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2011年10月15日 (土) 08時19分
志氣
過去記事〜(431) ブラジル情報 お届けします。

(431) ブラジル情報 お届けします。 投稿者:みすまる
ブラジルに精通した学者さんの書かれた文献です。

参考までに。。。。


二 日本の神道と仏教の流れ


 日本の神道と仏教の各派は、日本人移民とともにブラジルの社会

に入っていったが、伝統的な神道、仏教の各派は、日系人移民社会

の中に止まっている。だが、日本の新興宗教と云われるものは、日

系人の枠を乗り越え、もちろん宗派によって異なるが、八割はブラ

ジル人を捉えるようになっている。


 日本の新興宗教は、大きく分けると次のようになる。


 ?神道系 天理教

 ?仏教系 創価学会、立成校正会、霊友会

 ?シンクロチズム(混合宗教) 

 生長の家、PL教団、世界救世教、

      

 各宗派の教義と実勢力がどれくらいであるかは分からないが、日

系新聞には、よく各派の大会報告や宣伝が載るので、それをもとに

一、二紹介すると、次のようになる。

 

 「生長の家」の場合

 1934年、サンパウロの内陸部の寒村でコーヒー

園を経営していたある日系人家族がアメーバ赤痢という風土病に罹

った。そのとき、彼は友人から谷口雅春の『生命の実相』の第一巻

をもらった。そしてそれを読む中で「病気は本来なく、現在、過

去、未来という三界は所詮、こころの所現であって、こころ以外に

実在はない」という考えに共感、そのうちに病気が治った。この奇

跡をもとに彼らは、布教に邁進、結果として今日のブラジル「生長

の家」の興隆をみるに到ったと云う。

 現在、教化支部は120ヶ所、また拠点は3,000ヶ所、信徒

を指導する講師は、約4,500名、信徒数は、260万人を越

え、90パーセントがブラジル人であるという。

 『生命の実相』は全二十巻あまり、膨大な教義書である。詳しい

ことは分からないが、谷口氏の教えは、「原始的な唯心論」に乗っ

ているというものの、仏教と神道の教えの上に、一部、聖書を引用

し、フロイトの心理学なども応用している。説く方法は違っても

「真理は一つ」であると主張し、「他宗教との共存」をうたってい

る。

 それがゆえに日系人は「よき日本人」になるために入会するが、

ブラジル人は「よきカトリック教徒」になるため入会するという。

また別の言い方をすれば、生長の家は、宗教ではあるが、同時にそ

れ以上、哲学・人生観であることが強調されている。それゆえ既存

の宗教を捨てることなく、それを補完するものと捉えていくなら

ば、家族や職場、あるいは共同体の人々となんら抵触なく生きてい

けると説いている。

 


 「世界救世教」の場合

 1962年にアマゾンに入植した一人の女性教師によってブラジルでの宣教が始まった。現在の信徒数は、35万人、7割は青年層ということである。活動の舞台は、643ヶ所に及ぶ「浄霊センター」で、それに共鳴する人が年間300万人訪れるという。

 この宗派の特徴は、一種の自然主義で、人類を大自然の法則、宇宙の律法、神の意志に従った生活に戻らすことがその教理の中心である。そして宗教的実践としては「浄霊」という行為がその中心で、病気になった人たちをこれによって癒す。

 副業として、この自然主義に乗っ取り、無化学肥料、無農薬による自然農法を進め、そこで出来た自然食品を売り、そこで得た利益をもとに、社会福祉に献金し、また茶道や華道を教えている。

 現在の教師は24名、教師補は300名、助師が722名。助師から教師補への試験は毎年行われているということであるが、教師補から教師への試験は、大変厳しく、十年に一回ということである。二日に渡る厳しい書類審査とテスト、その上、面接の段階では、「布教師としての人格、布教力、好感度などが問われる」ということである。


 以上、日本の宗教系として二例を見てきたが、これらの宗教は、混合宗教として、カトリックとの違いというものを強調していない。

 「解放の神学」は、スラムやファベーラなどの貧しい人々を解放すべく「貧富の差」の社会問題に取り組んだ。

 それに対して「ペンテコステ派」の場合は、社会の底辺にいる者が、どのようにして社会の上に這い上がるかという「立身出世、繁栄の問題」に取り組んだが、逆に社会改革にはほとんど無関心であった。

 日本の新興宗教の場合は、日本人のもつ自己主張の弱さのためか、むしろどの階層にも帰属意識のない一般大衆を捉え、現実的な生活の向上を計る自力救済型倫理宗教として伸びてきた感じが強い。

 特に冷戦構造が終わり、イデオロギーのないグロバリゼーションの世界を向かえるに当たっては、日本のこれらの自助努力型の宗教は、「伝染性」を増し、伸びていく可能性がある。

 

 創価学会の場合は、91年度の段階で約15万人のひとが登録しているということであるが、この創価学会のみは、日本の信仰宗教の中では、自己主張、及び政治的色彩が強い。そうした意味において、この宗派のみは、ブラジルの政府も警戒の目を光らせているということを聞いたことがあるが、他宗教の場合は、恐らく日系人の信徒を除けば、ブラジル人の大部分は、カトリックの教会に通いつつ、必要に応じてこれらの宗派にも出入りするといった複合志向が強いと思われる。

 いずれにせよ、日本は単に経済力での輸出商品だけではなく、日本の宗教も特にこのブラジルには世界的規模で輸出しているのである。

 


       三 結論

 

 いままでブラジルに於ける民衆宗教の多面的な要素を見てきた。

 民衆宗教には、「病気癒し」に象徴される社会の底辺部にいる人たちの悩みが中心である。もちろん、病気以外にも、失業、離婚、家庭内騒動、子どもの教育、売買春、麻薬、暴力などの問題も含まれている。

 カトリックでもプロテスタントでも、歴史の変遷とともに高度に教義化、倫理化された教えにおいては、これらの問題は影を薄め、「どう生きるか」というより倫理的、道徳的な面が強くなっている。だが、現実の社会の底辺に行けば行くほど、今日の社会でも先の述べた問題が山積みされている。

 でも、改めて福音書を繙いてみると、イエスの生き方においても、これら民衆に対する癒し、慈善、悪霊の追放など、愛の奇跡に満ち満ちている。そうした意味において、もう一度民衆宗教の意味合いを考え直し、宗教のもつ意味合いについて考え直してみる必要があるのではないかと思った。


 参考文献

 2001年12月19日号『ベージャ』

   「ブラジルを動かす信仰」という特集記事

 2001年3月6日『イストエ』

   「幸福の実践、仏教」という特集記事

 G・アンドラーデ、中牧弘充著

   『ラテン・アメリカ宗教と社会』(新評論)

 東長人、パトリック・ガイスラー著

   『ブラジルの心霊治療、奇跡を操る人々』(荒地出版社)

 村上重良著『日本の宗教』(岩波書店)



2011年08月10日 (水) 18時10分




2012年07月19日 (木) 21時15分




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