけど「詩を火に投げ込めば」じゃなくて「詩に火を投げこめば」なのね。凝ってます。

006:脱ぐ 今岡悦子 2003年02月03日 (月) 13時53分
こら待てと裾をつかめば脱ぎ去って遊ぶは楽しこれがいつまで

お孫さんでしょうか。結句の「これがいつまで」という言い差しが泣けます。よく分かってらっしゃるんですね。この蜜月が長くないということは。

005:音 佐藤新樹 2003年02月03日 (月) 15時46分
音量は高いがよろしくお別れのジョージハリソンたんぽぽの声

たんぽぽの声かあ。
四人とも声質が違いましたよね。
ジョンは平べったくて、ポールは丸まっちくて、リンゴはのんびりしてて、ジョージは神経質な感じかな?と思ってたんですが。そうかあ、たんぽぽかあ。

001:月 久哲 2003年02月03日 (月) 16時03分
みんなどこにいったのあのねたのしいの月のフチってよくきれるのよ

よく切れるっていったい何を切ったのお母さんに正直に言ってごらん!と詰め寄りたくなる歌。(笑)

004:木曜 夏瀬佐知子 2003年02月03日 (月) 19時49分
隅の席かべを相手に木曜日きよくりっぱに一人焼肉

潔いなあ。ほれぼれします。(^^)
夏瀬さんの歌って美意識とユーモアの切り替えがスパッとしてますよね。

013:愛 舟橋剛二 2003年02月03日 (月) 20時18分
愛されぬ理由ばかりが気になっているのかずっと泣きやまぬ蝉

舟橋さんの歌はこういう甘さが残っている作品が好き。生真面目な作風でいらっしゃるので、甘くしても甘すぎないんですね。

011:イオン 向日葵 2003年02月03日 (月) 20時44分
AEON(イオン)ってJUSCO(ジャスコ)の親戚らしいのよそれが良いかは分からないのよ

どうしてこの下の句の展開になるのか、分からないけど納得できちゃうところが素敵。この確信犯的なとぼけ方も。

042:クセ 足立尚彦 2003年02月03日 (月) 21時12分
アクセルを踏むとき空が近くなる、なんてね、誰も空になれない。

この歌、
このまんま今年の一首目に使えますねえ。(^^)
「、」と「。」の使い方が絶妙。

021:窓 浜田道子 2003年02月03日 (月) 21時21分
香り良き酒になるらん窓に見る花梨は太き実を結びたり

この歌、去年も取りましたけどやっぱりいい。
「太き実」の「太き」は使えませんよ。なかなか。
No.6 2004年03月05日 (金) 09時55分

 

過去ログ5より。
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008:足りる 立花るつ 2003年02月02日 (日) 13時29分
君がいて幸せ足りてるはずなのにミルクティーにも入れたいレモン

一言で言ってしまえば「刺激が欲しい」ということでしょうか。よく分かるけど、分かりやす過ぎるかもなあ。

027:忘れる 花鳥 佰 2003年02月02日 (日) 14時17分
をりをりに古きこひびとのおもかげをおもひださんとするが忘れた

四句までの文語、結句の口語。
「忘れた」が最高ですね。昔の恋なんてそんなもの。

002:輪 井口一夫 2003年02月02日 (日) 14時51分
駅前の十数人のしずかな輪 輪になるものはみな内を向く

これも去年取りました。
無駄のない上の句、下の句の断定の説得力。
井口さん、きっとお忙しいんだろうなあ。

002:輪 村本希理子 2003年02月02日 (日) 16時51分
輪郭のはつきりしない肉じやがに一時間ほど説教したい

希理子ねえさん、今年もお世話になります。
ねえさんの説教は長そうだもんなあ。(笑)

022:素 斉藤斎藤 2003年02月02日 (日) 18時01分
うつむいて並。 とつぶやいた男は激しい素顔となった

「激しい素顔」すごいよねえ、この接続。

002:輪 魚柳志野 2003年02月02日 (日) 21時25分
輪廻輪廻ここに戻るにきまってる 不幸のない国なんていらない

この上の句もすごい。
不幸のない国は幸福もないんでしょうね、なんていうのは優等生的なつまんない解釈なんだろうな。
No.5 2004年03月05日 (金) 01時43分
それは誤解よ
希理子 [ Home ] [ Mail ]
ぽっぽさん、今年もお世話になります。
今年は去年以上に大変そうですね。
がんばりすぎて寝込まないように←釘

あたしのお説教が長いって?!
それは、すっごく誤解です〜〜
私が唯一お説教したの高校生ぐらいの時。実家で飼っていた犬に(哲学者のような犬だった)2分ほど話してたら、校長先生の話を聴く生徒のような顔をしだしたのであきらめました。
わたし、はなしベタなんですよ・・・。

ところで、井口さんの「輪」の歌いいですねえ。
下句の説得力が忘れられなくなってしまいました。
いい歌はたくさんありましたが、私の2003マラソンのベスト1はこれかな?
No.7 2004年03月05日 (金) 12時15分
お。>希理子ねえさん
ぽっぽ [ Home ] [ Mail ]
いらっしゃいませ〜
あたしが寝込んだら、ねえさん代わって下さい。(笑)

哲学者風犬に女子高生が二分の説教。
きっと中身が濃かったんでしょうねえ。(しみじみ)

002:輪 井口一夫 2003年02月02日 (日) 14時51分
駅前の十数人のしずかな輪 輪になるものはみな内を向く

いいですよね。この歌。
大人のかごめかごめみたい。何となくリンチっぽい凄みがある。
No.8 2004年03月05日 (金) 19時17分

 

過去ログ4より。
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003:さよなら 浜田道子 2003年02月01日 (土) 18時28分
けだるげに昼寝している猫を撫でセールスマンはさよならと言う

浜田さんの作品を読ませて頂くと、いかに自分が跳ねっ返りかよく分かるような気がします。(苦笑)
去年は気づかなかったんですが、初句の「けだるげに」は猫だけじゃなくてセールスマンにも遠く掛かっているのかな。細かいところにまで神経を払っての作歌だと拝見しました。

004:木曜 森川菜月 2003年02月01日 (土) 18時51分
木曜は出勤前の伝線に途方に暮れる余裕がすこし

森川さんも実に歌の巧い方。
「木曜」というある意味で中途半端なお題を絶妙にこなされています。途方に暮れるには余裕が必要なんですね。たとえそれが「すこし」でも。

oo1:月 岩崎一恵 2003年02月01日 (土) 19時27分
水のない海の名前のいくつかを唇(くち)にこぼしてねむる新月

岩崎さんも詩的レベルの高い歌を作る人。
「水のない海」はクレーターのことでしょう。「新月」の解釈はいろいろでしょうが、あたしはそのまんま闇色の月と読みました。

003:「さよなら」 青山みのり 2003年02月01日 (土) 23時40分
ペットの死は八才の子の凪となる「さよならいつか海であおうね」

うわー、こんな歌があったのか。
「凪」が全てですね。下の句がやや近いか。

001:月 岡村知昭 2003年02月02日 (日) 00時25分
硝子戸に細長く傷 そういえば真昼の月が大きくないか

稲垣足穂の一千一秒物語みたいですね。
岡村さん、今年もよろしくお願いします。(^^)

002:輪 和良珠子 2003年02月02日 (日) 00時50分
きりきりと輪ゴムで締めるリカちゃんの首痛ければそう言いなさい

すみません、この歌も去年取りました。(^_^;)
和良さんのおっかない歌が、あたし好きなんですよ〜

001:月 伴風花 2003年02月02日 (日) 01時29分
花月夜 あなたは何を奪うため乳房に淡い痣を残した

ふえー、美しいよお。
「奪うため」と「淡い(痣)」の捻れ方がいい。

005:音 村上きわみ 2003年02月02日 (日) 01時52分
音叉から音叉にわたすささやかな震えが今のぼくらのすべて

すみません、これも去年取りました。(^_^;)
なんできわみさんはこんなにきわみさんなんですか?(意味不明)

001:月 飛永京 2003年02月02日 (日) 05時50分
行くか100点シュッパツマン月は読んだか間違いないか

京さん、去年も出だしっからこんなにテンション高かったんですね?(笑)
見事な挨拶歌。

004:木曜 田丸まひる 2003年02月02日 (日) 06時54分
木曜の発生学の授業中 君への恋を身ごもりました

この歌も去年取ったなあ。(^_^;)
斉藤斎藤さんが題詠マラソンのヒーローなら、きっとヒロインはまひるちゃんでしょう。無敵の二十歳。
No.4 2004年03月05日 (金) 00時09分

 




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