阪神は10日、ヤクルトから自由契約となったセス・グライシンガー投手(32)の巨人入りが確実となり、代役となる外国人投手獲得に乗り出した。候補者リストの筆頭に、米大リーグ・マリナーズのジェーソン・デービス投手(27)。有力候補に、同ロイヤルズのスコット・エラートン投手(31)と、ジャイアンツのスコット・アチソン投手(31)を置き、近日中に本格的な獲得交渉に入る。
グライシンガーは巨人に奪われたが、猛虎に下を向いている時間はない。グライ巨人有力の情報を得た9日深夜に米国のグライシンガー側に問い合わせを入れ、この日早朝に契約が難しいことを確認。東京都内で取材に応じた南球団社長は、その巨大補強を進める宿敵を倒すため「早急に、新たな先発投手を獲りにいきます」と宣言した。
その“代役グライシンガー”の筆頭候補と目されるのが、マリナーズからFAとなったジェーソン・デービス投手だ。
今季はマリナーズで24試合に登板、2勝0敗の無敗男。メジャー通算20勝を挙げている本格派右腕だ。ここ3年は9勝4敗と安定感を増している27歳の“米国版・松坂世代”。年齢的にもさらなる飛躍が期待できるとみて、球団が白羽の矢を立てた。獲得となれば、同年代の藤川、久保田とともに、虎投の柱となることは間違いない。
続く有力候補には、ロイヤルズからFAとなったスコット・エラートン投手。今季はロイヤルズで2勝4敗と苦しんだが、メジャー通算224試合に登板して56勝を挙げており、実績的にはデービスよりも上で、このため高額な獲得資金が必要となる。
ただ、球団はグライ資金が浮いたこともあり、この日、沼沢球団本部長も「思い切ったことも考えている」とし、展開次第ではメジャー56勝右腕の獲得にシフトする可能性もある。
また今季ジャイアンツで22試合に登板(勝敗なし)したスコット・アチソン投手も有力候補。今季は3Aでは53・2イニングを投げ51奪三振を記録している。いずれにしても球団は、近日中に本格的アクションを起こし、メジャー右腕獲得で今オフ大補強を締める。