《谷口雅春先生に帰りましょう・第二》

 

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谷口雅春先生に帰りましょう・伝統板・第二
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尊師・谷口雅春先生著『善き人生の創造』第二十六章<新生活への出発> (1378)
日時:2016年05月05日 (木) 20時26分
名前:平賀玄米

   
     第二十六章<新生活への出発>


     <最悪の苦難の中に他を祝福する実行>

 一九四五年九月二十五日のウイクリー・ユニティにこんな話が書いてあります。
次はその大略であります。

 メリー・エバンス夫人は或る日台所で皿を洗っていました。彼女は妙に悲しそうな表情であったが、その両頬には口惜しさと自己憐憫との混淆したような涙が流れた。外には美しい緑の木の葉の和やかなささやきが静かな風にゆれながら聞こえて来たが、そんなことは彼女の耳に入らなかった。
 山の上に近所の田舎色の美しい家の屋根が見え、そこから紫色の煙がたゆとうて騰(のぼ)る姿は美しい夕方の景色をなしているのであったが、そんなことはエバンスの目には入らなかった。

 彼女の心の中には、一週間程前或る事情で前に住んでいた家から自分と自分の夫と自分の娘と三人が追われて来るようにここへ引越して来たその時通った道のぬかるみと、石だらけの不毛の畑と、
毀れかけたごみごみとしたあばら屋とだけが恰も自分の落ちぶれた姿を象徴するように印象されて残っていた。思い出すと悲しいのである。

 此処が自分の生涯の住家だと思っていた豊かな家から追い出された時には、恰も自分の世の終りが来たかの如くに寂しかった。夫のジョンが、もっと身体が丈夫で働き手であったならばこんなみじめな目にはあわなかったんだろうと思うと、夫の無力さが恨めしくさえなってくるのであった。

 夫のジョンはいい人ではあった。これは彼女も認めている。ジョンは働き手であったがその働きが何等家庭にこれという資産を造ってくれなかったのである。長い間の奮闘努力、それに報いられない失望落胆がもとになって彼は遂に健康を害して、都会では仕事が出来なくなり、繁華街では経費が余計かかるというのでこのみすぼらしい百姓町のあばらやに家族ぐるみ引越して来て、まずまず療養という形で、田舎の新鮮な空気と日光に恵まれるというわけであった。考えてみると何という寂しい自分たちだろうかとエバンスは考えるのであった。

 二人の間に生まれた娘はエディスといって今年十二歳になるのである。この家族にとってたった一つの慰めであり、希望の光であるのはこの娘であったが、さて人並みに何一つ買ってやれないので、他所の娘たちが当然持っているようなもが自分には無いと云って常に訴えるのを聞くのも辛かった。

つづく

      <平成28年5月5日 謹写> ありがとうございます 合掌。

尊師・谷口雅春先生著『善き人生の創造』第二十六章<新生活への出発> (1382)
日時:2016年05月06日 (金) 06時58分
名前:平賀玄米


 これだけでもエバンスの家庭はもう充分悪過ぎるほど悪いのだが、かてて加えてエバンスはシカゴにいる自分の妹のケイトから今手紙を受取ったところである。その手紙には妹の娘のジェニーが
身体が虚弱なので、もっと暖かい気候の所へ転地する必要があるという医者の診断なので、日光の豊かなカリフォルニアに居を構えているエバンスの宅へしばらく同居させて欲しいという手紙であった。

 シカゴにいるエバンスの妹はエバンスがどんな惨めな生活をしているのか知らないらしい。知らないからこそこんな手紙を寄こすのである。妹の家は経済的に豊かであって、エバンスの家庭などでは見たこともないような贅沢をしているので、その妹の娘のジェニーがこの家へ来ると云うことはエバンスの家庭にとっては恐慌であった。

 「私いやだわ。ジェニーさんが家へ来たりしたら、私などとても及ばない立派な服装をして私達に見せびらかすに決まってるわ。そんなこと私耐えられないわ」と娘のエディスはぶつぶついうのであった。

 「ジェニーはこんなぼろぼろの家になんか住めっこないわ。」と母親のエバンスも何の部屋飾りもないみすぼらしい部屋を見廻しながら言った。「ケイトにお母さんは手紙を書いてあげるわ、来て頂くにも部屋がないって。」

 エバンは呟いた。嘘を書かねばならぬと思うと、ちょっとためらって顔は赤くなった。「部屋がないなんて嘘だわ。だけれども部屋っきりで何の飾りも無いんだもの。」と彼女はもう一ぺん呟きながら何かをこらえるように口唇を引き締めたが、「そんなことは問題にならないわ。」

つづく

      <平成28年5月6日 謹写> ありがとうございます 合掌。


尊師・谷口雅春先生著『善き人生の創造』第二十六章<新生活への出発> (1387)
日時:2016年05月07日 (土) 07時44分
名前:平賀玄米


 彼女はエプロンで自分の手を拭いた。その時、台所口の方で誰かが訪れて来たらしくノックが聞こえたので彼女は目を変にゆがめて、「又おしゃべり好きの近所の誰かが来たんだろうよ。うるさいわね、自分の家にいて自分の仕事をしておればそれでいいのに。」と呟きながら裏の戸口を開きに行った。

 そこに入って来たのは八歳位の小さい可愛い娘であった。彼女はよれよれになったキャラコのみすぼらしい服装をしていたが鶏卵の一杯入っている籠を提げていて、エバンスがそこへ来ると、それを彼女の前に差し出した。
 「この卵を貰って下さい。」とその娘は言った。明るい声であった。「家の母ちゃんがこれをおばさんにあげますって、おばちゃんのお家には鶏がいないんだもの。」
 エバンスは一瞬の間信じ難いような目つきでその娘を見つめた。卵は近頃非常に高価なのである。
それをバスケットに一杯をただでくれるというはずはないと思うのだった。

 「本当ですか。あなたのお母ちゃんが本当にその卵を私に下さるの。」とエバンスは疑いながらたずねた。「それを頂いても、おばちゃんは差し上げるお代がないんですもの。」「えぇいいんですわ。家の母ちゃんはおばちゃんにこれをあげるといっているのよ。お代なんていらないんだわ。」

 こう云って娘はエバンスの後について台所の方へ入って来た。彼女は框(かまち)に腰かけて地面にまだ届かない幼い脚をぶらんぶらんさせながら、エバンスが籠から卵を出しているのを見詰めていた。
「家の母ちゃんは一番大きいのをおばちゃんにやったのよ。二ダースと、おまけにもう一つあると云ってたわよ」
「ほんとに立派な卵ばかりだこと。お母ちゃんにね、たんとお礼を言っておいて下さいよ。そのうちに何かお返しを致しますと云って下さい。」
「家のお母ちゃんは何もお返しなんか要らないって言ってたわよ。」とその娘はエバンスの顔を見詰めた。その目は鳶色で情熱のこもっているような純な目つきで妙にのぞき込むのであった。

 「おばちゃんは何故家の母ちゃんが、卵をおばちゃんにあげるか知ってる?それは家の母ちゃんは祝福が欲しいのだわ。『祝福が欲しければ祝福を与えよ』と家の母ちゃんは口癖のように言ってるわ。」

 エバンスはハッと思った。それは何という意味なんだろう。この小さな見知らぬ娘のいうような言葉を未だかつて彼女は聞いたことがなかった。

つづく

      <平成28年5月7日 謹写> ありがとうございます 合掌。


尊師・谷口雅春先生著『善き人生の創造』第二十六章<新生活への出発> (1395)
日時:2016年05月08日 (日) 06時54分
名前:平賀玄米


 「あなたのお母ちゃんの欲しいという祝福は一体どんな祝福なの?」と彼女はきいた。
娘は明るい表情で微笑した。
 「私に五歳になる弟があるのよ。私は今七歳なの、八歳になる所なのよ。弟のジョーイが木から落ちてそれから歩けなくなったのよ。ジョーイは沢山泣いたわ、母ちゃんも時々泣くのよ。家の母ちゃんはジョーイが再び立って歩けるように、神様がジョーイを祝福してくれるように、誰にでも祝福を贈りたいといっているのだわ、ジョーイも誰にでも祝福するのよ、だけどまだ小さいからたんとは何も出来ないけれど。」

 可愛らしい声は諄々として説くのであったが、エバンスは殆んどそれを聞いていなかった。
彼女の心の中には「祝福を欲しい時には祝福を与えよ」という言葉ばかりが耳の中に繰返し繰返し
鳴り響いていて、それが離れなかった。自分が人に祝福を与えてからもうどれほど長い間誰をも祝福しなかっただろう。自分はただ祝福するどころか不平ばかりを言っていたのだ、すまなかったというような心持が魂の底から湧いて来たのだった。

 彼女は戸棚の所へ走り寄って容れ物の中から最後に残った二個のパン菓子を持って来てその娘に与えたのであった。「ありがとうよおばちゃん。」とその娘は言った。「これジョーイに持っていってあげるわ。」

 メリー・エバンスはこの小さい訪問者が立ち去った後も長い間じっと考え込んでいた。あのみすぼらしい服装をしていた娘、誰にも、物を分けてやる程に富んでいない娘、他の人に祝福を与えるとしてこの多くの卵を持って来てくれた事実。考えてみれば私はどんな祝福を人に与える事が出来るのだろう。

 その時きらめくようにエバンスの心の中に私は妹の娘を預かってやることが出来るのだと思いだした。然しそんなことが出来ようか、この貧しい家にあの富豪の娘を、どうしたらいいのだろう、彼女は繰返し繰返し考えた。とうとう彼女はペンを出して妹のケイトにこの冬中気候のいいカリフォルニアにその娘を寄こすように、喜んで私は歓迎しますと書いた。

 この手紙を出してしまったらもう凡ては決定してしまうのだ。郵便函へ放り込んだら取返しがつかない事になる。さぁどうしよう。」と思ったが到頭思い切ってそれをポストに放り込んだ。ポツンとその手紙がポストの底へ落ちる音を聞いた時にエバンスは安心したようにため息をついた。

つづく

      <平成28年5月8日 謹写> ありがとうございます 合掌。


尊師・谷口雅春先生著『善き人生の創造』第二十六章<新生活への出発> (1411)
日時:2016年05月09日 (月) 10時30分
名前:平賀玄米


 「祝福を欲すれば祝福を与えよ!私は何をもっと与えることが出来るだろう?誰をもっと祝福することが出来るだろう。そうだ自分の家族を。自分がもっと愉快な顔をすることによって。もっとこの部屋を綺麗にすることによって。今迄ジョンに泣き言ばかり言って来たのに、これからは夫を励ます言葉を使う事にしょう。」

 彼女はそこに一点のしみも埃もなくなる程台所の掃除を始めた。汚れたカーテンを外して洗った。
それに鏝(こて)を当てて窓にかけた。出来るだけ調理に気を付けて美味しい食事を出す事にした。
そして近所の野原から摘んで来た薔薇の花を部屋の各所に差すことにした。無精に汚れていた自分の着物をきちんとした清潔な着物に着替えた。そして髪も久しぶりに美しく櫛を入れた。

 彼女は新しい気持ちで鏡の前に立っていた。そして微笑してみた。それは自分にも美しく見えた。
ジョンが私が変わったことに気づくだろうか。丁度その時夫のジョンが便所へでも行った帰りか疲れた足を引きずりながら入口に立ち止まって急に美しく明るくなった部屋の中を覗き込んだ。一輪挿しに差した薔薇、新しくなったカーテン、きちんと身なりを整えた自分の妻が微笑みながら立っている。「メリー」と夫は彼女の名前を呼んだ。彼女は笑いながら彼に近づきながら夫のキッスを待つようにその顔を近づけた。

 「私、気が違ったと思って、あなたそう思わない?気が違ったんじゃないわ、一緒に手を洗いましょう、娘がもう帰って来る時分ですわ、一緒に三人で御飯を頂きましょう。」
 そこへ娘のエディスが不愉快な顔をして入って来た。然し彼女は急に明るく楽しそうになった台所をみた。お母さんが洗っている。お父さんも急に元気になったように見える、彼女の不愉快な気持ちは急に消えてしまった。

 「お母さん」とエディスは言った。「何が起こったんです。」母親は娘を引寄せて接吻した。
「祝福を欲すれば祝福を与えよですよ。」と明るい声で云った。
 三人は台所にかけて一緒にお食事をした。エバンスは先刻訪ねて来た卵をくれた娘の話「お前は
どう考える。その娘の与えて行った祝福は確かにしっかりと実を結んだのだ。」「これが長く続けばいいと思うわ」と娘のエディスは言った。「続きますともよ。」とエバンスは自分の娘を可愛くてたまらないような目で見ながら自信に満ちた声で云った。

 心が変われば環境が変わって来るのである。今迄の地獄が忽ち天国に変わったのである。みすぼらしい娘の持って来た一籠の祝福がエバンスの家庭を地獄から天国に変化さしたのである。
小さいことが大きな祝福を生むのである。我々は小さな祝福を人々に贈ることを忘れてはならないのである。

つづく

      <平成28年5月9日 謹写> ありがとうございます 合掌。



尊師・谷口雅春先生著『善き人生の創造』第二十六章<新生活への出発> (1431)
日時:2016年05月10日 (火) 06時21分
名前:平賀玄米


 段々エバンスの家庭は祝福されたものとなって行った。幸運が訪れて来たのである。
主人のジョンも健康を回復し近所の百姓家に働くことになり、その余暇の時間に家を修繕したり改造したりした。エバンスは近所の人達の為に裁縫仕事を引き受けてやることにした。そこから多少の金が入って来て家を飾るセットなども色々と整えることが出来たのである。
 そして妹娘のジェニーがシカゴから来た頃には古いみすぼらしい部屋が住みよい気持ちの良い部屋に変わってしまっていたのであった。

 ジェニーは、最初気遣っていたようには富豪の娘を鼻にかけて尊大に振る舞うというようなことはなかった。それは深切な娘であって、エディスの箪笥には今迄になかったような色々の洋服を従妹に贈物としてくれた。彼女は愉快な善良な性質を持っていて色々家の仕事も手伝ってくれるし、その母親から、無理にもとっといてくれと送って来た為替はエバンスの家の助けをしてくれることになった。

 二人の娘は最初から姉妹のように仲が良かったが時々二人であの卵を持って来てくれた娘の家を訪問して美しい絵の本や家庭でこしらえたキャンディーを持っていってやったりした。

 夫のジョンはいよいよ健康になって行った。どんな神経の疲れもなくなってしまって非常に愉快に丈夫になった。祝福が祝福を生んだのであった。汚い家だが泊める部屋もないと断っていたならばきっとこの家は汚いままで寂しい暗い冬を送らなければならなかったであろうに、貧しい部屋でも人に祝福を与えたいとの願いを起こした時このように明るい楽しい部屋に変わってしまったのであり、地上に天国が実現したのであった。

つづく

      <平成28年5月10日 謹写> ありがとうございます 合掌。


尊師・谷口雅春先生著『善き人生の創造』第二十六章<新生活への出発> (1438)
日時:2016年05月11日 (水) 10時23分
名前:平賀玄米

 
 春が来るとジェニーは従妹のエディスと一緒にシカゴへ帰って行くことになった。それから二週間後にエバンス夫妻はジェニーの父親から一通の手紙を受け取った。その手紙にはこう書いてあった。
 「私はあの気の毒な足の悪い子供を当市のよき医者にかける為に、今日契約したのです。ジェニーからすべてのことを聞いた、その足の悪い子の母親にこの事を伝えてほしい。もしよかったら二人の姉弟を飛行機でシカゴへ寄こしてもらいたい。娘のジェニーがそのお嬢さんの世話をしてあげるといっている。」

 エバンスはこの良き知らせをあの卵をくれた娘の家に知らせたのである。ヘンドリック夫人(娘の母親)は別にさほど驚いた程でもなかった。然し感謝の涙をハラハラとこぼしながら、「私は神様がきっと息子を何とかして助けてくれるに違いないと信じていましたわ。然しどんな方法でどんなにしてくれるかは私知りませんでした。こんなに早くそれが来ようとは。」

 やがて足の悪い子供、ジョーイ・ヘンドリックは再び歩く事が出来るようになった。ジェニーはすっかり健康を回復したし、エディスは愉快な旅行を楽しむことが出来たし、ジョンは生活が楽になり健康になり凡ゆる所に幸福がよみがえって来たのであり、そしてふさぎこんでいた誰にでも嫌われそうなエバンスは、愉快なだれにも可愛がられるそして人々に祝福を与えることの出来るよき夫人に変貌したのであります。

 ただ幼児の心を以って一籠の卵を与えることを実行したその夫人の信仰と実践とが、このような結果をもたらしたのです。「祝福を求めれば祝福を与えよ。」という標語でユニティの記事は終わっているのであります。

つづく 

      <平成28年5月11日 謹写> ありがとうございます 合掌。




尊師・谷口雅春先生著『善き人生の創造』第二十六章<新生活への出発> (1458)
日時:2016年05月12日 (木) 09時02分
名前:平賀玄米

         <獄舎の扉を開く力>

 生長の家の教えは「天地一切のものに和解せよ」いう教えであります。天地一切のものに和解するとは腹が立つのを、悲しいのを、いやいやこらえているのではなく、「本当の和解は感謝し合った時成立する」と教えられているのであります。

 そうしたら、如何にしたら自分が貧しく、或は病気で打ちひしがれている時に感謝する事が出来るであろうか。前述のエバンスのように豊かなる家から、貧しいあばら家へ追い立てられるようにして移転させられて来、あまつさえ、夫が病気をしているというような状態に於いて、どうしたら感謝することが出来るであろうか。それは先に挙げた実例のように自分が他を祝福する気持ちになった時、本当に和解が成立し、本当の感謝が成立するのであります。

 本当の和解は、感謝によって成立し、本当の感謝は祝福を与えることによってのみこれが実現するのであります。困難に直面している真唯中に於いて、自分の子供が、足を折って生涯立てないようになっている状態の中でジョーイの母親は、他に対して祝福を与えることを始めたのであります。

 その祝福がエバンス一家に祝福を与えることになり、それが又廻り廻って、自分自身が祝福されることになったのであります。困難の中に吾々が如何に悩んでいる時に於いてすら、感謝し得るものは実に沢山あるのであります。

 パウロはローマの官憲に圧迫されて投獄の災いを受けながら「喜び」、しかして「神に感謝」したのであります。その時奇跡が起こって、獄舎の扉は開かれたのです。「喜び」と「感謝」とは一切の吾々を縛る所の不調和を打ち砕く鍵であるということを、此の物語は象徴しているのであります。

 如何なる艱難の真ん中にいてすらも、吾々がもし感謝すべき何ものかがあるに違いないと信じてそれを探し出しさえすれば必ず感謝すべき神の恵みを見出すことが出来るのであります。それは一碗の食物にしても、一夜の宿りにしても、一杯の水にしても、一呼吸の空気にしても、もし吾々がその有り難さを本当に見出そうとするならば見出せないということはないのであります。

つづく

      <平成28年5月12日 謹写> ありがとうございます 合掌。


尊師・谷口雅春先生著『善き人生の創造』第二十六章<新生活への出発> (1474)
日時:2016年05月13日 (金) 07時11分
名前:平賀玄米


 あなたの周囲にある所のすべての恵みをどんな小さなものでもよいからそれに対して感謝し始めることが幸福に対しての迎え水になるのであります。
感謝する心を起こせば、感謝すべきものが段々多く集まって来るのであります。吾々の念は同種のものに対して一種の磁力的力を持っているのでありますから、自分が感謝すれば感謝すべき同種のものがいよいよ益々多く集まって来るのであります。自分が祝福すれば祝福すべきものがいよいよ益々多くなって来るのであります。

 もしあなたがいつまでも悲しみ続けているならば、悲しみは益々多く集まって来るのであります。
もしあなたが不平をいつまでも続けているならば、不平を言わずにはおれないような出来事が益々多く集まって来ます。これに反してあなたがどんな小さな恵みにでも感謝するならばそれは最初は小さなものであるにしても、雪達磨を転がすように次から次へと良き事が集まって来てそれは大きな塊となるのであります。

 良きものを祝福すれば良きものが集まて来る。神を祝福すれば神を吾がものとすることが出来るのです。そこで凡ゆる感謝の中で、最も偉大なる感謝と祝福は、神に対する感謝と祝福である事が
知られるのであります。何故なら神を得る事が出来れば神の中には一切のものが含まれているからであります。

 ある人は凡ゆる事情が自分にとって不利となり、すべての努力が無効に帰したと思われるような
真唯中に於いて、とても感謝や祝福が出来そうにない暗黒の最中に、眞理を教えられて、目をつぶり歯をくいしばりながら、実際心の底では「ありがたい」と感じもしないのであったが、教えられた儘に「神様ありがとうございます」と繰返し繰返し口の中で念ずることにしたのであります。

 そうしますと、何が起こったと思いますか?そこから不思議な感情が湧き起って来たのです。
失望落胆と恐怖と不安とに満たされていた心が次第次第に静まって本当に感謝の念が湧き起って来たのです。そして眼の前にある不幸も悲しみも心の中から消え去ってどんなに多くの恵みの中に自分達が既に包まれているかということに気が付き始めたのであります。

 丸亀の森傳(もりつたえ)という人は、胃癌に罹って、函館の有名な尿成分の診断によって癌の所在を診断すると云う木内尿研究所の診断によると癌が益々広がって終に肝臓を犯した時合掌して数時間に亘って只「ありがとうございます」という感謝と祝福の言葉を神に捧げている中に、気がついてみると胃癌が完全に消滅していたという体験を述べられた事があるのであります。

 病気が治るのは、吾々にとって、凡ゆる不幸が癒されるという事の象徴に過ぎないのであります。
皆さん、本書を読んで新しい生活に出発するに当たって、自分の身辺にどんな小さな事柄にも感謝と祝福とを実践する事から始めようではありませんか。

今回にて第二十六章は完、次回から第二十七章 「表現と芸術美の世界」です。

      <平成28年5月13日 謹写> ありがとうございます 合掌。


尊師・谷口雅春先生著『善き人生の創造』(平賀玄米様御謹写)のリンク (1481)
日時:2016年05月13日 (金) 12時51分
名前:水晶


 いつもほんとうにありがたく読ませて頂いております。
 前回同様、マリーゴールド様の御投稿を元にリンクを追加して貼らせていただきます。

善き人生の創造「目次・はしがき」
http://bbs5.sekkaku.net/bbs/?id=yuyu6&mode=res&log=90


善き人生の創造「第一章 善き生活の創造原理」
http://kaerou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=15378114


善き人生の創造「第二章 生命の不可思議」
http://kaerou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=15388555


善き人生の創造「第三章 幸福の門を開くには」
http://kaerou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=15411570


善き人生の創造「第四章 平和への第1か条」
http://kaerou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=15438445



善き人生の創造「第五章 大調和の生活」
http://kaerou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=15449068


善き人生の創造「第六章 “迷い”は無いと云うこと」
http://kaerou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=15457932


善き人生の創造「第七章 健康のための心理学」
http://kaerou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=15462218


善き人生の創造「第八章 人間は何のために生まれたか」
http://kaerou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=15472518


善き人生の創造「第九章 根を培うこと」
http://kaerou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=15477843



善き人生の創造「第十章 神にあずけて祈る心」
http://kaerou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=15482726



善き人生の創造「第十一章 女性の愛の力」
http://kaerou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=15489061



善き人生の創造「第十二章 常住の祈りと云うこと」
http://kaerou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=15501071




善き人生の創造「第十三章 人間は肉体ではない」
http://kaerou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=15512588



善き人生の創造「第十四章 業の浄化について」
http://kaerou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=15524152



善き人生の創造「第十五章 業を去り功徳をうるには」
http://kaerou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=15535550


尊師・谷口雅春先生著『善き人生の創造』第十六章「あなたは本来罪がない」
http://bbs6.sekkaku.net/bbs/?id=kaelou&mode=res&log=8


尊師・谷口雅春先生著『善き人生の創造』第十七章「自縄自縛からの解放」
http://bbs6.sekkaku.net/bbs/?id=kaelou&mode=res&log=41


尊師・谷口雅春先生著『善き人生の創造』第十八章「わが魂の願いと祈り」
http://bbs6.sekkaku.net/bbs/?id=kaelou&mode=res&log=77


尊師・谷口雅春先生著『善き人生の創造』第十九章「成功のための心理学」
http://bbs6.sekkaku.net/bbs/?id=kaelou&mode=res&log=99


尊師・谷口雅春先生著『善き人生の創造』第二十章「繁栄を来たらすための信仰」
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尊師・谷口雅春先生著『善き人生の創造』第二十一章 <致富原理の中心となるもの>
   http://bbs6.sekkaku.net/bbs/?id=kaelou&mode=res&log=159


尊師・谷口雅春先生著『善き人生の創造』第二十二章 <繁栄の豊かなる流入>
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尊師・谷口雅春先生著『善き人生の創造』第二十三章< 不景気に処する道>
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尊師・谷口雅春先生著『善き人生の創造』第二十四章 <クラーク教授の「神に近づく道」>
http://bbs6.sekkaku.net/bbs/?id=kaelou&mode=res&log=235


尊師・谷口雅春先生著『善き人生の創造』第二十五章<家庭幸福の心理学>
http://bbs6.sekkaku.net/bbs/?id=kaelou&mode=res&log=277


尊師・谷口雅春先生著『善き人生の創造』第二十六章<新生活への出発>
http://bbs6.sekkaku.net/bbs/?id=kaelou&mode=res&log=292



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