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改めて題詠マラソン2003・私的感想掲示板

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過去ログ25より。
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049:嫌い こはく 2003年03月23日 (日) 00時34分
今回の嫌いは裏を透かしても好きにならないその芽も出ない

「嫌よ嫌よも好きのうち」なんてことは絶対にない!という歌。
「裏を透かしても」は慣用句的表現ですが、
「その芽も出ない」まで言い切った結句に一票差し上げたいです。(^^)

025:匿う 丸山 進 2003年03月23日 (日) 11時58分
屋根裏に匿う場所は出来たけど君は砂漠をまだ彷徨っている

私は時事詠として読みました。
「屋根裏に匿う」は第二次世界大戦時のユダヤ虐殺を連想させます。
たぶん作者は誰かを、
この愚かな戦いに巻き込まれた誰か(誰でも)を匿いたいと思っている。
準備も出来た。でもその誰かはまだ遠く暑い砂漠を彷徨っているのです。

018:泣く 高澤志帆 2003年03月24日 (月) 01時16分
玄関が丸焼けの吉田ご夫妻は「怖かつたね」と泣くほどやさしい

おそらく吉田ご夫妻は本当に優しい人なんだろうと思う。
作者もそれは分かっている。でも歌人の目はこんな風に見てしまう。
いつだって真実だけを見たいのが歌人だから。
結句「泣くほどやさしい」の残酷さ、悲しさ。

018:泣く 久野はすみ 2003年03月24日 (月) 19時34分
切ったあと少し泣いてもいいですか曇空から降るきみの声

たぶん別れの電話。
曇空から降るのは記憶の中の声でしょうか。

015:葉 佐藤弓生 2003年03月25日 (火) 09時04分
もう元気です――筆跡ほそき葉書よりひとすじきたるきみのみずうみ

結句の「みずうみ」がこの端正にして素朴な歌を詩にしています。

018:泣く かいり 2003年03月25日 (火) 10時09分
いつか観た映画みたいな戦争に頭の中でだけ泣いている

もう一首、時事詠を。
戦争への実感のなさを体感している作者。それも実感。

035:駅 悠嘉 2003年03月25日 (火) 18時29分
家→歩き→バス→駅→電車→待ち合わせ 毎矢印でお化粧直し

藤龍さまが雑誌で取り上げておられましたが、やはりユニークな歌。
「毎矢印で」という言い方が面白い。普通なら「矢印毎に」と言いそう。

030:表 兵庫ユカ 2003年03月25日 (火) 23時27分
避妊具の表裏見る目で君はわたしの歌を今読んでいる

「裏表」ではなくて「表裏」なのがリアル。
避妊は絶対に必要ですが、あまりにもきっちり避妊されても悲しい。
贅沢かしらね。それはともかく。

068:似る 五十嵐きよみ 2003年03月26日 (水) 00時08分
つり銭が多すぎるのに似て君はけじめをつけたいときもやさしい

この比喩も冷徹だなあ。(^_^;)
作者にとって「君」は既に余りみたいな存在なんですね。

031:猫 兵庫ユカ 2003年03月26日 (水) 23時12分
すこしでもながくいっしょにいたかったあの雪の日の猫舌はうそ

可愛いなあ。悲しいなあ。
うその猫舌、支持します。(^^)

059:夢 萩原留衣 2003年03月28日 (金) 08時49分
まだ夢に濡れている指ふとんから抜いてそぉっと鍵盤に置く

性的な歌かもな、と初めて思いました。
でも「そぉっと」だからなあ。この表記が留衣さんなんだけど。

012:突破 杉森多佳子 2003年03月28日 (金) 19時22分
営業のジャンヌ・ダルクと呼ばれたりオルレアン的商談を突破

か、かっこいい…<営業のジャンヌ・ダルク

025:匿う 岩崎一恵 2003年03月30日 (日) 00時35分
血まみれの兵士よすでに子宮とはきみを匿う器官にあらず

子宮=国家と読めば無惨な歌。
たぶん国は母ではないですが。

021:窓 黒瀬珂瀾 2003年03月30日 (日) 14時31分
後ろからすれば乳房を圧しひろぐる窓を越ええぬ僕らの息は

うーん、
何となく胸は平らであって欲しいような気がする…。
腐女子でごめんなさい。(^_^;)

050:南瓜 和良珠子 2003年03月31日 (月) 00時10分
包丁を立てて転がしてある南瓜 他人のものなら何でも欲しい

上の句の破調は意図的なものなんでしょうか。
でもこの下の句はやっぱりすごいよね。
No.31 2004年03月14日 (日) 21時32分

 

過去ログ22より。
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眠いです。(^_^;)

056:野 矢野伎理子 2003年03月03日 (月) 17時22分
吾は君の野枝さんになる。ひとり去り皆が去りてもたゞふたりきり

「野枝さん」が具体的に誰を指すのかが分からないのですが、
(大杉栄の内縁の妻だった伊藤野枝じゃないですよね?)
世の中にたった二人きりな感じはよく分かります。
多分この恋は周囲から祝福される種類のものではなかったのでしょう。
だから「ただふたりきり」。本人たちにとっては至高の幸せなのかも。

041:場 emi 2003年03月03日 (月) 22時37分
判決を待つようにして君を待った駐車場にはコスモス揺れて

個人的に「判決」という言葉に弱いです。(謎)
下の句がまだ動きそうですけど、これはこれでいいのかな。
揺れるコスモス。不安な気持ち。

015:葉 兵庫ユカ 2003年03月03日 (月) 22時42分
日光が足りないせいで伸びてゆく葉と葉の間のような沈黙

サラッと読んでしまいそうですが謎の深い歌。
日光が足りないと普通は葉は伸びなさそうですがこの葉は伸びるんですね。
しかもその「葉と葉の間のような沈黙」。
気まずさ、と言ってしまえば一言で済んでしまいますが、
この歌はそれ以上のものを暗示しているようです。救いのない感じかなあ。

017:雲 岩崎一恵 2003年03月04日 (火) 00時16分
重吉の眸(め)に映りし空、雲、ひかり 方舟のような詩集をひらく

詩人の目に映った美しいものだけを入れた方舟。それが詩集。
世の中が黒く濁っても、その舟を開けば美しさが蘇ってくる。
そんな風に読みました。歌の中の明るさと歌の外の暗さの対比を感じます。

041:場 蜜流あげは 2003年03月04日 (火) 00時43分
「居場所なら作ればいい」と言う人におめでたいねと花束あげる

まあ、正論ですよね。
正論っておめでたいんですよ。
でも、やっぱり正論は強いです。
作者も本当は分かってるから花束をあげるんだろうな。

041:場 青山みのり 2003年03月04日 (火) 14時44分
目を伏せたゴールキーパー 決勝戦会場西に薄い三日月

巧いな、と思う反面、
出来過ぎかな、とも思った歌。
「目を伏せた」が綺麗すぎるからかな。汗や土のにおいがしない。

041:場 萩原留衣 2003年03月04日 (火) 20時46分
場所開けて!書いてあげるから量子場がイメージしやすくなるような図を

よく分からないんですけど、
きっとすごく大きな図なんだろうなあと。(笑)
公園のお砂場だったらいいな。砂場いっぱいに量子場の図。(^^)

082:ほろぶ 大辻隆弘 2003年03月04日 (火) 21時22分
男根を陰部にぬるくあてがひて見ててやる、このほろぶ夜明けを

春画が芸術になる瞬間、といった印象を受けました。
短歌はこの最後の逆転が面白い。誰にでもできることではありませんが。

040:走る 荒川美代子 2003年03月05日 (水) 02時38分
走るのは風だけでした にちようのわたりろうかにゆうひがしずむ

「廊下を走ってはいけません」って学校で言われましたよね。
あたしも娘に言いますよ。だって危ないし、やかましいんだもん。(笑)
三句目以降のひらがな書きがかなしい。なんでかなしいんだろう?

072:席 門哉彗遥 2003年03月05日 (水) 16時25分
お湯をくれ割り箸をくれ即席の愛とかじゃなく麺が食いたい

この歌、やっぱり好きです。(笑)
愛じゃお腹は膨れない。まして即席じゃあね。

008:足りる 荻原裕幸 2003年03月06日 (木) 23時21分
たまづさのメールで足りる淋しさと知りつつ紀勢線を乗り継ぐ

「たまづさの」は「使」「妹」にかかる枕詞。
メールで間に合う程度の淋しさだとしっかり自覚していながら、
それでも会いに行くわけですね。紀伊線が絶妙(のような気がする)。

015:葉 かいり 2003年03月07日 (金) 09時38分
葉脈にワインはめぐり気が狂うくらいわたしを切りたくなるの

ワインが回ると身体が植物になる。
だから切りたくなるのかなと思いました。切り花のように。

009:休み 荻原裕幸 2003年03月08日 (土) 01時23分
瀬田貞二の翻訳をまねるこゑがして時のうらがはまで春休み

去年この歌を見た時にはまだ原作を読んでなかったんですが、
今なら私も少しは真似できます。たとえば、
「こんなところにいたら小さい人たちは死んでしまいますぞ」とか。(笑)

054:麦茶 蜜流あげは 2003年03月08日 (土) 08時57分
カブトムシ 打ち上げ花火 村祭り 麦茶の海で泳いでた夏

やっぱりいいなあ。<麦茶の海
省略的な表現なのかも知れませんが、
旧盆の頃の海はそんな色だったりするんですよ。クラゲも増えるし。
No.26 2004年03月12日 (金) 09時27分
希理子 [ Home ] [ Mail ]
こんにちは。

>015:葉 兵庫ユカ 2003年03月03日 (月) 22時42分
>日光が足りないせいで伸びてゆく葉と葉の間のような沈黙

>サラッと読んでしまいそうですが謎の深い歌。
>日光が足りないと普通は葉は伸びなさそうですがこの葉は伸びるんですね。

これって、いわゆる徒長のことだと思うんですよ。
健康的にすくすく伸びていくんじゃなくって、ひょろりと。
本来はぎっしりとつくはずの葉が日光不足でひょろひょろ茎が伸びたばっかりにスカスカに付いているんですね。
そんな風に引き伸ばされたような会話と会話の間があるってことじゃないかな。
No.27 2004年03月12日 (金) 18時18分
おおお!>希理子ねえさん
ぽっぽ [ Home ] [ Mail ]
015:葉 兵庫ユカ 2003年03月03日 (月) 22時42分
日光が足りないせいで伸びてゆく葉と葉の間のような沈黙

これって、いわゆる徒長のことだと思うんですよ。
健康的にすくすく伸びていくんじゃなくって、ひょろりと。
本来はぎっしりとつくはずの葉が日光不足でひょろひょろ茎が伸びたばっかりにスカスカに付いているんですね。
そんな風に引き伸ばされたような会話と会話の間があるってことじゃないかな。

あー、なるほど!<徒長
何となくもやしっぽいイメージはあったんですけど、
葉っぱだからよく分からなかったんです。そうかあ、徒長かあ。
(深く納得)

隙間だらけの会話みたいな感じかしら。
でも席は立てないの。立たない、立ちたくないのかも知れませんが。
つらいよね。(^_^;)
No.28 2004年03月12日 (金) 20時08分

 

過去ログ21より。
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004:木曜 高見里香 2003年02月28日 (金) 00時12分
日常と呼べばざらつく木曜日眠った子どもの靴を脱がせる

正直に言って「日常」ってのはそれほど楽しくない。
退屈だし。でもやることは多いし。つらいことばかりだし。
それでもあたしたちは生きていかなきゃならないわけですよ。
眠った子は重い。靴を脱がせるのは簡単なようで難しい作業です。
でも、それはやっぱり幸せな作業でもある。たとえ手がざらついても。

030:表 五十嵐きよみ 2003年02月28日 (金) 00時34分
剃刀の表と裏の近しさで忍び笑いの目を交わし合う

これは共犯者の眼差しですね。
お互いだけが分かる、知っている何か。それを密かに共有している。
「剃刀の表と裏」は最も近くて最も遠い位置にある。
そういう関係なのでしょう。近しいけれど気は抜けない、みたいな感じ。

006:脱ぐ 荻原裕幸 2003年02月28日 (金) 01時08分
どのドアももうなくなつて鍵束はあの日まとつたゆふやけを脱ぐ

先日某所で行われたマラソン一首批評会にも出された歌。
具体的な状況が描かれていないので解釈は無限に広がりますが、
それでも伝わって来るスピリッツみたいなものは共通していそうです。
キーワードは喪失、束縛、回想、自由、再生、かな?

011:イオン かいり 2003年02月28日 (金) 08時50分
ライオンの瞳におちる虹のようしずかでちいさなぼくらの祈り

かいりさんは他の誰にも使えない言葉を使う。
虹はライオンの瞳に落ちて、祈りはしずかに小さい。しずくのように。

089:開く 春日山 2003年02月28日 (金) 15時21分
意に添はぬ君と歩める公園に
     雨の落ちきて傘を開きぬ

よく状況は分からないのですが、
仲直りの瞬間の歌かなと思いました。
たとえ喧嘩をしていても、
雨が降れば傘には一緒に入る。そんなもんだ。

032:星 萩原留衣 2003年02月28日 (金) 15時32分
この星の夜明けの歌を聴くために組み立てていく鉱石ラジオ

これも一首批評会で出されました。
留衣さんの優しい柔らかい理科系の歌。
第四句の「組み立てていく」は「組み立てている」の方がいいのかなあ。
「いく」とした方がカメラは少し後ろに下がりますね。それも捨て難い。

028:三回 和良珠子 2003年02月28日 (金) 16時56分
きっちりと28日周期にて年に十三回卵を腐らす

女の身体は几帳面で、
たとえ子供を産むつもりや予定がなくてもちゃんと卵を作る。
使われなかった卵は赤黒い血の座布団に紛れて排出されるだけ。
それを「腐らす」と言ったところが和良さんでしょう。

100: 短歌 大橋紀子 2003年02月28日 (金) 20時42分
レシートの裏に書かれし短歌メモ逝きたる母の財布に残る

素直な歌を作られる大橋さん。
これは物を描いて物が語ってくれた歌ですね。
レシートの裏におそらく走り書きされた亡きお母様の短歌メモ。
忙しい生活の中で短歌を作っておられた一女性の姿が見えます。
そして、お嬢さんも同じ道を歩んでいらっしゃるのでしょう。

063:海女 大辻隆弘 2003年02月28日 (金) 23時01分
海中の深きに沈みゆくなへに青みを帯ぶる海女のからだは

「なへ」は接続助詞。
…するとともに、…するにつれて、…するちょうどその時、といった意味。
海深く沈むにつれてだんだんと青みを帯びてゆく海女の身体。美しいです。

010:浮く なかはられいこ 2003年03月01日 (土) 01時55分
浮いたまま運ばれてゆくぼくたち、の、さかさまの街、さかさまの空

すみません、これ選ばせていただきます。(謎笑)
この歌から私が受けたイメージは、
時を止めたいのに止められない日陰の恋人たちでした。
時が過ぎればどんな恋人たちにも必ず別れはやって来る。
誰も時間は止められないし、時間から降りることもできない。
だから、せめてさかさまになって流れていくんです。街や空と一緒に。

040:走る emi 2003年03月01日 (土) 23時26分
ゴールには待つ人がいるだからこそ僕は走ると言ったきりだね

この歌のポイントは結句の「言ったきりだね」の「きり」。
言っただけで後は何もしていない感じが微妙に切なかったです。

028:三回 荒川美代子 2003年03月01日 (土) 23時59分
かりょくちょうせい三回目そらよりあわいあおになるひとやくけむり

この一つ前の、
「忘れない忘れさせないふくしうもありれいきゅうしゃのやねはきんいろ」
と合わせて読みたい歌。
淡い青なら、人を焼く煙も煙草の煙と同じ色なんだなあ。

007:ふと 久野はすみ 2003年03月02日 (日) 13時03分
なだらかな上り坂だとふと気づく日暮れにぺんぺん草を鳴らすよ

やっとはすみさんの歌。
解釈が難しいですが、
私は呆然としながら歩いている女性の姿を思い浮かべました。
そしてふっとここは緩い上り坂だったと気づくんです。
日暮れに鳴らすぺんぺん草は何の合図なんでしょうか。

011:イオン 村本希理子 2003年03月02日 (日) 18時29分
蒲公英をダンデライオンと言ひ換へて楽しんでみる道草サラダ

希理子ねえさんの歌は図太く明るいですね。(笑)
でもそれは嫌みがなくて雑草みたいに強くて清潔なんです。だから好き。

014:段ボ−ル 兵庫ユカ 2003年03月02日 (日) 23時52分
芋類の重さだこれは猫の寝る段ボール箱窓際へやる

猫ってお芋の仲間だったんですね。(^^)
これがユカさんの感覚なんだな。

031:猫  啓小出学 2003年03月02日 (日) 23時56分
陽のあたる猫の背中が丸すぎてかすかにかすかに明日は遠のく

これも独特な感性の歌。
猫の丸い背中に明日が少しずつ吸い込まれているような。

006:脱ぐ 菜摘 2003年03月03日 (月) 07時00分
脱ぐときに視界は一度白くなり息新しく夏のTシャツ

両手で裾をつかんでエイッとTシャツを脱いでいる感じ。
そしてプワーッと息を吐く。次に吸うのは夏の空気。爽やかな歌。
No.25 2004年03月10日 (水) 20時02分

 

過去ログ20より。
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008:足りる 井口一夫 2003年02月24日 (月) 11時03分
いつまでも一人足りない春のピース 代わるがわるにカメラ構えて

記念写真というよりは、もう少しくだけた感じでしょうか。
仲間内で出かけた先で撮る写真。次々にカメラとカメラマンを代えて。
三脚を付けてタイマーをかけるほどのフォーマルさはない。
「春のピース」にほんわりとした明るさと、
その光景を既に遠いところから見ている作者の目を感じました。

004:木曜 田外 茗子 2003年02月24日 (月) 14時42分
珈琲の冷めぬ程度の相槌を打つなり木曜宮の男に

去年も選びました。
でもいまだに木曜宮が分かりません。(笑)>meikoさん
分かっているのは本命の男じゃないってことだけです。

009:休み 丸山 進 2003年02月24日 (月) 18時10分
周りから休みを取れと迫られる休みの島から逃げて来たのに

いやん、こんな歌があったのね〜(喜)
「休みの島」最高。そこからさえ逃げるのか男は。

023:詩 和良珠子 2003年02月24日 (月) 20時23分
一片の詩を読みあげるごと遥か高みより 懐妊を告げらる

まるで聖母マリアの受胎告知のようですが。
しかしこれは和良さんの歌。だとしたらそのままの意味ではないかも。
受胎した途端に女は当然のように母として扱われる。母を求められる。
それなりのことをすればそれなりの結果が出るというだけのことなのに。
子供を孕むってそれほど大層なことなんですか?
という読み方はひねくれすぎてるかな。

024:きらきら 五十嵐きよみ 2003年02月24日 (月) 20時52分
きらきらとぎらぎらの差をおもうときこんなに遠くきたわたしたち

ごく当たり前の読み方をすれば、
きらきらは青春、ぎらぎらは現在でしょうか。
点々が二つついただけでこんなに違う。

009:休み 高澤志帆 2003年02月25日 (火) 01時15分
三組のロミオに会へぬ春休みうさぎ小屋から校庭ながむ

うちの娘が今ちょうど生き物係なもので、(笑)
妙に共感してしまった歌。もうすぐ春休みですしね。

004:木曜 荻原裕幸 2003年02月25日 (火) 03時18分
船を見るやうに見てゐた木曜のアテネ・フランセに通ふきみを

去年も選びましたがもう一度。
船は遠いですね。でも絶対に手が届かないほどではない。
あこがれというよりはもっとひんやりしたものを感じました。
えっと、悪い意味ではなくて。無関心に近い関心のような。

007:ふと 佐藤弓生 2003年02月25日 (火) 06時15分
鉄橋にさしかかるときふと黙るふたりとどろく水の遠さに

この歌も、もう一度。
大きな水音が聞こえたから黙ったのではなくて、
水音が遠いから黙る二人。耳を澄ませるために。
二人だけで決めた暗号のように。親密なのにいつまでも遠い関係。

089:開く 飛永京 2003年02月25日 (火) 14時48分
大屋根を開ければ黒い蝶になるシュヴァルツヴァルトの木のピアノらし

この歌も、やはりもう一度。
黒い森から生まれた黒いグランドピアノ。
屋根を開ければ漆黒の蝶になる。音よ羽ばたけ。

054:麦茶 藤原龍一郎 2003年02月25日 (火) 22時26分
圓朝の奇想花咲く三題のドリトル先生・麦茶・赤旗

むー、すごい三題噺だ。(^_^;)
でも何となく底が繋がっているような。
こういう語選択は藤龍さまにしか出来ないんだろうなあ。

001:月 大塚真祐子 2003年02月26日 (水) 01時12分
番号でわたしを呼ばぬひとと見る月面ドームに降りつづく雪

これはSFでしょうね。
人がみな番号で呼び合うような未来でも、
恋人同士だけはお互いを名前で呼び合う。
そして、やっぱり雪は美しい。たとえ有害でも。

001:月 高見里香 2003年02月28日 (金) 00時08分
美しい目をした子どもを産む為に月のひかりのゆりかごを編む

もう一つ、母の歌を。
子を孕むということは祈りを孕むようなもの。
No.24 2004年03月10日 (水) 08時58分

 

過去ログ19より。
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044:殺す 笹田かなえ 2003年02月21日 (金) 00時08分
「おまえ」って呼ばれるたびに殺されるそのたび死んで生まれ変わって

やっぱり性愛の歌でしょうか。
「おまえ」と呼ばれることを嫌がってはいないような気がする。
「おまえと呼ばれるたびに(心が)殺される」という歌だったら、
結句の「生まれ変わって」が明るすぎるものね。

024:きらきら 芦田美香 2003年02月21日 (金) 14時27分
チャンネルを変えた途端きらきらのにしきのあきらがプールに飛び込む

「きらきらの」の後に「にしきのあきら」を出して来たのがお手柄。(笑)
「き」の連続が煌めくようです。映像が目に浮かぶ気がするよ。

018:泣く 和良珠子 2003年02月21日 (金) 21時50分
二つ折りの身体を更に四つに折り二十歳に戻ったハルモニは泣く

忘れられない一首。
「ハルモニ」は朝鮮語で「おばあさん」のこと。
私は従軍慰安婦経験者だと読みました。
四つに折った身体は性交時の体位。深読みかしらね。

008:足りる 高澤志帆 2003年02月22日 (土) 15時22分
独り居を始め初めて献血をことわられたり 足りないらしい

何が足りないのかな?と去年も思いました。(笑)
言わないところがこの歌の魅力なんでしょうね。

003:さよなら よしだかよ 2003年02月22日 (土) 19時56分
隣人は若い男 さよならを上手にいえる鸚鵡飼ってる

第二句は後ろの空白も入れて七音と読むべきか。
鸚鵡が上手に言えるようになるほどさよならを繰り返して来た男。
だけど鸚鵡とはさよならしないのね。(笑)

009:休み 伴風花 2003年02月23日 (日) 00時10分
あのひとが職員室で眼鏡拭く休みじかんは日溜りのよう

さりげない歌ですが、
平仮名表記など気遣いの感じられる歌。淡い相聞なのかなあ。

047:沿う 大辻隆弘 2003年02月23日 (日) 09時28分
少女はや春の路上を歩みつつ身に沿ふ影の淡きを運ぶ

下の句が巧い。
春の少女は影すら淡い。

007:ふと 村本希理子 2003年02月23日 (日) 19時42分
一晩ででつぷりふとつた大豆煮て天使のラッパのことを思へり

なんでそんなこと思うかなあ。(笑)
豆の形のせいでしょうか。カーブしてるから。

054:麦茶 矢野伎理子 2003年02月23日 (日) 22時58分
濁りゆく麦茶を見つけ捨てし時そろそろ謝ろうかと思う

気まずい時間の経過、それを教える麦茶の濁り。
麦茶を捨てるために席を立ったことで少し空気が変わったのでしょう。
「見つけ捨てし時」がちょっと説明的かな。無理に文語にしない方がいい。

009:休み 兵庫ユカ 2003年02月24日 (月) 01時29分
でもなんのいいわけだろう休みなく星が滅んでいるからだって

いきなり話しかけて来る初句。
まるで自分に聞かれたような気持ちになります。
「それなら仕方ないよ」と答えてしまいそうだ。

017:雲 林ゆみ 2003年02月24日 (月) 01時44分
ノブ子って呼ばれるようになってから雲の乗り方わすれたみたい

石井桃子の「ノンちゃん雲に乗る」ですね。
いつから「ノブ子」になっちゃったのかなあ。
No.23 2004年03月09日 (火) 09時34分

 

過去ログ18より。
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過去ログの中で自分の歌に会うと赤面しますね。(^_^;)

007:ふと ゆらゆら 2003年02月18日 (火) 22時05分
二度三度カップを拭いていし指がふとひるがえり我を呼ぶなり

さすがわが妻、
なんてえっちな歌なんだ!(爆)

007:ふと 高澤志帆 2003年02月19日 (水) 00時22分
みあげたるほしがぼやけてポケットの緑の切符にふときづきたり

星の切符。
色が青ではなくて緑なのがいい。

015:葉 和良珠子 2003年02月19日 (水) 15時20分
事実だけがその使命にてより白く白く塗られる 百葉箱は

去年この歌を初めて見た時には衝撃を受けました。
使命のためにより白く白く。こっちまで窒息しそうになる。

014:段ボール 林ゆみ 2003年02月19日 (水) 23時28分
段ボール箱を開ければ故郷の空 風 光 母 春キャベツ

ゆみさん、お元気かなあ。(^^)
春キャベツは銚子の名産。芯まで柔らかいのが自慢です。

043:鍋 大辻隆弘 2003年02月20日 (木) 01時01分
井戸水を張つたる鍋にきぬごしの豆腐半丁、買ひて泳がす

あたしはどうもワンポイントに反応するくせがあるみたいなんですけど、それでもこの「買ひて泳がす」は抜群にいいと思います。(^^)

077:落書き 飛永京 2003年02月20日 (木) 15時05分
言葉でしか伝えられない不自由なヒトであるから落書きもする

言葉は万能じゃないですもんね。
だから落書きもする。それでも。

005音 大石俊弘 2003年02月20日 (木) 15時28分
「ラ」の音のやうなる君を想ひ出づピアニッシモの空気に包まれ

ラ音とピアニッシモが近いかな?と思いつつも選びました。
男の人って思い出に弱いですねえ。

005:音 なかはられいこ 2003年02月20日 (木) 16時08分
音たてて走るドミノのそのさきのもっとさきまで海になりたい

この足の速いポジティブさが好き。(^^)

001:月 田中槐 2003年02月20日 (木) 16時14分
爪先の傷の痛みに聴覚のさえざえとして月を聴きおり

二重縛りだった槐さん。さすがです。
痛覚は聴覚を刺激して聞こえない音を捉えさせる。
たとえば月が夜を渡る音など。

001:月 荻原裕幸 2003年02月20日 (木) 01時51分
満ちてゆく半月なのか曖昧なままのひかりにふたりは眠る

幸せなのかなあ、
幸せだといいなあと思った歌。
No.22 2004年03月08日 (月) 23時14分

 

過去ログ17より。
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017:雲 荒川美代子 2003年02月17日 (月) 01時27分
やくそくの果たされぬまま紫雲英だけ咲く来年もきみがしんでも

やっぱり好きだなあ、この歌。
紫雲英(げんげ)は強いですもんね。
来年も再来年もその先もきっと咲く。
人間は百年経ったらだあれもいないんだもんな。

036:遺伝 青山みのり 2003年02月17日 (月) 03時12分
菜の花の黄の遺伝子をもつひとと呼びあうたびに夕暮れてゆく

これは巧いけど巧すぎない気がします。(笑)
どんなひとなのかなあ。呼びあうたびに夕暮れを呼ぶひと。

017:雲 萩原留衣 2003年02月17日 (月) 08時48分
雲だったときに眺めた風景の雨の記憶をためている木々

雲は雨になって、雨は木に吸い取られて。
でも天から見た記憶は残っていくという歌。
留衣さんは不思議な人です。心が地に縛られてない感じ。

034:誘惑 大辻隆弘 2003年02月17日 (月) 10時49分
誘惑しちやう、なんど言ふならしてみるがよい吾がこころ既にし巌(いはほ)

すいません、つい笑ってしまいました。(^^)
結句の「既にし巌」がいいですね。そんなに構えなくても。

006:脱ぐ 高澤志帆 2003年02月17日 (月) 17時57分
蝋梅ハ梅ニ非(アラ)ズ と言ひながら鎌倉は冬を脱ぎすてるなり

いいですねえ、この歌。
蝋梅はバラ科でしたっけ?でも、春は春。

018:泣く ひぐらしひなつ 2003年02月17日 (月) 20時30分
胸の裡に蒼い炎の揺れる日は鱗の擦れる音たてて泣く

この歌もいいなあ。(うっとり)
綺麗な鱗なんだろうなと思います。削れなければいいけど。

045:がらんどう 八香田 慧(ようかだ けい) 2003年02月18日 (火) 01時07分
“がらんどう”悔しいけれど夢中だぜそれを言うなら“ギャランドゥ”です

ごめんなさい。
これ、今年も取ります。(爆)
http://homepage2.nifty.com/sledge_hammer_web/do.htm

016:紅 芦田美香 2003年02月18日 (火) 10時44分
りさの欠課時数がいよいよ危うくて千両万両中庭に紅し

この辺りの芦田さんの歌はどれも好き。(^^)
「りさ」と「千両万両」の組み合わせがいい。穏やかな危機。

014:段ボール 和良珠子 2003年02月18日 (火) 16時56分
午前5時「猫の死体」と朱書きした段ボールごと冷えてゆく指

朝は寒い。
朝の空気も猫の死体入りの段ボールもそれを持つ指も。
和良さんらしい一首。

028:三回 夏瀬佐知子 2003年02月18日 (火) 20時58分
三回も家出したのは私だけどうしてあなた出て行かないの

男って、腰が重いみたいですよ。(笑)

028:三回 むつき 2003年02月18日 (火) 21時05分
番号を三回出して消したとか人にいうなよケータイのヘビ

むつきさんには珍しい口語の歌。
「ケータイのヘビ」が好き。ストラップでしょうね。
No.21 2004年03月08日 (月) 21時26分

 

過去ログ16より。
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029:森 笹田かなえ 2003年02月14日 (金) 23時08分
シャワーとか浴びないでしたそのまるではじめの頃の森の匂いだ

言葉の係り具合の取り方で読みがぶれるかな?とは思うのですが(浴びないでしたのは今なのか、それともはじめの頃のことなのか)でもかなえさんの歌だなと思いました。森の匂いは若いセックスの匂い。

087:朝 立花るつ 2003年02月15日 (土) 18時05分
「朝起きは三文の得」と書いてくる子の作文を直せない朝

去年は円周率の歌を選んだので今年はこちらを。
優しい先生だなあ。(^^)

007:ふと 伴風花 2003年02月15日 (土) 21時36分
きみがふとまるめたメモの裏側に泣いてるドラミちゃんがいたこと

うわー、またドラミちゃんに会えた。(^^)
この「きみ」は同性の友人だと今でもやっぱり思います。

041:場 八香田 慧(ようかだ けい) 2003年02月15日 (土) 21時40分
この星で幾つ目なのか実験場宇宙(そら)の誰かに問いかけてみる

宇宙は神のシャーレなのかも知れないですよねえ。

072:席 田丸まひる 2003年02月15日 (土) 22時32分
ドライブも久しぶりだね助手席のシートの位置も前と違うね

この歌、やっぱり好き。
去年は独白だと思って読んだんですが、
本当に彼氏に言ってたらすごい皮肉だよね。その方がいいな。(^^)

091:煙 森川菜月 2003年02月15日 (土) 22時37分
まんなかのドリンクバーでうちの子と親が煙草を吸ふ子が出会ふ

ファミリーレストランでの光景。
すみません、その子うちの子かも知れません。(苦笑)

026:妻 矢野伎理子 2003年02月16日 (日) 00時35分
妻なんてつまんないから愛人にしてよパンツも洗わず済むし

それならあたしも愛人の方がいいな。(笑)

031:猫 大辻隆弘 2003年02月16日 (日) 01時05分
いもうとが不戦敗した春の夜の猫投げ選手権地区予選

ときどきお茶目な大辻さん。(^^)

012:突破 和良珠子 2003年02月16日 (日) 01時13分
「三遊間突破〜!!」の「ぱ」から先 僕はどんな小石も憎んで跨ぐ

この「どんな小石も憎んで跨ぐ」って凄いよね。
上の句との繋がりがいまいちよく分からなかったりしますが。
(イレギュラーヒット?)

039:贅肉 門哉彗遥 2003年02月16日 (日) 02時09分
贅肉に君も必要なんだよと身体丸めて言い聞かせしや

「君に贅肉が必要」じゃなくて、
「贅肉に君が必要」なんだと言い聞かせるところがミソ。
男って、そういうときだけは優しいのよね。

009:休み 黒瀬珂瀾 2003年02月16日 (日) 07時32分
春疾風それはさておき愛染の休み過ごしに若狭へ来よ、と

「それはさておき」がものすごく好き。(^^)

009:休み コメット 2003年02月16日 (日) 11時53分
上司も部下もいない時刻を見計らい休みのわけを簡素に伝える

職場詠のコメットさん。
中間管理職って大変ですね〜(^_^;)

006:脱ぐ 春村 蓬 2003年02月16日 (日) 12時51分
再会に貴腐ワイン 概念を脱いだ葡萄はおそろしく甘いな

春村さんって時々すごくハードボイルドですよね。
「概念を脱いだ葡萄」ってどんな葡萄だろうか…。

019:蒟蒻 五十嵐きよみ 2003年02月16日 (日) 15時01分
婚約者を蒟蒻者などと打ち違え土のにおいの満ちる便箋

五十嵐さんは言葉で小さな幻を作るのがお上手です。
幻に思えないんだよね。本当に土のにおいがして来そう。

039:贅肉 春日山 2003年02月16日 (日) 16時26分
贅肉の臀部を振りつつ来し女(ひと)は
           日傘を閉じて鼻柱拭く

光景としては定番ですけれども、
結句の「鼻柱拭く」がいいなと思いました。
そして、日傘の女といえば思い出すのがこの歌。

 まへをゆく日傘のをんな羨(とも)しかりあをき螢のくびすぢをして 辰巳泰子

035:駅 笹田かなえ 2003年02月16日 (日) 20時40分
わたくしに私の在り処たずねればたったひとつの駅の名となる

かなえさんの歌をもう一首。
あたし的にはこれが「駅」の歌のベストかも。(^^)

042:クセ 武田春彦 2003年02月16日 (日) 21時41分
渾身のトリプルアクセル 氷面に切り立ちあがる擦過懸崖

「クセ」というお題の消化の仕方が巧い。
結句の「擦過懸崖」がすごく好きでした。専門用語って色っぽい。
No.20 2004年03月08日 (月) 19時25分

 

過去ログ15より。
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032:星     佐藤理江 2003年02月13日 (木) 17時52分
地球から見るより他に手がなくてたまたま遠き六等の星

去年も選びましたが、やはり今年も。
六等星などと言っても、
それは「たまたま」地球から見た明るさに過ぎないんですね。
人は自分の基準にしてしか周りのものを測れない。
「他に手がなくて」「たまたま遠き」といった表現が、この歌の鋭い批判性に薄いユーモアを被せて飲み込みやすくしているように思いました。

005:音 謎彦 2003年02月13日 (木) 18時14分
その息のしろさはつまり半母音まきちらかして駅へゆくこと

「半母音」が巧いなあ。

010:浮く 近藤かすみ 2003年02月13日 (木) 18時56分
銀紙であなたが折っただまし舟ふたりは海にゆらゆらと浮く

この歌、好きでした。
今も好きです。切ないね。

024:きらきら 八香田 慧(ようかだ けい) 2003年02月13日 (木) 20時40分
きらきらときらは何処(いずこ)と探す者赤穂浪士が討ち入りの夜

これ、やっぱり好き。(笑)

005:音 江村彩 2003年02月13日 (木) 20時54分
バグパイプの音色なにいろ水仙の花ぎつしりと丘に咲きおり

去年は取れなかった歌。
音色は何色なんでしょうねえ。丘が見えます。(^^)

010:浮く 塩谷風月 2003年02月13日 (木) 21時47分
仕上がらぬ報告書である這うように煙草の煙は浮く午前四時

これも去年は選べなかったな。
机に覆い被さるようにして仕事をしてるんでしょうね。
だから煙草の煙が「這うように浮く」。巧いと思いました。

017:雲 矢野伎理子 2003年02月13日 (木) 21時55分
突き抜けるためだけにある雲海だ決意揺るがぬ朝のフライト

「突き抜けるためだけにある雲海」っていいですね〜
第四句の「決意揺るがぬ」がやや説明的かも。

024:きらきら 大辻隆弘 2003年02月13日 (木) 22時37分
魂を捨つべきはるかなる青は若き日のわが汨羅(べきら)、きらきら

『汨羅(べきら)の淵に波騒ぎ、巫山(ふざん)の雲は乱れ飛ぶ〜』とは昭和維新の歌。この悲憤慷慨の詩「楚辞」を残し、屈原は汨羅の淵に身を投げたとか。
「わが汨羅、きらきら」に痺れました。

013:愛 新田瑛 2003年02月13日 (木) 22時50分
ふわふわで丸くて白か水色で愛のないモノだけ欲しいんだ

うーん、これは難しそう。
マシュマロに愛はあるかしら?(謎)

042:クセ 藤原龍一郎 2003年02月13日 (木) 23時14分
クセのあるペン字のハガキくれしゆえ高瀬一誌はインクの匂い

私も何度か頂きました。
入会できなくてごめんなさい。

025:匿う 梨乃 礫 2003年02月14日 (金) 00時27分
平凡な毎日だから匿ってみたい鞄にボブ・サップなど

梨乃さん、
あたしもよく考え直してみたんだけど、
やっぱりそれはちょっと入りきんないわよ。(笑)

031:猫 青山みのり 2003年02月14日 (金) 11時06分
湊町交差点西 野良猫のクロとはいまだ目が合わぬまま

みのりさん、これも巧すぎます。(^_^;)

025:匿う 笹田かなえ 2003年02月14日 (金) 19時07分
**したものは匿わなくていいシーラカンスの泳ぐ海では

昔、秘書課のOLだった頃、
社内旅行で行った三津のシーパラダイスで、
**中のスナメリを見たことがあるんですよ。
恋人と絡んでましたけど狭くて可愛そうでしたね。
やっぱりああいうことは海でやった方がいい。硝子張りだしさ。

008:足りる かいり 2003年02月14日 (金) 20時08分
青空が足りないぼくら走っても走ってもつめたい身体

この歌もやっぱり好き。
青空が足りたらあったかくなるのかな。

041:場 武田春彦 2003年02月14日 (金) 21時28分
後楽園場外馬券売場にて一時間後の紙屑を買う

不思議なベクトルの歌を作られる武田さん。
これは割と角度の浅い歌。あたしにはこれくらいが合ってます。(^^)
No.19 2004年03月08日 (月) 09時56分

 

過去ログ14より。
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029:森 こはく 2003年02月12日 (水) 14時40分
線路にて隔てられたる森と森 現在チャック閉めてあります

こはくさんにはこういう発見というか、
面白い見立ての歌がありますね。チャックが開いたらどうなるのかしら。

006:脱ぐ 加藤苑三 2003年02月12日 (水) 18時18分
なんかもうよく分からんわ。だからもう心は脱いで置いときたいわ。

脱げたらいいよねえ。あたしもいつもそう思います。(^_^;)

060:奪う 立花るつ 2003年02月12日 (水) 18時58分
奪ったと思っていたけど奪われていただけの日々流す紙びな

この歌、第四句までは結句の「流す」に掛かるでしょうか。
あたし的にはちょっと開いていて欲しいなあ。

045: がらんどう 大橋紀子 2003年02月12日 (水) 21時01分
鎌倉の大仏の中のがらんどう背中の窓から光差し入る

素直で率直な歌の大橋さん。
これはカメラのピントがピッと合った歌。(^^)

019:蒟蒻 梨乃 礫 2003年02月12日 (水) 22時43分
検索にかけてびっくり蒟蒻は食べるだけではない物なのね

そうなんですよ。
実はカップ麺もそうなんですよ。(笑)

005:音 高澤志帆 2003年02月12日 (水) 23時26分
春の夜(よ)の笑ひ声なる風音に木造アパートさわだちてをり

結句の「さわだちてをり」が巧いなあと。
春の風音は春の笑い声なんですねえ。

005:音 春村 蓬 2003年02月13日 (木) 00時25分
梅一輪ほころび始めいずこかでストップウォッチの動きだす音

春が動き出したんですね〜
時計じゃなくてストップウォッチなのがいい。秒じゃ計りきれない。

030:表 青山みのり 2003年02月13日 (木) 00時57分
携帯の着信ログを消すために忘れな草の表情をして

みのりさん、巧すぎますよ。(笑)
「忘れな草」がちょっと近いのかなあ。

056:野 飛永京 2003年02月13日 (木) 01時37分
どこかしら木の実草の実倉多江美 野ばらのような線が観たくて 

倉田江美、最近見かけませんねえ。どうしてるのかしら。
あのカリッカリのキャラ、また読みたいですよ。(^^)

017:雲 ひぐらしひなつ 2003年02月13日 (木) 10時32分
ひかりさす、ほどける、きえる、雲南省原産春摘緑茶あふれて

明るくて遠い光だなあ。

025:匿う 春日山 2003年02月13日 (木) 12時52分
幼き日かくれんぼのとき登美ちゃんは
          筵を掛けて匿いくれき

「登美ちゃん」と「筵」が効いてます。
No.18 2004年03月08日 (月) 01時22分

 




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